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受注生産のもつ煮込み … やきとん「すっぴん酒場(すっぴんさかば)」(野方)

受注生産のもつ煮込み


 もつ焼き(=やきとん)が好きなので、東京の自宅に戻っている土曜日は、もつ焼きを食べに出かけることが多い。

 今から10年ほど前までは、わが家の近くで、もつ焼きが食べられる店というと、新井薬師前の「四文屋」、沼袋の「ホルモン」、中野の「春」(現在の「石松」)、阿佐ヶ谷の「川名」、荻窪の「カッパ」、そして今はなき鷺ノ宮の「鳥芳」ぐらいしか、私は知りませんでした。

 ところが、平成16(2004)年1月に、野方に「秋元屋」が開業して以来、「すっぴん酒場」(野方)、「たつや」(沼袋と鷺ノ宮)、「弐ノ十」(都立家政)と、下町のもつ焼きの名店と比べても、そん色のないもつ焼きの店がどんどん増えてきて、今や西武新宿線の沼袋~鷺ノ宮の各駅の周辺には、それぞれ4~5軒ずつものもつ焼き店がひしめいています。

 我われ、もつ焼き好きは、あっちの店にも行きたいし、こっちの店にも行きたいしと、まさにうれしい悲鳴状態。身体がいくつあっても足りゃしない。

 今日は平成18(2006)年11月15日創業の、カウンターだけの立ち飲みもつ焼き店、「すっぴん酒場」にやってきました。

 ついこのあいだ開店したような気がするのに、もう創業7年になったんですね。

 店主の徳宿克治(とくしゅく・かつじ)さんは、私と同い年なのに、身体もキリッと筋肉質に引き締まっていて、うらやましいほど若々しい。

 まずは黒ホッピー(450円)をもらうと、お通し(100円)のカブとキュウリも出されます。これをもつ焼き用の串2本を箸代わりにいただくんですね。

 店主の修業先は、神田の「三政(さんまさ)」。串を箸代わりにするのは「三政」ゆずりなんですね。

 最初はレバ(100円)とシロ(100円)を1本ずつタレで焼いてもらいます。

 レバとシロは、もつ焼きの王道的2品。仕入れや仕込み、そして焼きの良し悪しがよくわかる一品です。ここ「すっぴん酒場」も含めて、冒頭でご紹介したこの界隈のもつ焼き屋では、いずれもすばらしいレバやシロが楽しめます。

 お勘定はキャッシュ・オン・デリバリ制。目の前のカゴにお金を入れておくと、出てきた品物と引き換えに、料金を取り、おつりを入れてくれます。

 入口近くのお客さんから煮込み(400円)の注文が入ったところで、私も煮込みを便乗注文。奥で飲んでいる常連さんからも煮込みの声がかかります。

「そうやって合わせて注文してくれると、本当に助かります。ばらばらと注文が入ると、ずぅ~っと煮込みばっかり作ってないといけなくなって、煮込みウツになってしまいそうになるんですよ(笑)」

 と女将さん。ここの煮込みは、あらかじめじっくりと煮込んで、冷蔵庫で保存している煮込みを小鍋にとって加熱し、その時に豆腐なども加えるという受注生産方式。『温め直す』という感じではなくて、この小鍋でしっかりと煮込んで仕上げていくんですね。だから時間がかかる。

 したがって断続的に煮込みの注文が入ると、仕上げ用の小鍋の前から離れられなくなってしまうんだそうです。

 大根やニンジンなどの根菜類も入った煮込みは、ボリュームもあって、これだけで中身(ホッピーの焼酎おかわり、250円)が2杯いけました。

 3回目の中身(つまりホッピーは4杯め)をもらって、この店ならではの一品、ショウガミョウガ(200円)をもらいます。

 ショウガミョウガは、その名のとおり、生姜しょうが茗荷みょうがを豚肉で巻いて、表面がカリッとなるくらいに焼いたもの。大好きな一品です。

 そして最後、シメの1本は、これまたこの店ならではの一品、ハラミナンコツ(100円)です。

 串の先のほうにハツの弁の部分や動脈の部分が、まん中に喉頭のどがしらをたたいた軟骨部分が、そして根元にハラミが刺されたこの串は、食べるにつれて味わいや食感が変わるのがおもしろい一品です。

 ゆっくりと2時間ほど立ち飲んで、キャッシュ・オン・デリバリでの支払合計は2,200円でした。どうもごちそうさま。

131123a 131123b 131123c
黒ホッピー / お通しのカブとキュウリ / レバ(たれ)

131123d 131123e 131123f
シロ(たれ) / ショウガミョウガ / ハラミナンコツ

店情報前回

《平成25(2013)年11月23日(土)の記録》

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コメント

ショウガミョウガ食べてみたいです。絶賛お薦め中ですよね!

投稿: 大越龍一郎 | 2013.12.08 20:01

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 沼袋の「たつや」を出て、今日の2軒めは野方の「すっぴん酒場」。ここは立ち飲みのもつ焼き店で、支払いもキャッシュ・オン・デリバリーです。  ここに来ると、たいてい飲み物は黒ホッピー(450円)。ホッピーは黒しか置いていないのです。  このことに関して、店主自身は多くを語ることはなく、「たまたまです」なんて笑ってますが、コクのあるもつ焼きには黒ホッピーがよく合いますもんね。  今日のお通し(100円... [続きを読む]

受信: 2014.01.20 00:04

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