« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »

2015年7月

自然に近い料理が美味 … 樽酒「路傍(ろぼう)」(中野)

「千福」樽酒


 中野「路傍」の創業は昭和36(1961)年。創業50年を超える老舗である。

 端っこに小さな囲炉裏があるカウンター席に座ると、店主夫妻や他の客たちとの会話に自然に入り込んでいくことができるのがおもしろい。

 知らず知らずのうちに、店にいる全員が同じ会話に巻き込まれているのである。

 店主夫妻の切り盛りがいいんだろうな。自然に話を振ってくれるのだ。

 置いている飲み物は、呉の酒「千福(せんぷく)」の樽酒と本醸造(燗酒用)、ビール、ウイスキーだけ。焼酎やワインなどはない。

 まずはビール(キリンラガー中瓶)をもらうと、ゆでた空豆を出してくれた。

 ビールでのどを潤したところで、「千福」の樽酒である。

 私は、この店以外で、「千福」の樽酒を置いている店を知らない。「千福」の地元・呉でも見たことがない。

 だから唯一、この店だけで「千福」の樽酒を飲むことができるのである。

 添えられた塩だけで、十分つまみになるんだけど、今日はここが1軒め。お腹がすいているので、生揚げを注文すると、囲炉裏の炭火で焼いてくれる。

 熱々の生揚げを、しょうが醤油でいただきながら、樽酒をもう1杯。

 値段は書かれていないけど、樽酒が1杯(1合)800円ぐらい。料理は700~800円ほど。カウンター上に並んでいる野菜などを囲炉裏で焼いてもらったりするのは400~500円ほどのようだ。

 カウンター上に並ぶ食材のなかに、茗荷(みょうが)があったので、「これはどうやって食べるの?」と聞くと、女将の和栄さんが「刻んでお出ししましょうか?」と提案してくれる。

 そうして刻んだ茗荷をカツオ節とあえ、梅肉とチリメンジャコを添えて出してくれた。

 こういう、自然に近い料理が、ここ「路傍」の料理の真骨頂(しんこっちょう)だ。そして、それがうまいんだ。

 2時間半ほど楽しんで、今日のお勘定は3,500円だった。どうもごちそうさま。

140509a 140509b 140509c
樽酒「路傍」 / ビールと空豆 / 樽酒

140509d 140509e
生揚げ / 茗荷(みょうが)

店情報前回

《平成26(2014)年5月9日(金)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

カレーライスでビール … 「はまや食堂」(杉田)

カレーライスでビール


 平成27(2015)年4月16日(木)の営業をもって、「はまや食堂」は店主ご夫妻ご高齢のため閉店した。

 この食堂にはじめて行ったのは平成25(2013)年1月のこと。翌年の6月末にはブラジルに単身赴任となったので、ほんの1年半しか行くことができていない。

 でもその間、少なくとも週に2回、多いときは週に5回ぐらい通ったので、短期間ではあるけれど、その密度はとっても濃厚だ。

 私が好んで大衆食堂で飲むようになったのは、呉に単身赴任していた3年間(2010~2012年)だった。

 呉には、会社の帰り道に毎日でも立ち寄れるような、『飲み専門』の大衆酒場は少なくて、大衆食堂がその代わりとしての役割を果たしていた。

 なかでも「森田食堂」「くわだ食堂」「寿(ことぶき)食堂」の3軒は、呉の誇る三大大衆食堂として、朝から酔客でにぎわっていた。

 食堂なんだけど、大衆酒場と同じように、『サッと飲んでスッと帰る』といった飲み方ができたのである。しかも値段も大衆酒場なみに安かった。

 しかも、呉に赴任中の2010年11月に、定食評論家の今柊二(こん・とうじ)さん、農産物流通・ITコンサルタントの「やまけん」さんこと山本謙治(やまもと・けんじ)さんと、神奈川新聞紙上での『定食座談会』の鼎談(ていだん)を、横浜は南太田(みなみおおた)駅前にある大衆食堂、「丸亀食堂」でさせてもらったりしたものだから、ますます大衆食堂に対する興味がわいてきた。

