やっと入れてシメサバ … 大衆酒場「栄屋(さかえや)」(日ノ出町)
最低でも週に1度は
今日も仕事を終えて、トコトコと野毛に出てきたところ、なんと「武蔵屋」は臨時休業。
道路の積雪こそないものの、この寒さだからなあ。
よしっ。こういうときは、また「栄屋酒場」をのぞいてみよう。
年末ごろから、「栄屋酒場」にはもう5~6回、行ってはいるのですが、いつも満席で入れない。
今や、常連さんでも予約をしないと入れないぐらいの人気店になっているんだそうです。
「栄屋酒場」へ向かう途中にある、「あさひや」は、すでに赤ちょうちんの灯が消えている。現在の時刻は午後8時。今日は早めに売り切れたんでしょうね。
「武蔵屋」→「あさひや」と、野毛の誇る2軒の
これまた人気の「第一亭」は、今日、火曜日が定休日。最近はお客さんが多くなってきて、そのための仕込みがたいへん。定休日にもゆっくり休んでられないことが多いんだそうです。
さあ、「栄屋酒場」に到着。
この店の入口引き戸は、すりガラスなんだけど、上部だけ、透明なガラスになっている。だから、のれんをかき分けて、その透明な部分から店内の様子をうかがうことができるんです。
おぉ~っ、先客は2組(2テーブル)のみ。やっと入れるなあ。
ガラリと入口引き戸を開けて、「こんばんは」と店内へ。
一番奥、右手の、黒板メニュー前の席に座り、まずはのど潤しに小瓶のビール(400円)をもらうと、お通し(サービス)のイカの煮物と一緒に出されます。
この黒板前の席は、他と同じく本来は4人用のテーブル席なんだけど、突き当りの壁に押し当てて配置されていて、奥には焼酎ボトルや、ポットなどの備品類も置かれているため、二人用のカウンター席のような感じです。
黒板にびっしりと手書きされている今日のメニューは36品(数えました!)。
このうち、魚介系のメニューが23品(全体の3分の2)、それ以外の野菜系や豆腐、フランクなどが13品(3分の1)という構成。(ちなみにクジラ刺身750円は、魚介類のほうに分類しています。)
一番安いのは冷奴の100円。一番高いのがマグロ刺身の950円(壁に貼られている鍋物メニューは除く)。36品の平均値は540円。最頻値は350円なので、魚介系が中心の店としては安いですよね。
でも実は、値段もさることながら、その量がすばらしいんですね。
36品の中から、刺身類だけを抜き出すと、平均値も最頻値も700円。今日はまさにその平均&最頻価格のシメサバ(700円)を注文すると、出てきたシメサバは、どかんと20切れ!
構成は背側10切れと、腹側10切れなのですが、これで3枚におろしたサバの半身1丁分。すごいでしょう!
シメサバにはやっぱり日本酒ですね。
壁の貼紙にある「地酒めぐり」は、No.1925まで進み、今回は「
「栄屋酒場」は、昭和23(1948)年に『市民酒場』として創業しました。
現在の店主・三宅明治さんは、創業店主の次男。店はおにいさん(長男)が継ぐものと思って会社勤めをされていたんだそうです。
ところが、そのおにいさんは「
「親父の店をなんとかしなきゃ」ということで一念発起した明治さんは、ある日突然、15年間のサラリーマン生活を投げ打って、「栄屋酒場」を継ぐことに決めたのでした。
「そりゃあ、びっくりしたわよ。サラリーマンの奥さんだったら生活も安定してると思って、パパと結婚したのに、なんの相談もなく、ある日、急に会社を辞めてくるんだもの」
と笑うのは、明治さんと二人三脚でこの店を切り盛りする京子さん。その日から急に、考えたこともなかった『女将さん』になってしまったんだそうです。
「女将さんらしいことなんて、なにもできないわよ! って抗議したんだけどね。パパが、『女将らしいことなんて、しなくていいよ』って言ってくれたんで、今もずっと自然体でやってるのよ(笑)」
それもまた、「栄屋酒場」の味わいのひとつになってますよね。
お二人が店の中でも、パパ、ママと呼び合うので、常連さんたちも店主のことを「パパさん」、女将さんのことを「ママさん」と呼んでます。
「よかったら、これ食べてみて」
と出してくれたのは、大根の煮物と、小松菜のおひたし。ご自宅近くの畑でとれたものなんだそうです。
平日(店の営業日)は、パパさんはこの店に寝泊まりしながら、朝早くから仕入れに行き、昼間は仕込みをして、営業時間を迎えます。
ママさんは、ご自宅にいて、畑仕事などをしながら、営業時間が近くなるとお店に出勤してくる、という毎日なんだそうです。
「天狗舞」に続いては、メニューには「二級酒」(340円)と書かれている日本酒を、燗でいただきます。この二級酒がほんわりと甘くて、魚介類にもよく合うんですよね。
「パパは昔から、よく人にだまされるタイプの人なのよ。でも本人はそんなこと少しも気にしていないみたいなのよねえ。それぐらい人がいいの」
店の経営にも、その姿勢が表れてますよね。とにかくいつも一所懸命。
だからこそ、何十年も通ってくる常連さんも多いし、若い人たちにも人気があるんでしょうね。
その人気ゆえに、なかなか入れないことだけが残念なところです。
もう1本、燗酒(340円)をもらって2時間弱の酒場浴。今日のお勘定は2,400円でした。どうもごちそうさま。
さあて。せっかくの野毛だし、最後にもう1杯。「ホッピー仙人」のホッピー(500円)で〆て帰るとしましょうか。
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