店の人たちが一所懸命 … 「中央酒場(ちゅうおうさかば)」(横須賀中央)ほか

金曜日の仕事を終えて、「中央酒場」にやってきました。
会社の最寄駅から、京急・各駅停車の電車に乗りこむと、横須賀中央まで座っていくことができる。飲んだ帰りは、もちろん座って帰ることができる。この楽さが、横須賀方面に飲みに行くメリットなのでした。
野毛や横浜方面に向かうと、飲んだ帰り(下り方面)は、まず座ることができませんからねえ。
いつものごとく、「中央酒場」の店内は、ほぼ満席状態。長~いカウンターの中央部に切られた、店員さん用の通路わきの空席に座り、いつものようにホッピー(450円)でスタートします。
おっ! 今日のメニューには『しこさし』(450円)がありますねえ!
『しこさし』は、『しこ』と呼ばれるカタクチイワシの刺身のこと。広島で言うところの『小イワシの刺身』と同じものです。
早い時間帯に売り切れてしまうことが多い『しこさし』。この時間(午後8時半)まで残ってるのは珍しいことです。もちろん注文。
燗酒でいただく小イワシの刺身もいいもんですが、ガツンと強いホッピーでいただく『しこさし』も、これまたいいですねえ。
こうしてカウンター中央部に座ると、右を見るとテレビが見えるし、前を見るとカウンター内で調理をしている様子を見ることができる。ひとりで来ても、まったく退屈することがない席なのです。
「中央酒場」の1階フロアを切り盛りするのは、厨房の人も含めて7人ほど。厨房専門の人が4~5人いるので、外まわり(客席)は2~3人で見てるんですね。このフロア以外に、2階にも座敷席があるから、そちらにも何人かのスタッフがいるんでしょうね。
この充実したスタッフ陣が、居酒屋チェーン店ともっとも違うところなんだろうなあ。
経営効率を追求する居酒屋チェーン店は、なるべく少人数で店を切り盛りしようとしているように思えます。だから、コース料理は、テーブル上に置く場所がなくても、一気にどんどん出てくる。「ピンポ~ン」というボタンを押して店員さんを呼んでも、実際に店員さんが来るまでに、ものすごく時間がかかる。注文したものはなかなか出てこない。それでいて、飲み放題が終了する時間にだけにはやたらと厳しい。
「酒場浴的な過ごし方は、絶対にできんな!(怒)」
というような店が多いのです。
一方で、「中央酒場」をはじめとする、人気個人店には、注文がスッと通る。注文したものの出が速い。そして店の人たちがいつも一所懸命というような共通点があります。
これが「ひとりででも飲みに行きたい」と思わせてくれる理由なんでしょうねえ。
2杯めのホッピー(450円)をもらって、つまみにはキムチ鍋(600円)を注文します。
ここ「中央酒場」には、このキムチ鍋以外にも、豚鍋(600円)、牛鍋(700円)、どじょう鍋(700円)、たらちり(600円)、まぐろ鍋(650円)、かき鍋(900円)と、鍋ものメニューも豊富なのです。
これらの鍋ものは、厨房できっちりと調理してから、できあがった状態で出されます。
キムチ鍋の具材は、豆腐、キムチ、豚肉、ニラ、白ネギ。汁の味は濃いんだけど、具の味は意外と淡白。具と汁を一緒にいただくと、ちょうどいいつまみになります。
このキムチ鍋もそうなんだけど、人気のある料理は次から次から注文が入ります。そのたびに、少しも手抜きをすることなく、同じ作業を何度も何度も繰り返しながら、1人前ずつの料理を仕上げていく。
「中央酒場」に限らず、どこの酒場、どこの料理屋でも同じなんでしょうが、改めてものすごい仕事だと思います。
もつ焼き屋などでも、開店前に切り分けや串打ちなどの仕込みをして、営業時間中は、同じ手順を繰り返しながら、無限とも思えるほどの量のもつ焼きを焼き続けてますもんねえ。
店の人からすると、何度も何度も繰り返し作っていく中の1品なんでしょうが、客の側は、自分のところに出されるその1品が、一期一会の1品となってしまう。だから1品たりとも手が抜けないんですね。
私なんか、絶対にできそうにないなあ。「めんどくさいから、同じものは、いっぺんに注文してくれ!」なんて切れちゃいそうだ。
1時間半ほどの酒場浴。今宵のお勘定は1,950円でした。ごちそうさま。
「中央酒場」を出たところで午後10時。せっかく横須賀まで来たから、もう1軒、寄って帰りますか。
10時ぐらいに閉まる店が多いなか、「ぎんじ」と「天国」が11時までで、「忠孝」は午前1時まで。
「忠孝」はつい先日も行ったばかりなので、大衆酒場「ぎんじ」にしてみましょう。この時間なら、席も空いてるでしょう。
店に到着してみると予想どおりで、店内に残っている客は半分ほど。
カウンターの一角に座り、ホッピー(450円)と、好物のモツ揚げ(300円)を注文すると、すぐにホッピーとともに出されたお通し(サービス)は小皿のお新香です。
遅い時間だからか、カウンターの中も女将と若女将の二人だけで切り盛り中。モツ揚げも、その若女将が作ってくれました。
モツ揚げというのは、鶏の砂肝をひと口大に切り分けて、サッと素揚げにしたもの。できあがりに塩をふって仕上げます。
ゆっくりと1時間ほど飲んで、今日のお勘定は750円でした。ごちそうさま。

「中央酒場」 / しこさし、ホッピー / 大衆酒場「ぎんじ」
・「中央酒場」の店情報(前回) / 「ぎんじ」の店情報(前回)
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