黙って座れば肴が出る … 「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)
燗酒がおいしい季節になってきたからか、金曜日の「武蔵屋」は、いつにも増して満席模様。
奇跡的に空いていた、小上がり入口の2人用卓の向かい側(壁ぎわじゃない側)に相席させてもらって、これで「武蔵屋」は満席です。
「最初に小瓶のビールをお願いします」
いつものとおり、キリン一番搾りの小瓶(500円)からスタートです。
寒くなってきても、最初の1杯は、やっぱりビールがいいですね。小瓶(350ml)は量的にもちょうどいい。
その後は、いつもの燗酒3杯と、定番の料理5品のセット(2,500円)で、ゆっくりと『酒場浴』。これが本当に落ちつくんだなあ。
「次に何を注文しようか」なんてことすら考える必要がない。
出されるままに飲んで、出されるままに食べて、3杯のお酒を飲みきったら終了です。
こういう、ある意味、「完全におまかせ」的な酒場が、私には合っているようです。
このタイプの酒場と最初に出会ったのは、今から30年近く前。広島の「
薄暗い店内は、板敷きの大広間。奥に座る店主の前に炉が切ってあって、客は板の間の三方の土間に置かれた椅子に座ります。炉を真ん中に、広いコの字カウンターがあるような感じですね。
そこに座って、客が注文するのは飲み物だけ。
料理は週替わりで、歳時記やその週の季節行事にちなんだ
この膳をつまみに、お酒をいただくのです。
当時、私は20代の半ばだったのですが、それでもこの酒場はくつろげたなあ。
その後、東京に転勤になり、「爐談亭」と同じような酒場がないものかと探していたのですが、なかなか出会うことができませんでした。
今から13年前、やっと出会った酒場が、ここ「武蔵屋」だったのです。
当たるときには当たるもんで、それから2ヶ月後に初訪問した神楽坂の「伊勢藤」も、黙って座れば一汁四菜の肴が出る。しかも飲みものは日本酒しかないというストイックさで、これもまた、はまりましたねえ。まさに『酒道』です。
ゆ~っくり、の~んびりとくつろいで2時間弱。今宵のお勘定は3,000円でした。どうもごちそうさま。
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