うちはホッピー屋だよ … 「河本(かわもと)」(木場)
ホッピーに一番合うのが、ここ「河本」の煮込み。
逆に、ここの煮込みに一番合うのがホッピーです。
その煮込み(300円)。注文すると、大鍋から、おたまでチャッチャッチャッと煮汁を切りながら、小皿に盛ってくれます。
煮玉子が入った、ニコタマ(煮込み玉子入り)も同じく300円で、牛もつが減る代わりに、煮玉子が1個加わります。
そんなに濃厚そうには見えないんだけど、口に入れるとものすごいコク。牛もつの裏側にたっぷりと付いてる脂が多いから、このコクと甘みが出るんですね。
その脂で、口の中がギトッとなったところへ、キューッとホッピー(400円)です。
「うちはホッピー屋だよっ!」
女将の真寿美さんの口癖です。
昔は、ここにふらりと入ってきたお客さんが、「こっちも生ビールちょうだい」なんて注文することも多かった。みんなが飲んでるホッピーが、そのお客さんには生ビールに見えたんですね。そんなときに笑いながら発するのが、「うちはホッピー屋だよっ!」という
『超』が付くほど有名店になった今では、めったにないことですけどね。
なにしろここ「河本」では、ホッピーが世に出された昭和23(1948)年から、現在に至るまで、ずぅ~っとホッピーを出し続けている。まさに元祖・ホッピー屋と呼ぶべき店なのです。
「私もねえ、来年で80歳になっちゃうのよ。去年まで、13歳だったのにね。急に歳とっちゃった(笑)」
お客さんに「何歳になったんだっけ?」と聞かれると、いつも13歳とか、17歳と答えて笑わせる真寿美さん。もう80歳に手が届くぐらいになっちゃったんですね。
「じゃ、オレがこの店に来はじめたころは、真寿美さんは55歳ぐらいだったのか。若かったんだなあ!」
となりに座っている男性客は、この店に通い始めて25年ほどになるんだそうです。そのぐらい通っている常連さんが多いんですよねえ、この店には。
ホッピー(400円)をおかわりして、おでん(400円)を「おまかせ」でお願いすると、なると、しらたき、あつあげ、焼ちくわ、そして大根を盛り合わせてくれました。
煮込みは年間を通しての名物ですが、冬場だけしか出されない「おでん」もまた人気の品。
メニューには「おでん400円」としかなくて、基本的には「おまかせ」で注文します。
どうしても入れてもらいたいものがある場合には、「豆腐を入れておまかせで」とか、「おまかせで、大根は入れてください」と注文します。
逆に「豆腐を抜いておまかせで」といったように、入れないものを指定する人もいます。
このおでんも、うまいんだよなあ。おでんの季節が終わるまでに、あと数回は食べておきたいですね。
午後4時の開店と同時に店に入って、1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は1,500円でした。どうもごちそうさま。
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コメント
永井荷風付近でぼよよんとしている
河本おでんのファンです。
大根、豆腐、がんもあたりをよくリクエストします。
でも、一番の肴は真寿美さんの笑顔ですね。
投稿: 埠頭前ドラゴン | 2014.01.23 08:25