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2013年10月

黙って座れば肴が出る … 「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)

たら豆腐


 燗酒がおいしい季節になってきたからか、金曜日の「武蔵屋」は、いつにも増して満席模様。

 奇跡的に空いていた、小上がり入口の2人用卓の向かい側(壁ぎわじゃない側)に相席させてもらって、これで「武蔵屋」は満席です。

 「最初に小瓶のビールをお願いします」

 いつものとおり、キリン一番搾りの小瓶(500円)からスタートです。

 寒くなってきても、最初の1杯は、やっぱりビールがいいですね。小瓶(350ml)は量的にもちょうどいい。

 その後は、いつもの燗酒3杯と、定番の料理5品のセット(2,500円)で、ゆっくりと『酒場浴』。これが本当に落ちつくんだなあ。

 「次に何を注文しようか」なんてことすら考える必要がない。

 出されるままに飲んで、出されるままに食べて、3杯のお酒を飲みきったら終了です。

 こういう、ある意味、「完全におまかせ」的な酒場が、私には合っているようです。

 このタイプの酒場と最初に出会ったのは、今から30年近く前。広島の「爐談亭ろだんてい」という酒場でした。

 薄暗い店内は、板敷きの大広間。奥に座る店主の前に炉が切ってあって、客は板の間の三方の土間に置かれた椅子に座ります。炉を真ん中に、広いコの字カウンターがあるような感じですね。

 そこに座って、客が注文するのは飲み物だけ。

 料理は週替わりで、歳時記やその週の季節行事にちなんだ一汁五菜膳いちじゅうごさいぜんが出されます。これが当時、1,500円でした。閉店間際の昨年は、1,890円だったようですので、この30年間、あまり値上がりしなかったってことですね。

 この膳をつまみに、お酒をいただくのです。

 当時、私は20代の半ばだったのですが、それでもこの酒場はくつろげたなあ。

 その後、東京に転勤になり、「爐談亭」と同じような酒場がないものかと探していたのですが、なかなか出会うことができませんでした。

 今から13年前、やっと出会った酒場が、ここ「武蔵屋」だったのです。

 当たるときには当たるもんで、それから2ヶ月後に初訪問した神楽坂の「伊勢藤」も、黙って座れば一汁四菜の肴が出る。しかも飲みものは日本酒しかないというストイックさで、これもまた、はまりましたねえ。まさに『酒道』です。

 ゆ~っくり、の~んびりとくつろいで2時間弱。今宵のお勘定は3,000円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成25(2013)年10月18日(金)の記録》

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私の『もつ焼き』原点 … やきとり「たつや」(恵比寿)

辛子ミミガーでホッピー


 10月21日に放送された「吉田類の酒場放浪記」で、恵比寿の「たつや」が紹介されました。

 放送開始から今年で10周年となるこの番組。恵比寿の「たつや」ほどの有名店が、まだ紹介されてなかったんですねえ。驚きました。

 それと同時に、自分自身も、4年ぐらいごぶさたしていることに気がついた。

 幸いなことに「たつや」は、年中無休で営業中なので、思い立ったが吉日。さっそく行ってみることにしました。

 店に着いたのは午後7時前。

 日曜日ということもあってか、入口のガラス戸越しに見える店内は、『ガラ~ンとしてる』といっていいほど客が少ない。

 (「酒場放浪記」の放送直後なのに、どうしたのかな?)

 と思いながら、入口引き戸を開けて店内に入ると、

 「すみません。今日はもうツクネとフランクしか残ってないんですよ。それでもかまいませんか?」

 と焼き台のおにいさん。なるほど、そういうことだったのか。

 まあしかし、4年ぶりでもあるので、ちょいと1杯でも飲んでいきましょうか。

 「ええ、いいですよ。ホッピー(450円)をお願いします」

 「はいよっ」

 すぐに出されるホッピーは、正しき3冷ホッピー。それをまずグッとひと口飲んでから、

 「ツクネをタレでお願いします」

 ツクネは1本170円。注文は2本からなので、この注文で2本340円となります。

 注文した2本のツクネが焼き台にのったところで、これが焼きあがるまでのつなぎのつまみを探します。

 「ガツ刺し(360円)もないんですよね?」

 「ガツ刺しも売り切れたんですよ。辛子ミミガー(400円)はあります」

 「じゃ、それ。ミミガーをください」

 「はい」と返事したおにいさん、冷蔵庫の中からミミガーの入ったお皿を取り出しながら後ろを振り返り、他のスタッフたちに「ミミガー出ます。これでヤマです」と伝えます。

 おぉ。ミミガーもこれで売り切れましたか。まだ7時なのに、すごいなあ。

 「週末は市場が開いてないんで、金曜日に仕入れた分で、土・日もやっていかないといけないんですよ。この週末はお客さんが多くて、いつもより早く品切れになってしまいました」とおにいさん。

 なるほど。これほどの有名店でも、やっぱり「酒場放浪記」効果が出てくるんですね。

 私の後からも、続々と新たなお客さんが入ってきますが、「ツクネとフランクしかありません」ということを聞いて、7~8割ぐらいのお客さんは残念そうに帰っていきます。でも、残る2~3割は、「それでもいいですよ」と入ってきて、次々にツクネやフランクを注文します。

 ここ「たつや」や、近くの「縄のれん」(現在改装工事中)や「徳ちゃん」などと共に、私にとって『もつ焼きの原点』とも言える店のひとつ。

 特に「たつや」は、いわゆる『やきとん』(豚モツの串焼き)に目覚めた最初の店でもあるのです。

 「たつや」に最初に入ったのは、たしか平成8(1996)年のこと。

 仕事の関係で、学生時代の同級生・K君とばったりと出会い、その帰り道にK君に連れてきてもらったのが、ここ「たつや」だったのです。

 学生時代から、焼き鳥と日本酒が大好きだったK君。そのK君が、

 「この店の焼き鳥がうまいっちゃ!」

 と自信を持って連れてきてくれた「たつや」。品書きを見ても、何が何やらわからないので、

 「おすすめのを注文してよ」

 とK君に完全に下駄を預けたところ、K君がまず最初に注文してくれたのが、ガツ刺しと、ハラミとタンの焼き鳥だったのです。

 私はもちろんのこと、K君自身も、ガツや、ハラミ、タンが、豚モツであることは、当時は全く知らなかったんだそうです。

 「ガツ刺しは絶対におすすめ。この店に来たら、これは必ずたのまないかんばい!」

 と教えられて、その後、この店に来るたびに、必ずガツ刺しを注文したものでした。

 K君にはじめて連れられてきた14年後に、まさか「もつマニア」(2010年2月、メディアパル)を監修できるほど『もつ好き』、『もつ焼き好き』になろうとは、当時の私たちには知る由もありませんでした。K君には大感謝です。

 それはそうと、なかなかツクネが焼けてきませんねえ。どうしたのかな?

 そう思いながら、ミミガーをつまみにホッピーを飲んでいると、焼き台の上のツクネは、すべて注文したお客さんのところに出て行って、すっかりなくなっていまいました。

 ありゃ、こりゃ忘れられたに違いない。

 なにしろ、みんなツクネかフランクしか注文できないので、焼き台の上にはその2種類が、それぞれずらりと並んでいて、どれがだれのかよくわかんない状態だったですもんねえ。

 ま、そんなときもあらあな。今日はここまでにしときましょう。残りわずかなミミガーとホッピーを、グイッと空けてお勘定。

「ツクネは来なかったんですよ」

 この店では、注文した時点で、伝票にその品が書き込まれるので、ツクネの分ははずしてお勘定をしてもらいます。

「あ…! それはどうもすみませんでした」とおにいさん。

 いやいや、今度また、ネタがたくさんありそうなときに改めて来ますね。

 今日のお勘定は850円。25分ほどのサク飲みでした。どうもごちそうさま。

131027f 131027g 131027h
やきとり「たつや」 / 辛子ミミガー / ぐりぐりとかき混ぜていただく

店情報前回

《平成25(2013)年10月27日(日)の記録》

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秋田産・長芋とんぶり … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)

長芋とんぶり


 「秋田直送! 長芋とんぶり」

 と書かれたメニューに引かれて、今日は、その長芋とんぶり(単品だと250円)が副菜に付いた、特別定食(980円)をもらって、『大衆食堂のフルコース』としゃれ込むことにします。

 『大衆食堂のフルコース』というのは、本来であれば、すべてがひとつのお盆で出される定食を、おかずができた順に出してもらいながら、それぞれを酒の肴として楽しみながら、最後にご飯とみそ汁、そしてデザートのフルーツで〆るというやり方。

 別に特殊なことではなくて、ここ「はまや食堂」では、ビールやお酒を注文するとともに、

 「特別定食を、ライスセットは後からお願いします」

 とたのんでおけば、特別定食用の副菜2品、そして主菜1品を順番に出してくれて、最後のライスセットは、こちらが「出してください」とお願いしたときに出してくれるのです。

 味がおいしいのはもちろんのこと、こういう出し方をしてくれるところも、私が「はまや食堂」にはまり切っている理由のひとつですね!

 今日の特別定食(980円)の主菜は豚肉生姜焼き。副菜はブロッコリー、小松菜おひたし、長芋とんぶりの3品から2品を選びます。

 秋田直送の「長芋とんぶり」は絶対にもらうとして、もう1品を、ブロッコリー(単品200円)にするか、小松菜おひたし(単品200円)にするか。

 追加料金(単品価格分)を払って3品とももらう手もありますが、今日はちょっと思うところもあって、小松菜おひたしは断念して、ブロッコリーをもらうことにしました。

 そしてライスセットは、「小ライス(-20円)で後から」とお願いしておきます。

 飲み物のほうは、まずは大瓶のビール(キリンラガー、480円)から。

 お通し(サービス)として出される、少量の枝豆でビールを飲んでいるうちに、1品めの料理、ブロッコリーが出されます。

 小鉢にちぎったレタスを敷き詰めて、その上にブロッコリー。横にはマヨネーズがたっぷりと添えられます。

 毎回のように書いていますが、ここ「はまや食堂」は、野菜のゆで加減が軟らか過ぎず、硬すぎず、最高にすばらしいのです。

 ブロッコリーもしゃっきり、ほっこりとした食感で、ブロッコリー本来のほのかな甘みを感じることができるのがいいよねえ。ここのブロッコリーは、本当にうまいっ。

 いつもは副菜、副菜と続いて、最後に主菜を出してくれるのですが、今日は主菜の豚肉生姜焼きと、残る1品の副菜である「長芋とんぶり」が同時に出されました。

 さすがわかっていらっしゃる。

 豚肉生姜焼きには冷たいビール、長芋とんぶりには熱燗が合いますもんね。

 ビールが残っている間に、できたて熱々の豚肉生姜焼きをいただいて、熱燗を大徳利(500円)でもらってから、長芋とんぶりに向かいます。

 とんぶりは、『畑のキャビア』とも言われている品。千切りにした山芋の上に、そのとんぶりをのせて酢をかけ、ワサビが添えられています。

 これをグリグリとかき混ぜて、ズズッ、ズズズッとすすりながらいただくと、燗酒に合うこと合うこと。

 その長芋とんぶりが残り少なくなったところで、白菜漬物(180円)を追加注文します。

 実はこの白菜漬物が、今日の私の『思うところ』だったのです。寒くなってくると、白菜がどんどんおいしくなってくる。その白菜漬物で燗酒を飲みたかったのです。

 出された白菜漬物には、秋田名物・いぶりがっこも2切れ添えられていて、これがまた燗酒(秋田の「爛漫」)によく合っておいしいこと。白菜。正解だったなあ。

 お酒を飲みほしたところで、残しておいた小ライスセット(小ライス、みそ汁、漬物)を出してもらうと、サービスでちょいと付けてくれた「もずく酢」がいい。もずくが太いのです。

 最後に、特別定食に付いてくるフルーツ(今日はグレープフルーツ2切れ)をいただいて終了。やぁ、おいしかった。

 2時間ほどの滞在。お勘定は2,120円でした。どうもごちそうさま。

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お通し(枝豆)と大瓶ビール / ブロッコリー / 豚肉生姜焼き

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大徳利の燗酒 / 白菜漬物+いぶりがっこ / 小ライスセット+フルーツ

店情報前回

《平成25(2013)年10月29日(火)の記録》

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オムライスでホッピー … 大衆酒場「鳥万(とりまん)本店」(蒲田)

オムライス


 よ~し。今日はオムライスまでたどり着いたぞ。

 つまみにもなり、シメの食事にもなるオムライスは、なんと380円!

