特別定食のフルコース … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)
週に少なくとも2回は「はまや食堂」で夕食を食べている。多いときは週に5回(平日は毎日)くることもあります。
『普通においしいものが、手ごろな値段でいただける』。それこそが、大衆食堂が『大衆』たるところであり、大衆食堂の大きな特長でもあります。「はまや食堂」もまさにそうです。
店内に入ると、店主ご夫妻の一所懸命さがビンビンと伝わってくる。
食堂でも、酒場でも、名店と言われる店はすべて、店主の一所懸命さが店に、そして客に伝搬している。店の空気がビシッと張っていて、ダレていないのです。
『一所懸命さ』はどういうところに感じるのか。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」は、きちんと客の顔を見ながら言う。
忙しくて手が離せないときにも、『あなたが注文しようとしていることはわかってますよ』ということを言葉や態度できちんと示し、けっして客を無視しない。
この店の女将の場合、忙しくて手が離せないときは「ただいまうかがいますね~」と、その人を見て声をかけます。
「しばらくお待ちください」と命令調に言われるよりも、「ただいまうかがいますね~」と言われたほうが、こっちも「はいはい~」という
そしていつも客に気配り、目配りをしながら、いつも何かしら働いている。ボォ~ッとしてたり、(客をほっといて)お店の人同士で談笑してたりなんてところは見たことがありません。
この店の場合、注文の間違いや、料理の出し間違いがほとんどない(少なくとも今まで通っているなかでは1度もなかった)というのもすばらしいことだと思います。
今日も今日とて、サバ塩焼きの特別定食(980円)を、副菜を3品すべてもらって(+200円)、ごはんは小(-20円)で後から出してもらうようにお願いして、大瓶のビール(キリンラガー、480円)をだしてもらいます。
こう注文しておくと、特別定食に付く複数のおかずを、できた順に、ゆるゆると出してくれるのです。
お通し(サービス)の枝豆に続いて、まず出てきたのは「小松菜おひたし」(単品なら200円)。軟らかくなり過ぎないようにゆでられた小松菜のシャキシャキ感が、今日もやっぱりいいですねえ。
2品めの副菜である「揚げ豆腐」(単品設定なし)は自家製。揚げたてで、熱々なのがいい。冷たいビールも進むなあ。
3品めの副菜は「じゃが煮付け」(単品なら200円)。煮付けは、この店の名物料理のひとつ。主となる食材は日替わりながら、毎日必ず、なにかの煮付けが用意されているのです。
本日のメインディッシュ、サバ塩焼き(単品なら530円)が出たところで、ちょうどビールも飲み終えて、お酒(爛漫)の大きいの(大徳利、500円)を、ぬる燗で注文します。
この時点で、入店から約40分が経過。大瓶ビール1本で、ゆ~っくりと、このくらいの時間を過ごします。
サバ塩焼きは、サバの半身分が出されるので、これだけで十分、大徳利の燗酒がいけるんですねえ。添えられた大根おろしも辛くてうまい。
サバ塩焼きも、大徳利1本も、もうすぐなくなりそうというタイミングで、
「小ライスとみそ汁のセットをお願いします」
と声をかけ、注文時に「あとで」とお願いしておいたごはんを出してもらうことにします。味付け海苔(2袋50円)も追加注文。単品ならば小ライス(お新香付き)は150円、みそ汁(おとうふ汁)は80円です。
すぐに出される小ライスセット。入店からは1時間15分が経過しています。
この店もそうですが、大衆食堂の場合は、大衆酒場や居酒屋などとは違って、店の人と客が話をしたり、客同士が話をしたりということは、ほとんどありません。だから、ひとりでゆるゆると時間をかけて飲むには、ある程度の慣れ(=『ひとりで呑む』ということへの慣れ)が必要なのです。
慣れていない場合は、今回ご紹介したような、『大衆酒場のフルコース』的な飲み方ではなくて、『ちょいと晩酌コース』的な飲み方がいいんじゃないかと思います。
『ちょいと晩酌コース』というのは、普通の定食を注文しておいて、そのできあがりを待つ間に、大瓶ビール(480円)や中瓶ビール(430円)などを1~2本ほど飲むというやり方。たとえば、
「豚肉しょうが焼き定食(650円)をください。あと大瓶のビール(480円)ね」
といった注文の仕方になります。ビールではなくて、日本酒(小280円・大500円)をもらったり、納豆(100円)や冷しトマト(150円)などの副菜類を追加注文したりする人もいます。
特に「ごはんはあとで」とお願いしておかない限り、主菜と同時に、ごはんやみそ汁も出してくれますので、『大衆酒場のフルコース』に比べると、ずいぶん短い時間で食べ終えることが可能なのです。
実はこの『ちょいと晩酌コース』的な飲み方をされる人が、比率的にはもっとも多いようですね。その次が、おかずをつまみにお酒を飲むだけで、ごはんは食べない『本格飲みタイプ』。比率的には一番少ないのが『大衆酒場のフルコース』的な飲み方です。
デザートのフルーツ(特別定食に付いてくるもの)も食べ終えて、1時間40分ほどの滞在。今日のお勘定は2,190円でした。どうもごちそうさま。
「はまや食堂」を出て、トコトコと単身赴任社宅に向かう帰り道。そらには十五夜の満月だ。
あぁ、よく食べた、よく飲んだ。今夜も満腹じゃ!
大瓶ビールとお通しの枝豆 / 小松菜おひたし / 揚げどうふ
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コメント
美味しそう(^^)
最後のセットがまたいいな~。
大瓶、浜田さんなら早いだろうな・・・。
わたしは1時間と少しかかるよ!
投稿: ここちき | 2013.09.25 17:40
浜田さんのブログを見て以前から是非行きたいと思っていましたが、ちょうどこの日横須賀に出張だったので、帰りに途中下車して伺いました。
多分、浜田さんだろうなぁと思いましたが、こちらは一見の身でしたし、一人飲みを楽しんでおられるようだったので、声をお掛けしませんでした。
それにしても、居心地よくゆっくり自分のペースで過ごせるいいお店ですね。また是非伺いたいです。今度浜田さんにお目にかかれたら、声をお掛けしたいと思います。
私もブログに掲載しましたので、よろしければご覧ください。
http://jungin2011.blog60.fc2.com/blog-entry-242.html
投稿: じゅん吟 | 2013.09.28 23:14