魚料理主体の和食の店 … 魚がし「まつもと」(野方)
さぬき手打ちうどんを使った、焼きうどんや鍋焼きうどんをつまみに、焼酎やお酒を飲むことができるという、野方の手打ちうどん酒房「さぬき亭」。平成2(1990)年の春に開店して以来、地元の酔客たちに愛されてきましたが、残念ながら昨年(2013年)の春、23年間の営業に終止符を打ち、閉店したのでした。
その「さぬき亭」の店内を改装し、去年(2013年)の6月に開店したのが、魚がし「まつもと」という、魚料理を中心とした和食の店。
気にはなっていたのですが、なかなか行けずにいたところ、ワイタベさんのfacebookに、
『野方に住む従弟から「野方にいい店ができたんですよ」と教えてもらったこの店、「まつもと」。築地の白身魚専門の卸がやっているという。お通しが鯛子、そして金目。大根の葉の飾り包丁もさすがだ。酒は、澤乃井の吟醸新搾りで』
という書き込み。これに背中を押されるような格好で、やっと今日、その「まつもと」に行くことができました。
店内は、「さぬき亭」の風情はまったく残らないぐらい、きれいに改装されていて、入口を入ると、右手が真新しい6席分のカウンター席。その奥にこれまた真新しい4人掛けのテーブル席が2卓あって、総席数14席。
土曜日の夜、7時半過ぎのこの時間帯、カウンター席は満席。奥に2つ並んでいるテーブル席も、手前側は3人組の先客が入っていて、空いているのは一番奥のテーブル席のみ。
「もしかすると、あとでご相席をお願いすることになるかもしれませんが、奥のテーブル席でよろしいですか?」
と丁寧にきいてくれる若い女性が、どうやらこの店の女将さんの様子。
「ええ。いいですよ」
ということで、一番奥のテーブル席をひとりで使わせてもらって、まずはメニューを確認します。
その日の仕入れによって、まいにち書かれるらしい手書きメニューは、「まつもとの鯛」という項目から始まって、「おさしみ」「おばんざい」「おつまみ」「一品料理」「お食事」という6つのジャンルに分かれています。そのほとんどは魚料理で、それに何品かの野菜料理が加わる形。
ワイタベさんの書き込みにもあったとおり、女将の実家は、築地場内で60年以上続く鮮魚仲卸店。そのため、上質な魚を、比較的安価に楽しむことができるんだそうです。
6つのジャンルを合わせると、50品ほどが並ぶ手書きメニューは、一番安いものが1個250円の姫サザエ煮。そこから350円の品々、400円の品々と続き、いちばん高いのが、めばるの煮付けの1,500円。2番めが、おまかせ刺身の3点盛りで、1,200円です。あれもこれも美味しそうで迷いますねえ。
そんな中に、「板長おまかせセット」というメニューを発見。これは、お通しに加えて、「おさしみ」が1品、「おばんざい」が2品付いて、2,000円というもの。
初回の今日は、これをもらってみることにします。
「板長おまかせセットをお願いします。飲みものは燗酒をもらいたいんですが、どれがおすすめですか?」
日本酒だけでも9種類ぐらいがメニューに並んでいるので、燗酒としておすすめの日本酒を、女将さんに聞いてみることにしました。
「お燗でしたら、澤乃井の純米銀印(650円)か、
「それじゃ、まずは澤乃井のほうをお願いします」
お燗は、カウンターの一番奥にある
酒器は、自分が好きなものが選べる仕組み。上に向かって広がった、
「この澤乃井・純米銀印は、お燗をするのと、しないのとで、味わいが変わるんです。常温のほうも、ぜひ飲んでみてください」
料理のほうは、まずお通しのウドのきんぴら。そして、お刺身はイトヨリとウニの盛合せが出されます。
追いかけるように出される2品のおばんざいは、鯛のあら煮と自家製さつま揚げ。
それぞれが、日本酒にピタリと合うつまみですねえ。
店内の客層は、中年ぐらいの人が多くて落ち着いている。私のとなりのテーブルに座っている女性の3人連れも、
「こうして気楽に和食が楽しめるお店が欲しかったのよねえ。居酒屋に行くのは気が引けるし、本格的な和食屋だと、ゆっくりとくつろげないし」
なんて話をしています。
1本めの燗酒を飲み終えて、先ほどご紹介いただいたもう一方。篠峯・純米山田錦に燗をつけてもらうと、今度は美しい陶器の徳利で出してくれました。
の~んびりと2時間ほど
この界隈、「竹よし」や「魚がし寿司」、「剣」、「おいらせ」、そして「とっとっと」と、もともと魚料理がおいしい店が多かったのですが、さらにまた1軒、魚料理がおいしいお店が加わりましたねえ。
どうもごちそうさま。
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