雑司が谷の隠れた名店 … もつ焼「高松屋(たかまつや)」(雑司が谷)
平成20(2008)年の初訪問以来、5年ぶりの訪問になってしまいました。
雑司が谷の隠れた名店、「高松屋」です。
ここのもつ焼き(1本120円)は、でかい!
上の写真は、シロとレバのタレ焼きです。この店のもつ焼きは、幅方向に大きいんですね。木の葉のように、中央部が広く横に広がっているのです。
この店のもつ焼きは、レバ、タン、ハツ、カシラ、シロ、ナンコツの6種類のみ。味付けは、それぞれ塩とタレとが選べます。
店内はL字カウンター12席と、奥の小上がりに座卓8席分の、合計20席。店主と息子さんが二人で切り盛りされています。
店に着いたのは、開店1時間後の午後6時半。カウンター席に先客が7人ほど座っていて、奥の小上がりは使われていません。私もL字カウンターの角のあたりに腰を下ろします。
「お飲み物は?」と聞いてくれる息子さんに、
「ビール(大瓶のみ、550円)をお願いします」
「ビールは、キリンとサッポロがありますが」
「じゃ、サッポロをお願いします」
すぐに出されるサッポロ黒ラベル大瓶。
「焼き物は順番にお聞きしますから、しばらくお待ちください」と息子さん。
そうでした、そうでした。ここは、店主が1注文分(本数だと5~6本かな?)ずつ、順番に、ていねいに、黙々と焼き上げてくれる。で、自分の順番が来ると、注文を聞いてくれるのです。
幸い、先客たちのもつ焼きはほぼ焼きあがっていたようで、ほとんど待つこともなく、自分の順番がやってきました。
「6種類を1本ずつお願いします」
「塩、タレはどうしますか?」
「レバ、シロはタレで」
「はい」
あとになってわかったことですが、カウンター席の奥のほうに座っている常連さんによると、
「ここのもつ焼きは大きいから、2~3本ずつ注文するのがいいんだよ。そうでないと食べてる間に冷めてしまう」
結果的には、まったくそのとおりでした。2~3本ずつ注文するのがいいですね。
ちなみに店内のメニューには、もつ焼きは『5本600円』と書かれていますが、実際には1本(120円)ずつ注文可能です。
あぁ~、うまいっ。
みんなのもつ焼きを焼き終えた親父さんも、カウンターの外に休憩に出てこられました。
焼き台の前では、いつも真剣なまなざしでもつ焼きに対峙している親父さん。
(ものすごく寡黙で、しゃべらない人なんだなあ)
と思っていたのですが、焼き台を離れて、外の椅子に座ると、ニコニコといろんな話を聞かせてくれます。
親父さんは今年で85歳。となりの肉屋の次男として生まれ、33歳のとき(昭和36年)にこの店を開店。それ以来52年間、この地でもつ焼きを焼いてきました。
開店当初から、ご夫婦二人でがんばってこられた奥様が、17年前に亡くなられ、そのときから息子さんが手伝うようになったんだそうです。
親父さんの話を聞くのもまた楽しくて、飲み物もあれやこれ。料理も、この店のもう一つの名物であるアツアゲ(450円)や、メニューには載ってないけど、いつもあるらしいキュウリやトマトをいただきます。
アツアゲは、もつ焼き用の炭火で厚揚げをあぶり、醤油で和えた刻みネギとおろし生姜をトッピングしたらできあがり。
キュウリは、生のキュウリをスティック状にカットして、味噌とマヨネーズを添えて出してくれるもの。トマトは生のトマト1個を、食べやすくスライスしたものです。
閉店時刻の午後10時ちょっと前まで、3時間半近くもゆっくりとさせてもらってお勘定。
「今日はちょっといきましたよ。すみません」
と言いながら計算してくれる息子さん。今日のお勘定は、4,370円でした。やあ、おいしかった。(ということは、キュウリとトマトで700円ということですね。350円ずつなのかな。)
この店の料理は全品、そして飲み物も、ソフトドリンクのコーラ(250円)以外、全品いただきました。
それよりもなによりも、親父さんのお話をゆっくりと伺うことができたのが本当に良かった。
どうもありがとうございました。ごちそうさま。
ビールとお通しの豆 / ハツ、ナンコツ、タン、カシラ(塩) / ハイサワー(400円)
ウイスキー水割り(400円) / きゅうり / 清酒(350円)を燗で
アツアゲ(450円) / 冷酒(400円) / ウーロンハイ(400円)とトマト
| 固定リンク | 0
コメント