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2015年9月

呑兵衛にとって理想的 … 「はまや食堂」(杉田)

食器が12個!


 日替わりでその内容が変わる特別定食を注文して、それをつまみにお酒を飲むことを、私は『大衆食堂のフルコース』と呼んでいる。

 この大衆食堂のフルコースを終えると、その食器は冒頭の写真のような状態になる。

 小皿が2個、小鉢が3個、主菜用の皿が1個、ごはん用の丼、みそ汁用のお椀、デザート用のガラス器、ビールのグラス、酒のグラス(常温用)、そして最後に出されるお茶用の湯飲み。ぜんぶで12個もある。

 いつもは次の料理を出してくれるときに、空いている食器は下げてくれるのだが、お客が多かった今日は、その余裕もなかった様子。

 おかげで、初めてすべての食器を、1枚の写真におさめることができた。

 ご夫婦二人で切り盛りするこの食堂は、ご主人が厨房で料理に専念し、女将さんがそれ以外のすべてを取り仕切る。

 店は十数人も入れば満席状態になるのだが、人気店ゆえに、夜の営業時間中は、いつも満席に近い状態が続いているのだ。

 ご主人は、それこそ休む間もなく料理を作り続けているのだが、なにしろ一人なので、料理ができあがるのに時間がかかることも多い。

 そこでおすすめなのが、大衆食堂のフルコースという食べ方なんだ。

 普通に特別定食を注文すると、そのすべてが一つのお盆にのった状態で、どんと出される。

 ところが、特別定食を注文すると同時に、ビールなどの飲み物を注文し、「ごはんと味噌汁はあとから出してください」とお願いしておくと、特別定食用のおかず(副菜2品と主菜1品)ができた順に、順番に出してくれるのだ。

 呑兵衛にとっては、この出方は、とっても理想的だ。

 熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちにと、1品ずつ順番に食べることができる。

本日のおすすめ 今日も特別定食(980円)を「ごはんは小(20円引き)で、あとで出してください」と注文し、大瓶ビール(キリンラガー、480円)をもらう。

 すぐに出される大瓶ビールとお通し(サービス)の枝豆。

 その枝豆を食べ終えるタイミングで、副菜のひとつ、ブロッコリーが出される。

 ゆで冷ましたブロッコリーを、レタスと一緒に小鉢に盛って、マヨネーズを添えただけのシンプルな一品。

 でもこの店のブロッコリーは、ゆで加減が絶妙で、いつもおいしい。

 ゆで過ぎてクタクタになることもなく、ゆで足りなくて硬いこともなく、ちょうどいいアルデンテのブロッコリーなのである。

 そのブロッコリーがなくなる頃合いで、主菜の「茄子(なす)の肉巻フライ」が、揚げたて熱々の状態で出される。

 なるほど、そうきましたか!

 残るもう1品の副菜は大根煮付け。

 いつもビールのあとには日本酒を注文しているので、大根煮付けは日本酒用に後にして、ビールが残っている間に、ビールによく合う揚げ物を出してくれたんですね。

 こんなにお客が多いのに、ご主人もよく見てるよなあ。

 この店は、厨房からも(全体ではないけれど)客席が見えるようになっているのです。

 茄子の肉巻フライは、縦方向にスライスした茄子を豚肉で巻いて、衣をつけて揚げた一品。これにレモンと、お好みでソースをかけていただく。

 熱々のあいだに茄子の肉巻フライを食べ終えると、いよいよ満を持して、大根煮付けの登場だ。それに合わせて日本酒(小)(「爛漫」、280円)を「冷や(=常温)」でもらう。

 大根煮付けというものの、具材は大根だけではない。厚揚げ、さつま揚げ、いんげん、にんじん、こんにゃくと具だくさんで、ミニおでんといった感覚の一品なのだ。

 最後にライスセットを出してもらって〆る。

 今日の味噌汁は豆腐、若布、大根、とろろ昆布が入っていて、これもまた日本酒に合う。

 そして特別定食にだけついてくるデザートの果物はメロン。

 ゆっくりと1時間半ほどの晩酌タイム。今日のお勘定は1,720円でした。どうもごちそうさま!

