7年ぶりでも同じ値段 … 大衆酒場「バクダン」(高円寺)
日曜日の午後7時過ぎ。ものすごく久しぶり(7年ぶり)にやってきた大衆酒場「バクダン」は、以前と変わらず、多くの酔客たちでにぎわっています。
この店は、入口側にずらりとテーブル席が並び、奥の厨房横に7席分ほどのカウンター席。この空間を若店主(二代目)と、手伝いの若い女性のふたりで切り盛りします。
私もそのカウンター席の一角に座り、まずいただく飲み物は「ホッピー酎」(350円)。
おろっ。7年も間があいたのに、飲み物の値段も、食べ物の値段も変わってないんじゃないか?
大瓶ビールが480円、焼酎や日本酒は250円、ホッピーをはじめとする酎ハイ類は350円。つまみの値段も変わってないのがうれしいではありませんか。
来た来た。ホッピー酎。
氷入りのサワーグラスに焼酎がたっぷりと8分目ほど。ホッピー(ソト)の入る余地は、ほとんどありません。
そうそう。思い出したよ。この店のホッピーはこうだったなあ。
目の前の冷蔵ガラスケースには、見るからにおいしそうなマグロのサクが並んでいます。つまみは、まずはこれだな。
「すみません。マグロぶつ(350円)をお願いします」
すぐに出される小鉢のマグロぶつは、赤身が3切れに、中トロっぽい部分が3切れ。見た目で感じたとおり、このマグロぶつはうまいなあ。
続いてゲソ天(380円)を注文すると、できたて熱々のゲソ天が出されます。
天つゆは出されず、ゲソ天は生じょう油で、野菜の天ぷらは塩で食べるのが、この店の流儀。
ナカ(ホッピーの焼酎おかわり)を注文すると、180mlコップで焼酎(250円)が出され、グラスの氷を追加してくれます。
この焼酎を、半分だけグラスに入れてホッピーを作るとちょうどいい。ナカ1杯で、ホッピーが2杯作れます。
そのホッピーを飲みながら、カウンター内の若店主に店のことを聞いてみます。
若店主のお父さんは、戦後すぐに創業した池袋の大衆酒場「バクダン」で修業。そこから暖簾分けをする形で、ご両親がこの地に「バクダン」を開業したのは、昭和31(1956)年のことでした。
「いっときは都内の各地に、暖簾分けした『バクダン』があったらしいのですが、いま営業を続けているのはウチだけみたいです」
厳しいおばあちゃんの存在も、この店の名物だったのですが、そのおばあちゃんは、4年前(2009年)に亡くなられ、それを機に、先代(お父さん)も隠居。店は若店主(二代目)に任されたんだそうです。
コップに残しておいた半分の焼酎で、最後の1杯となるホッピーを作ると、ソト(瓶入りホッピー)もちょうどなくなりました。
そのホッピーに合わせて、「コンニャクみそ」(200円)を注文すると、これはいわゆる味噌田楽。あったかいのがいいですね。
この店は、冬場のひとり鍋も充実しています。湯豆腐(350円)から始まって、煮込み豆腐(600円)、豚鍋(600円)、鱈鍋(700円)、そしてカキ鍋(800円)の5種類。これまた、7年前から値段が変わってないですねえ!
変わらぬ老舗の安定感にくつろぎながら1時間ちょっとの滞在。今日のお勘定は1,530円でした。どうもごちそうさま。
(次回) 24.05.15 まさかのマーマレード … 大衆酒場「バクダン」(高円寺)
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