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金曜夕方のハツ生お酢 … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

ビール大とハツ生お酢


 都内での仕事が午後5時前に終わったので、グイグイとなるべく最短コースで立石に移動し、やってきたのは「宇ち多゛」です。

 店頭の行列はないものの、暖簾ごしにチラリと見える店内は、ほぼ満席状態。

 入れるかな?

 暖簾の内側の、行列ができていたとすれば先頭となる位置に立って、すぐ目の前の、カウンターの中にいる店主(二代目)に目礼し、店内にいるあんちゃん(三代目)に、「ひとりです」と、人差し指を立てて合図すると、

「左に入って」

 ということで、二の字の左端にかろうじて空いていた、残りの1席に滑り込むことができました。

 ビール(キリンラガー)の大瓶(540円)をもらって、最初に確認したのは

「ハツ生はまだありますか?」ということ。

 ここ「宇ち多゛」で、最後まで残っていることが多いのは、シロ、レバ、ガツ、アブラの4種類。

 私はいつも、土曜日の遅い時間(といっても午後12時半ごろ)に、やって来ることが多いので、この4種類以外は、たまぁ~にラッキーにもタン生が残っているぐらい。

 だから今日のように早くこれた日は、いつもは食べることができないハツ、カシラ、ナンコツなどを食べたいと思っているのです。

「あるよ。お酢入れる?」

「お願いします」

 ということで、無事に懸案の1品め、『ハツ生お酢』をもらうことができました。

 「宇ち多゛」のメニューには、もつ焼き(1皿2本180円)、煮込み(1皿180円)、お新香(1皿180円)という3種の料理しか並んでいません。

 ところがそのもつ焼き。実際には、カシラ(頭肉)、タン(舌)、ナンコツ(食道)、ハツ(心臓)、レバ(肝臓)、ガツ(胃袋)、シロ(腸)、テッポウ(直腸)、コブクロ(子宮)、ツル(陰茎)、アブラ(背脂)などがあります。

 味付けも、塩、タレ、素焼き(醤油)、味噌みその4種類が指定できます。

 味噌というのは、素焼きしたもつ焼きを、煮込み鍋にくぐらせて出してくれます。つまり、煮込みのみそ味がついたもつ焼きってことですね。「喜よし」や「秋元屋」のような味噌ダレがあるわけではありません。

 さらに焼き加減についても、普通の焼き加減(ミディアム)の他に、『よく焼き』(ウェルダン)、『若焼き』(レア)、『うんと若焼き』(ベリーレア)、『なま』(焼かない)などが指定できます。

 ネタはレバ以外は下茹でされているので、『生』といっても本当の生で出されるわけではありません。(レバの『生』は注文できません。)

 注文の最後に、お酢をかけるかどうかを指定することができるのは、「宇ち多゛」ならでは。

 これらを、必要に応じて順に組み合わせて注文します。

 たとえば『レバ・塩・うんと若焼き』、『ガツ・素焼き・お酢』って感じです。

 続いては、『ナンコツたれ』と『お新香・ショウガのっけて・お酢』を注文。

 後者は、『お新香(大根ときゅうりのぬか漬け)に、紅ショウガを多めにのせてもらって、醤油の他にお酢もかけてください』という注文です。こうやって注文すると長くなるので、それを短く、かつ間違いなく通すために、呪文のようなたのみ方が確立してきたんですね。

 そして出てきたナンコツたれ。ずっしりとした大きさが「宇ち多゛」ですねえ。久しぶりのナンコツがうまいっ!

 とそこへ、「カシラ、なくなった」の声。

 ガビ~ン。

 さっきナンコツを先に注文するか、カシラを先に注文するか、ちょっと迷って、気分的により食べたかったナンコツにしたのでした。

 カシラのほうが先に無くなっちゃうんじゃないかという不安はよぎったのですが、やはりカシラから売り切れましたか。残念。

 しかし、今日はハツ生とナンコツが食べられたのでOKとしましょう。

 ビールを飲み干したところで焼酎の梅割り(180円)を注いでもらって、おもむろに煮込み(180円)も注文します。

 ここの煮込みは、野菜も何も入っていない、豚もつ100%の煮込み。いろんな部位が入っているのがいいんですよねえ。

 煮込みとお新香をつまみながら、梅割り(180円)もおかわりです。

 この時点で、お新香もキュウリはなくなって、大根だけになりました。まだ6時前なのに、すごいなあ。

 4皿(もつ焼き2、煮込み1、お新香1)いただいて、お腹もけっこうふくらんできました。

 ここの常連さんたちの間には、『さんさら、にーはん』なんて言葉もあるようです。

『おかず(もつ焼きや煮込み)を3皿いただいて、焼酎を2杯半飲む』

 これが『さんさら、にーはん』で、お勘定はちょうど千円になります。(半分の焼酎は100円で、最後の1杯という時にしか注文できません。)

 毎日のように来ている人たちには、このくらいの量がちょうどいいということなんでしょうね。

 めったに来れない私なんかは、せっかくの機会にできるだけ詰め込んで帰ろうと、ついがんばってしまいます。

 3杯めとなる梅割り(180円)をいただいて、5皿めのおかずは、『アブラとガツ、1本ずつ、お酢』。

 1本ずつを盛り合わせてもらうことができるのは『生』の場合のみ。したがって、この注文は『アブラの生と、ガツの生を1本ずつで1皿にしてもらって、醤油の他にお酢もかけてください』ということになります。

 う~、かなり満腹。今日は5皿と、ビール大瓶1本に、焼酎3杯で、今日のお勘定は、豪勢に1,980円でした。大満足! どうもごちそうさま。

130906a 130906b 130906c
ハツ生お酢 / お新香ショウガのっけてお酢 / ナンコツたれ

130906d 130906e 130906f
焼酎梅割り / 煮込み / アブラとガツ1本ずつお酢

店情報前回

《平成25(2013)年9月6日(金)の記録》

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コメント

いつの日か、必ず行くぞ。と思っている「宇ち多゛」です。この御時世でも値段を上げないのは、すごいですね。

投稿: 仙台おおぽん | 2013.09.09 22:22

5皿とはすごい!ボクは3皿でかなりお腹いっぱいになってしまうようになりました。なぜか、お腹空かせていってももつ焼きはすぐにお腹がいっぱいになってしまいます。なぜでしょう・・・

投稿: uchidahlic | 2013.09.10 00:17

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 ちょっと出遅れて、立石の「宇ち多゛」に到着したのは午後1時前。  土曜日は裏口からしか入れないので、大急ぎで裏口側へと回ってみると、行列は4人(2人連れ×2組)。その後ろに並ぶとすぐに、店内から2人連れが2組出てきました。 「シロしかないけどいい?」  店内から顔を出したソウさん(店員さん)が、並んでいる我われにそう確認し、順番に店内へと案内されます。  ひとり分の席は、もともと空いていたようで... [続きを読む]

受信: 2013.11.13 00:11

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