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枝豆でビール / ブロッコリーサラダ / 茄子(なす)の肉巻フライ

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大根煮付け / 美酒「爛漫(らんまん)」(冷や) / ライスセットと果物

店情報前回

《平成26(2014)年5月21日(水)の記録》

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ミルク割り、いいね! … 「愛知屋酒店(あいちやさけてん)」(新杉田)

ミルク割り


「焼酎のミルク割りもあるんですね!」

「意外と人気があるんですよ。必ずこれを飲む人もいるぐらい」

 カウンター越しに、店主とそんなやり取りをしたあと、私もそのミルク割り(310円)をもらうことにした。

 すぐに氷入りのジョッキに半分ぐらいの焼酎と、缶入りのミルクが出される。

 常連さんは、入口を入ってすぐに冷蔵庫から、この缶入りミルクを取り出し、立ち飲みカウンターに向かいながら、「ミルク割りね」と注文すると、ジョッキの焼酎がスッと出されるようだ。

 この店の常連さんたちは、ビールだって自分で冷蔵庫から出していくもんね。

 考えてみれば、酒屋の中での角打ちの店なので、本来は自分が商品を取っていって、その場で飲むのが普通なのか。注文して出してもらうもんじゃないのかもね。(と言いつつ、私はいつも注文してますが……。)

 さてミルク割り。

 缶のミルクをパキッと開けて、ジョッキに注ぐと、ちょうどジョッキがいっぱいになった。

 割りばしの反対側で軽く混ぜて飲んでみる。

 おぉ~っ。これはけっこう濃厚だ。

 焼酎も濃厚なんだけど、ミルク自体がすっごく濃い!

 改めて缶を見てみると、この「草原物語ミルク」という缶ミルクは、なんとサントリーの製品。

 「ビタミンD・E 鉄粉入り」なんて書かれていて、乳飲料(生乳+乳製品以外のもの)ながら「生乳99%使用」とも書かれている。

 今日は、最初に冷蔵お惣菜置き場から、カツオたたき(260円)と、そら豆(110円)を取ってきて、麦焼酎「いいちこ」の水割りをチビリチビリ。

 で、常連さんらしき男性客が、店に入ってくるなり冷蔵庫から缶入りミルクを取り出して、ミルク割りを飲み始めたのを見て、私もミルク割りを注文したのだった。

 このミルク割りに合わせて、つまみには袋菓子のバタピーを取ってきた。

 1時間ほど立ち飲んで、今日のお勘定は1,210円。ミルク割り、いいね!

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そら豆とカツオたたきで「いいちこ」水割り / バタピー / 焼酎のミルク割り

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《平成26(2014)年5月20日(火)の記録》

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店内は帆船のキャビン … 「ウィンドジャマー(Windjammer)」(石川町)

店内の様子


 「秀味園」を出て、JR石川町駅に向かって歩いていると、「ウィンドジャマー」が開いていて、カウンター席にお客さんがひとりいて飲んでいる。

 こりゃ飲んでいくしかないなあ。

「もう開いてますか?」

「はいどうぞ」

 というやり取りで、さっそく店内に入り、入口近くのカウンター席に座る。

 ビールはさっき飲んで来たので、別のものにしよう。

 カウンターの目の前に、「メーカーズマーク(Makers Mark)」(バーボン)のボトルがずらりと並んでいるので、これを炭酸割りでいただきましょう。

「メーカーズマークで、バーボン・ソーダをお願いします」

 他のお客さんがいない店内は、ものすごく広く感じる。

 この店の店名になっている「ウィンドジャマー」というのは、『19世紀後半から20世紀前半にかけて使用された、鉄か鋼の船体を持つ貨物用帆船』(ウィキペディア)のこと。

 そのためか、店内も帆船のキャビンを模した造りになっていて、本物の船の装飾品が数多く使われている。天井も、まるで甲板(デッキ)の裏側のように、ゆるやかに弧を描いてるのがいいね!

 店の肩書は「ジャズ・カクテル・ラウンジ」。ジャズとカクテルのお店だ。

 毎晩、1時間ごとに4~5ステージのジャズ生演奏(約30分)があり、そのミュージック・チャージは出演者によって600~800円。

 カクテルのほうも、200種類以上が並び、ノンアルコールカクテルも多いので、飲めない人でも大丈夫。ラムベースのカクテル、「ジャック・ター(Jack Tar)」は、この店発祥のオリジナルカクテルだ。

 店は昭和47(1972)年の創業。中華街を代表する老舗バーの1軒なのである。

 軽く1杯、ごあいさつ代わりに飲ませてもらって、今日のお勘定は970円でした。どうもごちそうさま!

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「ウィンドジャマー」 / バーボン・ソーダ / カウンター内のバックバーの様子

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《平成26(2014)年5月20日(火)の記録》

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初の新店・初の魯肉飯 … 台湾料理「秀味園(しゅうみえん)」(元町・中華街)

魯肉飯


 昭和38(1963)年創業の台湾料理の老舗「秀味園」が、創業50年となる平成25(2013)年に全面改装した。

 その情報は入っていたのだが、なかなか来れる機会がなくて、やっと今日、改装後の「秀味園」にやって来た。

140520z おぉ、なんだか横浜中華街でよく見かける、普通の中華レストランの雰囲気になっちゃいましたねえ。

 私自身は、古い大衆酒場が好きなので、「秀味園」らしい個性が打ち出されていた、前の古びた(←ほめ言葉です!)店舗も好きだったんだけどなあ。

 店の2階上部には『昭和38年創業以来の味 元祖・魯肉飯ルーローファン』と書かれた、写真付きの大看板が掲げられ、入口上部には『テレビ、雑誌、大人気の店』と大書された看板も出されている。

