自然に近い料理が美味 … 樽酒「路傍(ろぼう)」(中野)
中野「路傍」の創業は昭和36(1961)年。創業50年を超える老舗である。
端っこに小さな囲炉裏があるカウンター席に座ると、店主夫妻や他の客たちとの会話に自然に入り込んでいくことができるのがおもしろい。
知らず知らずのうちに、店にいる全員が同じ会話に巻き込まれているのである。
店主夫妻の切り盛りがいいんだろうな。自然に話を振ってくれるのだ。
置いている飲み物は、呉の酒「千福(せんぷく)」の樽酒と本醸造(燗酒用)、ビール、ウイスキーだけ。焼酎やワインなどはない。
まずはビール(キリンラガー中瓶)をもらうと、ゆでた空豆を出してくれた。
ビールでのどを潤したところで、「千福」の樽酒である。
私は、この店以外で、「千福」の樽酒を置いている店を知らない。「千福」の地元・呉でも見たことがない。
だから唯一、この店だけで「千福」の樽酒を飲むことができるのである。
添えられた塩だけで、十分つまみになるんだけど、今日はここが1軒め。お腹がすいているので、生揚げを注文すると、囲炉裏の炭火で焼いてくれる。
熱々の生揚げを、しょうが醤油でいただきながら、樽酒をもう1杯。
値段は書かれていないけど、樽酒が1杯(1合)800円ぐらい。料理は700~800円ほど。カウンター上に並んでいる野菜などを囲炉裏で焼いてもらったりするのは400~500円ほどのようだ。
カウンター上に並ぶ食材のなかに、茗荷(みょうが)があったので、「これはどうやって食べるの?」と聞くと、女将の和栄さんが「刻んでお出ししましょうか?」と提案してくれる。
そうして刻んだ茗荷をカツオ節とあえ、梅肉とチリメンジャコを添えて出してくれた。
こういう、自然に近い料理が、ここ「路傍」の料理の真骨頂(しんこっちょう)だ。そして、それがうまいんだ。
2時間半ほど楽しんで、今日のお勘定は3,500円だった。どうもごちそうさま。
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