 で、2013年に、横浜への2度めの単身赴任となったときに、通い始めたのが、単身赴任アパートの近くにあった大衆食堂、「はまや食堂」だったのである。

 この店の料理はどれを食べても、はずれがなく美味しい。しかも安い。

 だからついつい長居して、深酒になってしまうのが困りものなのだ。

 「今日は絶対に深酒はしないぞお!」というときに注文するのがカレーライスだ。

 カレーライスは、「冷ヤッコ付き」のセットが680円。メニューにはないが、カレーライスだけの単品(冷ヤッコなし)も注文することができて、こちらは580円。どちらにも目玉焼きがトッピングされる。

 私はいつもカレーライスセット(680円)と大瓶ビール(キリンラガー、480円)を一緒に注文する。

 すると、ビールと一緒に、定番のお通し(サービス)の枝豆が出され、追いかけるようにセットに付く冷ヤッコを出してくれる。

 店主夫妻が二人で切り盛りする「はまや食堂」は、女将さんが接客を担当し、ご主人が料理を担当している。

 みんなの注文を、ご主人ひとりが順番に作っていくから、お客が多いときには料理が出てくるのに時間がかかることもある。

 注文するとすぐに出される2品の料理(枝豆と冷ヤッコ)をつまみに、ゆるゆると飲みながら待っていると、そのうちにカレーライスが登場するという寸法だ。

 この店のすべての料理に共通して言える特長は「程(ほど)がいい」ということ。

 カレーにしても、甘からず、辛からず。

 辛くはないんだけどスパイシーで、甘口好きの人にも、辛口好きの人にも、どっちにもいける味なのだ。

 そして私は、このカレーライスでビールを飲む。

 ビールにも合うんだなあ、これが。

 思わず大瓶ビール(480円)をもう1本、おかわりした。

 ゆっくりと1時間半ほどくつろいで、今日のお勘定は1,640円でした。どうもごちそうさま。

Dscn4526s Dscn4527s Dscn4528s
本日の日替定食 / お通しの枝豆でビール / カレーライスセットの冷ヤッコ

店情報前回

《平成26(2014)年5月8日(木)の記録》

| | コメント (1) | トラックバック (1)

海の幸と川の幸の競演 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

アユの塩焼き


 火曜日の「竹よし」は、焼き魚の日。

 焼き魚のすべてを400円の均一価格で提供してくれる。

 今日のメニューに並んでいるのは、カマス、アジ、イワシ蒲焼、アユ、アマダイ、赤エビ、ギンダラ、タイかぶと、ブリかま、真イカ、ヤリイカ、ウナギ、カジキマグロ、タイ切身という14品。これらがどれでも400円だ。

 日替りで手伝いの女性が入っている「竹よし」。

 しかしながら、火曜日は手伝いの女性がおらず、店主ひとりでの切り盛りとなるため、メニューを焼き魚だけに限定するかわりに、それら全品を400円で提供しようというのが、「焼き魚の日」の始まりだった。

 ところが月日が流れるうちに、徐々に刺身や、普通の一品料理もメニューに並ぶようになってきて、今では普通の営業日と変わらないような品ぞろえになってきた。

 それでも「400円均一の焼き魚」は、変わることなく継続してくれているのである。

 ちなみに今現在は、月曜日は定休日、火曜日と水曜日は店主だけでの営業、木曜日は「なおちゃん」、金曜日は「ちくちゃん」、土曜日は「りえちゃん」、そして日曜日は週替わりで手伝いの女性が入っている。(詳細は、ちくちゃんのブログ「竹よし便り。」をご覧ください。)

 今日はというと、火曜日ながら連休の最終日ということもあってか、さとちゃんが手伝いに入っている。

 まずは赤星(サッポロラガー中瓶、500円)をもらって、おもむろに焼き魚を選ぶ。

 アユにするか、アジにするか、かなり迷ってアジを選んだ。

 アジが焼きあがってきたところで、「菊正宗」(1合350円)を燗酒でいただく。

 新鮮な焼き魚には、やっぱり燗酒だよね。

 丸々と肉付きのいいアジが、いいではありませんか!