 焼きうどんや焼きそば、鮭茶漬けなども380円なので、オムライスのお得感が強いですよねえ。

 中に入っているケチャップライスは、チキンライスではなくてハムライスなんだけど、それもまたよし。ホッピーにも合いますねえ。

 この店でホッピーを飲むのは初めてなんだけど、かなりお得な飲みものであることを発見しました。

 最初に注文するホッピーセットは370円。白と黒とが選べます。

 焼酎は氷入りのジョッキに2/3ほど入っていて、そこに瓶のホッピーを入れて仕上げます。

 その最初のホッピーがなくなりかけて、改めてメニューを確認してみると、ホッピーセット(370円)と、ホッピーびん(180円)はあるんだけど、焼酎のおかわり(ナカ)がありません。

 「すみません。ホッピーの焼酎のおかわりはないんですか?」

 通りかかった店のおねえさんにたずねたところ、

 「中身なかみですね。は~い、ありますよ。お待ちください」

 と返事をしたおねえさん。伝票の「焼酎ハイボール、ハイサワー290」と書かれた欄に、「一」の印(「正」の字の最初の横棒)をピッと書きこむと、空いたジョッキを持って奥にさがります。

 (ぬわにぃ~っ。焼酎だけなのに、酎ハイやサワーと同じ値段なんかいっ。こりゃ高いなぁ)

 と思いながら待っていると、「はいどうぞ」と出されたのは、氷をぎっしりと入れてくれた先ほどのジョッキと、それとは別にコップ1杯(1合)の焼酎です。

 その焼酎を、半分ぐらいジョッキに注ぎ入れると、最初に出てきたのと同じく、ジョッキの2/3ぐらいになりました。

 考えてみたら、そうですよねえ。コップ半分で約90ml。通常のナカ1杯分と同じくらいの量です。

 ということは、このコップ1杯の焼酎(290円)は、ナカ2杯分。だとすると、ナカ1杯は145円か。これは安い。

 ついさっき『高いっ』と思ったばかりなのに、コロッと変心。

 そりゃそうだよなあ。いろんなものが安い「鳥万本店」にあって、ホッピーのナカだけが高いわけがない。

 2杯めのホッピーを飲み干すと、おねえさんに氷のおかわり(無料)をお願いして、コップに半分残っていた焼酎をジョッキに入れ、瓶入りホッピーの残りを入れると、ちょうどすりきりいっぱいのホッピーができあがり。

 つまり、最初のホッピーセット(370円)と、おかわりの中身(290円)で、3杯分のホッピーが作れた(ソト1ナカ3)ってことですね。となると、ホッピー1杯あたり、220円ってことか。すばらしい。

 日曜日の今日、都内の自宅から横浜の単身赴任社宅に向かいながら、蒲田駅で途中下車して「鳥万本店」に到着したのは、午後8時前。

 1階カウンター席の奥のほうに座り、ホッピーセット(370円)とサービス(200円)を注文。

 サービスというのは、『今日のサービス品』の略で、必ず200円。刺身だったり、コロッケだったりするわけですが、かなりお得な価格設定であることは間違いないので、ほとんどの常連さんは、店に入ってくるなり「サービス!」と注文するのでした。

 ちなみに今日のサービスは、なんこつ唐揚げ。

 そのサービス品が届くまでの間は、お通しとしてあらかじめ席に置かれている、小袋のの豆菓子(50円)をつまみながら待ちます。今日の豆菓子は「わさびグリーン」です。

 そして出されたサービス(なんこつ唐揚げ)で1杯めのホッピーを飲み干して、中身(290円)をもらって注文した料理が、なすみそ炒め(320円)。なんとなく、なすが食べたかったのです。

 なすみそ炒めは、なすがメーンで、少量の豚肉。味付け(みそ味)が濃くて、「つまみ力」が強い一品に、ホッピーも進む進む。

 最後にジョッキに氷を追加してもらって、3杯めのホッピーのつまみに注文したのがオムライス(380円)だったのでした。

 オムライスもまた、この店の名物のひとつ。

 最初に書いたとおり、つまみにも、シメの食事にもなる一品で締めくくって、1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は1,610円でした。どうもごちそうさま。

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「鳥万本店」 / 豆菓子とホッピーセット / サービス(なんこつ唐揚げ)

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中身(焼酎)おかわり / なすみそ炒め

店情報前回

《平成25(2013)年10月27日(日)の記録》

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市場ちらし丼で昼間酒 … 「市場食堂(いちばしょくどう)」(金沢文庫)

市場ちらし丼


 金沢文庫に、昼から行列ができる定食屋があるという話を聞いて、台風で会社が臨時休業になった今日、やってきました。

 台風は深夜から午前中の間に通り過ぎて、午後は普段の状態に戻ったのです。

 やって来たのは、京急・金沢文庫駅のすぐ近くにある、「市場食堂」です。

 台風がやってきた平日なので、すいてるかと思いきや、午後1時の店内はほぼ満席状態。(あとで店内の常連さんたちの反応を観察したところ、これでもいつもよりはうんと空いてる状態のようです。)

 「こちらにご相席でどうぞ」

 と案内されたのは、4人掛けのテーブルに、既におじさん3人が座っている、残りの1席。

 「すみません。相席させてもらいます」と他の3人に声をかけながら、その席に座り、まずは瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶、500円)をもらって喉を潤しながら、おもむろにメニューを確認します。

 つまみになりそうな一品料理もいろいろとあるのですが、今日は夕方にも繰り出そうと思っているので、昼は軽めに飲み食いするつもり。

 メニューに載っているたくさんの料理は、魚料理が主体。それぞれおいしそうで、値段もリーズナブルです。

 かなり迷うラインナップのなか、初回の今日は、無難に、店名がついた料理を選ぶことにします。

 店名がついているのは、「市場スペシャル定食」(1,200円)と「市場ちらし丼」(1,100円)の2品。他の定食類(780円~980円が多い)よりは、ちょっと値が張ります。

 市場スペシャル定食は、天ぷらと刺身のセットで、『ボリューム満点!!』と注記されています。

 市場ちらし丼のほうは、酢飯の上に、『たっぷりと具だくさん!!』と注記された魚介類がのるようです。

 酒のさかなには、具だくさんのほうが向いてるかな。

 「すみません。市場ちらし丼をお願いします」

 「ご飯の量は?」と聞いてくれる、店のおねえさん。

 「少なめでお願いします」

 結果的にはこれが良かった。少なめでも、けっこうボリュームたっぷりで、やっと完食できたような次第。ここの料理は、すべてがボリュームたっぷりのようです。

 出てきた市場ちらし丼は、マグロが4~5切れに、サザエ、イカ、タコ、ホタテ、イクラ、タイ、甘エビ、そして玉子焼きと、まさに『具材がびっしり』と酢飯の上をおおっています。

 その丼以外には、みそ汁、お新香、昆布佃煮と、それぞれ魚にもなるおかずが付いています。

 「日本酒(400円)を熱燗でお願いします!」

 こうなると、やっぱり燗酒ですよね。

 ゆっくりと燗酒をすすりながら、市場ちらし丼をちびりちびり。

 店内は、何人かが帰れば、何人かが入ってきて、午後1時を回ってもなお、常に満席状態。これは人気店ですねえ。

 残念なのは、酒を飲んでる客が、私も含めて4人ぐらいしかいないこと。しかも、そのうちのひとりが、ものすごく酔っ払っていて、うるさいことこの上ない。(ちなみに店内は4人掛けテーブル×6卓の、全24席で、ほぼ満席です。)

 さっくりと1時間ほどの滞在。今日のお勘定は、ちょうど2,000円でした。どうもごちそうさま。

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「市場食堂」 / 市場ちらし丼(全体像) / 日本酒(燗)

店情報

《平成25(2013)年10月16日(水)の記録》

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店情報: 「市場食堂(いちばしょくどう)」(金沢文庫)

    市場食堂
  • 店名: 市場食堂
  • 電話: 045-785-9901
  • 住所: 236-0016 神奈川県横浜市金沢区谷津町379
  • 営業: 11:30-21:00(20:50LO)、日祝休
  • 場所: 京急・金沢文庫駅の東口階段を下りて、目の前のバス乗り場のところを右にUターンする感じで「すずらん商店街」に入り、2分ほど進んだ左手。駅から100mほど。
  • メモ: 定食はご飯、味噌汁、お新香付き。ご飯大盛100円増し、おかわり100円、味噌汁50円。丼は味噌汁、お新香付き。
    〔定食〕さば塩焼定食780、さば味噌定食780、ほっけ定食780、煮魚定食780、天ぷら定食1,000、まぐろブツ切り定食780、三色ブツ定食900、まぐろネギトロ定食780、まぐろキムチ定食780。
    〔セットメニュー〕肉じゃが定食(刺身付)980、豚生姜焼定食(刺身付)980、若鶏唐揚定食(刺身付)980、まぐろ中落ち定食(フライ付)880、まぐろブツとろろ定食880、大海老フライ特盛定食(3本)1,100、大海老フライ定食(2本)880、大海老フライセット(2本+ブツ)1,100、アジの刺身定食(フライ付)980、バラカツ定食(ブツ付)880、一口ヒレカツ定食(刺身付)1,100、アジフライ定食(ブツ付)880。
    〔ちょっと贅沢メニュー〕市場スペシャル定食(天ぷらと刺身)1,200、旬の刺身定食(5点盛)1,100、生ウニ丼とまぐろ丼(酢飯)1,200、いくら丼とまぐろ丼(酢飯)1,100、市場ちらし丼(酢飯)1,100、中トロ鉄火丼(酢飯)1,300、鉄火丼(酢飯)880。
    〔どんぶりもの〕まぐろ丼780、中トロまぐろ丼1,100、三色丼(まぐろ赤身、イカ、ホタテ)780、うなぎ丼1,100、穴子天丼880、まぐろネギトロ丼780、上天丼1,100、天丼880、野菜天丼780、海老と穴子の天丼830、海老天丼980。
    〔寿司(小鉢・味噌汁付)〕おまかせにぎり寿司980、中トロにぎり1,300。
    〔寿司セットメニュー〕天丼とにぎり寿司980、かき揚丼とにぎり寿司980、鰻丼とにぎり寿司1,080、穴子天丼とにぎり寿司980、野菜天丼とにぎり寿司980。
    〔ちょっとよくばりメニュー〕まぐろ丼と鰻丼980、まぐろ丼と天丼880、まぐろ丼と甘えび丼880、まぐろ丼とイカ・ホタテ丼880、甘えび丼とイカ・ホタテ丼1,000、まぐろ丼と野菜天丼880。
    〔一品料理〕おまかせ4個にぎり480、中トロ刺身850、生ウニ板盛980、アジの刺身・たたき各450、タコの刺身450、真ダイの刺身600、〆さば500、つぶ貝刺身380、赤イカ刺身450、甘えび刺身500、ホタテ刺身450、カンパチ刺身650、天ぷら盛合わせ850、穴子天650、キス天450、海老天800、マイタケ天400、野菜天500、若鶏の唐揚げ450、自家製塩辛300、市場海鮮サラダ780、豆腐としらすのサラダ450、トマトサラダ380、やっこ300、おしんこ300、めかぶ300、冷やしトマト300、月見とろろ300。
    〔飲み物〕生ビール(中ジョッキ)450/(グラス)300、アサヒスーパードライ(中ビン)500、レモンハイ400、ウーロンハイ400、日本酒400、生酒700、コカコーラ200、オレンジジュース200、ウーロン茶200。
    〔本日のおすすめ定食(ある日の例)〕新サンマ焼定食(冷やっこ付)780、生カツオ刺身セット(フライ付)980、大海老フライセット(ブツ付)1,100、バラカツセット(ブツ付)880、一口ヒレカツセット(刺身付)1,100、アジフライセット(ブツ、ミニ冷やっこ付)880、市場ちらし丼1,100、ミニ天丼とにぎり4カンセット980。(2013年10月調べ)

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大雨の日曜日なのに! … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

煮豆腐とホッピー


 せっかくの日曜日なのに、締め切った部屋の中にいてもドォーッという音が聞こえてくるほどの大雨。

 日曜日の楽しみである、横浜の単身赴任社宅へ向かう道すがらの「立ち寄り酒」すらむずかしそうな状況です。

 ネットで雨雲レーダーの画像を確認すると、午後7時過ぎには雨も弱まりそう。

 よしっ。じゃあ、それぐらいの時間に自宅を出て、近所の酒場でちょいと飲んでから、横浜に向かうことにしましょう。

 このところ、都内で飲むときにも、あえて老舗酒場に出かけていくことが多かったので、むしろわが家の近くの酒場にあまり行けてなかったのです。

 特に「秋元屋」なんて、2月に、年始のごあいさつに伺って以来、8ヶ月も行くことができていません。

 なにしろ「秋元屋」は、いつも『超』が付くほどの満席状態なので、ついつい近くの「秋元屋」出身者の店に行くことが多かったのでした。

 さすがの「秋元屋」も、こんな大雨の日ならば大丈夫でしょう。

 テレビを見たり、ブログの記事を書いたりしながら過ごしていると、7時半過ぎに、やっと雨が小降りになってきました。よしっ! チャンス!

 「秋元屋」に到着したのは午後8時。

 うへぇ~っ。それでも客が多いじゃないか!

