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満州焼の塩バージョン … 「忠孝(ちゅうこう)」(横須賀中央)

塩満州焼


 横須賀「忠孝」の名物は満州焼まんしゅうやき

 これはラム(仔羊の肉)を串に刺して、ニンニクなどの入った醤油ベースのタレに、数時間ほど浸けこんでから焼いたもので、1本が105円。

 この店の創業者である、先代の社長夫妻が、この地に「忠孝」を開いたのは、昭和33(1958)年のこと。

 開店当初から、豚のもつ焼きを出す店だったそうですが、この満州焼も、創業当時からあるメニューなんだそうです。

 でも、最初のころはずっとマトン(普通の羊肉)を使ってて、昭和40年ごろにラムに切り替えたとのこと。

 野毛や藤沢にも満州焼を出してくれる店がありますが、こちらは豚のカシラを使っているので、内容的にはちょっと違うものですね。

 ちなみに、満州焼と、地名としての満州との関係はわからないそうです。

 その満州焼。現在発売中の「とりマニア」(浜田信郎・監修、メディアパル、1,300円+消費税)でもご紹介したとおり、昨2013年から、新たに満州焼が加わりました。

 ラムを、酒とニンニクでもんでから、塩焼きにしたもので、1日50本だけの限定品。値段は通常の満州焼と同じく、1本105円です。

 今日はこの満州焼と塩満州焼の2種類を食べ比べてみようと思ってやってきたのでした。

 店に着いたのは、ちょっと遅めの午後9時半。

 ここの店内はちょっと複雑な構造をしています。入ってすぐ左手の焼き台の前に、まずカウンター席があり、ここに4人ほど座れます。店内を少し進んだ右手にもカウンター席があり、こちらに8人ほど。その背後が2卓6人分のテーブル席。奥には小上がりの座敷席52席もあって、総席数は70席ほどと、個人経営の店にしては、けっこうな大箱店です。

 「ひとりです」と入ると、店のおねえさんが「こちらにどうぞ」とカウンター席の一角に案内してくれました。

「お飲みものは?」

「ホッピー(430円)をお願いします」

「氷は入れますか?」

「お願いします」

 なにしろ、この店のホッピーも濃いですからねえ。氷を入れてチビチビとやるぐらいがちょうどいい。

 あっという間に出てきたホッピーは、氷を入れたアサヒスーパードライ用の中ジョッキの「Asahi」の文字の下あたり(ジョッキの7分目ぐらいかな?)まで焼酎が入っています。さすが横須賀ホッピーですねえ!

 一緒に出されるお通し(サービス)は、定番の『うずらおろし』。醤油をちょいと回しかけて、焼き鳥の合いの手にいただくんですね。

「お料理のご注文をうかがいます」

「満州焼(105円)を2本……」

「ごめんなさい。満州焼は売り切れました。満州焼用のタレがなくなったんです」

 なんと! はやくも目論見もくろみが外れてしまいましたか!

「塩満州焼(105円)はありますか?」

「塩のほうはあります」

 やったあ! 少なくとも塩満州焼にはありつけそうだ。

 1日50本限定なので、むしろ塩のほうが売り切れてるんじゃないかと心配してたんですけどねえ。

「じゃ、塩満州焼を2本と、あと特上シロ(160円)を1本……」

「ごめんなさい。焼き鳥の注文は、2本以上からなんです」

「あ、そう。じゃ特上シロも2本お願いします」

「今ちょうど炭火をおこしているところで、焼き鳥ができるのには少しお時間がかかります。それまでの間、焼き鳥以外のお料理はいかがでしょうか?」

「ん~。どうしようかな。ほかの料理はいいです。ちびちび飲みながら待ってます」

「は~い、わかりました」

 ということで、満州焼はなかったものの、無事に注文が終了しました。

 それにしてもこの時間(午後9時半)に、炭火を熾してるっていうのがすごいな。

 もつ焼き屋や焼き鳥屋では、営業時間中も、炭を継ぎ足し、継ぎ足ししながら焼いてるので、営業時間の途中で炭火が途切れてしまうという光景は見たことがありません。

 さっき満州焼が売り切れたとも言ってたから、もしかしたら今日は、早い時間からお客さんが多くて、炭を継ぎ足すヒマもなく、今まできちゃったんでしょうか。

 10時前に、やっと火が熾り、焼きが再開されますが、店内の大勢のお客さんたちが、それまでに注文していたものを順番に焼いていくので、焼き鳥が大渋滞をおこしています。

 10分ほど待って、塩満州焼が出てきました。

 ほお。ニンニク風味がよく効いてますねえ。でも肉は、とってもラムらしい味わいです。(実はラムが大好きなんです。)

 『普通の満州焼って、どんな味だったっけ?』と思うぐらい、この塩満州焼の味付けは、ラムによく合っています。こっちが名物でもいいぐらい。

 さあ、そして特上シロも出てきました。

 分厚いなあ!

 串を持つ手に、ずっしりと重みを感じるほど厚みのある特上シロは、豚の直腸の部分。

 味は指定しなかったのですが、塩コショウが振られています。

 まずひと切れ口に入れると、これがとても硬い!

 硬いといっても、弾力感のある硬さのことで、噛んでも噛んでも、かたまりが崩れていかず、噛んで肉の繊維がほぐれた分だけ、その容量がどんどん増えていく。

 いまや口の中いっぱいまで膨らんだ特上シロを、噛んで噛んで、噛んで噛んで噛んで、さらに噛んで噛んで噛んで噛んで。やっと最初のひと切れを飲み込むことができました。

 ふぅ~っ。でもこれで学習したぞ。

 2切れめからは、特上シロの串の上と下とを両手でつかみ、前歯で特上シロの一部分を噛みちぎりながら、ちょっとずつ口の中に入れていく。これぐらいの量がちょうどいいですね。

 ナカ(300円)もおかわりして、1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は1,260円でした。どうもごちそうさま。

 ちなみに、「とりマニア」では、鶏1羽を丸ごと、時間をかけて唐揚げにした『唐揚大王』(2,000円)という豪快な名物料理もご紹介しています。

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「忠孝」 / ホッピーとお通し / 特上シロ

店情報前回

《平成26(2014)年1月17日(金)の記録》

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