 今日の席は、6人座れるカウンターの、一番奥から2番め。

 左どなり、カウンターの一番奥は大常連のタケちゃん。右どなりも、これまた大常連の西尾さん。そのさらに右側は、今治(愛媛県)出身というお客さんだ。なんと、今治の城代家老の子孫なんですって!

 タケちゃんは、今日は昼間っから阿佐ヶ谷あたりのレストラン(と言ってたんだけど、ファミレスかなあ?)で飲んで、すでに2軒めとのこと。まだまだ早めの夕方ながら、とても気持ちよさそうに、できあがりつつある。

 親しげにタケちゃんと呼ばせていただいているが、実は80代のベテラン呑兵衛。人生の大先輩である。

 アジに続く2品めは、やはり、最初に迷いに迷ったアユにした。

 初夏にうれしい海の幸(アジ)、川の幸(アユ)の競演だ。大ぜいたくじゃのぉ!

 でも、どっちも400円なんだから、うれしさも倍増だ。

 右どなりの西尾さんは、ヤリイカ焼きを注文。「どうぞどうぞ」という、おすすめの言葉にすっかり甘えて、そのヤリイカも横から少しいただいた。

 ゆっくりと2時間半ほどの酒場浴。今日のお勘定は2千円でした。どうもごちそうさま。

140506a 140506b 140506c
アジの塩焼き / 「菊正宗」燗酒 / ヤリイカ焼き(西尾さんの注文)

店情報前回

《平成26(2014)年5月6日(火)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

献杯後のクールダウン … 博多ラーメン「ばりこて」(都立家政)ほか

辛子明太子と芋焼酎


 今日は鷺ノ宮「ペルル」の創業店主・古川実(ふるかわ・みのる)さんの命日。

 「ペルル」の常連さんたちに混ざって、「ペルル」で献杯したあと、ひとりでフラフラと「ばりこて」にやってきた。

 午後11時前の店内(カウンター席のみ)には先客はなし。

 いちばん端っこの席に座り、芋焼酎ロック(400円)と、ひとくちめんたい(160円)を注文する。

 「ペルル」で献杯……、と軽く書いたが、午後5時に始まった「ペルじい(=古川さんの事)を偲ぶ会」は、11時過ぎまで、6時間以上も続く会だったのだ。私は閉会のちょっと前に、お先に失礼して、ここ「ばりこて」にやって来た次第。

 さっきまで、みんなでワイワイと飲んでいたので、ここでゆっくりとクールダウンである。

 この時間が好きなんだ。

 割りばしの先に、辛子明太子をひとつまみ取り、それを口に含んでは、芋焼酎をちびりちびり。

 そうこうしているうちに、ひとり、またひとりと客が入ってきて、カウンター8席は、すぐに満席になった。さすが人気店である。

 この店に来るほとんどの客は、ストイックにラーメン(650円)だけを食べる。

 きびしい顔つきで無言のまま、すごい勢いでラーメンを食べて、人によっては替え玉(120円)をして、スッと帰っていく。

 たとえ美味しくても、「おいしぃ~っ!」なんて表情は、けっして見せないのだ。

 そんなふうに他のお客さんがラーメンを食べる様子を観察しながら飲んでるうちに、焼酎もつまみもなくなった。

 最後は博多ラーメン(650円)を、バリカタでもらって締めくくる。

 とんこつスープ独特の臭(くさ)みがなくて、ほんわりとダシの甘みを感じることができるのが、「ばりこて」のラーメンスープの大きな特徴。このスープが気に入らない人は、ほとんどいないんじゃないかと思う。

 そして、しっかりと硬めなんだけど、しなやかなのど越しを感じる細麺。さすがである。

 小一時間の滞在。今夜のお勘定は1,210円でした。

 このときには、まさかこのあと、ラーメンがない街(レシフェ@ブラジル)に行くようになるとは、思ってもみなかったなあ。あぁ、「ばりこて」のラーメンが食べたい。

Dscn4505s Dscn4506s Dscn4510s
「ペルル」スタッフのみなさん / 「ばりこて」 / 博多ラーメン(ばりかた)

・「ペルル」の店情報前回) / 「ばりこて」の店情報前回

《平成26(2014)年5月5日(月)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (2)

牛もつ煮込みで紹興酒 … 中華料理「岐阜屋(ぎふや)」(新宿)