 それでも、カウンター席にポツポツとすき間があるようなので、

 「ひとりです」

 と店内に入ると、向かって右、新店側のカウンター席の一角に案内してくれました。

 「秋元屋」は左右に2軒の店がとなりあって建っていて、入口は共通。

 向かって左側が、平成16(2004)年に創業した当時から続く、「秋元屋」本店。

 どんどん人気が出てきて、開店から5年後の、平成21(2009)年には、すぐとなりの空き店舗を改装し、「秋元屋」新店としたのでした。

 いま私が居るのが、その「秋元屋」新店のほうですね。

 飲み物はホッピーセット(400円)をもらって、焼き物はレバ、ハラミ、テッポウ(各120円)を1本ずつ、名物の“みそ焼き”で注文。焼き物を待つ間に煮豆腐(200円)ももらいます。

 煮豆腐は、大きな煮込み鍋で、もつ煮込み(380円)と一緒に煮込んだ豆腐です。ほかに同じ鍋でゆで卵を煮た、煮玉子(100円)もあります。

 「秋元屋」をはじめ、たいていのもつ焼き屋(やきとん屋)ではお通しは出ないので、しょっぱなの1品として、大鍋からサッとすくって出してくれる煮込み系の料理が最適なのです。

 「はい、レバです」

 目の前の焼き台から、焼きたてのレバが届きます。

 冷めてもおいしい“みそ焼き”ですが、やっぱり焼きたての熱々が一番うまい。

 ん~~っ。たまりませんな、このプリップリ感。

 ハラミとテッポウの“みそ焼き”も追いかけるように出てきました。

 左側にいた男女二人連れが席を立ち、入れ替わるように入ってきたのは常連さんらしき男性客。三冷白ホッピーを注文して、「なにか1本焼いて」とおまかせで注文。

 それにこたえて出されたのは、コブクロ塩のよく焼きです。

 なるほどなあ。こんがりと、小さくなるまで焼いたコブクロは、いかにも香ばしそうだ。

 私もナカ(ホッピーの焼酎おかわり、250円)をもらって、焼き物は、えのき肉巻き(180円)と自家製つくね(180円)を1本ずつ注文。「秋元屋」には、やきとんでも焼き鳥でもない、変化球的な焼き物も多いのです。

 ここで新店側の焼き手が、松ちゃんに代わりました。

 「私も(ここで働き始めて)もう5年。いちばん古株にになっちゃいましたよ」

 と笑う松ちゃん。大勢の人たちが、この店から巣立っていきましたもんねえ。

 私自身、いまやこの店内で以前から知ってる顔は、松ちゃんぐらい。

 年が明けて、平成26(2014)年1月には、「秋元屋」も10周年。あっという間だったような、とっても長かったような。

 3杯めとなるナカ(250円)をもらって、ガツ(120円)と鳥ハツ(130円)を“しょうゆ焼き”で焼いてもらいます。

 「今日はこの大雨で、本当に静かだったんですよ」と松ちゃん。

 「えぇっ?! こんなにいっぱいお客さんが入ってるじゃない」

 「これでもいつもと比べると、ぜんぜん少ないんですよ」

 へぇ~っ。これで少ないんだ。9割以上は埋まってるんだけどなあ。普段はどれだけ満席なんでしょう。

 午後9時が近くなって、ぼちぼち新店側の火を落として、本店側に一元化するということで、左どなりの、さっきコブクロのよく焼きをもらっていた常連・Tさんが、

 「その前になにかもう1本、焼いてよ」

 と焼き台の松ちゃんに注文。

 「それじゃ私も、半焼きタン(140円)を1本お願いします」

 と追加注文。その半焼きタンを出してくれながら、松ちゃんが、

 「半焼きタンは、ゴマ油で食べるのもおいしいですよ」と教えてくれました。

 半焼きタンのお皿に添えられている刻みネギ(白ネギ)の上に、ゴマ油をたっぷり目にかけて、おろし生姜と一緒に和える。これを半焼きタンの上にのせていただくのです。

 うん。おいしい。この食べ方もいいねえ!

 Tさんのところに出されたのは、半焼きハツのポン酢しょうゆ味。

 「これは、さっぱりとしてていいねえ」と喜ぶTさん。

 そのTさんは、三冷白ホッピーはすでに4杯めに入ってるんだけど、つまみはコブクロよく焼きと、この半焼きハツの2本だけ。つまみなしで、これだけ飲めるとは、すごいっ。

 そうやって少量しか食べないので、Tさんはいつも、ネタも味付けも、焼き手におまかせでお願いするんだそうです。

 「焼き手それぞれの個性が出ておもしろいんですよ。各自が自分の『自信の一品』を出してくれるんです」

 なるほど。それもおもしろそうですね。今度やってみようかな。

 1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は2,350円でした。

 今日は、「しらすのラーメン日記」の、しらすさんこと、斉藤光輝さんともお話をすることができたのが良かったなあ。

 どうもごちそうさま。

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レバみそ / ハラミみそ、テッポウみそ / えのき肉巻き

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自家製つくね / ガツしょう油 / 鳥ハツしょう油

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半焼きタン

店情報前回

《平成25(2013)年10月20日(日)の記録》

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戦後すぐに創業の老舗 … 大衆酒場「根岸家(ねぎしや)」(東神奈川)

たいかぶと煮


 おぉ~っ、「たいかぶと煮」がある。しかも400円だって!

 呉の「寿食堂」なみの値段です。

 さっそく注文すると、あまり待つこともなく出された「たいかぶと煮」の大きいこと。

 胸ビレの下側、カマの部分の肉がたっぷりと付いているのもうれしいですねえ。

 ん~~。この味付けがまたいい。薄からず、濃からず。燗酒にベストマッチする味付けです。

 カマの部分の脂ののった身。クチビルのふるふるとした身。とろりととろける目玉のまわり。ギュっとしまったほっぺたの肉。しっかりとした噛みごたえの脳天の身。

 かぶと煮は、その一品だけでいろんな味わいや食感が楽しめるのがいいんだよなあ。

 呑ん兵衛にぴったりの酒のさかなです。

 今日はJR京浜東北線・東神奈川駅のすぐ目の前にある大衆酒場、「根岸家」にやってきました。

 この店が創業したのは戦後すぐ。野毛の「武蔵屋」(昭和21年創業)に匹敵するほどの老舗酒場です。

 ちょっとだけ残念なのは、駅前の再開発によって、「ザ・ステーションタワー」(2004年築)という巨大なマンションの1階に入ってしまったこと。まだ10年もたっていないので、外観も内装も、まだまだピッカピカに新しいのです。

 ただし店内は、15人ほど座れるコの字カウンターに、左手の壁ぎわには壁で仕切られた4人掛けのテーブル席が二つと、いかにも大衆酒場といった風情。特にカウンター席がいい。奥には座敷席もあるようです。

 開店時刻は午後4時。今日はその1時間後の、5時ごろ店に到着したのですが、すでにカウンター席もテーブル席も、ほぼ満席。かろうじて空いていた、コの字カウンターの、いちばん奥の端っこに座ることができました。

 私のすぐ後に入ってきた4人連れは、カウンター席の横をススッと進んで、奥の座敷席に入っていきましたので、座敷席にはまだ空きがあったようですね。(あるいは予約のお客さんだったのかも。)

 コの字カウンター内側の入口のところに立って、店内に目配りしている女将さんに、まずは生ビールの小(340円)を注文すると、すぐにグラスの生ビールが届きます。

 お通し(サービス)は切干大根。夏場はところてん、冬場は切干大根というのが、この店の定番のお通しのようです。

 生ビールでのどを潤しながら、壁の短冊メニューを確認。

 なるほど。魚介類中心のメニュー構成のようです。

 しかも、ほとんどの品は200円から500円ほど。刺身類は、400円ぐらいのものが多いのかな。そんななか、1品だけ群を抜いて高いのが、くじらベーコンの780円です。

 「あじ酢(280円)をお願いします」

 あじ刺身(380円)にしようか、それともこはだ酢(320円)にしようかと迷っているときに目に飛び込んできたのが、このあじ酢だったのでした。

 他にも、かわはぎ皮ポン酢(200円)や、かわはぎあら煮(230円)、いか下足わさび(250円)など、呑ん兵衛好みする魚料理が充実。

 魚料理以外では、こぶ京煮(280円)や、お新香(300円)、わかめ根の葱合(320円)、支那竹(330円)、あとはポテトフライ(250円)や玉ねぎフライ(260円)など。

 食事ものとしては、焼きおにぎり(2個350円)があるくらい。

 そこへ注文していたあじ酢が届きます。ちょうど小生ビールも空いたので、日本酒(320円)を燗で注文。

 ここ「根岸家」。厨房には男性がいるようですが、ホールを担当しているのはすべて女性。女将さんを筆頭に、若い手伝いの女性が3名。さらに今年94歳という大女将も、常連さんたちへのごあいさつに出てこられました。

 この5名の女性のうち、4人までがメガネをかけているのがおもしろい。

 店は新しいけれど、お店の人たちや、古くからの常連さんたちは、とても落ち着いていて、老舗の安心感・安定感をたっぷりと感じることができます。

 もう1本、燗酒(320円)をおかわりして、2品めに注文したのが、冒頭の「たいかぶと煮」だったのです。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在。生ビール+燗酒2本、料理が2品(+お通し)で、今日のお勘定は1,660円でした。どうもごちそうさま。

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大衆酒場「根岸家」 / お通し(切干大根)と生ビール(小) / あじ酢

店情報

《平成25(2013)年10月16日(水)の記録》

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店情報: 大衆酒場「根岸家(ねぎしや)」(東神奈川)

    根岸家
  • 店名: 根岸家
  • 電話: 045-451-0700
  • 住所: 221-0044 神奈川県横浜市神奈川区東神奈川1-10-1 ザ・ステーションタワー1F
  • 営業: 16:00-23:00(土は -21:00)、日祝休
  • 場所: JR東神奈川駅・東口を出て、すぐ左手にある階段を降り切って(途中の踊り場で180度向きが変わるので、降り切ると、東口に対して右向きに出たことになって)直進。突き当りにある「かなっくホール」(大きなビル)の1階、「ドトール」の左側にあるのが「根岸家」。駅から徒歩1~2分程度。京急・仲木戸駅からも2~3分程度。東神奈川駅と仲木戸駅の間にある。
  • メモ: 戦後すぐに創業。コの字カウンター15席に、4人がけのテーブル×2、奥には座敷席もある。現在の店主は新井正二さん。接客は女性陣が行い、男性陣は厨房にいる。大正8(1919)年生まれの、店主の母・リヨさんも、ときどきホールに出てこられる。料理は魚介類中心。仕入れによって内容も値段も変わるが、基本的に安い。以下は一例。
    冷やっこ240、やりいか丸煮300、子持がれい煮付330、いか下足わさび250、玉ねぎさつま揚250、野菜さつま揚260、むしえびわさび300、こはだ酢320、しらすおろし350、ほっき貝わさび380、たこぶつ切380、いわしさしみ380、あじさしみ380、くずれしゃこ400、青柳わさび400、殻がき2個400、ほや酢400、かつおたたき400、ほっき貝わさび400、湾内産ほたるいか400、あいなめさしみ400、くじらさしみ400、ずわいがに酢420、しめさば420、あんこうきも酒むし420、あおりいかさしみ420、平政さしみ420、ほたるいか沖漬430、岩がき430、赤いかさしみ430、ひらめさしみ430、山かけ450、きんめだいさしみ480、なまこ酢500、まぐろぶつ切500、かつおさしみ550、くじらベーコン780。
    くじらフライ400、いかフライ350、ほたてフライ350、わかさぎフライ330、まぐろフライ320、玉ねぎフライ260、なすフライ250、ポテトフライ250、支那竹330、わかめ根の葱合320、お新香300、だし焼玉子300、枝豆280、わかめ酢200、焼おにぎり2個350。
    〔飲み物〕冷酒(桃の滴)980、純米(きょうと)850、生貯蔵酒780、清酒上撰360、清酒金印320、ビール大620、生ビール中500・小340、まるやか芋焼酎2,400、ピュアブルー焼酎2,000、梅酒380、ウーロンハイ340、レモンサワー340、グレープフルーツサワー340、青りんごサワー340。(2013年10月調べ)

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これが銀座ハイボール … バー「ロックフィッシュ(ROCK FISH)」(銀座)

銀座ハイボール


 銀座のバー、「ロックフィッシュ」のハイボールグラスには、トレードマークの『かさご(=ROCK FISH)』の絵と、『銀座ハイボール』という銘が入っています。

 ここのハイボールがとにかくうまいんだ。

 簡単に言うと、「ウイスキーが濃い」ってことなんだろうなあ。

 もちろん、ここのハイボールがおいしいのは、それだけの理由ではありませんが、「ウイスキーが濃い」ということは、まず第一歩として必要なんだと思いますねえ。

 松山のバー「露口」のハイボールも、ウイスキーが濃くてうまい。

 どちらの店も、使っているウイスキーは、サントリー角瓶。

 つまり、できあがるハイボールは『角ハイボール』ってことなんだけど、よそで飲む角ハイボールと比べると、ものすごく違う。鮮烈なおいしさを感じるんですよね。

 「ロックフィッシュ」のハイボールは氷なし。「露口」のハイボールは氷入り。この点が両者の違うところでしょうか。

 今日は、その角ハイボール(840円)のつまみに、この店の名物料理のひとつ、オイルサーディン(840円)ももらいます。

 ここのオイルサーディンは、京都の竹中缶詰(株)のもの。1缶1缶、ていねいに手作りしてるんだそうで、見た目もとっても美しい。

 「ロックフィッシュ」のオイルサーディンは、これをそのまま出すのではなくて、オイルをきって、酒と醤油を加えて胡椒をふり、実山椒をのせ、さらにオリーブオイルをまわしかけたものを、加熱して出してくれるという、手間ひまかけた一品です。

 うまいんだなあ、これが。

 今年の1月に、2度めとなる横浜勤務になって以来、東京・横浜の老舗酒場を改めて訪問しています。

 以前は、めったに行けない地域に出かけると、まるでスタンプラリーのようにその地域の酒場をハシゴしたりしていたのですが、今回はそれはヤメ。

 1~2軒の酒場に、じっくりと腰を据えて、なるべくたっぷりとその酒場を堪能するように心がけています。

 その酒場ならではの『酒場浴』を、どっぷりと楽しみたいのです。

 今日も都内での仕事を終えて、まずは神楽坂の「伊勢藤」でどっぷり、そして神保町に場所を移して「兵六」でどっぷりと、2軒の老舗をハシゴ酒。

 酒量的にも、この2軒で十分な状態。明日の仕事に備えて、横浜の単身赴任社宅に帰ろうと電車に乗ったところ、まだ9時過ぎ。

 (帰るには、ちょっと早すぎるかな?)

