京都、名古屋、そして … 「みますや」(淡路町)
名古屋駅を18時43分に出発した「のぞみ246号」は、1時間40分で東京駅に到着。神田まで移動して、本日の3軒めは「みますや」です。
「みますや」に到着したのは8時50分。この時間帯でも、店内は大勢の酔客たちでにぎわっています。
私は今回も、入口を入ってすぐ左手の大テーブルの一角に腰を下ろし、「白鷹」(1合400円)の燗酒と、この店の名物のひとつである牛煮込(600円)を注文すると、残念ながら牛煮込は売り切れとのこと。
人気の品ですもんねえ。この時間じゃ仕方ないか。それじゃ肉豆腐(400円)をもらいましょう。
サービスとして出されるお通しは、おからの酢の物。さっぱりとしてて、いいですね。燗酒にもぴったりだ。
今日は朝の10時ごろ舞鶴を出発して、まずは京都で途中下車。新京極の「スタンド」が本日の1軒めとなりました。
「スタンド」は昭和2(1927)年に創業した大衆食堂。キリン生ビールと月桂冠が自慢の飲み物で、正午の開店から、午後9時の閉店まで、中休みなしに飲むことができるお店です。
天井が高い店内は女性陣が切り盛り。大正時代に建てられたという建物も、天井が高くて居心地がよかったですねえ。
2時間弱の間に、生ビール大ジョッキと、月桂冠の300ml瓶を1本いただいて、2,290円。
京都駅から新幹線で名古屋に移動し、本日の2軒めとして向かったのは、名古屋は伏見の「大甚本店」。
開店前から列に並び、開店と同時に店に入って、賀茂鶴(樽酒)の大徳利(燗)を2本。
明治40(1907)年創業と、1軒めの京極「スタンド」よりも、さらに20年ほど長い歴史ある店内は、開店と同時にほぼ満席になり、改めて人気の高さを思い知りました。
琵琶湖産のモロコと手長エビの佃煮も相変わらずおいしかったですが、今回は豆腐鍋という、ひとり用の鍋物をいただくことができたのがよかったなあ。
2時間強、ゆっくりと過ごさせてもらって、お勘定は2,610円。
そして、新幹線で巡るハシゴ酒の、最後に選んだ「みますや」は、その「大甚本店」よりもさらに2年古い、明治38(1905)年の創業。今年で創業108となる、都内に現存する最古の居酒屋です。
つい先日、久しぶりにうかがった「大はし」も、創業明治10(1877)年と古いのですが、最初は牛肉専門店として創業し、のちに牛鍋(すき焼き)屋となり、戦後、牛肉の切れ端で作る煮込みが評判となって、やがてそれを名物とする居酒屋になったということなので、純粋に居酒屋として古いのは「みますや」なんですね。(「大はし」の歴史は、太田和彦さんの著書に詳しく載っています。その一部がこちらのサイトで紹介されています。)
さて「みますや」。午後9時半が近づいたところで、店のおねえさんから「ラストオーダーです」と声がかかります。
おっと、そうなんだ。午後11時までの営業かと思って、のんびりしていたのですが、9時半ラストオーダーの、おそらく10時ごろが閉店なんですね。土曜日だから短いのか、平日もそうなんでしょうか。
それじゃ今度は、群馬の「
前回、ここに来たときに、店のおねえさんが「白鷹と谺とは徳利が違うのよ」という話をしていたので、それを確認しようと、あえて銘柄を変えてみたのです。
なるほど、「白鷹」の徳利は朱色の千社札のような模様の中に「かん多゛ みますや」と書かれているのですが、「谺」のほうは表側には文字だけで「みますや」、裏側には丸印のような形で「かん多゛」と書かれているんですね。これはまた、明らかに違う徳利だなあ。
お新香は、ナス、キュウリ、白菜、しば漬けの4点盛り。けっこうボリュームがありますぞ。
「スタンド」や「大甚本店」と比べて、ひとり客の割合がとても低いのが「みますや」の大きな特徴でしょうか。今の店内は、ほぼ100%がグループ客。ひとり客は私だけだろうと思います。
「みますや」に限らず、首都圏内の酒場は、グループ客の率が高くなっているような気がしますねえ。ひとりっきりで、どっぷりとその酒場に
他のお客さんたちも帰り始める午後10時まで、1時間ちょっとの滞在。今日のお勘定は1,550円でした。どうもごちそうさま。
そんなわけで、京都→名古屋→東京と、3都市をめぐって飲み歩いたハシゴ酒もこれにて終了。3軒の総支払額は6,450円、1軒あたり平均2,150円でした。
いずれ劣らぬ名酒場ぞろい。機会があれば、ぜひまたこういうハシゴ酒をやってみようと思います。
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コメント
以前ハッシーとともにホッピー仙人で偶然お会いして理髪店までご一緒させていただいた者です(笑)。この度はまた凄いハシゴ酒でしたね。私も今年、京極スタンドと大甚本店にお邪魔したので懐かしく読ませていただきました。どちらも歴史と風格を感じさせながらも肩の力が抜けた良いお店ですね。また、何処かでお会いしましょう。
投稿: HIRO | 2013.12.17 14:49
神田「みますや」タタキの土間が歴史を物語っていました。
『どぜう』を肴に一人飲みしたのは20年以上前の夏、都心に雷が鳴る夜でした。
出張の少ないサラリーマンで、「スタンド」「大甚」「みますや」の3店訪れるのに、15年くらいかかりました。
HAMADAさんが1日長距離はしご酒なら、私は長時間はしご、でしょうかね。
パラダイスな出張、最近とんと回ってこんのじゃが…
投稿: 遊星ギアのカズ | 2013.12.18 21:52