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セットに尻尾とラッパ … 「豚の味珍(ぶたのまいちん)」(横浜)

ヤカンのセットに尻尾とラッパ


 横浜駅近くでの仕事関係の飲み会を終えて、ひとりでふらりとやって来たのは、これまた横浜駅のすぐ近くにある「豚の味珍」です。

 昭和20年代に屋台として創業した「味珍」は、今は横浜駅西口狸小路たぬきこうじの中央部に、本店1階・2階、新店1階・2階の4つの店舗で営業中。

 4軒はそれぞれ会計を別にする店舗だけど、出される料理は同じ。値段も同じ。仕入れや仕込みは、4軒分一緒に、4軒の店員さんたちが総出でやっているのです。

 それなのに、この店にやって来る常連さんたちは、それぞれ行きつけの店舗が決まっているのも面白い。

 私も、その昔、この店の常連さんであるiiさんに、本店2階に連れられてきて以来、まずは本店2階に向かうようになりました。

 本店2階には、本店1階の入口を入ってから、右手にある階段で2階に上がります。

「ヤカンのセットに、尻尾とラッパ」

 注文するものも決まっています。

 ヤカンというのは焼酎(400円)のこと。銘柄は特選宝焼酎「マイルド」(25度)。注文を受けて、アラビア風の金属ポットから、受け皿付きのコップに注いでくれます。

 この金属ポットが薬缶やかんのようでもあることから、常連さんたちから『ヤカン』と呼ばれるようになったのでした。

 こうしてコップに注がれた焼酎は、ほとんど無味無臭。

 これにカウンター上に置かれた梅シロップをちょろりと垂らして、梅割り焼酎にして飲むのが標準的ないただき方です。

 いや。この本店2階に関しては、『いただき方でした』と過去形で言ったほうがいいかもしれませんね。

 本店2階に集う常連さんたちは、この焼酎に、缶入りの鉄観音(160円)と、氷入りの別グラスを出してもらって、自分でウーロンハイにして飲んでいる人が多いのです。この組み合わせを『ヤカンのセット』(都合560円)と呼んでいるのでした。

 尻尾はもちろん「豚の尻尾」(720円)のこと。ラッパは辣白菜ラーパーサイ(310円)という白菜の漬物のことです。

 注文を済ませたら、席に着くなり出される小皿に、つけダレを作りながら待つのが常連さんたちの流儀。

 カウンターには、酢、醤油、ラー油、練り辛子、おろしニンニクなどが並んでいるので、自分の好きな組み合わせでつけダレを作るのです。

 私は最近はシンプルに、練りガラシ(耳かき大のスプーンで2~3杯)をお酢で溶くだけ。

 つけダレ作りが終わったころ、まず辣白菜が出てきます。そのまま食べてももちろんおいしいのですが、さっき作ったつけダレにつけて食べるのもまたいい。

 そして尻尾も出てきました。

 これはもうトロトロになるほど軟らかく煮込まれていて、口の中に入れて、舌と上あごの間にはさむだけで、骨のまわりの肉がチュルンと取れる。ほとんど歯を使う必要がありません。

「ホッピー仙人」 やっぱりうまいなあ、ここの尻尾は。

 か~るく1時間ほど楽しんで、お勘定は1,570円。どうもごちそうさま。

 週のまん中なので、このまままっすぐ単身赴任社宅に帰ろうと思っていたのですが、時計を見たらまだ9時過ぎ。たった1駅で途中下車して「ホッピー仙人」で1杯いただいてから帰宅したのでした。

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ヤカンのセット / 辣白菜(ラーパーサイ) / 豚の尻尾

店情報前回

《平成26(2014)年4月23日(水)の記録》

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» 寄らずにはいられない … 「豚の味珍(ぶたのまいちん)」(横浜) [居酒屋礼賛]
 もっと足しげく通いたいのに、なかなか来れないのが「豚の味珍」だ。  「味珍」の最寄駅は横浜駅。  横浜駅の近くで、ひとりでも行ける二次会向け、三次会向けの店を知らないので、「味珍」で飲んでも、二次会以降はけっきょく野毛(のげ)に行くことになってしまう。 『それじゃあ、最初から野毛に出よう』  ついついそうなってしまうのである。  しかし今日は外勤で、その帰り道に横浜駅で乗り換え。そうなると、「味... [続きを読む]

受信: 2015.08.12 08:30

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