 ということで、銀座の近くで途中下車したのでした。

 もう1杯、角ハイボール(840円)をいただいて、40分ほどの滞在。今日のお勘定は2,620円でした。どうもごちそうさま。

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BAR ROCK FISH / 角ハイボール / オイルサーディン

店情報前回

《平成25(2013)年10月9日(水)の記録》

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働くオトナの晩ごはん … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)

サラメシ


 ランチをのぞけば、人生が見えてくる。働くオトナの昼ごはん、それが「サラメシ」。

 中井貴一さんの軽妙なナレーションではじまる、NHKの番組が「サラメシ」です。

 私はこの番組が大好きで、月曜日の夜は「吉田類の酒場放浪記」、「プロフェッショナル 仕事の流儀」、そして「サラメシ」と、テレビの前から離れられません。

 そんな「サラメシ」が、このたび一冊の本(学研パブリッシング、2013/9/24、1,365円)になりました。

 テレビで見るのも面白いですが、こうやって文書と写真で見る「サラメシ」もいいですねえ。

 ランチもさることながら、晩ごはんもまた、働くオトナの人生がかいま見える場面です。

 昼間、力いっぱい働いたあと、晩ごはんを食べたり、お風呂に入ったりするときに、フゥ~ッとの、一個人としての自分にかえっていく。この時間がいいんだなあ。

 「はまや食堂」で晩ごはんを食べながらお酒を飲んでいると、ここに集うお客さんたちの人生ドラマを感じることがあります。

 このところよくお見かけする、年配の女性客。がっしりとした身体つきで、注文もせっかちで、その内容も男っぽい。

 店に入ってくるなり、女将さんが注文を取りに来るのも待ちきれずに、

 「おばさん! 豚肉スタミナ鉄板の定食(780円)ね」

 と店中に響きわたるほどの大声で注文。

 「はいはい。豚肉スタミナ鉄板でございますね」

 と復唱しながらお茶を持ってきてくれる女将に、

 「あとホッケ(550円)も付けてもらえる」。

 すごいっ。豚肉スタミナ鉄板と、ホッケ焼きのダブル主菜だ。

 この女性はいつも何かの定食に、もう一品、普通なら主菜となる一品を追加注文する。そして、ごはんのおかわりこそしないものの、けっこうなスピードですべてをきっちりと完食して、「おばさん、お勘定!」と代金を支払って帰っていく。

 すべてが男っぽいのです。食事を楽しむというよりも、ガツガツとエネルギーを注入するって感じ。昼間も男まさりな仕事をしてるんだろうなあ。ついそんなことを想ってしまいます。

 「はまや食堂」には、まるで「孤独のグルメ」の主人公・井之頭五郎さんのように、たくさん食べる客が多いのです。

 いつも大瓶ビール1本で副菜を2~3品(トマト、煮付け、納豆など)を食べてから、きっちと定食を食べる中年男性客。この人が食べるのも速い速い。

 必ず和風ハンバーグ(目玉焼き付き)定食(780円)を注文する若い男性客もいる。そして、それをほぼ完食してから、ごはんを大盛り(220円)でおかわりし、納豆おろし(150円)も追加注文して、ワッシワッシと食べ進む。見ているだけで気持ちがいい食べっぷりです。

 そんな様子を横目で見ながら、今日の私は、いつもの『大衆食堂のフルコース』ではなくて、今夜は『アラカルト』。

 大瓶ビール(480円)とマグロぬた(380円)でスタートし、日本酒の大(500円)を冷や(常温)でもらって、冷しトマト(150円)と冷ヤッコ(130円)。さらには納豆おろし(150円)もいただきます。

 マグロぬたの野菜のシャッキリ感が、なんとも言えずいいんですよねえ。

 最後に小ライス(150円)と、みそ汁(80円)、そして海苔(2袋50円)をもらって、『働くオトナの晩ごはん』を締めくくります。

 ゆっくりと1時間40分ほどの滞在。今日のお勘定は2,070円でした。

 アラカルトで飲み食いしても、『大衆食堂のフルコース』のときと同じくらいの料金なのがうれしいですねえ。どうもごちそうさま。

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大瓶ビールとお通し(枝豆) / まぐろぬた / 冷ヤッコ / 冷しトマト

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日本酒大(冷や) / 納豆おろし / 小ライスセットと海苔で〆

店情報前回

《平成25(2013)年10月7日(月)の記録》

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薩摩無双をお湯割りで … 「兵六(ひょうろく)」(神保町)

薩摩無双をお湯割りで


 ここに来るといつも、「薩摩無双」(芋焼酎、680円)のお湯割りをもらいます。

 大きなヤカンで少しだけ温めた焼酎を、独特な丸っこい形状の徳利に注いでくれ、それとは別にアルミの小さな急須きゅうすでお湯が出されます。

 一緒に出される小さな猪口で、お湯割りを作るのです。

 まずは急須のお湯を猪口に半分くらい入れて、その上に徳利の焼酎を注ぐとできあがり。

 ほわんと立ちのぼる、芋焼酎の独特の香り。いいねえ!

 私がお酒を覚えたのは、今から35年ほど前の福岡。

 当時、貧乏学生が飲むものは、「薩摩白波」のお湯割りのみ。とにかくこれが一番安かった。一升瓶の「白波」は、小売価格で950円。酒場でキープしても1,500円ほどだったのです。

 屋台などで飲むと、コップ1杯の「白波」が120円ほどで、それとは別に、空のコップがもう1個出されます。この空のコップに、焼酎を半分移して、ポットのお湯を注ぐと、2杯分のお湯割りができるのでした。つまり、1杯あたり60円で、焼酎のお湯割りが飲めたってことですね。

 そのころ、焼き鳥が1本30~40円。焼き鳥を2本もらって、焼酎お湯割りを2杯飲んでも、200円ぐらいしかかかりませんでした。

 で最後にラーメン(250円)を、生ニンニクをたっぷりと入れて食べて、替え玉(麺のおかわり、50円)もする。

 これで〆て500円ほどというんだから、安かったですよねえ。

 でもまあ、学食の定食が250~300円という時代でしたから、いろんなものが安かったんですね。

 ここ「兵六」で「薩摩無双」のお湯割りを飲んでいると、いつもそのころのことを思い出すんです。芋焼酎のお湯割りは、わが青春の味と香りなんですね。

 「兵六」の店内は、店主・柴山真人(しばやま・まさと)さんが座る場所を、コの字カウンターが取り囲み、その背後に4人掛けのテーブルが2卓。

 カウンターには15人ほど座れるのかなあ。

 カウンター席の椅子は、丸太を2本渡しただけの長椅子形式なので、ギュっと詰めればたくさん入る。『定員何名』と断言するのは難しいのです。

 最初にもらったつまみは、「三つ葉とシメサバのぬた」(530円)。

 料理は別室の厨房で作られて、店主の席の背後にある小さな窓から店主に渡され、それが客に出されます。

 店主は、この定位置にデンと鎮座して、客たちと談笑しながらも、目は常に店全体を見渡している。だから注文なんかも、とてもしやすいのです。

 このシメサバ! いいですねえ。

 シメサバって、ぬたで食べてもおいしいんですね。新たな発見です。

 つけあげ(530円)もいただきましょう。

 つけあげは、さつま揚げのこと。鹿児島では、つけあげというんだそうです。

 初代店主(現店主の伯父さん)が鹿児島出身で、長らく上海でも暮らしていたため、創業から65年たった今もなお、「兵六」のメニューには、鹿児島色、上海色が、色濃く残っているのです。

 3種のつけあげが、それぞれ1個ずつ。おろし生姜が添えられます。これに醤油をサッとかけていただきます。甘みがあるのが鹿児島風ですね。

 「薩摩無双」のお湯割り(680円)もおかわりして、つまみには「自家製ぬかづけ七種盛」(530円)も追加。“七種”と言いながら、いつもそれ以上(9種ぐらい)の野菜が入っているのがうれしいところ。この店に来ると、よく注文する一品です。

 ゆっくりと2時間ほどの滞在。今日のお勘定は3,610円でした。どうもごちそうさま。

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三つ葉とシメサバのぬた / つけあげ / 自家製ぬかづけ七種盛

店情報前回

《平成25(2013)年10月9日(水)の記録》

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やきとん屋“だけど” … やきとん「たつや」(鷺ノ宮)

シシケバブ


 『シシ』は串、『ケバブ』は焼肉。シシケバブは、串に刺した焼肉という意味のトルコ料理です。

 「たつや」は、やきとん屋“だけど”、こういう変化球的なメニューがあるのがおもしろい。

 今日も今日とて、黒ホッピー(400円)をもらって、焼き物は、あえて変化球メニューから、シシケバブ(200円)と、ぶつ切りラム(200円)を注文。

 本当はサテアヤム(200円)という、バリ島の焼き鳥も注文したのですが、残念ながら今日は品切れでした。

 ここ、鷺ノ宮「たつや」は、沼袋「たつや」の2号店として、今年(2013年)の2月にオープン。したがって、やきとん(=もつ焼き)は、野方の「秋元屋」系。ひいてはわらびの「喜よし」系です。

 カシラ、ハラミ、ハツ、レバ、シロ、テッポウ、ガツがそれぞれ1本100円。タン、ナンコツ、チレは120円。塩、タレの他に、味噌焼きが選べるのは秋元系ならでは。ガツやテッポウは醤油味で焼いてもらうのもおいしいですよね。

 ナカ(キンミヤ焼酎のおかわり、300円)をもらって、続いての焼き物は「西京漬け焼き串」(200円)。

 沼袋「たつや」の店主・藤井龍成さんが京都出身とあって、西京漬け焼き串は「たつや」の名物料理でもあるのです。

 きっちりと炭火で焼いた西京漬け焼きのおいしいこと。

 がんもどき(250円)も人気が高いという話を聞いて、さっそくそのがんもどきも注文。

 炭火であぶったがんもどきに、カツオ節と刻みネギをたっぷりとトッピングしたものを、ショウガ醤油でいただきます。

 焼いたがんもどきを食べたのは初めてだけど、これもなかなかいいですねえ。焼いた厚揚げとはまた違う、芳ばしい食感です。

 近所の飲み仲間たちとの話も弾んで2時間ほどの滞在。席料100円も加わって、今日のお勘定は1,650円でした。どうもごちそうさま。

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ぶつ切りラム / 西京漬け焼き串 / がんもどき

店情報前回

《平成25(2013)年10月12日(土)の記録》

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レバーパテでホッピー … 「中央酒場(ちゅうおうさかば)」(横須賀中央)

レバーパテ


 首都圏でも屈指の大衆酒場タウン、横須賀。

 この街と、横浜の野毛(日ノ出町)、東京の蒲田、新橋、浅草、立石といった呑ん兵衛タウンが、1本の電車(京急~都営浅草~京成)でつながってるというのが、これまたおもしろい。

 そんな横須賀のなかでも、特に大衆酒場密度が高いのが、横須賀中央駅と、そのとなりの汐入駅の周辺。

 今日は、横須賀中央駅のすぐ近くにある「中央酒場」にやってきました。

 横須賀『中央』駅のすぐ近くにあるから「『中央』酒場」。わかりやすいネーミングです。地元の呑ん兵衛たちは、「チューサカ」という略称で呼ぶんですね。

 店の入り口から奥まで、ズド~ンと貫く、長~いカウンターの中央あたりに陣取って、

 「ホッピー(450円)とレバーパテ(450円)をお願いします」と注文。

 ホッピーは、昭和28(1953)年創業のこの店でも名物的な飲み物。

 カウンター中央部内側にあるホッピー専用の冷蔵庫に、計量済みの焼酎(ナカ)がジョッキごと冷されていて、注文を受けて、同じ冷蔵庫の中で冷やされている瓶入りホッピー(ソト)と一緒にトンと出してくれます。このスピード感がいいんだね!

