肴は炙ったイカでいい … 立呑み「やきや」(荻窪)
『肴はあぶったイカでいい♪』
これは八代亜紀さんが歌う「舟歌」の歌詞の一部。
あぶったイカには、生のイカにはない香ばしさが加わって、本当にいい酒の肴にまります。
20種類以上あるつまみ(半分以上はイカ料理)のほとんどが170円で楽しめる、荻窪の「やきや」。この店のメニューにも、あぶったイカ料理が何品か並んでいます。
そんな焼き物のなかで、もっとも人気が高いのが、いかなんこつ焼き(170円)。
「いかなんこつ」と言っても、実際には軟骨じゃなくて、足の付け根にあるイカの頭部の身をぶつ切りにしたもの。硬めの弾力感が楽しめるので「いかなんこつ焼き」と名付けたんでしょうね。
あまりの人気に、すぐに売り切れてしまうため、ひとり1回しか注文することができません。
この「いかなんこつ焼き」のほか、「珍味わた和え」(170円)と、冬場だけ出される「いか大根」(170円)も人気が高くて、おかわり不可。1回だけしか注文できません。
土曜日の今日は、開店時刻の午後4時ちょうどに「やきや」にやって来たのに、店内はすでに満員に近い状態。さすが東京屈指の人気店だけのことはありますねえ!
入口の目の前の、L字型の立ち飲みカウンターの角のところが、かろうじて空いていたので、その角のところに入れてもらって、まずは瓶ビール(アサヒスーパードライ中びん、400円)と、げそ揚げ(170円)をもらいます。
げそ揚げは、バットから小皿に盛り分けてくれるだけなので、すぐに出てくるのがいいんですね。しかも、うまいっ!
このげそ揚げだけで、中瓶ビールを飲み干して、続いては燗酒(北の誉、250円)と、いかみみ刺身(170円)を注文。あったかい酒と、冷たい刺身。このバランスがいいんですねえ。
これまた、このいかみみ刺身だけで燗酒1本を飲み干して、いよいよ満を持して
「燗酒をもう1本と、いかなんこつ焼きをお願いします」
いかなんこつ焼きは、醤油ベースのタレ焼きで出されます。
ほかの焼き物もそうですが、いかなんこつ焼きも、焼きたての熱い間にいただくのが一番おいしい。速いペースで食べ終えて、自家製塩辛(170円)をもらいます。
自家製塩辛は、細造りにしたイカの胴の身を、イカワタと和えて寝かしたフレッシュタイプ。小鉢にたっぷりと盛られます。
当然のことながら、燗酒との相性も抜群で、3本めとなる燗酒を追加します。
自家製塩辛を食べ終えたところで、最後の〆に、みそきゅうり(170円)をもらいます。
みそきゅうりは、1本のきゅうりを縦二つに切って、味噌を添えただけのシンプルな料理。でも、これがおいしいんだ。
ここ「やきや」で、みそきゅうりと出会って、自分の店のメニューにも取り入れたのが秋元宏之さん。今をときめく「秋元屋」の店主です。
その後、秋元系のやきとん屋が開店するたびに、みそきゅうりもそれらの店に引き継がれていって、今やみそきゅうりは、中央線や西武線の沿線では、とってもポピュラーなメニューになったのでした。
ゆったりと1時間40分もの立ち飲みタイム。今日のお勘定は、ちょうど2,000円でした。どうもごちそうさま。
それにしても料理5品に、中瓶ビール+燗酒3本という大盤ぶるまいで2,000円ですからねえ。さすが「やきや」。安いよなあ。
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