紹興酒と牛もつ煮込み


 妻と二人で、新宿に買い物に出たついでに、思い出横丁の中にある中華料理の店、「岐阜屋」に立ち寄った。

 ここはなにしろ、普通に人が活動している時間帯であれば、いつでも開いているのがいい。

 具体的な営業時間は、開店が朝の9時。閉店が深夜1時(金土の夜は深夜2時)。そしてなんと、年中無休である。

 だからほとんど開いている。開いてないのは、早朝の通勤時間帯ぐらいだ。

 現在の時刻は、昼過ぎの、午後1時前。まだまだ昼どきなので、店内はほぼ満席だ。

 ただ、ここは思い出横丁に面した側から、JRの線路沿いの道に面した側まで、ズドンと突き抜ける形の店なので、店内は意外に広い。

 思い出横丁側はびっしりと満席でも、JRの線路側に行くと席が空いていたりするのだ。

天津丼 今日も、JRの線路側の一角に座り、妻は天津丼(780円)を注文して、昼食の態勢。私は大瓶ビール(キリン一番搾り、570円)と餃子(400円)をもらって、「昼から飲むぞ!」という態勢である。

 天津丼もおいしそうだなあ。

 この店に最初に来たときに、「木耳きくらげと玉子炒め」(570円)を食べて以来、ここに来るといつもそれを注文していたので、他のものはほとんど食べたことがない。

 まわりのお客さんはというと、ラーメン(420円・大520円)とライス(200円・大300円)をもらって、ラーメンライスで昼食にしている人も多い。ラーメンの種類も多いので、今度、食べてみなきゃいかんなあ。

 そうこうしているうちに、天津丼を食べ終えた妻は、先に買い物の続きに戻るという。後で合流することにして、私はもうしばらく「岐阜屋」に残ることにした。

 そうなると、もう1杯ぐらい、飲んでいくかな。

「すみません。紹興酒(340円)の温かいのをください。あと牛もつ煮込み(360円)」

 座っている席が、ちょうど煮込み鍋のまん前だったので、つまみにはその煮込みをもらうことにした。さっきから、この煮込みを注文している客が多くて、気になっていたのだ。

 煮込みの具材は牛もつ(牛腸)の他に、ニンジン、ゴボウ、大根、コンニャクがたっぷり。最後に刻みネギをトッピング。すぐに出てくるのがいいよね。

 飲みものとして、ホッピーを飲んでる人も多い。

 この店では、ホッピーを注文すると焼酎(1合470円)と、瓶のホッピー(いわゆるソト、310円)が別々に出される。それとは別に氷入りのサワーグラスも出されるので、これでホッピーを作るのだ。

 焼酎1合とホッピー(ソト)のセット(合計780円)で、3杯ぐらいホッピーが作れるみたいなので、1杯あたり260円と安い。

 ちなみに酎ハイは390円である。

 つまみで人気があるのは、おでん(570円)、シューマイ(420円)、そしてお新香(210円)のようだ。このお新香の210円というのが、この店のメニューの中で最安値だ。