 普通にいただくホッピーと比べると、焼酎の量(140ml)がうんと多いのですが、泡をあまり立てずに上手に注ぐと、瓶入りホッピーちょうど1本で、ジョッキにすり切りいっぱいになります。うまく計算された焼酎の量なのです。

 そして、これまたすぐに出されるレバーパテ(450円)。

 前回、となりの常連さんがこれを食べていたのです。

 「それ、なんですか?」

 思わずそう確認したところ、その常連さんが、

 「レバーのパテなんですよ」

 と教えてくれたのでした。

 丸い平皿の上にクラッカーが並べられ、同じ皿の上に置かれた小鉢にスプーン付きのパテ。わきにはレタスも添えられています。

 見た目にも、あきらかにレバーのパテなのですが、まさかそんなものが「チューサカ」にあるとは思ってなかった(失礼!)ので、念のため確認したような次第。

 さすが横須賀。置いてるんですねえ、こんな料理も。

 なんで『さすが横須賀』かというと、横須賀は米海軍の基地がある街でもあって、街なかには米兵さんやその家族も多く、店の看板などにもアルファベットがたくさん並ぶ、洋風(アメリカ風)な街でもあるからです。

 ほかには、スパム玉子(550円)やチキンナゲット(500円)、まぐろバター(500円)、レバーステーキ(500円)なんてのもあります。

 横須賀の新鮮な魚介類から、洋風の料理まで。このメニューの幅広さも、長年にわたって老若男女に愛されている理由の一つなんでしょうね。

 愛されている理由のもう一つは、その営業時間の長さにあります。

 定休日の日祝以外は毎日、朝10時に開店し、中休みなしに夜10時半まで、12時間半もの営業時間です。

 これに匹敵する酒場として思い浮かぶのは、赤羽の「まるます家」(09:00-21:30、月休)や「いこい支店」(07:00-22:00、不定休)、「丸健水産」(10:00-21:00、第3水休)、王子「平澤かまぼこ」(10:00-22:00LO、祝休)、池袋「ふくろ」(07:00-24:00〈14:00から30分休み〉、年末年始休)、鶯谷「信濃路」(24時間営業、年中無休)、上野「大統領」(10:00-24:00、無休)、渋谷「山家支店」(24時間営業、年中無休)、恵比寿「たつや」(08:00-翌朝05:00、年末年始休)あたりでしょうか。いずれ劣らぬ名店ぞろいです。

 今日は店に入ったのが、午後9時15分と遅かったので、ぼちぼちと店の片づけも始まりました。

 さっくりと45分ほどの滞在。お勘定は900円でした。どうもごちそうさま。

 この時間帯に、横須賀中央駅からの上り電車に乗ると、座れてしまうのが危ないところ。寝過ごして立石のほうまで行っちゃわないように、気をつけて帰んないとね!

店情報前回

《平成25(2013)年10月3日(木)の記録》

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酒道を感じる老舗酒場 … 「伊勢藤(いせとう)」(飯田橋)

伊勢藤

 『酒道しゅどう』というものがあるのならば、それがもっともしっくりとくる店は、ここ「伊勢藤」だろうなあ。

 茶道や華道、柔道や剣道など、いろんな『道』があるけれど、この『道』というのは、日本の文化や伝統、習慣などを、形としてきっちりと表して、時代を超えて脈々と伝えていく方法と言えるでしょう。

 この店には「白鷹」の燗酒(525円)しかない。どうしても燗酒が嫌いという人には、常温で出してくれます。焼酎はもちろん、ビールもありません。

 L字カウンター席の内側は囲炉裏の間。ここに頭を丸めた三代目店主が、作務衣姿で正座し、注文を受けてお燗をつけてくれるのです。

 「白鷹」の一升瓶から、チロリに注がれた酒は、囲炉裏の火の横に埋め込まれた3連の燗づけ器のひとつに入れられ、温められた後、丸っこい小さな徳利に移される。

 この徳利をもう一度、燗づけ器の穴に入れて温めたあと、まわりの湯を拭きとって出してくれるのです。

 遠くの席に座ると、専用の長い板の先に徳利をのせて、スゥ~ッと近くまで差し出してくれるのがおもしろい。

 この燗をつける所作のひとつ、ひとつ、そしてそれをこちらに出してくれる所作にも『道』を感じるわけですねえ。

 この丸っこい徳利から、盃台はいだいと呼ばれる、さかずきをのせるための専用の器の上に置かれた盃に、手酌で注ぐ。

 酒を注ぐときは、盃をちょっと持ち上げたほうが注ぎやすいのですが、それを人に代わって持ち上げてくれるのが盃台なんですね。ひとりで手酌をするときにも、この盃台があると、とっても注ぎやすい。

 酒のさかなは考える必要なし。だまって座れば、季節ごとの一汁四菜の料理(1,575円)が出されます。

 この一汁四菜の料理にも『道』を感じるんだなあ。

 それぞれの料理は、酒の猪口くらいの大きさの器に盛られ、少量ずつ出されます。

 たとえば今日は、タコわさ、アボガドの和え物、枝豆など。手間をかけた、日本酒によく合う料理なのがうれしい。

 「豆の味が濃くて、すばらしい枝豆ですね」

 そう店主に声をかけると、

 「枝豆も、今年はこれで終わりぐらいです」

 と店主。すばらしいコクの茶豆が、ぬる燗につけられた燗酒によく合います。

 「伊勢藤」は、神楽坂・毘沙門天びしゃもんてんの向かい側にある、路地のやや奥のほうにあります。

 駅で言うと、飯田橋駅と神楽坂駅の間あたり。距離的には飯田橋駅のほうが近いけど、店までずっと上り坂。逆に神楽坂駅からは、距離はちょっと遠いけど、ほぼ下り坂で行くことができます。大江戸線・牛込神楽坂駅からも同じぐらいの距離です。

 昭和11(1936)年に創業。現在の建物は、昭和23(1948)年に、戦前の建物を復元する形で建てられたんだそうです。

 燗酒をチビチビと飲みながら眺める、この店内の景色がまたいい。

 白熱灯が薄暗く照らす店内は、昭和の風情たっぷり。畳がいい。障子がいい。ポッとそこだけ赤く照り輝いている炭火の明るさがいい。落ち着くよねえ。

 『白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり』

 これは若山牧水の歌ですが、この店はまさに静かに飲むお店。酔って声高になってくると、

 「お静かに願います」

 と店主から声がかかります。

 「話すな」というわけではありません。「騒ぐな」ということなんです。

 酒の席は公の場。酔いに甘えず、静かに過ごすことが要求されるのも『道』ですねえ。

 「おかわりをお願いします」

 3本めとなる燗酒をおかわりすると、店主から奥の厨房に、

 「いちのかわりをお願いします」

 と注文が飛びます。

 「はい~っ」という返事で出されるのは、これまた小さな器に、少量だけ盛られた干し納豆。これをポリポリとかじりながら、燗酒をいただきます。

 「伊勢藤」では、燗酒2本までは、最初の一汁四菜のまま。3本めから、1本増えるごとに、1品ずつ、少量の酒の肴を出してくれるのです。

 このとき、3本めのときが「一のかわり」、4本めが「二のかわり」、5本めが「三のかわり」ということで、それに対応した肴が、奥の厨房から届けられるのでした。

 それでも肴が足りない人は、目の前に置かれた料理のメニュー(豆腐、納豆、味噌でんがく、丸干、たたみいわし、えいのひれ、皮はぎ、くさや、いかの黒作、いなご、明太子の11品)から、追加注文することも可能です。

 常連さんらしきお客さんが追加注文したのは豆腐。豆腐と同じ大きさ、形に作られた食器に、ぴっちりと冷やっこが盛られていて、見た目にもおいしそう。

 追加の料理は、それぞれ1品525円のようです。

 3本めの燗酒も飲みきって、1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は3,150円でした。どうもごちそうさま。

 もっと足しげく通いたい「伊勢藤」ながら、平日(月~金)のみの営業で、午後8時半がラストオーダー。横浜勤務の私にとっては、行くこと自体がむずかしいのが残念なり!

店情報前回) 《YouTube動画

《平成25(2013)年10月9日(水)の記録》

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横須賀で食べる呉の味 … 「鳥好(とりよし)」(横須賀中央)

焼き鳥の串カツ


 「鳥好」の串カツ(3本350円)は、焼き鳥用のネギマ串(=鶏正肉+白ネギ)に、パン粉をつけて揚げたもの。つまり焼き鳥の串カツです。

 できたての熱々に、ウスターソースをかけていただくのが美味いんですよねえ。

 ックゥ~ッ。冷たいホッピー(350円)にもよく合うのお!

 呉の『とり屋』で、串カツと言えばすべてこの、ネギマ串に衣をつけて揚げたスタイル。これが不思議と思う人さえいないほど、標準的な食べ物なのです。

 これと同じように、呉ではすっかり定番となっている、『とり屋』発祥のオリジナル料理がたくさんあります。

 前回いただいた、鶏皮のみそ煮(1本60円)と、スープドーフ(450円)もそうです。

 まだブロイラーがない時代、『とり屋』で主に使っていたのは、卵を産まなくなった親鳥。捨てるしかなかった親鳥の硬い皮を、なんとか食べることができないかと試行錯誤して、できあがったのが「鶏皮のみそ煮」だったのです。

 水煮した鶏皮を、ひと口大に切って串に刺し、それを味噌で味付けしたスープでグツグツと煮込んで作るのが、呉の「本家鳥好」流。ここが「鶏皮のみそ煮」を考案したお店です。

 その後、呉市内の『とり屋』に伝搬していく過程で、串に刺さずにばらばらの状態で煮込む店や、コンニャクや根菜類などが入る店も出てきたりと、首都圏のもつ煮込みと同じような進化を遂げてきたのでした。

 ここ横須賀「鳥好」は、呉の「本家鳥好」の直系とも言える店。伝統ある「本家鳥好」の鶏皮のみそ煮の味と姿を、そのまま横須賀の地で再現しています。

 しいて違いを見つけるとすると、呉の「本家鳥好」のほうが、味噌の色が濃いかな。

 なぜ、この店が、「本家鳥好」の直系と言えるかというと、まず店主・野村宏さんが、「本家鳥好」で修業をしてから、この店を開いたということ。

 そして何よりもその直系性を物語るのが、宏さんの奥様である美由紀さんが、「本家鳥好」の現店主(二代目)・上瀬弘和さんの妹さんであるということです。

 しかも、美由紀さんのほうが、兄・弘和さんよりも先に「本家鳥好」で働き始めていたそうですから、仕事の上では美由紀さんのほうが先輩かも!

 前回記事でもちょっと触れたとおり、宏さんとの二人三脚で、40年にわたってここ横須賀「鳥好」を盛り立ててきた美由紀さんが、今年4月に急逝。一時は、店の存続も危ぶまれるような状態だったのですが、二人のお子さん(兄妹)が、昼間の仕事を終えてから店を手伝ってくれることになり、なんとか再開にこぎつけたのだそうです。

 スープドーフは、鶏ガラからとったスープで豆腐を煮て、醤油で薄く味を付けたもの。

 「本家鳥好」のスープ豆腐の具材は、豆腐の他は、長めに切ったネギが数本だけとシンプルですが、横須賀「鳥好」のスープドーフには野菜がたっぷりと入っています。

 今日はさらに「だんご」(1本150円で2本から)もいただきます。

 だんごは、丸く球状にまるめたつくねのこと。これが1串に3個。

 おもしろいのは焼くのではなくて、揚げて出してくれるというところ。「本家鳥好」でも、つくねは揚げて出してくれるので、これもまた鳥好流なんですね。仕上げにウスターソースにくぐらせて出してくれるのは、横須賀「鳥好」独自のスタイル。

 横須賀「鳥好」には、だんごの他に、「合鴨のつくね」「辛口つくね」(各1本150円)というのもあって、こちらは串のまわりに棒状に整形したつくねを、焼いて出してくれるもの。これらもまた人気の品々です。

 最後に、これまた呉の『とり屋』の伝統的な逸品、ささみの天ぷら(400円)をいただいて、1時間半の滞在。ホッピーは最初のセットに加えて、ナカを2杯おかわり(つまりソト1・ナカ3)し、今日のお勘定は1,980円でした。どうもごちそうさま。

 本当は「本家鳥好」の名物でもある、焼めし(400円)まで進みたかったのですが、もう満腹。そこまで行きつけませんでした。次回の課題ですね。

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「鳥好」 / みそ煮とホッピー / 名物・だんご

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ナカおかわり / 串カツ / ささみ天ぷら

店情報前回

《平成25(2013)年10月3日(木)の記録》

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今宵は軽く晩酌コース … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)

今日のB定食


 仕事帰りに、いつものように「はまや食堂」です。

 わが家(単身赴任社宅)の近所に、『今日も行きたい』と思える店があるのは、ものすごくありがたいこと。

 昭和33(1958)年創業の「はまや食堂」は、いろいろな定食メニューが並ぶ、定食系の大衆食堂。しかしながら、一品200円前後の副菜類も数多くそろっているので、我われのような呑ん兵衛にも人気があります。

 店内は、テーブル席が15席+カウンター3席の合計18席という、小ぢんまりとした造りで禁煙。店主ご夫妻が二人で切り盛りしています。

 ひとり客がほとんどで、食事だけの人と、お酒も飲む人の割合でいうと、お酒も飲んでる人のほうが多い。

 でもそのほとんどは、軽く晩酌的な飲み方。つまり、中瓶のビール(430円)と定食を同時に注文し、料理が届くまでの間、ビールを飲みながら待つというものです。この店の客全体でみても、このタイプが一番多い。とっても健康的な飲み方ですね。

 その次に多いのが、ビールも酒も飲まずに食事だけという、ノンアルコールタイプ。

 3番めは、しっかりと本気飲みタイプ。定食はたのまず、単品でおかずだけをいくつかもらって、それをつまみに飲む飲む飲む。大衆食堂を、酒場風に使ってしまう飲み方です。このタイプの人たちは、おかずとお酒だけで終了して、ごはんやみそ汁は食べません。

 そして4番め。私の一番好きな過ごし方が、大衆食堂のフルコースタイプ。

 定食を「ごはんとみそ汁はあとで出してください」と注文して、おかずをつまみにひとしきり飲んで、最後にごはんとみそ汁で〆るというやり方です。

 この店には、特別定食(980円)という、主菜が1品、副菜が2品つく日替り定食があるので、それをベースにすると『大衆食堂のフルコース』が楽しみやすい。おかずが多いのがいいんですね。

 飲み物は、大瓶ビール(キリンのみ)480円、中瓶ビール(キリン、アサヒ)430円、そして日本酒(爛漫)が大500円・小280円。これですべてです。焼酎やワインなどはありません。

 さてと、今日はなんにしようかなあ。

 なにはともあれ、まずはビールですね。

 「大瓶のビール(480円)をお願いします」

 と注文し、そのビールを飲みながら、今日のメニューを確認します。

 どれどれ。

 今日の特別定食(980円)は、主菜が「豚肉とゴーヤのスタミナ鉄板」、副菜は「しらすおろし」「マカロニサラダ」「かぼちゃ煮付」の3品から2品を選択し、ライスセット(中ライス+みそ汁)。

 いつも、そそられるんですよねえ、特別定食。この店は豚肉もおいしいしなあ。

 B定食(580円)はヘルシー志向。野菜中心の軽めの食事です。

 がしかし! アラカルトで一品料理を何品かを注文して飲んでから、〆の食事としてB定食を注文する呑ん兵衛も多いのです。

 今日のB定食は、なめこ汁、納豆おろし、のり、ライス。すべていいつまみになりそうです。

 よしっ。今日は私も、副菜1~2品と、B定食にしよう。

 「すみません。冷しトマト(150円)と冷ヤッコ(130円)。あとB定食(580円)を、小ライス(-20円)でお願いします」

 すぐに出される冷しトマトと冷ヤッコ。紅白そろって、見た目にもいいですね。

 これら以外の、呑ん兵衛たちに人気の副菜類は、日替わりの煮付(今日はカボチャ、200円)、日替わりのおひたし(今日は小松菜、200円)、酢のもの(ワカメとキュウリ、180円)、オニオンサラダ(180円)、焼ピーマン(150円)、厚焼玉子(200円)など。焼ピーマンにしても、厚焼玉子にしても、できたての熱々で出されるのがうれしいところです。

 で、B定食。予想どおり、なめこ汁も、納豆おろしも、のりを巻いたごはんも、ごはんに付いてくる小皿のお新香も、それぞれがいいつまみになりますねえ!

