働くオトナの晩ごはん … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)
ランチをのぞけば、人生が見えてくる。働くオトナの昼ごはん、それが「サラメシ」。
中井貴一さんの軽妙なナレーションではじまる、NHKの番組が「サラメシ」です。
私はこの番組が大好きで、月曜日の夜は「吉田類の酒場放浪記」、「プロフェッショナル 仕事の流儀」、そして「サラメシ」と、テレビの前から離れられません。
そんな「サラメシ」が、このたび一冊の本(学研パブリッシング、2013/9/24、1,365円)になりました。
テレビで見るのも面白いですが、こうやって文書と写真で見る「サラメシ」もいいですねえ。
ランチもさることながら、晩ごはんもまた、働くオトナの人生がかいま見える場面です。
昼間、力いっぱい働いたあと、晩ごはんを食べたり、お風呂に入ったりするときに、フゥ~ッと
「はまや食堂」で晩ごはんを食べながらお酒を飲んでいると、ここに集うお客さんたちの人生ドラマを感じることがあります。
このところよくお見かけする、年配の女性客。がっしりとした身体つきで、注文もせっかちで、その内容も男っぽい。
店に入ってくるなり、女将さんが注文を取りに来るのも待ちきれずに、
「おばさん! 豚肉スタミナ鉄板の定食(780円)ね」
と店中に響きわたるほどの大声で注文。
「はいはい。豚肉スタミナ鉄板でございますね」
と復唱しながらお茶を持ってきてくれる女将に、
「あとホッケ(550円)も付けてもらえる」。
すごいっ。豚肉スタミナ鉄板と、ホッケ焼きのダブル主菜だ。
この女性はいつも何かの定食に、もう一品、普通なら主菜となる一品を追加注文する。そして、ごはんのおかわりこそしないものの、けっこうなスピードですべてをきっちりと完食して、「おばさん、お勘定!」と代金を支払って帰っていく。
すべてが男っぽいのです。食事を楽しむというよりも、ガツガツとエネルギーを注入するって感じ。昼間も男まさりな仕事をしてるんだろうなあ。ついそんなことを想ってしまいます。
「はまや食堂」には、まるで「孤独のグルメ」の主人公・井之頭五郎さんのように、たくさん食べる客が多いのです。
いつも大瓶ビール1本で副菜を2~3品(トマト、煮付け、納豆など)を食べてから、きっちと定食を食べる中年男性客。この人が食べるのも速い速い。
必ず和風ハンバーグ(目玉焼き付き)定食(780円)を注文する若い男性客もいる。そして、それをほぼ完食してから、ごはんを大盛り(220円)でおかわりし、納豆おろし(150円)も追加注文して、ワッシワッシと食べ進む。見ているだけで気持ちがいい食べっぷりです。
そんな様子を横目で見ながら、今日の私は、いつもの『大衆食堂のフルコース』ではなくて、今夜は『アラカルト』。
大瓶ビール(480円)とマグロぬた(380円)でスタートし、日本酒の大(500円)を冷や(常温)でもらって、冷しトマト(150円)と冷ヤッコ(130円)。さらには納豆おろし(150円)もいただきます。
マグロぬたの野菜のシャッキリ感が、なんとも言えずいいんですよねえ。
最後に小ライス(150円)と、みそ汁(80円)、そして海苔(2袋50円)をもらって、『働くオトナの晩ごはん』を締めくくります。
ゆっくりと1時間40分ほどの滞在。今日のお勘定は2,070円でした。
アラカルトで飲み食いしても、『大衆食堂のフルコース』のときと同じくらいの料金なのがうれしいですねえ。どうもごちそうさま。
大瓶ビールとお通し(枝豆) / まぐろぬた / 冷ヤッコ / 冷しトマト
日本酒大(冷や) / 納豆おろし / 小ライスセットと海苔で〆
| 固定リンク | 0
コメント
こんばんは。
羨ましいです。そうやって一人でゆっくり時間を過ごせるのが。私はどうも一人で飲むのが苦手なんですよ。時間の使い方が下手なんでしょうね。誰か話し相手がいないと外で飲む気にならないんです。お酒は大好きなんですがね。今日も仕事帰りに「鳥好」に行こうかなと思いながら、結局駅前で焼き鳥を買って自宅で家族と食べました。これはこれでいいんでしょうね。
投稿: 流星人 | 2013.10.22 23:55