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2014年10月

自宅近くの酒場で〆る … 居酒屋「満月(まんげつ)」(鷺ノ宮)

居酒屋「満月」


 治安に問題がなく、深夜でも安全な日本であっても、シメはやっぱり自宅近くの酒場がありがたい。

 私にとって、西武新宿線・鷺ノ宮さぎのみや駅のすぐ近くにある居酒屋「満月」は、まさにそんな店。

 深夜2時ごろまで営業しているうえに、ここから自宅までは歩いて10分もかからないので、最後の最後に〆の1杯をいただくのにちょうどいいのです。

 今日も、日付が変わる少し前に店に入り、焼酎のトマトジュース割(350円)を注文して、つまみにはカウンター上に並んでいる大皿料理から豚シャブ(400円)をもらいます。

 焼酎のトマトジュース割は、焼酎と、液体化した冷やしトマトが混ざったようなもんだから、本来ならばつまみ要らずの1杯。

 だけど、深夜になればなるほど、なんだがお腹がすいた感じがして、ついつい豚シャブなんかをたのんじゃうんですよねえ。

 この時間帯でも、店内はお客でいっぱい。

 ずらりと居並ぶ顔ぶれはほとんど決まっていて、ほとんどの人は、私と同じように地元の住民なので、終電の心配する必要もないんですね。

 ここにくりゃ、必ず飲み仲間がいるというのも、みんなを引きつける大きな要因でしょうね。

 しばらく顔を見せないと、「あいつ、大丈夫か?」と身体を心配されたりします。

 私が初めてこの店にやって来たのは、平成14(2002)年5月のこと。

 その当時は店主夫婦が二人で店を切り盛りしていました。

 その後、息子さんや娘さんも店を手伝うようになり、今は早い時間帯は女将さんと娘さんの二人が、遅い時間は息子のアキラ君がひとりで店を切り盛りしています。

 私の場合は、ハシゴ酒の最後の1軒がここになることが多いので深夜にやってくるんだけれど、実は早い時間からかなりにぎわっているとのこと。

 早い時間帯に来るのも、やっぱり地元の人たち中心ながら、年配のお客さんが多いんだそうです。その時間だと、まだ刺身などもありますもんね。

「今度は早い時間帯に来てみよう」

 と思いながら、なかなか実現することができていないのでした。

 サクッと30分ほどの〆酒場。今日のお勘定は750円でした。ごちそうさま!

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トマトジュース割 / 豚シャブシャブ

店情報前回

《平成26(2014)年5月1日(木)の記録》

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シングルモルトに酔う … 居酒屋「ペルル」(鷺ノ宮)

タリスカー10年


 その日の気分で気軽に、世界のいろんなお酒を飲んだり、世界のいろんな料理を食べたりできるのも日本のすばらしいところだと思うなあ。

 都内南部の「三平」で、もつ焼きをつまみにビールとレガッタ(ウイスキーのウーロン茶割り)を楽しんで、自宅のある都内西部に戻って、「豊年屋」で、とろろせいろをつまみにビールと燗酒でお腹を満たした後、ちょっと強めのお酒が飲みたくなって、やってきたのは「ペルル」です。

 そば処「豊年屋」から「ペルル」までは歩いてほんの2~3分。

 実際のところ、強めのお酒が飲みたいと思ったから「ペルル」に来たのか、「豊年屋」を出た瞬間に足が勝手に「ペルル」に向いてしまったから、それにつられて強めのお酒が飲みたいと思ったのか、その順番は自分でも定かではありません。

 いずれにしても「豊年屋」を出た瞬間に、心の中では次はもう「ペルル」に決まってたわけですね。

 ここ「ペルル」では、何種類かのシングルモルト・ウイスキーを、1ショット500円で飲むことができます。

 今日の1杯目は、『火山の力を借りて液体になった雷(かみなり)』と言われている、「タリスカー10年」をいただきます。

 ッカァ~~ッ。強いっ。その強さがいいっ。

 これぞタリスカーじゃのぉ。

 2杯目に選んだのは「ボウモア12年」(500円)。

 スコットランドは、アイラ島(Islay Island)で造られたシングルモルト・ウイスキーです。ピート(泥炭)の個性的な香りが、この島のウイスキーの大きな特徴です。

 島には、ブナハーブン(Bunnahabhain)、カリラ(Caol Ila)、アードベック(Ardbeg)、ラガヴーリン(Lagavulin)、ラフロイグ(Laphroaig)、ボウモア(Bowmore)、ブルイックラディ(Bruichladdich)、キルホーマン(Kilchoman)などの蒸溜所があり、それぞれ個性的なシングルモルト・ウイスキーを造っています。

 ボウモア蒸溜所の創設は1779年と、このアイラ島でも最古の蒸溜所です。

 創業店主であり、名物マスターでもあった古川実(ふるかわ・みのる)さんが亡くなってから、はや4年。

 古川さんがよく座っていたカウンターの一番奥の席に座り、古川さんが存命中から店を手伝っていた山田さんと話ながら、古川さんがこよなく愛した赤ワインを飲んでいると、今でもマスターが近くにいるような感じがします。