 注文して出された食器は、下げずに最後まで置いていて、その食器でお勘定をする仕組み。

 午後2時前まで、1時間ほどくつろいで、今日のお勘定は(天津丼も含めて)2,450円だった。どうもごちそうさま。

140505a 140505b 140505c
大瓶ビール / 餃子 / 牛もつ煮込み

店情報前回

《平成26(2014)年5月5日(月)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

たっぷりとマーボ豆腐 … 焼鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

マーボ豆腐


 呑兵衛につきものの酒の肴(さかな)といえば、豆腐。

 そのまま冷やっこで食べるもよし、ゆで冷ましたニラをのせてニラ豆腐にするもよし。寒い季節であれば湯豆腐やタラ豆腐なんてのも最高のつまみだ。

 ここ「川名」には湯豆腐というメニューはないんだけれど、そのかわりにマーボ豆腐(519円)がある。

 ひとり用の土鍋にたっぷりと出されるマーボ豆腐は、「普通の麻婆豆腐」(?)を想像してはいけない。

 かたくり粉でトロリとした仕上がりになっているんだけど、辛さはない。とてもまろやかで食べやすい味つけだ。

 具材は豆腐のほかに、ネギ、ニラ、ひき肉、さらには薄くスライスした生椎茸も入っていて、これがおいしいっ。椎茸の軸の部分の食感がいいんだよなあ。

「量が多すぎて、すみませんねえ(笑)」

 と店主・川名茂さんが笑うぐらい、その量は多い。

 年配の常連さんの中には、来るとまっ先にこのマーボ豆腐を注文して、この店で飲んでる間ずっと、そのマーボ豆腐をちびりちびりとつつきながら過ごす人もいる。つまみはこれ一品で十分なのである。

「けっこうボリュームがあるのに、帰るころには腹にたまっていない。カロリーも低くていいんだよ、これは」

 と言いながら、おいしそうに食べてたよなあ。最近、お会いしていないけど、お元気なんだろうか。

 今日は、ひとりカウンター席の一角に座り、生グレープフルーツサワー(411円)をもらって、まずカツオのたたき(432円)からスタートすると、店主がマンゴーとパイナップルをサービスで出してくれた。

 そのカツオのたたきを完食し、生グレープフルーツサワー(411円)をおかわりしたところで、やおらマーボ豆腐(519円)をもらったのであった。

 2時間ほどの酒場浴。今日のお勘定は1,881円でした。どうもごちそうさま!

Dscn4498s Dscn4493s Dscn4494s
焼鳥「川名」 / かつおたたき / マンゴーとパイナップル

店情報前回

《平成26(2014)年5月3日(土)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

店主の趣味は食べ歩き … ラーメン「GOMA(ごま)」(沼袋)

湯麺(トンミン)


 1軒めでお腹をふくらませて、2軒めでちょっと強めのお酒をいただいたあとは、いよいよ〆のラーメンである。

 今日は沼袋の、『キング・オブ・飲んだあとラーメン』で有名な「GOMA」に行くことにする。

 この店に一人で来たのは今日が初めてだなあ。

 カウンター席の一角に座り、まずは紹興酒(1合瓶500円)をロックでもらって、つまみはセロリの酢の物(300円)を選択。セロリは目の前で千切りにして、その場で作ってくれる。

 ピリ辛なのが、ものすごくうまい! これはいい!

 ちょうど目の前が厨房なので、店主ともお話をしながら食べ進む。

 この店の飲み物は紹興酒とビールしかないのかと思ってたんだけど、店主によると、なんでもあるそうだ。そういえば、バックバーの棚には焼酎も日本酒も、いろいろと並んでるなあ。次の機会には、ぜひそれらも飲んでみることにしよう。

 ここ「GOMA」には、定番のメニューに加えて、日替りのメニューが用意されている。今日はアスパラと鶏肉の炒めものだそうだ。

 店主は食べ歩きが趣味で、そのために、店の定休日も毎月3日、13日、23日と「3」が付く日になっている。

「定休日を曜日で決めると、定休日が重なる店には行くことができないんですよ。3が付く日にしておくと、曜日がばらつくので、あちこちに行けるんです」

 とのこと。その食べ歩きの成果が、日替りメニューに生きてくるのである。

 さあ。〆のラーメンにしますか。

 ここには『キング・オブ・飲んだあとラーメン』と言われる湯麺(トンミン、480円)のほか、炒葱麺(ネギソバ、600円)や四川風湯麺(800円)、香麺(850円)、つけ麺(600円)、冷し中華(850円)。そして「裏18番」(500円)と言われるメニューもある。

 この店は、麺も自家製。

 「裏18番」は、その自家製麺を、もりそば風に楽しめる一品なんだそうな。すっごく引かれたが、久しぶりにきたので、基本の湯麺(トンミン)をいただく。

 黄金に透き通ったスープの中にあるのは、ネギと少量のひき肉。

 このシンプルなラーメンが、ものすごく美味いんだ。

 午後11時前まで、1時間ちょっとの滞在。今日のお勘定は1,280円でした。どうもごちそうさま。

Dscn4479s Dscn4484s Dscn4485s
ラーメン「GOMA」 / 紹興酒ロック / セロリの酢の物

Dscn4482s Dscn4483s
メニュー(9番が日替り) / 麺のメニュー

店情報前回

《平成26(2014)年5月2日(金)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

色で注文するカクテル … カクテルラウンジ「日登美(ひとみ)」(新井薬師前)