 今宵はか~るく晩酌コース。1時間ちょっとの滞在は1,320円でした。どうもごちそうさま。

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大瓶ビール / 冷しトマト / 冷ヤッコ

店情報前回

《平成25(2013)年10月2日(水)の記録》

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安い、早い、品数多い … 「いしはら食堂(いしはらしょくどう)」(三鷹)

新さんま焼、里芋煮


 三鷹にもあるんですねえ。すばらしき大衆食堂。

 秋の新さんま焼(250円)と里芋の煮付け(100円)の2品のおかずをもらって、ごはん、味噌汁、お新香という定食セット(200円)を付けると、自分好みの定食(合計550円)ができあがります。

 ん~~、さんまの内臓がうまいなあ。

 この店は、カウンター席上部にずらりと並ぶ短冊メニューの中からおかずを選び、それに定食セットを付けるタイプの大衆食堂。

 これは今までにないタイプですねえ。

 首都圏でよく見かける食堂は、ずらりと並ぶ定食メニューから、どれかを選ぶという「定食屋」タイプ。

 いっぽう、西日本でよく見かけるのは、冷蔵陳列ケースに並んでいるおかずを取ってきて、それにごはんとみそ汁を付けるという「一膳めし屋」タイプ。

 ここ「いしはら食堂」は、その中間というか、陳列ケースではなく、メニューに並ぶ一品料理を選び、それにごはんとみそ汁を付けるという、言ってみれば「受注生産型の一膳めし屋」タイプ。

 もちろんビール(小瓶290円/中瓶420円)やお酒(220円、270円の2種)もあるので、定食セットをもらう代わりに、ビールやお酒をもらうと、おかずをつまみに一杯飲むことができる酒場になるのです。

 このおかずが安いっ!

 ずらりと並ぶ50品ほどの料理は、40円の生玉子から始まって、値段のトップ2が、海老フライ(450円)と刺身(400円)。ほとんどの品は100~250円です。

 新さんま焼の250円にも驚いたけど、まぐろぶつ250円、もつ炒め250円、レバニラ炒め200円、メンチカツ2個150円、さばみそ煮170円、ハムエッグ150円。納豆やきんぴらごぼうなんて70円ですもんねえ。

 しかも営業時間が、朝6時から、中休みなしで夜8時までの14時間。朝でも昼でも飲める、ってことですね。

 今はランチタイム。このあと、この近くで仕事なのでお酒が飲めないのが残念だなあ。

 今度は絶対飲みに来ないとね。土曜定休というのが、ちょっと痛いなあ。日曜・祝日がねらいめかな。

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朝は「大船軒」の天玉そば / 昼は「いしはら食堂」 / 夜は「ペルル」で水割り

店情報

《平成25(2013)年10月8日(火)の記録》

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店情報: 「いしはら食堂(いしはらしょくどう)」(三鷹)

    いしはら食堂
  • 店名: いしはら食堂
  • 電話: 0422-47-6714
  • 住所: 181-0013 東京都三鷹市下連雀3-6-2
  • 営業: 06:00-20:00、土休
  • 場所: JR三鷹駅南口(2F)を出て、道路向こう側の階段を下りて、真正面に向かってまっすぐ伸びる道(みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の間の道)を2ブロックほど直進。三鷹駅前信号交差点を鈍角に左折。そのまま道成りに10分(550メートル)ほど進んだ左手。
  • メモ: 定食セット(ごはん、味噌汁、お新香付き)200、定食セット大(ごはん大、味噌汁、お新香付き)250、ライス並150、ライス半110、ライス大200、刺身400、やまかけ350、まぐろぶつ250、とろろ月見230、肉やさい炒め280、生姜焼き280、スタミナ炒め280、もつ炒め250、レバニラ炒め200、とんかつ350、海老フライ450、かきフライ300、チキンかつ250、鮭フライ220、いかフライ270、とりのから揚げ350、メンチかつ2個150、コロッケ2個120、あじのフライ1枚100、にしん焼き300、ホッケ開き焼き240、さんま開き焼き230、あじの開き焼き200、鮭甘塩焼180、ウインナー炒め180、さばみそ煮170、さば焼き170、ハムエッグ150、玉子焼き150、大根おろし50、お新香100、目玉焼き100、生野菜150、生たらこ150、冷奴100、いかの塩辛80、ポテトサラダ90、里芋の煮付け100、酢の物90、ひじき90、しらすおろし100、金平ごぼう70、梅干50、のり50、生玉子40、納豆70、とん汁180、湯とうふ220、玉子丼(汁つき)400、親子丼(汁つき)500、かつ丼(汁つき)550、チキンカレー590、かつカレー690、カレーライス340、カレーライス大盛り400、コロッケカレー410、メンチカレー420、お酒220/270、キリンビール小290/中420。(2013年10月調べ)

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どうしても鯉のうま煮 … 「まるます家(まるますや)」(赤羽)

鯉のうま煮


 涼しくなってきたから、そろそろ「まるます家」のスッポン鍋(750円)だな。

 店に着いて、飲み始めるまでは、ずっとそう思っていたのに。

 最初に自家製きのこおろし(400円)をもらって、小生ビール(350円)、そして富久娘(350円)の燗酒と飲み進むうちに、どうしても鯉のうま煮(800円)が食べたくなった。

 なにしろここの鯉のうま煮が好きなのです。

 内臓と皮がいいんだなあ。

 鯉のうま煮には、内臓の部分、そのまわりの脂分の多い肉の部分、ほろほろに軟らかくなった骨の部分、背中あたりのしっかりした肉の部分、そしてうろこの付いた皮の部分と、それぞれの部位に、それぞれの食感と味わいがあるのがおもしろい。

骨まですべて完食 よく煮込まれたうろこの、ゼラチン質な感覚がいい。骨まですべて食べきることができて、皿の上には飾りのモミジ葉と、ハジカミの柄の部分しか残りません。

 鯉のうま煮。もつ好きの人であれば、絶対に気に入る一品だと思います。ぜひお試しあれ!

 日曜日の今日、「まるます家」に到着したのは午後6時。

 通常の居酒屋であれば、これからピークを迎える時間帯。しかし、朝の9時からやっている「まるます家」は、大忙しの時間はそろそろ終わって、午後9時半の閉店時刻に向けて、徐々に落ち着いてくる時間帯に入ります。

 とは言うものの、やはり満席は満席。私の前にも3人ほど、待っている人がいました。

 「まるます家」の行列さばきは、基本的には並んだ順番ですが、ひとり客が帰って、ひとつしか席が開かなかった場合には、

 「おひとりでお待ちの方、いませんか?」

 と声がかかり、行列の中にいるひとり客で、一番先頭に近い人が先に入れる仕組み。だから、ひとりで行くと意外に早く入れたりするのです。

 今日はそういう番狂わせもなく、待ってる順に着席。私も10分ほどの待ち時間で席に着くことができました。

 で、最初にもらったのが生ビールの小(350円)と、自家製きのこおろし(400円)。小鉢に盛られた大根おろしの上に、いろんなキノコが入った餡がたっぷりとのって、ものすごくいいつまみですねえ。季節ものなので、食べるなら今です!

 小生ビールは一気に飲み干して、次にもらったのが「富久娘」(350円)の燗酒。

 「カワイコちゃんをホットで」

 厨房にはそう伝えられます。「富久娘」の符丁が「カワイコちゃん」なんですね。

 そして鯉のうま煮(800円)。

 これには新潟の酒、「長陵ちょうりょう」の燗を合わせます。

 たっぷりとした鯉のうま煮に、もう1本「長陵」をいただいて、2時間弱の滞在。

 今日のお勘定は2,500円でした。どうもごちそうさま。

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小生ビール / きのこおろし / 「富久娘」1本と「長陵」2本を燗で

店情報前回

《平成25(2013)年10月6日(日)の記録》

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雑司が谷の隠れた名店 … もつ焼「高松屋(たかまつや)」(雑司が谷)

シロ、レバ(たれ)


 平成20(2008)年の初訪問以来、5年ぶりの訪問になってしまいました。

 雑司が谷の隠れた名店、「高松屋」です。

 ここのもつ焼き(1本120円)は、でかい!

 上の写真は、シロとレバのタレ焼きです。この店のもつ焼きは、幅方向に大きいんですね。木の葉のように、中央部が広く横に広がっているのです。

 この店のもつ焼きは、レバ、タン、ハツ、カシラ、シロ、ナンコツの6種類のみ。味付けは、それぞれ塩とタレとが選べます。

 店内はL字カウンター12席と、奥の小上がりに座卓8席分の、合計20席。店主と息子さんが二人で切り盛りされています。

 店に着いたのは、開店1時間後の午後6時半。カウンター席に先客が7人ほど座っていて、奥の小上がりは使われていません。私もL字カウンターの角のあたりに腰を下ろします。

 「お飲み物は?」と聞いてくれる息子さんに、

 「ビール(大瓶のみ、550円)をお願いします」

 「ビールは、キリンとサッポロがありますが」

 「じゃ、サッポロをお願いします」

 すぐに出されるサッポロ黒ラベル大瓶。

 「焼き物は順番にお聞きしますから、しばらくお待ちください」と息子さん。

 そうでした、そうでした。ここは、店主が1注文分(本数だと5~6本かな?)ずつ、順番に、ていねいに、黙々と焼き上げてくれる。で、自分の順番が来ると、注文を聞いてくれるのです。

 幸い、先客たちのもつ焼きはほぼ焼きあがっていたようで、ほとんど待つこともなく、自分の順番がやってきました。

 「6種類を1本ずつお願いします」

 「塩、タレはどうしますか?」

 「レバ、シロはタレで」

 「はい」

 あとになってわかったことですが、カウンター席の奥のほうに座っている常連さんによると、

 「ここのもつ焼きは大きいから、2~3本ずつ注文するのがいいんだよ。そうでないと食べてる間に冷めてしまう」

 結果的には、まったくそのとおりでした。2~3本ずつ注文するのがいいですね。

 ちなみに店内のメニューには、もつ焼きは『5本600円』と書かれていますが、実際には1本(120円)ずつ注文可能です。

 あぁ~、うまいっ。

 みんなのもつ焼きを焼き終えた親父さんも、カウンターの外に休憩に出てこられました。

 焼き台の前では、いつも真剣なまなざしでもつ焼きに対峙している親父さん。

 (ものすごく寡黙で、しゃべらない人なんだなあ)

 と思っていたのですが、焼き台を離れて、外の椅子に座ると、ニコニコといろんな話を聞かせてくれます。

 親父さんは今年で85歳。となりの肉屋の次男として生まれ、33歳のとき(昭和36年)にこの店を開店。それ以来52年間、この地でもつ焼きを焼いてきました。

 開店当初から、ご夫婦二人でがんばってこられた奥様が、17年前に亡くなられ、そのときから息子さんが手伝うようになったんだそうです。

 親父さんの話を聞くのもまた楽しくて、飲み物もあれやこれ。料理も、この店のもう一つの名物であるアツアゲ(450円)や、メニューには載ってないけど、いつもあるらしいキュウリやトマトをいただきます。

 アツアゲは、もつ焼き用の炭火で厚揚げをあぶり、醤油で和えた刻みネギとおろし生姜をトッピングしたらできあがり。

 キュウリは、生のキュウリをスティック状にカットして、味噌とマヨネーズを添えて出してくれるもの。トマトは生のトマト1個を、食べやすくスライスしたものです。

 閉店時刻の午後10時ちょっと前まで、3時間半近くもゆっくりとさせてもらってお勘定。

 「今日はちょっといきましたよ。すみません」

 と言いながら計算してくれる息子さん。今日のお勘定は、4,370円でした。やあ、おいしかった。(ということは、キュウリとトマトで700円ということですね。350円ずつなのかな。)