 閉店時刻の午後11時半までの酒場浴。今日のお勘定は1,000円でした。

 シングルモルト・スコッチウイスキーを2杯(+おすそ分けの赤ワインを1杯)いただいて、この値段というのがうれしいではありませんか。どうもごちそうさま。

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居酒屋「ペルル」 / おすそ分けでいただいた赤ワイン / ボウモア12年

店情報前回

《平成26(2014)年5月1日(木)の記録》

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とろろせいろで菊正宗 … そば処「豊年屋(ほうねんや)」(鷺ノ宮)

とろろせいろで菊正宗


 そばをつまみに飲む酒も好きなんだ。

 しかも、今日のは、とろろせいろ(850円+税)です。

 「そば屋酒」というと、板わさや焼き海苔、出し巻き玉子なんかの、そば屋らしいつまみででひとしきり飲んでから、〆にそばをたぐる、なんてのが一般的。

 でも私は、こうして町場のそば屋で、そばと一緒にゆるゆると酒を飲むっていうのも好きなんです。

 今日もまずビール(アサヒスーパードライ中瓶)をもらうと同時に、とろろせいろも注文。

 すぐに出されるビールで、のどを潤しつつ、とろろせいろの出を待ちます。

 あれ? この店の定番のお通し(サービス)は、かっぱえびせんだったのに、今日のお通しは大根とキュウリの漬物だなあ。でもまあ、これもまたよし。

 さあ来ました。とろろせいろです。

 ここ「豊年屋」のそばは、北海道のそば粉を使った、二八ならぬ、三七そば(小麦粉3にそば粉7)。色白のそばがおいしそう。

 そばが出たところで燗酒(菊正宗)を追加注文します。

 そば猪口ちょこにたっぷりと入っているとろろに、ちょっとだけツユをかけ、まずはとろろだけを、ちょっとずつすすりながら、燗酒をチビリチビリ。これが私のそば前です。

 ひとしきり、とろろを楽しんだところで、ツユを足して、今度はそばをいただきます。

 ここで、お猪口に一杯分ほどの燗酒を残しておくのがポイントです。

 この一杯のつまみになるのが、そば湯を入れたそばツユなんですね。これがまたうまいんだ。

 日本に帰国したときに食べたいものがたくさんあるけれど、そばも明らかにそのひとつだなあ。

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ビールとお通し / とろろせいろ / そばツユまで、すべて完飲・完食

店情報前回

《平成26(2014)年5月1日(木)の記録》

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繊細な日本のもつ焼き … もつやき酒場「三平(さんぺい)」(雑色)

もつやき酒場「三平」


 ブラジルにも「焼き鳥屋」に近い感じの店(シュハスキーニョ)はあるんだけれど、日本の焼き鳥屋、もつ焼き屋のような繊細さはないんだよなあ。

 肉の仕入れの繊細さ、仕込みの繊細さ、焼くときの繊細さ、味付けの繊細さ、そしてそのポーション(料理の量)の繊細さ。すべてが実に繊細にできあがっている。

 ここ、もつやき酒場「三平」のもつ焼きも、その繊細さがぎっしりとつまった一品。これが1本100円で、1本ずつから注文できるというのがすばらしいではありませんか。

 まずはキリンラガーの大瓶(570円)をもらうと、この店の定番のお通し(サービス)、ぶつ切りにしたキュウリの漬物の小皿が出されます。

 今日は開店時刻(午後2時)を目指してやって来たので、最初の客として店内のコの字カウンターに陣取ることができました。そして、あっという間にお客がやって来て、カウンター席は埋まりました。

 料理のほうは、まずはガツ生(270円)と、アブラたれ2本、ワッパたれ2本を注文。

 この店の料理のメニューは、基本的には、1本100円のもつ焼きと、1人前270円のガツ生だけと、とてもいさぎよい。

 そのもつ焼きは、カシラ、タン、ハツ、ナンコツ、ワッパ、ナンナン、シロ、ガツ、レバー、アブラ、トントロ、コブクロ、アワピーの13種類と、それ以外にウズラ玉子、ネギ、ピーマンの3種類(これらも1本100円)です。

 ガツ生は、ゆでて細く切ったガツ(豚の胃)を皿に盛り、刻みネギ、黒胡椒、そしてゴマ油をかけたもの。これを酢、醤油、青海苔、練り辛子で味付けしていただきます。

 あらかじめ作って冷蔵庫に保存されているので、すぐに出てくるのがいいですよね。多くのお客さんが、1品めとしてこのガツ生を注文します。

 さあ来た、アブラたれです。まるでカシラのように見える肉っぽい脂身。これはうまい。

 この「たれ」がまた、日本ならではですよねえ。ブラジルにはありません。

 そして、冒頭でも書いたとおり、ポーション(料理の量)がちょうどいいんですね。

 焼きあがったもつ焼きを、冷めないうちに食べるのにちょうどいいし、ひとりで何種類ものもつ焼きを楽しむにもちょうどいい。多からず、少なからずの絶妙な量なんです。

 ワッパは、軟骨のうち、気管のところだけを選び出したもの。

 なんとここで、アワピーとアブラの2品が売り切れました。まだ開店直後なのに、早いなあっ!

