2本と2品で760円 … 「斎藤酒場(さいとうさかば)」(十条)
木場の「河本」から、根岸の「鍵屋」へと飲み歩き、今日の3軒めは、十条の「斎藤酒場」です。
このルート。木場から根岸には、地下鉄・東西線で茅場町に行き、日比谷線に乗り換えて入谷まで。所要時間は約20分(運賃190円)。前後の歩きの時間を含めても30分ちょっとです。
根岸から十条は、JR鴬谷から京浜東北線で東十条に出て(約12分、運賃160円)、そこから演芸場通り商店街を抜けて行きます。こちらも前後の歩きも含めて30分ほど。
武蔵野台地の「ふち」に沿って、都内を徐々に北上してきた形ですね。
この「ふち」より東側が下町。西側が山の手です。
東十条駅などは、ちょうどその「ふち」の所に駅があるので、下町と山の手の概念が、感覚的にもわかりやすい。駅のすぐ横に土手があって、台地の上と下とに、明らかに町が分断されているのです。
「斎藤酒場」のある十条駅周辺は、台地の上にあります。
店に着いたのは午後7時過ぎ。
いつも満席状態が続く店内ながら、ちょうど4人連れぐらいの客が出てきたところ。左手奥の、テレビ下のテーブル席がその人たちの分、スポっと空いていて、無事に席に着くことができました。
「お酒(170円)をください。セットはまだできますか?」
「ちょっと待ってください」と厨房に確認してくれて、「できますよぉ!」という嬉しい返事。
「じゃ、セットをお願いします」
セットというのは、この店の三大名物のうちの二つ、カレーコロッケ(2個220円)と串カツ(2本220円)を、1個・1本ずつ盛り合わせたもので、値段は220円。ひとりで飲むときは、セットがちょうどいいんですねね。
ただし、人気が高いので、遅い時間になると売り切れてることも多いのです。今日も、このあとすぐに串カツが売り切れました。
三代名物の残るひとつは、ポテトサラダ(200円)です。平皿にたっぷりと盛ってくれる、このポテトサラダも美味しいんですよねえ。
それにしても、燗酒(小徳利)が170円というのはすごいなあ。立ち飲み屋でも、この値段で出してくれるところは少ないと思います。
他のつまみも、花らっきょう(150円)、黒酢ニンニク漬(200円)、山海漬(200円)、いか塩辛(200円)、冷しトマト(280円)、月見納豆(250円)、オクラ納豆(250円)、さば塩焼(420円)、煮魚かれい(350円)、煮魚いわし大(320円)、さけフライ(280円)、しめさば(300円)、あこわさ(300円)、サービス くらげ刺身(300円)、マグロブツ切(280円)、マグロ刺身(480円)、イナダ刺身(350円)などなどと、とにかく安い。
いちばん高いマグロ刺身でも500円を切ってますからねえ。しかも、400円台のつまみは、今日はこのマグロ刺身とサバ塩焼きだけで、他はすべて400円未満です。
メニューは日替りなので、魚の仕入れによっては、400円台のつまみがもう少し多いこともあります。
今日はありませんが、この店の
「あれっ? マフラーがない」
私のとなりで飲んでいた年配の男性ふたり連れが、お勘定をしようと席を立ちあがったところ、そのうちのお一人がそう言いながら、自分たちが座っていたあたりを再確認しています。けっこう探しているのに、なかなか見つからない。
「もしかしたら、来るときからしてこなかったんじゃないの?」と連れの男性。
「そんなことないよ。ちゃんとしてきたんだよ。間違いない」
そのとき、椅子の下に、他とは違った色合いがフッと見えた。
「あっ。これじゃないですか」と手を伸ばしてみると、はたしてそれが探していたマフラーでした。
「なんだよ。土間の色と同じじゃないか。こんな紛らわしいマフラー、してくるなよ」と笑う連れの男性。
「いやあ、ありがとうございます。保護色になってて見えなかったんですね」
「いやいや、お騒がせいたしました。お先に」
同じテーブルを囲むみなさんに、そうあいさつをしながら、お二人はレジでお勘定を終えて、店を出ていかれました。
すると、店のおねえさんが燗酒を1本もってきてくれて、
「これね。さっきのお客さんが、マフラーを見つけてくれてありがとうって」
と私のところにお酒を出してくれたのです。
ありゃりゃ。たまたま見つけただけなのに、かえって悪かったような…。でもとてもうれしい。ありがたくいただきました。
この事件(?)をきっかけに、同じテーブルを囲んでいる他のお客さんたちとの話も弾むようになり、いただいた2本めの燗酒もあっという間になくなります。
「すみません。燗酒(170円)をもう1本と、ぬか漬盛合せ(200円)をお願いします」
店内は、何人かが店を出ると、何人かが店に入ってきて、ずぅ~っと、ほぼ満席の状態が続いています。さすが東京を代表する人気店の1軒だけのことはありますねえ。
ゆっくりとくつろぐこと2時間弱。お酒2本(+いただいた1本)と、肴が2品で、今日のお勘定は760円(←間違いじゃないですよ!)でした。どうもごちそうさま。
「斎藤酒場」 / 燗酒とお通しの落花生 / 串カツとカレーコロッケのセット
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コメント
いつもありがとうございます。「酒場で本当にあった、ちょっといい話」という本を、出してみてはいかがですか?
投稿: 大越龍一郎 | 2014.01.26 19:33
ご無沙汰しております。新宿で良い居酒屋を探していましたら、以前の会社の先輩がスバルビル1階と地下1階と中間階にある「両関」を教えてくれました。ここの特徴はミニグラス1杯のビールがただで出てきます。ビールを少しだけしか飲まない私にはちょうど良いです。名前の通りお酒は秋田の両関で470円のにごり酒を頼んだら2合出てきました。店長に聞いたら出血サービスとか。刺身盛合せも1570円ですが、3人前の量でした。なにしろ駅から近いのが良いです。浜田さんもよく新宿へ行かれると思います。
是非、お店を見てください。
今度、川名でのオフ会を楽しみにしています。
川口
投稿: 川口哲司 | 2014.02.05 11:31