 この店の料理は全品、そして飲み物も、ソフトドリンクのコーラ(250円)以外、全品いただきました。

 それよりもなによりも、親父さんのお話をゆっくりと伺うことができたのが本当に良かった。

 どうもありがとうございました。ごちそうさま。

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ビールとお通しの豆 / ハツ、ナンコツ、タン、カシラ(塩) / ハイサワー(400円)

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ウイスキー水割り(400円) / きゅうり / 清酒(350円)を燗で

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アツアゲ(450円) / 冷酒(400円) / ウーロンハイ(400円)とトマト

店情報前回

《平成25(2013)年10月5日(土)の記録》

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私の酒場めぐりの原点 … 「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)ほか

武蔵屋


 今年の1月、横浜に転勤してきてから、9ヶ月が過ぎ、今日から10月です。

 まさに光陰矢のごとしですねえ。

 で、今日もまた野毛の「武蔵屋」へ。

 「古典酒場 VOL.12 FINAL号」の特集、「古典酒場、ボクの原点」のインタビューでもお話しさせていただいたとおり、ここ「武蔵屋」は、私の酒場めぐりの原点と言える酒場です。

 この店ではじめて、『酒場浴』的な時間の過ごし方を体得できたのです。

 なにしろこの店では「次に何をたのもうか」ということすら考えなくていい。黙って座れば、燗酒が3杯と、定番のつまみ5品が順々に出されます。

 だから、いつもいま目の前で起こっていることだけに集中していればいい。

 「あぁ、櫻正宗の燗酒がうまいなあ」

 「マリエちゃん、今日もニコニコとがんばってるなあ」

 「ん~~~、タラ豆腐がますますおいしい季節になってきたぞ!」

 「おっ、入口近くのテーブル席に佐野さんがいる」

 なんてことを、ときどき思いながら、お酒をチビチビ、料理をチビチビ。

 こういうときを過ごしていると、身のまわりに起こる、日々のいろんな出来事(特にイヤなこと)なんて、どうでもいい気分になってくるから酒場はやめられない。

 しかしながら「武蔵屋」の営業は、火・水・金の、午後5時から8時半と、とっても限定的なので、どんな常連さんだって、『二日と開けずに』通うわけにはいきません。

 私も週に1回か、ときどき間があいて2週間に1回といったところ。

 でも、ここで過ごすこの時間が、何ものにも代えがたいんですよねえ。

 おばちゃん(=女将さん)自身がいつも言っているとおり、細くでもいいから、いつまでも長く続けてくださいね。

 今日も小瓶のビール(500円)からスタートして、日本酒3杯のセット(2,500円)。2時間弱の滞在は、ちょうど3千円でした。

 「なるべく真っすぐ帰るのよ」という、おばちゃんの笑顔に、

 「は~い。どうもごちそうさま」と返事しながら店を出て、そのまま真っすぐに向かったのは、大岡川沿いに弧状に立つビル、都橋みやこばし商店街の2階にある「ホッピー仙人」です。

 ここはいつもお客さんが多い。火曜日の今日も、カウンターに座る人たちの後ろで立ち飲む人がいる状態。なんだか、これがいつもの「ホッピー仙人」のスタイルになっちゃいましたねえ。

 今日はサーバーのハーフ&ハーフ(500円)をもらって、野毛の夜を締めくくったのでした。

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「武蔵屋」 / 3杯めの櫻正宗 / ホッピーのハーフ&ハーフ

・「武蔵屋」の店情報前回) / 「ホッピー仙人」の店情報前回

《平成25(2013)年10月1日(火)の記録》

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きのこ煮付で秋が来た … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)

きのこ煮付


 日、月と二日間、休肝日にする予定だったんだけど、会社を帰るころになって、どうしてもビールが飲みたくなった。

 大瓶を1本だけ飲んで食事にしよう。

 そう思いながら向かったのは、いつもの「はまや食堂」です。

 (冷やしトマト(150円)とB定食(580円)で大瓶ビールかなあ。今日のB定食はなんだろう?)

 そう思いながら「はまや食堂」に着いてみると、今日のB定食は、あさり汁(大)のセット。

 そうきたか。あさり汁のときは、それ自体が主菜なので、いつものように「ライスセットは後で」という頼みかたができないんですねえ。

 なので、飲みたい日に、B定食があさり汁のときは、ついB定食を敬遠していたのです。

 (今日はビール1本だけで留めたいので、むしろそのB定食にしてみようかな)

 「いらっしゃいませ。きょうは?」

 考えがまとまるより前に女将さんが注文を取りにきてくれた。

 「大瓶のビール(480円)をお願いします」

 ひとまずはビールを注文して時間を稼ぎ、今日の煮物を確認してみると、きのこ煮付(250円)。これもいいなあ。

 「冷やしトマトと、きのこ煮付をください」

 B定食にするかどうかは先送りして、ひとまず、その2品の注文を先行させた。

 (飲んで食べてるうちに、ほしいものが固まってくるだろう)

 というわけです。

 すぐに出される冷やしトマト。冷たい酸っぱさがいいね。

 この冷しトマト(1個分)が150円というのは、本当に安いと思う。これより安い値段で冷やしトマトを出してくれる店を、私は知りません。

 さあ来た、きのこ煮付。肉厚のしいたけがすばらしいなあ。しめじもたっぷりと、おいしそうだ。いよいよ、きのこの秋になりましたねえ!

 (よしっ。やっぱりB定食にしよう)

 「すみません。B定食(580円)を、小ライス(-20円)でお願いします」

 「はい、かしこまりました」

 ややあって、出されたB定食。あさり汁(単品だと280円)には、あさりがごろごろ入っていて、十分なつまみになる。納豆やお新香もいいつまみになります。

 (そうか! あさり汁のB定食のときは、ごはんだけ後から出してもらえば、ほかはすべてつまみになるんだ。今度からそうしよう!)

 いい発見ができた夕食となりました。

 1時間ほどの滞在。お勘定は1,440円でした。どうもごちそうさま。

 それにしても、ビール大瓶1本だけというのは、なんとも飲み足りない。身体のためには、このくらいの量がちょうどいいんだろうけどなあ……。

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大瓶ビールとお通しの枝豆 / 冷しトマト / 今日のB定食

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B定食の納豆 / あさり汁(大)には / あさりがたっぷり!

店情報前回

《平成25(2013)年9月30日(月)の記録》

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大鍋でグツグツ煮込む … 牛にこみ「大坂屋(おおさかや)」(門前仲町)

煮込み鍋


 おぉ~っ。「大坂屋」が開いてる!

 このところ休みがちという話が聞こえてきている「大坂屋」。ダメ元で店がある通りまで行ってみたところ、ラッキーにも開いていたのです。

 ガラリ、と引き戸を開けて入った店内。煮込み鍋が埋め込まれたメインカウンター7席は満席。左手壁際の4~5席程度のサブカウンターに先客が2名。その先客2名の間に入れてもらいます。

 焼酎(400円)を、氷付きでもらうと、今日のお通しは半月に切ったタクアン4切れです。

 焼酎は、通常は梅割りで出されますが、「氷付きで」とお願いすると、その梅割り焼酎のほかに、氷がたっぷりと入ったロックグラスも出してくれるので、そっちに梅割り焼酎を移しながらいただくのです。

 「3本ぐらい取りますか?」

 と声をかけてくれるのは、四代目となる娘さん。今日は三代目の女将と、四代目の二人で切り盛りされています。

 「シロ以外で3本、お願いします。あと玉子もください」

 玉子というのは、玉子入りスープ(330円)のこと。

 四代目が「3本ぐらい…」と声をかけてくれたのは、おそらく『この店の煮込み3種(シロ、フワ、ナンコツ、各1本130円)を、それぞれ1本ずつ取りますか』という問いかけだったんだと思います。

 シロは、玉子入りスープと一緒に食べたいと思っているので、「シロ以外で3本」とお願いしたのでした。

 (シロ以外で3本。どんな組み合わせで出てくるかなあ?)

 と楽しみに待っていると、最初の3本はフワ1本と、ナンコツはよく煮えを1本と、若煮えを1本。

 こうやってバランスを考えて出してくれるのが嬉しいなあ。

 若煮えのナンコツは、歯が折れるんじゃないかと思うぐらい硬いのですが、その噛み心地がまた気持ちいい。

 「今日はお不動さん(=深川不動尊)の縁日ですからね」

 といいながら、四代目の若女将が、縁日の駄菓子である、うさぎの形のソースせんべい(梅ジャムが入ってるもの)を、お客全員にふるまってくれます。こんな技も持っていたんですね!

 玉子入りスープが出たところで、予定どおり、シロを2本もらいます。

 これをほぐして、玉子入りスープに絡めて食べるのが美味しいのです。

 軽く30分ほどの滞在。今日のお勘定は1,400円ほどでした。どうもごちそうさま。

 (注:「大坂屋」は現在、写真撮影が禁止されています。この記事で使っている写真は、禁止になる前に撮っていたものです。)

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「大坂屋」 / 焼酎を氷付きで / 玉子入りスープ

店情報前回

《平成25(2013)年9月28日(土)の記録》

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煮込みは売り切れ寸前 … 「河本(かわもと)」(木場)

ホッピーと煮込み


 しばらく間があくと、無性に食べたくなるもののひとつが、ここ「河本」の牛もつ煮込み(300円)です。

 ホッピー(400円)との相性も爆発的にいい!

 ホッピーと煮込みは、この店のツートップの人気商品。ほとんどの客が注文します。

 あれっ? そういえば店の奥、壁際の席にズラリと陣取る、長年の常連さんたちは、あまり煮込みを注文していないような気がするなあ。

 彼ら彼女らは、むしろ日替りの煮魚(400円)などの、ちょっとした変化球的なつまみを食べていることが多い。

 なにしろ店が開いている日はほぼ毎日、来てるようなので、煮込みはもう食べ飽きちゃったんでしょうか。あるいは2~3日に1回くらい、煮込みも食べてるのかもね。

 奥の席に陣取る常連さんたちは、それくらいの頻度で通ってきて、午後8時に閉店(土曜日は7時閉店)するまでの短い時間を、ワイワイと楽しく過ごしているのでした。

 ちなみに、今日の変化球メニューは、タコ(400円)、ホタテ煮(400円)、トマト(400円)など。定番の、かけじょうゆ(=マグロぶつ、400円)もあります。

 さて今日、店に到着したのは、閉店まであと1時間という、午後6時。

 店内はほぼ満席状態で、かろうじて空いていた1席に滑り込みます。

 するとなんと、そのたまたま空いていた席の右どなりが、青梅の酔人・佐々木さんで、さらにその右が都立家政の酔人・荒木マタエモンさん。

 「いやいや、これはどうも!」

 と、さっそくもらったホッピー(400円)で乾杯。

 荒木さんはすでに4杯のホッピーをやっつけて、これから5杯めに入ろうというところ。すごいですねえ。

 「河本」のホッピーは、ホッピービバレッジが推奨するとおりの、もっとも標準的なホッピーを提供してくれます。

 このホッピーが、ものすごく飲みやすい。そして、うまいっ。

 だから3杯でも、4杯でも、すいすいと飲めてしまうのです。

 がしかし! これが知らぬ間に効いてるんですねえ。

 5~6杯飲んで、椅子からコロリと後ろに倒れた人や、8杯ほど飲んだ帰り道に、すぐ横の橋の欄干らんかんにぶら下がったような状態になっていたり(吐こうとして欄干から身を乗り出したまま寝ちゃったらしい)と、あとから大変なことになるのです。

 私は、この店ではだいたい2杯。多くても3杯で止めるように心がけています。そうやって厳しく『心がけて』いないと、必ず飲み過ぎてしまう危険な飲みものなんですねえ、ここのホッピーは。

 「もしかすると、煮込みは売り切れ?」

 となりで飲んでいる佐々木さんに確認してみると、

 「いや、まだあるみたいですよ。今、温めなおしてるようです」

 とのこと。土曜日は、早い時間に煮込みが売り切れてしまうことも多いのです。

 ちょうどそこへ、眞寿美さん(=女将、78才)が、煮込み鍋の様子を見に来たので、

 「あったまったら、私にも煮込みをお願いします」と注文。

 「はいよ」と、煮込み鍋の底をさらうようにしながら、1人前の煮込みをついでくれたのでした。

 いやあ、ギリギリ間にあって、良かった良かった。

 その煮込みで1杯めのホッピーをいただいて、2杯めをおかわりするのと一緒に注文したのは、バタピーナッツ(200円)です。これもほぼいつも置いている定番メニューのひとつ。

 ビールにピーナッツが合うのと同じように、ホッピーにもピーナッツが合います。

 そうこうするうちに、そろそろ閉店時刻(土曜日は午後7時)がせまってきて、常連さんたちもお勘定を始めます。私もグイッと2杯めのホッピーを飲み干して、お勘定は1,300円。今日もごちそうさまでした。

 そうそう。「河本」の冬の名物、おでんは、11月ごろから始まるそうです。湯豆腐も、それと一緒に始まりますね!

