飲んでる人は1杯だけ … おでん「丸健水産(まるけんすいさん)」(赤羽)
せっかく赤羽まで来たので、少なくとももう1軒は、寄って帰りたいな。
現在の時刻は午後1時過ぎ。
となると、まずすぐ近くの「丸健水産」を見てみて、いっぱいだったら「いこい」の本店か支店、あるいは「喜多屋」あたりに回ってみますかね。
こんな昼間でも、飲むところに困ることがないというのが、この町のものすごいところ。上であげた酒場のみならず、その辺の路地を歩いていても、あちこちの酒場がすでに営業中ですもんねえ。
おぉ~っ。なんと「丸健水産」に客が少ないっ!
3人ほどの先客が、店頭の立ち飲みテーブルの1つで飲んでいるだけで、他の立ち飲みテーブルも、鍋前の立ち飲みカウンターも、がら空き。
これは珍しいなあ!
さっそくそのカウンターの、鍋に向かって一番右端(トイレへの入口がある近く)に立ち、おでんセットを、燗酒で注文します。
おでんセットは、おまかせのおでん5品ほどに、飲み物(缶ビール、缶チューハイ、カップ日本酒のいずれか)1本が付いて700円。
今日は、カレーボール、大根、ちくわぶ、たまご、こんぶの5品が出されました。
燗酒は、地元・北区の「丸真正宗」のカップ酒、『マルカップ』。これを電子レンジで温めて出してくれます。
支払いは品物と交換払い(キャッシュ・オン・デリバリー)。
この店の立ち飲みカウンターは禁煙席。すぐ前に大きなおでん鍋があるので、そこに煙草の灰が入らないようにという配慮なんでしょうね。屋外にいくつか置かれている立ち飲みテーブルは喫煙可能です。
「煮こごりはありますか?」と聞いてみると、
「もう作ってないんですよ。気温が10℃を超えると作らないんです。うちの煮こごりはゼラチンを使ってないので、溶けてしまうんですよ」
ていねいに教えてくれる店主。頭の赤いバンダナが、店主のトレードマークです。
なるほどなあ。だから舌の上にのせると、トロンととろけるんだ。これまた燗酒にピッタリの逸品ながら、本当に寒い時季じゃないと作らないんですね。
さっき、ガラガラだったのは、本当にたまたまだったようで、店には続々と客がやってきて、立ち飲みテーブルもどんどん埋まっていきます。
「お客さんは、どこかで飲んで来たのかな? じゃあ、最後の一杯ということでお願いしますね」と店主。
数人連れのグループ全員が、真っ赤な顔をして、わぁわぁ言いながらやって来るので、とっても分かりやすい。
「は~い。ボクたち飲んで来ました! 最後の一杯にしまぁ~す!」
と、元気に、正直に返事してるのがいいですね(笑)。
あっ!
燗酒が残り50mlぐらいになったところで、いまやこの店の一大名物になった『おでんの
「すみません。燗酒をもう1杯(300円)お願いします」
私も「まるます家」で、ちょっと飲んできたんだけど、もうあと1杯ぐらいなら大丈夫かな。
2杯めの燗酒をチビチビとやっているうちに、先ほどの『最後の一杯にしまぁ~す!』の集団も、その1杯のお酒が残りわずかになったようで、続々と『おでんの出汁割り』を作ってもらいにやってきます。
『マルカップ』の容器(=コップ)の側面には、容量を示す目盛りが付いているので、残量がわかりやすいのです。
「はいよっ、出汁割りね」
と言いながら、コップ酒を受け取った店主。おたまですくった、おでんの出汁を、高い位置からドドドォ~ッとコップに注いで、それに七味唐辛子を振りかけると、「はい、どうぞ」と返します。これがサービス(無料)なんだから、ありがたいですよねえ。
おでんの具はもちろんのこと。おでんの汁で飲む日本酒もうまい。『おでんの出汁割り』は、焼酎のトマト割りなどと同じ系統の、つまみとお酒を一体化したカクテルなんですね。
私の2杯めの燗酒が残り50mlぐらいのなって、そろそろ私も出汁割りをお願いしようかと思ってたところに、また続々とお客さんがやってきて、店主も店員さんも大いそがしになりました。
この状態で、サービスの出汁割りをお願いするのも気が引けるので、また次回の楽しみに取っておきましょう。
最後のお酒をキュッと飲み干して、50分ほどの立ち飲みタイム。キャッシュ・オン・デリバリーでの支払総額は、ちょうど1,000円でした。
「丸健水産」 / 今日のおまかせ5品 / マルカップの目盛り
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