日登美

 1軒めでお腹がふくらんだら、2軒めは、ちょっと強めのお酒を飲むためにバーに向かう。

 「竹よし」のある西武新宿線・都立家政とりつかせいから新宿方面に向かう電車に乗ると、野方のがた沼袋ぬまぶくろという、実に呑兵衛のんべえ向けのエリアを通って、新井薬師前あらいやくしまえへと至る。

 その新井薬師前駅から徒歩15分ほど。

 まるで廃墟はいきょのような雑居ビルの1階中央部にあるバーが、カクテルラウンジ「日登美」だ。ちなみに、その両側の店舗は空き家だ。

 ここ「日登美」は、スナックを居抜きで使っているようで、明かりは灯っていないものの、店上部には、今でも「スナック日登美」という看板が掲げられている。

 歩道上に置かれた電灯看板には「カクテルラウンジ ひとみ」と書いてあるので、このバーの正式名称は、ひらがなで「ひとみ」なんだろうと思う。

 昭和53(1978)年4月の創業。私にとって、『カクテルの原点』とも言える酒場が、ここ「日登美」なのである。

 午後8時半の店内には先客はおらず、カウンター席のまん中あたりにゆっくりと座る。

 「日登美」の店内はカウンター席のみ、10席ほどと狭い。午後8時に開店し、日付けが変わるころからにぎわってくるのである。

 まずはダイキリ(800円)を作ってもらって飲み始めると、本日2人めのお客として、若いおねえさんが入ってきた。ここは女性のひとり客も多いのだ。

 そのおねさんは「赤いカクテル」を注文。出されたのはジャックローズ(800円)だ。

 この店は、基本的にショートカクテルは800円、ロングカクテルは900円、チャージやチャームはないので、自分が飲んだ分だけがお勘定になる。実に明朗会計である。

 このおねえさん、ものすごくお酒に強いのか、出されたジャックローズをクイッと一気に飲み干した! す、すごぉ~いっ!

「次はみどり色のカクテルをください」

 と注文すると、ウイスキーに青いリキュールを混ぜたショートカクテルが出された。

 なるほどなあ。色で攻めますか。

「それじゃ、私はスティンガーを、ブルーミントで作ってください」

 私も色攻めに便乗である。

 本来のスティンガーは、ブランデーとホワイトミントを混ぜて作る。このホワイトミントを、ブルーミントに変えてもらったのだ。

 これもまた、緑色が美しいカクテルができあがる。

 ショートカクテル2杯で1時間ほど。今日のお勘定は1,600円だった。どうもごちそうさま!

Dscn4473s Dscn4476s Dscn4477s
カクテルラウンジ「ひとみ」 / ダイキリ / デビル(グリーン・スティンガー)