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煮込み / ホッピー / バタピーナッツ

店情報前回

《平成25(2013)年9月28日(土)の記録》

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炒ビーフンをつまみに … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(日ノ出町)

炒米粉


 炒米粉ビーフン(700円)をつまみに瓶ビール(キリンラガー中瓶550円)です。

 パターン(600円、詳細)も『つまみも兼ねたシメの食事』としてぴったりなのですが、炒ビーフンもいい。具だくさんなので、パターンよりもいいつまみになるかも。エビやキクラゲなんかも入っているのがうれしいですね。

 宇ち中(うちちゅう)さんと一緒に回る『野毛酒場』。

 「ホッピー仙人」→「栄屋酒場」を経て、3軒目(宇ち中さんは5軒目)は、台湾料理の「第一亭」です。

 『野毛酒場』とは言いつつも、「栄屋酒場」も「第一亭」も、野毛からは離れて、京急・日ノ出町駅の近くです。

 しかしまあ、このあたりも徒歩での飲み歩き圏内なので、『広義の野毛』と言うことができるでしょうか。雑誌の野毛特集などの場合は、このあたりまで含まれます。

 ここ「第一亭」は、昭和34(1959)年に創業した台湾料理の店。しかしながら、店の看板にも『ホルモン料理・豚足・豚耳・豚尾・豚舌・豚頭肉』と書かれているとおり、中華風の豚モツ料理が食べられる店としても、つとに有名です。

 これらの豚モツ料理は、基本的に3つのパターンで出されます。

 まずはボイルした豚モツに白髪ねぎをトッピングし、味噌を添えたもの。これが標準形で、普通に豚頭肉(カシラ、600円)、豚舌(タン、600円)、豚胃(チート、600円)などを注文すると、このスタイルで出されます。

 次に、片栗粉でとろみをつけて煮る系。豚足うま煮(700円)や、豚胃うま煮(700円)などがそうです。細切りにした生姜を入れる人気メニュー、豚胃(チート)のしょうが炒め(600円)も、このとろみ系です。

 そして、中華鍋でジャーッと炒めた豚モツに、辛味噌を絡めて味付けするタイプ。レバみそ炒め(600円)やホルモン炒め(600円)などがこの系統ですね。

 今日は、店に入るなり、このホルモン炒め(600円)と中瓶ビール(550円)2本を注文。

 ホルモン炒めは、この店で処理(=何度も何度も洗う!)した生の豚腸を、強い火力でガッと炒めて、辛味噌で味つけたもの。プリップリの豚腸の食感がたまらない一品です。

 ちなみにこのホルモン炒め。プラス100円で、ごはんとスープが付いたホルモン定食(700円)になります。他にも、もつ炒め定食(700円)、レバみそ定食(700円)、レバニラ定食(700円)などがあって、食事だけのお客さんも大勢います。

 そして最後に、冒頭でご紹介した炒ビーフン(700円)をもらって、つまみ兼、シメの食事。1時間ほど滞在し、今日のお勘定は二人で2,400円(ひとりあたり1,200円)でした。どうもごちそうさま。

 また来てくださいね!>宇ち中さん

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電灯看板 / 瓶ビール / ホルモン炒め

店情報前回

《平成25(2013)年9月27日(金)の記録》

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刺身盛り合せ少なめで … 「栄屋酒場(さかえやさかば)」(日ノ出町)ほか

刺身盛り合せ(小)


 うっしっし。店のメニューにはない刺身盛り合せ(小)です。

 白魚、かつお、とり貝、いか(ダルマイカ)、あおやぎ、という豪華5点盛りですね。

 とはいうものの、これは特別に作ってもらったわけではありません。メニューにはないのですが、刺身盛り合せは、お願いすればいつでも出してもらうことができる料理なんです。

 「刺身を、少なめの盛り合わせでお願いできますか」

 これが今日の注文でした。

 今日のメニューに書かれている刺身類は、岩カキ(2個950円)、カツオ刺(800円)、マグロ刺(950円)、シメサバ(700円)、クジラ刺(750円)、サンマ刺(700円)、ヒラメ刺(700円)、とり貝(700円)、白魚(450円)、たこぶつ(650円)、ダルマイカ(700円)、シャコ(700円)、あおやぎ(450円)、ゲソ(500円)という品々。

 どれもおいしそうで選ぶのがむずかしい。

 こんなときに、少量ずつ何種類も出してくれる盛り合わせがうれしいんですね。

 今日は、東京から飲み友達の宇ち中(うちちゅう)さんが来横。

 早めの夕方に、市民酒場「みのかん」で飲み始めた宇ち中さんは、午後5時の開店時刻を目指して、野毛の「武蔵屋」に移動。行列の先頭で待って、口開けと同時に「武蔵屋」に入り、カウンター席の一角で、3杯の櫻正宗を堪能されたんだんだそうです。

 私も、仕事が終わるとすぐに野毛に向かったのですが、残念ながら宇ち中さんは、すでに「武蔵屋」を出たあと。3軒目として入っていた「ホッピー仙人」で合流することができました。

 いつも2軒目とか3軒目、へたをすると5~6軒目ぐらいとしてやってくることが多い「ホッピー仙人」。今日の1杯めのお酒をここで飲むのは、はじめてかも!

 スッとライトな感じで飲みやすい、サーバーの白ホッピー(500円)をもらって、宇ち中さんや、他の先客のみなさんたちと乾杯です。

 新しい人が入ってくるたびに、仙人も含め、店にいる人たち全員が乾杯で迎えてくれるのが、とてもうれしいですよね。

 しかしながら、すきっ腹にホッピーは、効きすぎて危険なので、ここは1杯だけで失礼し、2軒目の店(宇ち中さんにとっては4軒目の店)として「栄屋酒場」に入ったのでした。

 人気が高いのに、席数が少ないので、入れないことも多い「栄屋酒場」。

 (今日はどうかな~?)

 とのぞいてみると、ラッキーにも4人掛けテーブルが1卓空いていて、そこに入ることができました。

 で、大瓶ビール(キリンラガー、610円)をもらって、冒頭の刺身盛り合せ(小)を注文したのでした。

 その刺身盛り合せと同時に注文しておいたのが、この店の名物・あなご天(630円)。

 なにしろ、この店に来るほとんどの人が注文するので、早めに注文しておかないと売り切れちゃうかもしれないですからね。

 ちょうど刺身を食べ終えるタイミングで、あなご天が登場します。

 1尾丸ごと(頭はなし)の穴子を、長さ方向に6分割し、衣をつけて揚げたもの。

 熱々でプリップリの間にハフハフといただくのがいいんですねえ。

 飲み物は、島根(浜田)の地酒「環日本海」(580円)を冷酒でいただきます。

 1時間ほどの滞在。お勘定は二人で3,020円(ひとりあたり1,510円)でした。どうもごちそうさま。

 お勘定から逆算してみると、お通しと冒頭の刺身盛り合せ(小)とで1,200円だったんですね。安っ!

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ビールで乾杯 / お通し(煮魚) / ワサビ漬け+納豆

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冷酒「環日本海」 / 小魚の佃煮 / あなご天

・「ホッピー仙人」の店情報前回) / 「栄屋酒場」の店情報前回

《平成25(2013)年9月27日(金)の記録》

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お腹も心も満たされて … 広東料理「酔来軒(すいらいけん)」(阪東橋)

酔来丼と小ワンタン


 横須賀で飲んでたんだけど、シメは「酔来軒」の酔来丼だ!

 酔来丼というのは、熱々の丼ごはんの上に、メンマ、細切りチャーシュー、もやしナムル、刻みネギと、半熟の目玉焼きをのせたもの。

 小皿で出されるタレをかけて、スプーンでぐりぐりとかき混ぜていただきます。

 これが、つまみにもなるし、シメのごはん物にもなるという優れもの。

 まるで「第一亭」のパターン(詳細はこちら)のようですね。

 そういえば、酔来丼もパターンも、どちらも元は『まかない料理』。お店の人たちの食事のために、あり合わせの材料で、早く簡単に作った料理だったんですね。

 それがお店に来るお客たちの知るところとなり、注文もできるようになったのでした。

 パターンの場合は、今でもメニューには載っていない『だれもが知ってる裏メニュー』的な位置付けですが、こちら酔来丼は、メニューにもしっかりと載っている名物料理。なにしろ店名が冠されてますからねえ。

 しかも400円という値段がうれしいではありませんか。大盛りの牛丼なみだ!

 さらに、ここ「酔来軒」では、ごはん物にはプラス200円で、小ワンタンか小ラーメンを付けることができます。これがまた「本当にこれが『小』なの?!」と驚くような量なのがおもしろい。

 酔来丼を注文するほとんどの人が、小ワンタンか小ラーメンを追加します。スープの代わりみたいなもんですね。

 私も店に入るなり、瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)に、酔来丼(400円)+小ワンタン(200円)を注文。

 なにしろ前回、最後に酔来丼でシメるつもりで、まず「レバーの酢豚」(700円)を注文したところ、それだけで満腹になってしまって、酔来丼にたどりつけなかったという苦い経験をしたので、今日はしょっぱなから酔来丼の注文となったのでした。

 お通し(サービス)で出された、もやしナムル&細切りチャーシューをつまみに、ビールを飲んで待っているところへ、酔来丼と小ワンタンの登場です。

 「食べ方はご存知ですか?」と店のおにいさん。

 「このタレをかけて混ぜるんですよね?」

 「そうです、そうです。ごゆっくり」

 それにしてもこの小ワンタン。どう見ても普通のワンタンだよなあ。これで『小』なら、通常のワンタン(550円)はどんな量なんだろう。

 小ワンタンに入っている、具としてのワンタンそのものもでっかい!

 しかもすっごく熱いので、ハフハフしながら最初のワンタンを1個食べて、グィ~ッと冷たいビールです。いいね!

 酔来丼を食べてはビール、ワンタンスープをすすってはビール、また酔来丼を食べてはビールと、どんどんビールが進みます。

 本当はもう1本、ビールをおかわりしたいところだけど、横須賀で強烈なホッピーを3杯やってきた後だからなあ。今日はこれくらいでやめておきましょう。

 残っている酔来丼と小ワンタンは、ビールなしで、シメの食事としていただいて40分ほどの滞在。今日のお勘定は1,150円でした。

 「足りましたか?」と笑顔でお釣りを返してくれるおにいさん。

 「ええ、すっかり満腹です。どうもごちそうさま」

 テレビや雑誌でも何度も紹介され、『超』が付くほどの人気店になっても、お店の人たちのホスピタリティがちっとも変わらないのが本当にうれしいですね。お腹も心も満たされました。

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広東料理「酔来軒」 / お通しと瓶ビール / 店内の様子

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酔来丼 / ぐりぐりとかき混ぜていただく / 小ワンタン

店情報前回

《平成25(2013)年9月23日(月)の記録》

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これが名物、手羽唐揚 … 大衆酒場「天国(てんくに)」(横須賀中央)

手羽の唐揚


 横須賀「天国てんくに」の名物は「手羽の唐揚」(570円)。

 メニューには「鶏もも唐揚」(570円)もあるんだけど、「手羽の唐揚」のほうに『名物』という表記が付いています。

 そして今日も、その「手羽の唐揚」と、氷入りのホッピー(420円)を注文。

 この店に来るのは3回目ですが、毎回、必ず「手羽の唐揚」を注文しているのでした。

 前回来たのは、平成19(2007)年のこと。今から6年も前です。

 そのころは、すり切れて、まばらになったような縄のれんがトレードマークのような入口でした。

 ところが今は、朱色が目立つ、真新しい大きなファサードテントに、白字で「大衆酒場 天国」と大書され、左右の入口に掲げられている縄のれんもきれいっ!

 その縄のれんをかき分け、引き戸を開けて店内に入ると、店内の造りは昔のまま。

 うなぎの寝床のように、奥に向かって細長い店内には、奥に向かって長~いJの字カウンター席が伸びていてます。Jの欠けた辺の部分には、小上がりの座敷席が3卓あって、総席数は42席。

 毎日、正午に開店して、午後11時に閉店。年中無休なのがすごいですね。

 さあ、来ました。「手羽の唐揚」。ゴロン、ゴロンと大きな肉のかたまりがころがってるのがすばらしい。

 この店の唐揚げは、唐揚げ粉をつけて揚げるタイプ。立石「鳥房」や自由が丘「とよ田」のような、素揚げタイプではありません。

 衣の付いた唐揚げは、すっごく熱々ジューシーで、濃いホッピーも進みます。

 ここ「天国」の定番の料理メニューは30品ほどと、近くの「中央酒場」や「一福」などと比べると、うんと少ないのですが、呑ん兵衛好みのする品々が、200~450円ぐらいで並んでいます。

 たとえば冷奴(350円)、塩辛(300円)、お肉屋さんのコロッケ(290円)、メンチカツ(380円)、イカゲソ揚(300円)、お新香(200円)など。

 その他に『本日のおすすめ』という手書きメニューがあって、まぐろぶつ(500円)、たこぶつ(500円)、地魚天ぷら(430円)などの『今日の魚もん』や、きのこベーコン炒め(480円)、揚げ茄子(300円)、ぎんなん塩焙り(480円)などの『秋もの』などが並んでいます。

 チーズドック(150円)やネギ焼ソバ(400円)に、ごはん(180円)、みそ汁(180円)といった食事ものまであるからか、店内には若いカップルの姿も多いのです。

 1時間20分ほどの滞在。サービス料100円/人が加算されて、今日のお勘定は1,090円でした。どうもごちそうさま。

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大衆酒場「天国」 / ホッピー / 手羽の唐揚

店情報前回

《平成25(2013)年9月23日(月)の記録》

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