 う~む。なんだかミーハーな感じは否(いな)めない。

 気を取り直して店内に入ると、入口すぐの、テーブル2卓分だけの小さなスペースも、その奥にあった靴を脱いで上がる畳の座敷もなくなって、全体が大きなテーブル席になっている。

 入口部分(ここにレジがある)の間口は、昔のままの狭さなので、店の中で急にドンと広くなる感じだ。

 すぐにずらりと並んだテーブル席のひとつに通される。

 そしてなんと、何ページもある、総カラー、料理写真付きのメニューを手渡された!

 うっひゃぁ~っ。これはまた、ものすごい変わりようですねえ。

 前は、せいぜい20種類ぐらいの料理メニューしかなかったのだが、今は料理だけでもざっと100種類。その他にコース料理なども並んでいる。

 値段(以下すべて税抜き表記)も、以前は500円~1,200円ぐらいだったのだが、今はデザート類の300円から、フカヒレの姿醤油煮の3,500円まで。コース料理まで含めると、秀味園コースの5,400円/人までと、大きく幅が広がった。

 しかしながら看板メニューの「魯肉飯」は500円、私がこの店に来るたびに食べていた魯(ルー)と呼ばれる「台湾風煮込んだつまみ」や「台湾風腸詰め」はそれぞれ1,000円と変わっていない。

 だから値上げして値段が上がったのではなくて、前からあるものは前と同じ料金で、それに加えて、値段が高い料理も増えた、ということのようである。

 今日は一人なので、量が多い「台湾風煮込んだつまみ」や「台湾風腸詰め」はやめて、「魯肉飯」(500円)を食べてみることにして、瓶ビール(中瓶600円)と一緒に注文した。

 すると、驚くべきことに魯肉飯と瓶ビールが同時に出てきた。

 ビールの出はけっして遅くはない。魯肉飯の出が猛烈に速いのだ!

 魯肉飯というのは、台湾で食べられている「煮込み豚肉かけご飯」のこと。

 ここ「秀味園」の魯肉飯には、煮込み豚肉(ひき肉)の他に、豚の角煮、味付け玉子、そして高菜がのっている。これで500円というのは、本当に安いと思う。

 事前にG.Aさんのサイトを見て、『この角煮を潰し、味付玉子も潰し、全部の具材とご飯を混ぜるのが、正しい魯肉飯の食べ方』ということは、すでに学習ずみ。

 豚の角煮と味付け玉子を小さく切り分けたあと、全体をかき混ぜ、それをつまみにビールをいただく。

 魯肉飯はとても美味しいんだけれど、返す返すも、店がきれいになり過ぎているのが残念だなあ。以前の店の面影(おもかげ)がない……。

 1時間弱の滞在。今日のお勘定は1,188円(1,100円+消費税)でした。どうもごちそうさま。

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出てきた魯肉飯の / 具を切り分けて / 全体をかき混ぜていただく

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《平成26(2014)年5月20日(火)の記録》

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もつ・魚・とりマニア … 焼鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

サワーとニラ豆腐


 阿佐ヶ谷「川名」の店頭のファサードテントには『焼鳥 川名』と書かれ、その店頭でもお持ち帰り用の焼鳥が売られている。

 でも、実際に店内に入ってメニューを見ると、焼鳥のメニューはほんの一部分。魚介類や一品料理の占める割合が圧倒的に多いのだ。

 今日もニラ豆腐(238円)と生グレープフルーツサワー(411円)でスタートし、2杯めの生グレープフルーツサワーのときに、ホワイトボードに書き出されているメニューから「合鴨の酒むし」(303円)を注文した。

合鴨の酒むし

 こういう日替りのメニューも多いから、何回来ても飽きないんだな。

 そういえばメディア・パルから「もつマニア」、「さかなマニア」、「とりマニア」という3冊のシリーズを出版していただいたが、その3冊すべてに載っている唯一の店が、ここ「川名」なのだ。

 入口を入ると、そこはカウンター7席と、テーブルが3卓12席。そして奥が座敷で4人掛けの座卓が4卓16席。全部合わせて35席というキャパシティ。

 この空間を店主夫妻と、1~2名のアルバイトで切り盛りしているのである。

 ゆっくりと2時間ほどの酒場浴。席料108円が加わって、今日のお勘定は1,471円でした。今夜もごちそうさま!


店情報前回

《平成26(2014)年5月17日(土)の記録》

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