呑兵衛にとって理想的 … 「はまや食堂」(杉田)
日替わりでその内容が変わる特別定食を注文して、それをつまみにお酒を飲むことを、私は『大衆食堂のフルコース』と呼んでいる。
この大衆食堂のフルコースを終えると、その食器は冒頭の写真のような状態になる。
小皿が2個、小鉢が3個、主菜用の皿が1個、ごはん用の丼、みそ汁用のお椀、デザート用のガラス器、ビールのグラス、酒のグラス(常温用)、そして最後に出されるお茶用の湯飲み。ぜんぶで12個もある。
いつもは次の料理を出してくれるときに、空いている食器は下げてくれるのだが、お客が多かった今日は、その余裕もなかった様子。
おかげで、初めてすべての食器を、1枚の写真におさめることができた。
ご夫婦二人で切り盛りするこの食堂は、ご主人が厨房で料理に専念し、女将さんがそれ以外のすべてを取り仕切る。
店は十数人も入れば満席状態になるのだが、人気店ゆえに、夜の営業時間中は、いつも満席に近い状態が続いているのだ。
ご主人は、それこそ休む間もなく料理を作り続けているのだが、なにしろ一人なので、料理ができあがるのに時間がかかることも多い。
そこでおすすめなのが、大衆食堂のフルコースという食べ方なんだ。
普通に特別定食を注文すると、そのすべてが一つのお盆にのった状態で、どんと出される。
ところが、特別定食を注文すると同時に、ビールなどの飲み物を注文し、「ごはんと味噌汁はあとから出してください」とお願いしておくと、特別定食用のおかず(副菜2品と主菜1品)ができた順に、順番に出してくれるのだ。
呑兵衛にとっては、この出方は、とっても理想的だ。
熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちにと、1品ずつ順番に食べることができる。
今日も特別定食(980円)を「ごはんは小(20円引き)で、あとで出してください」と注文し、大瓶ビール(キリンラガー、480円)をもらう。
すぐに出される大瓶ビールとお通し(サービス)の枝豆。
その枝豆を食べ終えるタイミングで、副菜のひとつ、ブロッコリーが出される。
ゆで冷ましたブロッコリーを、レタスと一緒に小鉢に盛って、マヨネーズを添えただけのシンプルな一品。
でもこの店のブロッコリーは、ゆで加減が絶妙で、いつもおいしい。
ゆで過ぎてクタクタになることもなく、ゆで足りなくて硬いこともなく、ちょうどいいアルデンテのブロッコリーなのである。
そのブロッコリーがなくなる頃合いで、主菜の「茄子(なす)の肉巻フライ」が、揚げたて熱々の状態で出される。
なるほど、そうきましたか!
残るもう1品の副菜は大根煮付け。
いつもビールのあとには日本酒を注文しているので、大根煮付けは日本酒用に後にして、ビールが残っている間に、ビールによく合う揚げ物を出してくれたんですね。
こんなにお客が多いのに、ご主人もよく見てるよなあ。
この店は、厨房からも(全体ではないけれど)客席が見えるようになっているのです。
茄子の肉巻フライは、縦方向にスライスした茄子を豚肉で巻いて、衣をつけて揚げた一品。これにレモンと、お好みでソースをかけていただく。
熱々のあいだに茄子の肉巻フライを食べ終えると、いよいよ満を持して、大根煮付けの登場だ。それに合わせて日本酒(小)(「爛漫」、280円)を「冷や(=常温)」でもらう。
大根煮付けというものの、具材は大根だけではない。厚揚げ、さつま揚げ、いんげん、にんじん、こんにゃくと具だくさんで、ミニおでんといった感覚の一品なのだ。
最後にライスセットを出してもらって〆る。
今日の味噌汁は豆腐、若布、大根、とろろ昆布が入っていて、これもまた日本酒に合う。
そして特別定食にだけついてくるデザートの果物はメロン。
ゆっくりと1時間半ほどの晩酌タイム。今日のお勘定は1,720円でした。どうもごちそうさま!
枝豆でビール / ブロッコリーサラダ / 茄子(なす)の肉巻フライ
大根煮付け / 美酒「爛漫(らんまん)」(冷や) / ライスセットと果物
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