店情報前回

《平成26(2014)年5月2日(金)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

まずは刺身小盛り合せ … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

刺身(小)盛り合せ


 午後5時過ぎ。開店直後の「竹よし」にやってきた。

 1軒めとしてこの店に来た場合、定番のように注文するのが「刺身(小)盛り合せ」(650円)だ。

 この店には、普通の「刺身盛り合せ」(1,000円)と「刺身(小)盛り合せ」の2種類の盛り合せメニューが存在している。

 普通の「刺身盛り合せ」は、その日のおすすめ刺身5種×3切れずつ(合計15切れ)程度を盛り合わせてくれる。

 「刺身(小)盛り合せ」の場合は、それが4種×2切れずつ(合計8切れ)程度となる。

『今日はとにかく、刺身を思いっきり食べたい!』

 というときには、普通の「刺身盛り合せ」がいいんだけれど、

『まずはちょっと刺身をつまんで、そのあと別の魚料理も食べたい』

 という場合は、普通のほうでは多すぎる。そんなときに「刺身(小)盛り合せ」がちょうどいいのである。

 今日の「刺身(小)盛り合せ」は、生・近海マグロ、黒ダイ、黒ムツ、青柳(あおやぎ)の4点盛り。

 飲みもののほうは、サッポロラガー中瓶(500円)でスタートし、ビールがなくなったところで「高清水 氷温生貯蔵」(300ml瓶、600円)の冷酒に切り替える。

 「竹よし」のメニューは、その日の仕入れによって変わるので、毎日、カウンター内のホワイトボード4枚に手書きされる。

 今日のメニューは、こはだ酢500、ほたるいか350、すのもの500、まぐろ山かけ600、酒盗とクリームチーズ450、スタミナ六品600、もずく300、山いも千切り350、うど酢みそ350、そらまめ400、生くじら刺身750/ユッケ750、生・近海まぐろ中とろ900/赤身700、いわし刺身500、ほや650、めばる煮付700、くじら竜田揚げ750、かます焼き500、あじ焼き500、いわし焼き500、あゆ焼き650、したびらめ焼き500、大辛・紅さけ焼き500、ぎんだら焼き650、かじき生姜焼き700、梨田わさび500、本わさびの手巻き500、みに海鮮丼700、まぐろ鉄火巻800。

 こうしてメニューに書かれている料理がすべてというわけではない。冷蔵ケースにずらりと並んでいる魚を選んで、それを自分の好きな料理法で料理してもらうこともできる。

 刺身に続いて「めばる煮付け」(700円)を注文すると、尾頭付きの赤メバルが半身で出された。

 ここで「菊正宗」(1合350円)を燗(かん)でもらう。煮魚には、やっぱり燗酒だよね!

 メバルもさることながら、一緒に煮込まれた豆腐がうまいっ。

 そして、頭や尻尾の部分は、骨までしゃぶりつくすようにしながら、骨ぎわの身をいただく。ッカァ~ッ。これぞ煮魚のうまみだ。

 メバルも食べ終えたものの、もうちょっと飲んでいきたい。

 「菊正宗」(1合350円)の燗酒をおかわりし、つまみには「山いも千切り」(350円)をもらう。

 とろろ芋もいいんだけど、千切りの山いもがまたいい。醤油をかけて、グルグルとかき混ぜると、どろりと粘りが出てくるんだけど、千切り山いものシャキシャキ感も残っているから、食感に広がりが出るのだ。

 ゆっくりと3時間ほどの酒場浴。今日のお勘定は3,500円でした。どうもごちそうさま。

Dscn4472s Dscn4464s Dscn4467s
「竹よし」 / サッポロラガー中瓶 / 「高清水」氷温生貯蔵

Dscn4468s Dscn4470s Dscn4471s
めばる煮付け / 「菊正宗」燗酒 / 山いも千切り

店情報前回

《平成26(2014)年5月2日(金)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

一時帰国の締めくくり … うなぎ串焼「くりから」(中井)

〆丼


 2ヶ月弱の一時帰国を終えて、明日は再びブラジルへと出発。

 夕方までに荷造りも終えたので、妻と二人で、うなぎ串焼きを食べに行くことにする。

 現在の時刻は、ちょうど「くりから」が開店する午後5時。

 店に電話してみたところ、「予約席はいっぱいです。カウンターは到着順になります」という返事。さすが人気店だなあ。

 「くりから」に到着したのは5時半ごろ。すでにカウンター席もいっぱいで、席が空いたら電話してくれるとのこと。名前と人数、連絡先携帯番号を伝えて、近くで待つことにした。

 せっかくなので近くを散策していると、40分ほどたった6時10分ごろ「席が空きました」という連絡が入る。うなぎ串焼きの店も、もつ焼き店同様に回転が速いんだね。

 店に戻ってカウンター席の入口側の端っこに陣取る。

 生ビール(ハートランド、480円)とウーロン茶(280円)をもらって、まずは『ひととおり』(くりから250円、肝焼240円、ひれ200円の3本セットで合計690円)を2人前と、ホネ(300円)、風呂吹き大根(420円)、彩り野菜の肝のバーニャカウダ(550円)を注文。

 となりの席が空いて、空席待ちをしていた4人組が座る。彼らは「無くなっちゃいけないから」ということで、まずは〈限定串〉と注意書きがあるレバー(230円)や皮(200円)を中心に、くりから、ひれ、ばら(210円)、短冊(330円)などを人数分注文。

 ここで店員さんから、「決まりですので『ひととおり』を、グループで1人前以上は注文してください」と声がかかる。

 なるほどそうなんだ!

