常連席はステージだ! … 「河本(かわもと)」(木場)
「河本」にやって来たら、
ここは『常連席』と言われている席の、ちょうど向かい側にあたっている。
この席から見ると、対岸の『常連席』は、横に長いステージのように見える。
そしてここから、毎日のようにやってくる常連さんたちが『常連席』で繰り広げる、毒のあるウィットのきいた会話を楽しみながら飲むのである。
この店にはテレビもラジオも、音楽も流れてないんだけれど、常連さんたちを中心に、真寿美さん(=女将)や、あんちゃん(=真寿美さんの弟さん)も巻き込んだ会話が、みんなのBGM代わりなのだ。
今日も無事に、平久小学校側の席に座ることができ、まずはホッピー(400円)とニコタマ(煮込み玉子入り、当時300円←現在400円)からスタートする。
「うちはホッピー屋だよっ!」と、しょっちゅう真寿美さんが言ってるぐらい、ホッピーと煮込みは「河本」の看板メニュー。
互いに相性抜群のこのセットから始めるのが「河本」の基本だ。
グラスで計量したキンミヤ焼酎を、絶妙な手つきでホッピージョッキについでくれる真寿美さん。
それとは別に瓶入りホッピーの栓をポンッと抜いて出してくれる。
焼酎入りのジョッキには、この瓶入りホッピー1本分が、ちょうど入るようになっているし、そうやって飲むのが、この店の基本的な飲み方だ。
ところで対岸の『常連席』。ここは、この店の中では、けっしていい席ではない。
すぐ後ろが壁になっているので、手前に誰かが座っていると、奥のほうまで入りにくいし、奥に座ってしまうと、トイレに行こうとしてもなかなか出られない。
そこで、互いに見知った常連さんたちがこの席に座り、誰かが出入りするときには、背後の空間を譲り合って、うまく通過できるようにしているのである。
この席に座る常連さんたちは、その顔ぶれまでが、ほぼ決まっているのがおもしろい。毎日のように、看板役者が勢ぞろいだ。
その役者さんたちを眺めながら、2杯目のホッピー(400円)をもらい、つまみには「やっこさん小」(100円)と「イカ塩辛」(200円)をもらう。
やっこさん(=冷奴)に、イカ塩辛をのせて食べるのが、うまいんだ。
常連さんたちの繰り広げる会話を楽しんでいるうちに、あっという間に2時間ほどの酒場浴。今日のお勘定は1,400円でした。どうもごちそうさま!
(2015年8月18日現在、「河本」は女将の真寿美さんが熱中症になったのをきっかけに、2015年7月ごろから引き続き休業中だそうです。涼しい秋になったら、営業を再開してくれるとうれしいな。)
「河本」 / にこたま(煮込み玉子入り) / イカ塩辛、やっこさん(小)
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