 アワピーもアブラも、少量ずつしか取れないんだそうです。

 アブラとワッパのたれ焼きを食べ終えたところで、続いてはハツをショウガ醤油で2本。

 ここのもつ焼きは、たれ、塩のほかに、ニンニク醤油、ショウガ醤油、素焼きという焼き方が選べます。

 ショウガ醤油でと注文すると、お皿にショウガ醤油をたっぷりと入れて、その上に素焼きにしたハツを置いて出してくれるのです。

 ここで飲み物はニッカレガッタ(480円)に切り替えます。

 レガッタというのは、ウイスキーのウーロン茶割りのこと。ウイスキーはニッカとオールドが選べ、冬場はホットでも楽しめます。

 いまやこの地域全体の飲み物となっているレガッタですが、その発祥はここ「三平」。

 前回、ここを訪問したときの記事に、レガッタの名前の由来を書いたところ、先ごろ、その中に登場する、この店の三男坊さんからコメントをいただきました。

 なお、レガッタ以外の飲み物メニューは、生大(900円)、生小(460円)、ウイスキー(460円)、ワイン(480円)、剣菱(360円)、黄桜(270円)です。

 最後にタンとナンナンを1本ずつ、素焼きでお願いします。

 一度、ショウガ醤油やニンニク醤油を注文すると、お皿にたっぷりと醤油を入れてくれるので、次からは素焼きで注文して、そのお皿にのせてもらうのです。

 うぉ~っ。ナンナンの弾力感がすばらしいなあ。

 1時間40分ほどの酒場浴。今日のお勘定は2,120円でした。ごちそうさま。

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もつやき酒場「三平」 / お通しとビール / ガツ生

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アブラ(たれ) / ワッパ(たれ) / ハツ(しょうが)

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ニッカレガッタ / タン(素焼き) / ナンナン(素焼き)

店情報前回

《平成26(2014)年5月1日(木)の記録》

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上品で安くて美味しい … 「はまや食堂」(杉田)

「はまや食堂」


 『上品で安くて美味おいしい』。それがこの食堂を端的に言い表す言葉だろうと思います。

 店の創業は昭和33(1958)年。今年で創業56年ということで、内装・外装ともにそれなりの古さを感じさせます。でも店内はちゃんと掃除が行き届いていて、いつも清潔です。

 これは、人気がある大衆酒場、大衆食堂に共通して言えることだと思います。

 店が新しかろうが古かろうが、そこはあまり関係ない。飲食店として大事なのは、いつもちゃんと整理・整頓されていて、清潔かどうかということなんです。

 人気店はどこも、お店の人たちが一所懸命働いてますもんねえ。

 お客がいない暇な時間にも、やることはいっぱいあるようで、手を休めるということがない。本当によく働いています。

 そして、接客を担当する女将おかみさんも、厨房を担当するご主人も、けっして声を荒げることがない。

 いつもニコニコと笑顔で、「今日は何になさいますか?」と、ていねいに聞いてくれる。

 類は友を呼ぶ、と言いますが、ここにやってくる常連客のみなさんもまた、ごく普通の一般市民(=セレブではないということ)ながら、品のいい人が多い。彼らもまた、声を荒げたりすることはありません。

 だから居心地がいいんですね。

本日のおすすめ 明日から始まる6連休は、都内の自宅で過ごす予定なので、その前に寝だめ食いだめならぬ、「はまや食堂」だめをしておこうと、今宵も「はまや食堂」にやってきました。これで三夜連続です。

 そして今夜も「特別定食をオールで。ライスは小で後からお願いします」という注文で、大瓶のビール(キリンラガー、480円)からスタート。

 主菜のサバ塩焼きが登場したところで、秋田の美酒「爛漫らんまん」の大徳利(500円)を燗酒でいただきます。

 ここのご主人は、火の通し方がものすごく上手なようで、野菜のおひたしやブロッコリーのサラダなんかも、シャキシャキ感が残ったちょうどいい状態のゆで加減になる。魚も、しっかりと火が通ってるのに、中の身はふんわりとやわらかい状態で出されます。

 こういう繊細な火の通し方は、日本以外では、ほとんど見ることができません。

 庶民的な値段で楽しむことができる大衆食堂でも、こんな料理を食べることができるのが素晴らしいですねえ。

 次に「はまや食堂」に来れるのは、早くても7日後か。長い連休はうれしいけれど、この店に来れないことだけが残念です。

 ゆっくりと2時間ほどの『大衆食堂のフルコース』。今日のお勘定は2,070円でした。どうもごちそうさま。

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冷やっこと枝豆でビール / 里芋の煮付け / グリーンアスパラのサラダ

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サバ塩焼き / 美酒「爛漫」大徳利(燗) / 〆の小ライスセット

店情報前回

《平成26(2014)年4月30日(水)の記録》

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