やっぱり鯛のかぶと煮 … 大衆酒場「根岸家(ねぎしや)」(東神奈川)
「みのかん」を出て、すぐ目の前の川沿いに北上し、京急本線のガードをくぐったら右へ。線路沿いに進むと京急・仲木戸駅、JRの東神奈川駅です。
「みのかん」からの所要時間は徒歩10分ちょっと。
京急・神奈川駅が最寄りの「みのかん」ですが、仲木戸駅や東神奈川駅からも意外と近いんですね。
そして1軒めの「みのかん」に続く、今日の2軒めは、東神奈川駅のすぐ前にある大衆酒場「根岸家」です。
今から10年ほど前に、駅前の再開発で大きな新築ビルの1階に入ったので、店はまだピッカピカに新しい状態なのですが、実はこう見えて、その創業は戦後すぐという老舗大衆酒場です。
「はまれぽ」の記事によると、ここ東神奈川の「根岸家」は、横浜の伝説として語り継がる伊勢佐木町の「根岸家」(1980年に焼失)とその系列店の中で、今も残っている最後の1軒なんだそうです。
「焼き鳥からラーメンから、根岸家には何でもありました。バンドが入って、演奏していました。お客はGI(アメリカ兵)から日本人、ヤクザ、愚連隊などありとあらゆる人がいました」
とは今はなき伊勢佐木町の「根岸家」のこと。1階はカウンター席とテーブル席、2階は座敷で、全体としては100人以上が入れる空間は、いつ行っても50人ほどの客がいるほどにぎわっていたんだそうです。
それに比べると、こちら東神奈川の「根岸家」はやや小ぶりで1階のみながら、コの字のカウンター席とテーブル席が2卓、そして奥には座敷もあって、構成は似ています。
土曜日、午後5時20分の店内は、ほぼ満席。コの字カウンターに奇跡的に空いていた1席に私が腰を下ろすと、これで完全に満席となりました。すごいなあ。
まずは燗酒(京都・伏見「
ここの料理は魚介類が中心。前回いただいた鯛かぶと煮もとてもおいしかった。今日はなんにしようかなあ。
あっ。今日も鯛かぶと煮がある。
前回(10月中旬)、400円で「安いっ!」と驚いたのに、今日は380円と、さらに値下がりしています。
たのむでしょう! 大好物の鯛かぶと煮ですからねえ!
切干大根をつまみながら待つことしばし。出てきた鯛かぶと煮は、なるほど前回よりはやや小さい(というか厚みがやや少ない)ものの、これはこれで立派。なにしろこの店は煮魚の味付けがいいんだ。
それにしてもここ「根岸家」。店を切り盛りしている女性陣もそうなんだけれど、店内に集うお客さんたちも、なんだか上品なんだよなあ。年配の男性ひとり客もおしゃれだし、ゆったりと余裕がありそうな中年のご夫妻も多い。
料理も、値段は大衆酒場価格なんだけど、その内容はどこか上品。
とても居心地のいい酒場です。
燗酒(320円)をおかわりするころに、客が減り始めました。時刻は午後6時前。この店は午後4時開店なので、ちょうどひと回りめが終わった切り換え点といったところでしょうか。
しかしながら、席が空いたのもつかの間、午後6時過ぎにはまたどんどんお客さんがやってきて、またまたあっという間に満席になりました。
私のとなりに入ってきた、ご常連らしき男性ひとり客は、燗酒(320円)にワカメ根のネギ和え(320円)と、殻つきカキ(180円)を注文。
すぐに出されるワカメ根のネギ和えに、目の前におかれたお酢をサァーッと回しかけ、醤油もササッとかけてかき混ぜると、ズズッと音を出してすすり込みます。
このワカメ根を何度も何度も食べてるんでしょうねえ。お酢と醤油での味付けに迷いがないし、しかも一発で味が決まっているのがすごい。
殻つきカキは180円で1個。それをツルンと一気に食べ終えると、すかさず「殻つきカキ、もう1個」と追加注文です。よっぽど美味しかったんだろうなあ。
私も鯛かぶとの骨まできっちりとしゃぶり終えて、終了。
1時間半ほどの間に、燗酒2本と鯛かぶと煮をいただいて、今日のお勘定は1,020円でした。どうもごちそうさま。
店は巨大マンションの1階にある / 大衆酒場「根岸家」 / 切干大根酢と燗酒
| 固定リンク
コメント