寄らずにはいられない … 「豚の味珍(ぶたのまいちん)」(横浜)
もっと足しげく通いたいのに、なかなか来れないのが「豚の味珍」だ。
「味珍」の最寄駅は横浜駅。
横浜駅の近くで、ひとりでも行ける二次会向け、三次会向けの店を知らないので、「味珍」で飲んでも、二次会以降はけっきょく野毛(のげ)に行くことになってしまう。
『それじゃあ、最初から野毛に出よう』
ついついそうなってしまうのである。
しかし今日は外勤で、その帰り道に横浜駅で乗り換え。そうなると、「味珍」に寄らずにはいられない。
「味珍」は、本店1階、本店2階、新店1階、新店2階の4店舗が、狭い路地に向かいあって営業している。
大常連のiiさんに、この店の楽しさを教えてもらった私は、たいていの場合、iiさんが行きつけにしている本店2階に入る。
カウンター席に腰をおろし、まずは「セット」を注文すると、この店で『ヤカン』と呼ばれている焼酎(400円)と、缶入りのウーロン茶(160円)、そして氷を一緒に出してくれる。
このセットで、コップ4杯分ぐらいのウーロン割りが作れる。
つまみには、間もなくシーズンオフを迎える「牛もつ煮込み」を注文したが、残念ながら売り切れ。今日は暑かったので、少ししか仕込まなかったんだそうな。
そこで今夜も尻尾(720円)とラッパ(310円)。いつもと同じ注文だ。
注文した料理が出てくるまでの間に用意するタレは、シンプルに練り辛子とお酢だけ。私はこれが一番好きだ。
まず出されたのは豚の尻尾。
醤油ベースのタレで、じっくりと煮込んだ、「味珍」ならではの豚料理は、頭、耳、舌、胃、足、尾の6種類。
それぞれに固有の味わいがあって楽しいのだが、トロリととろけるようなゼラチン質を思いっきり味わうことができるのが尻尾なのだ。
関節にそって、ひと口大に切り分けられた尻尾に、あらかじめ用意しておいた練り辛子とお酢のタレをちょいとつけて、丸ごと口に放り込み、ちょっと吸い込むと、骨のまわりのゼラチン質の肉がちゅるりと取れる。その中骨を、皿の上にコロンと出してから、じっくりとその肉を味わうのである。
そして出てきたラッパ。これは、辣白菜(ラーパーサイ)という白菜の漬物だ。漢字の字面(じづら)だけを見ると、とっても辛そうだけど、実はぜんぜん辛くない。
「味珍」の豚料理のいい合いの手になる一品なので、ほとんどの客が、お新香がわりにラッパを注文する。
その尻尾を食べ終えるころ、新たに入ってきたお客さんが、クラゲサラダとピータンを注文した。それを聞いて、私もピータン(310円)を便乗注文。
すぐに出されるピータンは、1個のピータンを、4分割したもの。これに塩(食卓塩)をかけていただくのが標準的な食べ方だ。(練り辛子をかけたり、ラー油をかけたりと、独自の食べ方をしているお客も多い。)
焼酎がなくなったところで、福島の「自然郷(しぜんきょう)」(510円)を注文すると、「常温と冷酒、どっちがいい? iiさんはいつも冷酒」と教えてくれる恭(きょう)さん(=本店2階の店長)。
「じゃ、私も冷酒で。あと腐乳(ふにゅう、160円)もください」
腐乳というのは、豆腐に麹(こうじ)をつけて、塩水の中で発酵させた中国食品。店内のメニューには「発酵豆腐」と書かれている。チーズのような食感なんだけど、しょっぱいので、つまようじの先で削り取りながら、ちょっとずつ食べる。これがお酒のいいつまみになるのだ。
ゆっくりと2時間弱の酒場浴。今日のお勘定は3,070円でした。どうもごちそうさま!
さて、2015年8月の「味珍」のお盆休みは、2015年8月13日(木)~16日(日)です。8月17日(月)から通常どおりの営業となります。
| 固定リンク | 0
コメント