 みんな『ひととおり』からスタートしないといけないのかと思っていたんだけど、《他の食べものを十分に注文していれば、1グループに1人前以上の『ひととおり』を注文するのでいい》ということのようだ。

 そうなると、彼らのようにまず〈限定串〉を押さえておくというのは、いい手かもしれない。なにしろ〈限定串〉は、すぐに売り切れちゃいますからねえ。

 我われも『ひととおり』に続いて、残る串焼き(皮、レバー、ばら、エリ、短冊)をすべて1本ずつ注文したが、残念ながらレバー(230円)はとなりの4人が注文したもので売り切れ、皮(200円)も私が注文した1本で売り切れとなった。

 短冊はタレ、塩、にんにく正油の3つの味が選べるということで、にんにく正油でお願いした。

 皮が出てきたところで、「高清水」の燗酒を2合(750円)でもらう。

 この皮がうまいんだ。

 店主の鈴木規純(すずき・のりよし)さんが、『鶏の皮の焼き鳥のように、カリッとしているんだけど、ジュワッとうま味があるような串を、うなぎでも作れないか』と試行錯誤した結果、2013年の夏に、うなぎの尾の方の身を使って焼くという、このうなぎの皮焼きにたどりついた。

『かわ焼: 鰻のしっぽの部分です。サクっとして鰻の身のやわらかさを残した新しい食感です。この夏の新作串焼!』

 当時、規純さんは、「川二郎」(中野)の店長として店を切り盛りされていたので、「川二郎」の新作うなぎ串として紹介されたのだった。

 エリは、たれ焼きで出てくるかと思いきや、塩焼きで出された。しかし、これがまたうまいんだ。

 短冊は素焼きしたものを、おろしニンニク醤油でいただく。醤油は自分で好きな分量を入れる。短冊と言っても、ひと口大にカットしたものではなくて、ひと口大の幅で、うなぎの身を幅方向にカットしたものを、ちょうど串1本の長さになるように刺しているので、「うなぎの身を食べてるぞ」という充実感がある。

 この短冊がとても美味しかったので、まむし焼(720円)の「白」も追加。

 「まむし」というのは蒸したうなぎのことをいうらしい。「白」が白焼きで、「黒」が蒲焼き。どちらも同額だ。

 形状としては、短冊と同じように、うなぎを身の幅の方向にカットして焼いたものだが、その幅が短冊よりは広い。蒸しているので、とろりと軟らかいが、適度な弾力感が残っている。皮の部分が特にうまいと思うのは、私が「もつ好き」だからだろうか。妻は「身が美味しい。皮はなくてもいい」という意見。

 そして今回もやっぱり最後に注文したのは〆丼(しめどん、920円)だ。熱々ごはんの上に、刻み海苔を振って、まむし焼の黒(蒲焼き)をのせ、丼のフチにワサビを添えてくれる。少量なのが、飲んだあとの〆に、ちょうどいい。

 1時間半ほど楽しんで、今日のお勘定は二人で6,550円。自分ひとりだと、うなぎだけで終わっているところを、妻も一緒だったので、風呂吹き大根や、彩り野菜の肝のバーニャカウダも食べることができたのがよかったなあ。

 レシフェ(ブラジル)には、うなぎを出してくれる店がないようなので、次の一時帰国まで、うなぎはおあずけだ。帰国したら、必ずまた来ますからね! どうもごちそうさま。

Img_1913s Img_1914s Img_1915s
ウーロン茶&生ビール / ホネ / くりから

Img_1916s Img_1918s Img_1920s
肝焼 / 風呂吹き大根 / 彩り野菜の肝のバーニャカウダ

Img_1921s Img_1923s Img_1924s
ひれ / 皮 / 「高清水」燗酒二合

Img_1925s Img_1926s Img_1928s
エリ / 冊(別皿でニンニク醤油) / まむし焼(白)

店情報前回

《平成27(2015)年1月11日(日)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »