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2015年12月

香箱ガニが食べたくて … 地酒「作(ざく)」(上石神井)

香箱ガニ


 香箱蟹こうばこがには、ズワイガニのメスのこと。

 オスのズワイガニが地域によって松葉ガニ、越前ガニ、舞鶴カニなどと呼ばれるのと同じように、メスのズワイガニも、地域によってコウバコガニ、コッペガニ、セコガニ、セイコ(セイコガニ)などと、いろんな呼び方がされている。

 オスと比べると、メスは小さくて身が少ないので値段が安い。

 しかしそのお腹の部分には外子そとこと呼ばれる卵がぎっしりとつまり、さらにその体内にも内子うちこという未成熟卵やカニミソがあって、味わいが深いのである。

 メスのズワイガニに初めて出会ったのは、2年前のこと。そして、それ以来、1年半ほどブラジルに行ってたりしたこともあって、食べることができる機会がなかったのだ。

 しかもメスのズワイガニは、資源保護のため漁期が短い。オスの漁期は11月から、翌年3月まで、5ヶ月ほどあるのに、メスの漁期は11月から、翌年の1月初めまでの2ヶ月ほどしかないのでる。

 そんなメスのズワイガニ、香箱蟹を食べることができそうな店が上石神井かみしゃくじいにあるという情報を得て、今日はそのお店、「ざく」にやってきた。

 香箱蟹は仕入れによって、あったりなかったりするらしいのだが、今日はあった。1杯が980円と、値段もリーズナブルである。

 他にも徳島の漁師・村さんの熟成鯛刺たいさし(980円)や、自家製からすみ(980円)などをいただきながら、店主おすすめの燗酒を次々にいただく。

 たっぷりと4時間近く楽しんで、今夜のお勘定は二人で10,650円(ひとり当たり5,325円)だった。どうもごちそうさま。

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アサヒスーパードライ中瓶(450円) / お通しの3点盛り / 「鷹勇たかいさみ 生もと純米 強力」

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村さんの熟成鯛刺(980円) / 自家製からすみ(980円) / 「神亀しんかめ 手造り純米酒」

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天穏てんおん 生もと仕込み 純米にごり酒」 / 各種の徳利 / 「生もとのどぶ 純米にごり」

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むかご(330円) / 「宗玄そうげん 純米 八反錦 無濾過生原酒」 / 秘伝!だし巻玉子(550円)

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悦凱陣よろこびがいじん 山廃仕込純米酒 無濾過生 赤磐雄町あかいわおまち」 / 自家製 すっぱい ぬか漬け(330円) / 酒飲み標識

店情報

《平成27(2015)年12月26日(土)の記録》

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店情報: 地酒「作(ざく)」(上石神井)

    「作」
  • 店名: 地酒「作」
  • 電話: 03-3594-5909
  • 住所: 177-0044 東京都練馬区上石神井1-19-9
  • 営業: 18:00-03:00、火休
  • 場所: 西武新宿線・上石神井かみしゃくじい駅南口を出て右へ。そのまま道なりに商店街の中を進むこと約8分(約400m)、左手。
  • メモ: カウンター8席、テーブル1卓4席。燗酒おしの店主・橋本宏行さんが一人で切り盛りする地酒の店。(2015年12月調べ)
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ちょいと一杯のはずが … やきとん「すっぴん酒場(すっぴんさかば)」(野方)

しろタレ


 週のまん中の水曜日。ちょっと寄り道して帰ろうと、西武新宿線・野方のがた駅に降り立った。

 『ちょっとだけ飲もう』というときに最適なのが立ち飲み屋であり、さらに最適なつまみがもつ焼きや焼き鳥だ。1本の串の分量が、ちょい飲みに適している。

 そんなわけで、吸い込まれるように立ち飲みのやきとん店、「すっぴん酒場」に入る。

 先客は男性二人。それぞれひとり客のようで、立ち飲みカウンターの奥側と、中央あたりに立っている。

 私はその手前側に、3人が均等割りつけになるように立って、黒ホッピー(450円)を注文する。

 この店のホッピーは黒だけで、白ホッピーは置いていない。

 「なんで?」と尋ねても、店主は「なんででしょうねえ、特に理由はないんですよ」なんてとぼけているが、本当は『黒ホッピーのほうが、よりもつ焼きに合うから』ということなんだろうな。

 もつ焼き自体が、かなりコクがある食べ物なので、ホッピーも、よりコクがある黒のほうがよく合うのだ。

 もちろん、『もつ焼きにコクがあるから、それを打ち消すためには、よりドライな白ホッピーのほうがいいんだ』という人もいるので、最後は個々人の好みによるだろう。

 だから店主も、あえて「黒しか置いていない理由」を語らないのに違いない。

 ここのホッピーは氷入りのジョッキで出され、その8分目ぐらいまで焼酎が入っている。ホッピー(ソト)が入るすき間はごくわずかしかない。

 まずはこの店ならではの「しょうがみょうが」(200円)、「れんこん」(150円)、「ハラミナンコツ」(100円)を1本ずつ注文し、お通しの漬物(100円)を2本の串でつつきながら焼きあがりを待つ。

 これら3種については、塩・タレの味付けは指定する必要がない。

 というか、この店で注文するときは、よほど自分の好みがあるとき以外、味付けは指定しなくても大丈夫。店主がおすすめの味付けで焼いてくれる。

 まず出されたのは「しょうがみょうが」。その名のとおり、生姜(しょうが)と茗荷(みょうが)を豚肉で巻いて串に刺し、塩焼きに仕上げた一品。熱々がおいしいので、大急ぎでいただく。

 そして早くも中身(ホッピーの焼酎、250円)をおかわりする。

 「れんこん」は、レンコンの穴の中に、つくねを詰め込んでタレ焼きにしたもの。この店は、つくね系のメニューが充実しているのだ。

 「ハラミナンコツ」は、串の先のほうにハツの弁や動脈の部分が、まん中に喉頭(のどがしら)をたたいた軟骨部分が、そして根元にハラミが刺されていて、食べるにつれて味わいや食感が変わる一品。

 3本を同時に注文していても、1本、1本、順番に出してくれるので、すべての串を焼き立て、熱々で楽しむことができる。このていねいさが「すっぴん酒場」なんだなあ。

 さらに中身をおかわりして(すでに3杯めだ!)、もつ焼きを食べ進める。

 『これってなんだろうなあ?』と思いながら注文した「はつみみ」(100円)は、心臓のまわりの弁や脂の部分を、ピーマンやネギを間に挟みながら串に刺して焼いたもの。これもいいねえ!

 またまた中身をおかわりして、これでソト1ナカ4。やっとソトがなくなった。それくらい焼酎の量が多いってことです。

 そして焼きものは、いよいよ満を持しての「れば」(100円)と「しろ」(100円)だ。

 この2品は、仕入れの良し悪し、その後の仕込みの良し悪し、そして焼きの良し悪しがよくわかる品。

 ていねいに、ていねいに焼きあげてくれる「すっぴん酒場」の「れば」「しろ」は、ものすごいぞ!

 特に「しろ」。表面はカリッとあぶられていて、中はチュルリととろけるようだ。

 思わずもう1本「しろ」を注文し、今度はあえて塩焼きにしてもらった。

 「しろ」をタレと塩で堪能したあと、「つくね」(100円)と「ピータンピーマン」(200円)を注文する。

 「ピータンピーマン」は、半分に切ったピーマンに、刻んだピータンとチーズを詰めて、その全体を豚ばら肉できっちりと巻いてから焼き上げたもの。これまた、おもしろいなあ。

 ソト1ナカ4で飲み終えるはずだったホッピーだけれど、次々にくり出される焼きものの美味しさに、ついもう1杯、黒ホッピー(450円)を注文してしまった。

 これ以上はさすがに飲み過ぎになってしまうので、少し飲むたびにホッピー(ソト)を注ぎ足し、注ぎ足ししながら、ソト1ナカ1のペースで飲み進める。

 そして最後に「ガラスープ」(300円)をもらって締めくくる。

 2時間半ものロングラン立ち飲み。キャッシュ・オン・デリバリ(品物と引き換え払い)での支払い総額は3,300円。歴代、最高新記録だ。

 ブラジルで、大きな肉をワシワシと食べる習慣が身に付いちゃったから、ついついここでもやっちゃったなあ。今宵も大満足なり!!

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「すっぴん酒場」 / 黒ホッピー / お通しの漬物

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しょうがみょうが / れんこん / ハラミナンコツ

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はつみみ / ればタレ / つくね

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しろ塩 / ピータンピーマン / ガラスープ

店情報前回

《平成27(2015)年12月16日(水)の記録》

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ひと味違うもつカレー … スパイス&ハーブ居酒屋「やるき」(新中野)

やるき牛もつ煮込み(480円)


 『もつカレー』というと、「沼袋たつや」や、武蔵小杉の「文福」、行ったことはないけれど清水の「金の字」などが頭に浮かぶ。

 これらの『もつカレー』は、いずれもとろりとした一般的なカレーの具材として、もつが入っているというもの。

 しかし、ここ「やるき」の『もつカレー』は、それらとはちょっと違う。

 さらりとした、言わばスープカレーのような『もつカレー』なのである。

 これは新しい食感だなあ。私は大好きだ。

 正式なメニューの名称は、「やるき牛もつ煮込み」(480円)。

 つまり、この店ではこの『もつカレー』が、標準的なもつ煮込みなのである。

 今日は料理研究家の伊野由布子(いの・ゆうこ)さんと、伊野さんおすすめのスパイス&ハーブ居酒屋「やるき」にやってきた。

 『スパイス&ハーブ居酒屋』なんていう肩書きの店は、初めて見た!

 店主のトニーさんは、なんとインド人。

 「やるき茶屋」で働いたあと、2011年に中野坂上にカウンター7席だけのカレー居酒屋「やるき」を開店。翌2012年末に、ここ新中野に移転し、1階・2階を合わせて40席の現在の店舗となった。

 1階カウンター上部の鴨居かもいには、透明な容器に入った各種スパイスやハーブがずらりと並んでいて、ほぼすべての料理にそれらが使われている。

 焼き鳥や玉子焼きも、スパイスがよく効いていてうまいぞ!

 飲んで食べて、お勘定も2人で3,918円(1人あたり1,959円)とリーズナブルだ。

 テレビなどで紹介されたこともあって、「超」がつくほどの人気店。

 それゆえに、この店の唯一の難点は、いつも満席で、予約しないと入るのがむずかしいということだろうな。

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黒ホッピーセット(430円) / まぐろとパクチーのカルパッチョ(350円)

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パクチーたまご焼き(350円) / 鶏レバー(手前)、砂肝(各180円)

店情報

《平成27(2015)年12月11日(金)の記録》

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店情報: スパイス&ハーブ居酒屋「やるき」(新中野)

    「やるき」
  • 店名: スパイス&ハーブ居酒屋「やるき」
  • 電話: 03-6304-8373
  • 住所: 164-0012 東京都中野区本町4-36-7
  • 営業: 17:00-23:00(土は16:00-22:00)、日休(火~金の平日はランチ営業11:30-14:30あり)
  • 場所: 東京メトロ丸ノ内線・新中野駅の3番出口を出て右へ。すぐ先の信号交差点(鍋屋横丁)を右折して、道なりに5分(約400m)ほど進んだ先の信号交差点(十貫坂上)の手前、左手。
  • メモ: 2011年6月にカウンター7席だけのカレー居酒屋「やるき」として中野坂上に創業。2012年11月20日に新中野駅近くに移転し、スパイス&ハーブ居酒屋「やるき」となった。1階(喫煙可)はカウンター8席とテーブル4席×3卓、2階(禁煙席)はカウンター10席とテーブル4席×3卓の合計約40席。それとは別に3階に10~20人で利用できる座敷席(個室)がある。予約可、カード不可。お通し、席代ともになし。
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    メニュー表記は税別(外税表記)。(2015年12月調べ)

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もつと一緒に煮た大根 … やきとん「弐ノ十(にのじゅう)」(都立家政)

煮大根


 ここ「弐ノ十」の煮大根(200円)は、もつ煮込みの鍋の中で、大根をグツグツと煮込んだもの。

 その大根が、モツ以上にモツらしい風味をふりまいて、お酒をどんどん進めてくれるのだ。

 考えてみればブリ大根もブリの風味たっぷりだし、荻窪「やきや」のイカ大根も、イカ以上にイカの旨みが凝縮されている。

 おでんの大根もそう。おでん鍋のいろんな具材の旨みを、すべてその内部に吸収している。

 大根って、なんてすばらしい食材なんだろう!

 もちろん、「弐ノ十」のもつ煮込みがうまいから、その煮込み鍋で一緒に煮込んだ大根もうまいってことなのだが……。

 冬場にこの店に来ると、煮大根はぜったいに外せないなあ。

 今夜はホッピー(380円)と煮大根(200円)から始めて、カシラ(100円)とヒモ(100円)を、「秋元屋」仕込みの味噌焼きで。

 ナカ(焼酎、250円)をもらって、あご肉(120円)とハラミポンズ(100円)。

 店主のアキさんが、ていねいに焼き上げてくれる「やきとん」は、どれも美しい仕上がりでうまいのだ!

 さらにナカをおかわりして、これでソト1ナカ3。

 そして焼いてもらったのが、初めてのピーマンチーズ肉まき(180円)だ。

 これは半分に切ったピーマンにチーズを詰めて、豚肉で巻いて焼いた一品。トロリととろけるチーズがいいね。

 地元の常連・F本さんとの会話も進んで、三冷さんれい黒ホッピー(380円)を追加。4杯めとなるホッピーだ。

 つまみにはレバ塩ネギ(100円)をもらう。味付けのバラエティが多いのがうれしい。

 2時間半ほどの酒場浴。お勘定は2,330円でした。どうもごちそうさま。

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やきとん「弐ノ十」 / ホッピー / ヒモ味噌、カシラ味噌

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あご肉 / ハラミポンズ / なか(おかわり焼酎)

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ピーマンチーズ肉まき / 三冷黒ホッピー / レバ塩ネギ

店情報前回

《平成27(2015)年12月10日(木)の記録》

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ゆでて冷ました豚レバ … やきとん「たつや」(沼袋)

冷製盛り合わせ


 1年半近くブラジルに行っている間に、厚生労働省の「食品、添加物等の規格基準」の一部が変更になり、2015年6月12日から、これまでの「牛の肝臓」に加えて、「豚の食肉(内臓も含む)」の生食が禁じられた。

 もつ焼き屋などのように、「豚の食肉」を調理したものを客に提供する場合には、「豚の食肉」の中心部の温度が63℃になるようにして、30分以上加熱するか、あるいはそれと同等以上の殺菌効果を有する方法(たとえば中心部の温度が75℃になるようにして、1分以上加熱するなどの方法)で加熱殺菌してから提供しなければならなくなった。

 もともと、もつ焼き屋の豚の内臓は、レバ以外は下ゆでしたものを使っているので、大きな問題が発生するのはレバだけと言っていい。

 ここ「沼袋たつや」でも、かつての人気商品であるレバ刺しはメニューから姿を消し、代わりに「ゆでて冷ました豚レバ」が出されるようになった。

 中まで均質に火が通った豚レバは、プリッと弾力感が残るレバーペーストのよう。

「醤油もいいですけど、胡麻塩がよく合いますよ」

 と教えてくれるのは、店主の「たっつん」こと藤井龍成(ふじい・たつなり)さん。

 おすすめに従って、小皿に胡麻油と塩を用意して食べてみる。

 おぉ~っ。なるほど。これはいいねえ。

 レバ刺しもいいけど、これはこれで新境地かもね。

 ガツ、レバ、コブクロのそれぞれをゆで冷ました「冷製盛り合わせ」(500円)と「のりチーズ」(250円)をつまみに、クエン酸サワー(380円)とナカ(焼酎、250円)ひとつ。

 席料100円と消費税(外税)が付いて、今宵のお勘定は1,590円でした。どうもごちそうさま。

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「たつや」 / クエン酸サワー / のりチーズ

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店情報前回

《平成27(2015)年12月7日(月)の記録》

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よく焼いたチョイ焼き … もつやき「ホルモン」(沼袋)

よく焼いたチョイ焼き


 東京オリンピックの年、昭和39(1964)年に創業したもつ焼きの老舗、通称「沼袋ホルモン」にやってきた。

 この店はもともと、阿佐ヶ谷駅北口の「阿佐ヶ谷ホルモン」を起点とする、「ホルモン」グループの沼袋店として創業した。

 現在の店主は、二代目の菊池正彦(きくち・まさひこ)さん。

 菊池さんのお父さん(初代)は、「阿佐ヶ谷ホルモン」で修業をした後、「高円寺ホルモン」に移り、その後、昭和39年に開店した「沼袋ホルモン」の店長として運営を任されるようになった。

 それから14年後の昭和53(1978)年に、「有限会社 もつ焼き ホルモン」として、「ホルモン」グループから独立し、今に至っている。

 「阿佐ヶ谷ホルモン」は、平成になってすぐぐらいに閉店し、「高円寺ホルモン」も今はない。

 練馬の「金ちゃん」や、今はなき鷺ノ宮の「鳥芳」も、「ホルモン」グループで修業し独立したもつ焼き店だ。

 中央線沿線、西武線沿線のもつ焼き、やきとんブームは今に始まったわけではなくて、昔からこういった数々の名店が下地を作ってきてくれたから成り立っているんだろうな。

 さて「沼袋ホルモン」。

 平行に向いあったカウンター12席(6席×2列)の一角に腰を下ろし、まずは小瓶のビール(サッポロ黒ラベル、350円)とお新香(120円)、そしてタン、ナンコツ、カシラ(各120円)を1本ずつ、塩焼きでお願いする。

 こうして平行カウンターの間に焼き台があるのも、「ホルモン」グループの特徴の一つだ。

 焼き手(=たいていは店主)は、焼き台でモツを焼き、この平行カウンターの間を移動して、それぞれの客に焼きあがったもつ焼きを提供してくれるのである。

 ビールを飲みきったところで焼酎(250円)をもらい、サントリー角瓶に入れられた梅風味の調味料をちょいと足して、梅割りにする。

 次なる焼きものは、コブクロとレバの『ちょい焼き』(各130円)を注文。

 かつては本当にちょっとだけ焼いて出してくれた一品だが、今はそうはいかない。

 素焼きでしっかりと焼き上げて皿に盛り、刻みネギと、おろしショウガをたっぷりと添える。これに醤油(しょうゆ)をかけたら完成だ。

 素焼きのモツを、たっぷりの刻みネギと一緒にショウガ醤油でいただくという、この味わいだけが、本当に『ちょい焼き』が出されていた時代の名残(なごり)だ。

 しっかりと焼いてても、この味つけは合うね!

 焼酎(250円)をおかわりし、続いてはタレ焼きを食べようと、ヒモ、ヒラ、テッポウという、「腸」三兄弟を注文する。ヒモが小腸、ヒラが大腸、テッポウが直腸。それぞれ食感が違うのがおもしろい。

 「ホルモン」グループのタレは、醤油がよく効いているのが特徴なんだけど、ここ「沼袋ホルモン」は、当代になってから、タレの味を少し甘め(=醤油を控えめ)にした。

 練馬「金ちゃん」のタレが昔ながらで、沼袋「ホルモン」のタレが今風。どっちの風味もそれぞれにいいところがあって面白いのだ。

 1時間半ほどの酒場浴。今日のお勘定は1,950円でした。どうもごちそうさま。

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「ホルモン」 / 小瓶とお新香 / たん、なんこつ、かしら

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焼酎 / たんした、はつした / てっぽう、ひら、ひも

店情報前回

《平成27(2015)年12月7日(月)の記録》

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限定・どじょう柳川鍋 … うなぎ串焼き「くりから」(中井)

どじょう柳川鍋


 平成25(2013)年11月25日に開店した「くりから」。先月、創業2年を迎えた。

 そんな「くりから」の店主のブログ「うなぎ串焼 くりから日誌」に、『どじょうをどうじょ!』という記事が載ったのは、私がまだブラジルにいた11月23日のこと。

 「12月1日より、あったかメニューとして『どじょう鍋』を始めたいと思います」というのがその内容。

 小さな固形燃料を使って、目の前で仕上げて食べるスタイルらしい。

『常夏のブラジルには鍋ものは向かないが、冬の日本だと美味しいだろうなあ。帰国したら食べにいかなくっちゃ』

 ブラジルにいるときから、そう思っていたのである。

 そして今日! その「くりから」にやって来て、ホッピーセット(390円)と、まずはひととおりの三点盛り(690円)をいただいたあと、念願の「どじょう柳川鍋」(980円)を注文したのだった。

 このどじょう柳川鍋。1日限定10食のみ。

 注文を受けてからドジョウを開いて中骨を取り、ささがきごぼうや豆腐、えのき茸などと一緒に、鉄鍋にはった割り下の中に投入する。

 それとは別の小鉢で、大量の刻みネギと、生卵が出され、固形燃料に着火。

「沸いたところで卵を溶き入れて仕上げてください。刻みネギはお好みで」

 鍋が沸くのを待つ間に、おしんこ(200円)も追加注文し、「中」(なか、追加焼酎、250円)ももらって、チビチビと飲み進める。

 ひとり用の小鍋は、こうやって酒を飲みながらできあがりを待ってる間が、また楽しいんだなあ。

 おぉ~っ。沸いてきた沸いてきた。

 まず先に刻みネギをどっさりと投入して、またしばらく待つ。

 そしてもう一度、グツグツと沸きあがったところへ、溶いた生卵を回し入れたらできあがりだ。

 少しずつ小鉢に取って、山椒さんしょうの粉をふりかけながらハフハフといただく。

 ん~~っ。ドジョウの、しっかりとしたプリプリ感がいいね!

 身体の芯からポカポカに温まって、1時間40分ほどの滞在。今宵のお勘定は2,510円でした。どうもごちそうさま!

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「くりから」 / ホッピーセット / くりから

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キモ焼 / ヒレ / おしんこ

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どじょう柳川鍋 / 刻みネギを投入 / 溶き卵を回し入れたらできあがり

店情報前回

《平成27(2015)年12月5日(土)の記録》

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葛飾産・小松菜うどん … 「四ツ木製麺所(よつぎせいめんじょ)」(京成立石)

小松菜うどん


 立石での3軒めは、前からぜひ行ってみたかった「四ツ木製麺所」。

 その名のとおり、基本的にはうどんの麺を作る製麺所なんだけど、つまみや飲みものも充実していて、立石に集まってくる呑兵衛たちにも好かれているという。

 でもその場所が立石駅からも離れていてわかりにくい。

 今日は、1軒めの「宇ち多゛」で、歩く酒場データベース・K口さんご夫妻ととなり同士になり、そのあと「二毛作」へと一緒に流れていたので、そのK口さんにお願いして「四ツ木製麺所」に連れて行ってもらうことにした。

 トコトコと歩くこと7~8分。『こんなところに飲食店があるの?』と思うような住宅街の一角に、目指す「四ツ木製麺所」はあった。

 店頭には、店主の似顔絵を描いたのぼりが出され、その両側に「茹でたてを食べて行くかい?」「生めんをお持ち帰りかい?」というキャッチフレーズが書かれている。

 店内には、いくつかのサイズのテーブル席が並んでいて、その中の1卓に3人で腰をおろす。

 入口側から見て正面の壁には、何枚かの黒板がずらりと吊り下げられていて、数種類の刺身から、鍋もの、天ぷら、揚げもの、焼きもの、サラダ、漬物などの日替りのおつまみメニューが書き出されている。

 その数、20種類ちょっと。ヘタな酒場も顔負けの品ぞろえである。

 飲みものにホッピーセット(450円)を注文すると、氷の入ったジョッキと、厚手のガラスコップに注がれた焼酎(キンミヤ)、そして瓶入りのホッピーが出される。このセットで、たっぷりと2杯分のホッピーが作れるから、1杯あたり225円になる計算だ。

 K口さんが注文したうまレモンハイ(400円)も同様。氷とレモンが入ったサワーグラスと、ガラスコップの焼酎、そして炭酸水が出されていて、自分で量を調整しながら作ることができる。

 つまみには「きのこの天盛」(380円)と「イカゲソ揚」(380円)をもらう。天ぷらも揚げ物も、できたての熱々で出されるのがいいね。

 ひとしきり飲んだところで〆のうどんだ。

 K口さんご夫妻は、それぞれ「あつもり」(350円)と「ぶっかけ」(350円)を注文。

 私は「限定」と書かれた季節メニュー「葛飾産・小松菜うどん」(450円)をもらう。

 葛飾区は、東京23区の中では数少ない農業地帯。中でも収穫量が多いのが小松菜だ。小松菜はβカロテンやビタミンC、カリウムを含んでいるため、呑兵衛にぴったりの野菜なんだと、店内の張り紙に書かれている。

 「葛飾産・小松菜うどん」は、その小松菜が麺の中に練り込まれた緑色のうどん。カマボコがひと切れ添えられている。

 スルスルッと2時間弱の滞在。お勘定は3人で3,300円、ひとり当たり1,100円ずつだった。どうもごちそうさま!

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「四ツ木製麺所」 / ホッピーセット / 旨レモンサワー

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黒板メニュー / きのこの天盛 / イカゲソ揚

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熱もり / ぶっかけ / 宴会もできます

店情報

《平成27(2015)年12月5日(土)の記録》

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店情報: 「四ツ木製麺所(よつぎせいめんじょ)」(京成立石)

    四ツ木製麺所
  • 店名: 四ツ木製麺所
  • 電話: 03-5670-7610
  • 住所: 124-0013 東京都葛飾区東立石2-11-7
  • 営業: 〔平日〕11:30-14:30 & 17:30-22:00(月曜は昼だけ営業)、〔土曜〕11:00-21:00、〔日曜・祝日〕11:00-19:00、火曜定休
  • 場所: 京成立石駅の改札を出て、突き当り右側の階段を降りる。降りたら右にUターンして次の角を左折して立石仲見世商店街に入る。商店街を抜けて奥戸街道に出たら右へ。奥戸街道に沿って進むこと220m(約3分)、右手「おせん・おかき処 小藤屋」があるところで左折して、信号のある横断歩道を渡り、正面の路地に入る。1ブロック(80m、約1分)ほど進んだY字を右(センターラインが続いている方向)へ。そこから道成りに230m(約3分)進み、左前方にディスカウントストア「Big-A」が見えたら、その手前のトの字路を右へ。路地の入口には「四ツ木製麺所」ののぼりが立っている。60m先、左手が「四ツ木製麺所」。立石駅からの総距離は約650m、徒歩約8分。このルートを示す動画「京成立石駅から四ツ木製麺所への道順」あり。
  • メモ: 席数23席(カウンター5席、テーブル4席×1+2席×2+10席×1)。公式twitterあり。動画サイトあり。(麺を茹でるのに15分少々時間がかかる場合がある。)
    〔温〕熱もり350、かけ350、釜あげ350、温きつね400、かま玉400、しじみ450、カレー500、梅玉とじ550、焼きうどん640、ちゃんぽん650、唐がらし坦々650、温ミニうどん300。
    〔冷〕冷もり350、ぶっかけ350、ごまだれ400、冷ぎつね400、旨梅うどん470、冷ミニうどん300。
    〔トッピング等〕あげ玉(無料)、野菜かき揚げ120、海老天160、芝エビかき揚げ170、生玉子50、わかめ50、とろろ100、タタキ梅干120、明太子150、各うどんの大盛り+100、唐がらし麺+50、ライス(ミニ)150・(並)200。海老・野菜の天盛400。
    〔定食(全品小鉢付)〕Aエビ天丼+わかめうどん(冷OK)750、B親子丼+わかめうどん(冷OK)750、C鍋焼うどん+ライス850、Dみそ煮込うどん+ライス850、E唐がらし麺の坦々うどん+ミニ明太子ごはん750、F肉じゃがうどん+ミニきのこ天丼750。
    〔飲〕生ビール(サッポロ)480、ビール(サッポロ赤星中瓶)530、櫻正宗(大)600・(小)300、本日の日本酒(グラス)時価、すだちハイ450、しぞ~か割(焼酎抹茶割)400、ハイサワー400、旨レモンハイ400、旨りんごハイ400、トマトハイ400、梅ぼしハイ380、焼酎ハイボール330、ウーロンハイ330、焼酎お湯割(キンミヤ)300、ホッピーセット450、焼酎なか(キンミヤ)200、本日のジュース200、替え梅ぼし50。
    黒板メニュー〔日替りの黒板メニュー(2015.12.05の例)〕限定・葛飾産小松菜うどん(もり)450・(かけ)450、小松菜と春菊のかき揚げ2個200、キムチ鍋1人前580、モツ鍋1人前580、鍋の後の〆うどん350、穴子の一本揚天ぷら450、ぼんじりの天ぷら280、きのこの天盛380、イカゲソ揚380、フライド大根280、鮭ハラス焼420、鮪メンチカツ480、エイヒレ300、自家製ツナサラダ430、キャベツの浅漬300、築地3点盛(マグロ、カワハギ、アジ)800、ウスバハギ刺580、シマアジ刺620、アジのなめろう550、タコぶつ480、つぶ貝刺400、くじらのベーコン580、あさりの酒むし420、サッパの南蛮漬300。(毎日のメニューは公式twitterで公開されている。) (2015年12月調べ)

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極上!トマトのおでん … 「二毛作(にもうさく)」(京成立石)

トマトのおでん


 他のおでんも、もちろん美味しいんだけど、「二毛作」に来たら、はずせないのがトマトのおでん(400円)だ。

 皮をむいて、ヘタの部分をくりぬいたトマトを、そのまま丸ごとおでん鍋に入れて、クツクツと煮込む。

 ヘタがあったほうを下にして、小ぶりの深皿に取り、おでんのツユを張る。

 トマトのてっぺんにドライバジルをふりかけたらできあがりだ。

 まっ赤のトマト、深い緑色のバジル。この対比で、見た目も美しいね!

トマトのおでん このトマトを、添えられた金属製のレンゲでつつき崩しながら、熱々のツユといっしょにすすりこむ。

 これはもう、おでんというよりも、極上のトマトスープだ。

 トマトのおでんに合わせて、白ワインを飲んでいる人も多い。

 次の機会には、私も白ワインを合わせてみるか。

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「二毛作」 / 酎ハイ、今ちゃんハイ / おでん

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本日のおすすめ / 飲みもの、お食事 / 黒板メニュー

店情報前回

《平成27(2015)年12月5日(土)の記録》

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土曜の昼の行列に並ぶ … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(京成立石)

タン生


 土曜日の今日、酒都・立石には昼ちょっと前、11時20分に到着した。

「今日は、どれくらい行列が伸びてるのかなあ?」

 そんなことを考えながら改札口正面右手の階段を下りて、右にユーターン。左手に立ち食いの「栄寿司」がある角を左折すると、「宇ち多゛」の行列が見えてくる。

 おぉ~っ。これはすごいことになっている。

 「宇ち多゛」の裏口前から始まった行列が、突き当りの共同トイレのところで折り返して、また裏口前まで戻ってきてる。人数にして40人ほどの行列だろうか。

 「宇ち多゛」の席数が約40席なので、それとほぼ同じだ!

 だからと言って、「まず他の店に行ってから、空いた頃にまた来よう」ということは決してできないのが「宇ち多゛」なのだ。

 この店は『他の店で飲んできた人は入店禁止』というルールがあって、それが厳格に守られている。たとえ大常連さんであっても、酔っ払ってこの店に入ることはできない。

 11時半を回ったころに行列の進みがよくなってきた。

 朝10時の開店と同時に「宇ち多゛」に入った人たちがお勘定をして出ていくタイミングになったようだ。スルスルと、おもしろいように行列が進んでいく。

 ところがっ!

 私の前にあと8人ぐらいになったところで、行列の動きがピタリと止まった。

 どうやらお客が1回転し終わって、いま店内にいるのは、さっきまで行列の中にいた人たちばかりになったようだ。

 そして自分の後ろにも、私が並び始めたときほどではないものの、ちょうど共同トイレ前あたりまで、15人ぐらいの行列ができている。

 ピタリと止まった行列だけど、それでも一人、また一人とちょっとずつ列は進んでいく。

 「宇ち多゛」の客は、短い人で30分ほど、長っちりでも1時間半もいる人は少ないので、回転が速いのだ。

 私も正午過ぎには、「ニの字」のカウンターの最奥部に座ることができた。

 大瓶ビール(キリンラガー、600円)とタン生(200円)をもらって飲み始め、まだアブラ(2本200円)が残っているようなので、タレで焼いてもらう。

 「宇ち多゛」のもつ焼きは、どんどん売り切れていって、最後にアブラ、ガツ、レバ、シロの4種類が残っていることが多い。

 そしてこの4種類も、書いている順に次々に売り切れていって、最後の最後には「シロしかないけどいい?」という状態になるのである。

 アブラも、私のあと何人かが注文したところで売り切れた。

 ビールのあとは焼酎の梅割り(200円)をもらい、なぜか残っていたハツ(2本200円)ももらう。

 ときどきこういうネタが残っているのも「宇ち多゛」のおもしろいところ。

 開店直後に入った客以外は、先ほどの4種類しか残っていないと思い込んでいるから、その4種類しか注文しないことが多い。

 そうすると、このハツのように、『まだ残っているのに、だれも注文しない』という現象が起こるのである。

 さらに焼酎をおかわりして、ダイコン(ぬか漬け、200円)を『ショウガのっけてお酢』のオプション付きで出してもらう。(キュウリはすでに売り切れでした。)

 最後に焼酎を半分(100円)だけもらって、2時間ほどの酒場浴(「超」がつくほど長っちりだ!)。

 今日のお勘定は1,900円でした。ごちそうさま。

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大瓶ビール / タン生 / アブラたれ

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ハツ塩 / 焼酎の梅割り / 大根、ショウガのっけてお酢

店情報前回

《平成27(2015)年12月5日(土)の記録》

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飲んだあとはやっぱり … 博多ラーメン「ばりこて」(都立家政)

ねぎラーメン


 日本に帰ってきたら、できるだけ早く行きたかった店の1軒がここ「ばりこて」だ。

 なにしろ我われが住んでいたブラジル北東部の街・レシフェにはラーメン屋がない。なので飲んだあとの『しめのラーメン』という概念もない。

 レストランで飲んで食べたあとは、甘い甘いデザートで締めくくるのが標準的なのだ。(もう少し落ち着いてきたら、今度は甘い甘いデザートが恋しくなるのかもなあ。)

 さて「ばりこて」。

 この店に来て、いきなりラーメンを食べたことはない。

 まずはちょっと飲む。

 今日は「お茶ハイ」(380円)と、つまみには「ひとくちめんたい」(160円)をもらって、「竹よし」から一緒に流れてきたSaltyDogさんと乾杯だ。

 カウンター11席のみの店内は完全禁煙。豚骨とんこつスープ特有の香りが店内を支配する。

 豚骨の香りは、好き嫌いがはっきりと分かれるところだが、学生時代を博多で過ごし、屋台のラーメンが大好きだった私には、豚骨臭はとてもいい香りに感じて居心地がいい。この香りをつまみに焼酎が飲めそうなほどだ。

 お茶ハイを飲み終えたところで、いよいよ満を持してラーメンである。

 SaltyDogさんは「たまごラーメン」(760円)を、私は「ねぎラーメン」(780円)を、それぞれ「ばりかた」で注文した。(ちなみに普通のラーメンは650円)

 「ばりかた」というのは麺をゆでるときの硬さのこと。硬いほうから「なま」「ばりかた」「かた」「ふつう」「やわ」と5段階あるうちの、2番めの硬さのことである。

 注文すると、あっという間に出てくるのが博多ラーメンのいいところ。

 「ばりかた」の麺を味わうためには、出てくるや否やという感じで(大急ぎで写真を撮って)大急ぎで食べ始めることが重要。

 コショーをかけたり、ニンニクを入れたり、ゴマ、紅ショウガ、辛子高菜をトッピングしたりするのは、ひとしきり食べて、麺が柔らかくなってきてからにするのがいい。

 でも今日は最後まで、なにも足さないまま、刻みネギたっぷりの「ねぎラーメン」を、汁まで完食した。

 そして今夜のお勘定は1,320円。

 やあおいしかった。どうもごちそうさま。

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「ばりこて」 / 営業時間 / お茶ハイ、ひとくちめんたい

店情報前回

《平成27(2015)年12月3日(木)の記録》

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くじらのしょうが焼き … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

くじらのしょうが焼き


 荻窪駅北口のバスターミナルから、荻06・中村橋駅行または荻07・練馬駅行のバスに乗り、約10分ほどで西武新宿線の鷺ノ宮駅前に到着する。

 鷺ノ宮駅のすぐ北側の道を、線路に沿って新宿方向に10分ほど歩くと、右手の住宅街の中にあるのが魚料理の「竹よし」だ。

 午後9時前の店内は、カウンター6席は満席。カウンター席の背後に2卓ある3人用テーブル席は手前に2人組が座り、奥に男性ひとり客。満員ではないけれど、満卓まんたく状態である。

 しかしながら、奥の1卓にいる男性ひとり客が、「焼きそば名店探訪録」のSaltyDogさんだったので、その卓に相席させてもらうことにした。

 すぐにおしぼりを持ってきてくれた、木曜日担当のなおちゃんに、中瓶ビール(500円)を「サッポロラガー」で注文する。(他にアサヒ、キリンも選べる。)

 ひとりで料理を作るマスターは、他のお客さんたちの注文の品を作るのに大忙しの様子なので、まずは直ちゃんが用意することができる子持ち昆布(450円)を注文する。

 この注文の仕方を覚えておくと、マスターがテンパってる時でも、すぐにつまみにありつくことができる。

 ちなみに手伝いの女性陣に用意してもらうことができるものの代表格が、イカの塩辛(350円)だ。その他、もずく(300円)や、酒盗とクリームチーズ(450円)あたりもいけるんじゃないかと思う。

 子持ち昆布でゆっくりとビールを飲んでいるうちに、マスターの手も空いてきた。となりの人がくじらのしょうが焼き(700円)を注文したので、私も同じものを便乗注文。

 今日は鯨刺身(700円)や鯨ユッケ(700円)、さらには鯨たつた揚げ(700円)もあって、鯨料理が実に充実している。

 鯨しょうが焼きが出たところで、「澤乃井」の冷酒(300ml瓶、700円)をもらう。

 今日びの鯨は、とにかくやわらかくて美味しい。その昔、給食で出されていたスジばった鯨肉とは大違いだ。

 この店に来ると、とにかく知り合いが多いので、ひとりで来てもワイワイと楽しく過ごすことができる。これが近所の行きつけの店のいいところだよね。

 2時間半近く楽しんで、今日のお勘定は2,350円。どうもごちそうさま。

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「竹よし」 / 子持ちこんぶでビール / 「澤乃井」の冷酒

店情報前回

《平成27(2015)年12月3日(木)の記録》

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冬になったらイカ大根 … 立呑み「やきや」(荻窪)

いか大根


 帰国初日の昨日は、阿佐ヶ谷~中野方面の4軒の酒場をハシゴした。

 今日は荻窪でメガネやくつを買ったあと、そのまま立ち飲みの「やきや」へと向かった。

 八戸直送のイカ料理を中心とした数々の料理を、ほぼ全品170円で食べられることでつとに知られている「やきや」は、今日もぎっしりと満員状態。

 私が店に入る直前に、お客さんがひとり、お勘定を終えて外に出てきたので、その人がいた場所に入ることができました。

 ホッピー(320円)とともに、まずもらったのが冬場の定番・イカ大根(170円)。

 イカゲソと一緒に長時間グツグツと煮込まれた大根は、黒々と味がよく染み込んでいて、イカ以上にイカらしい風味が味わえる。

 このでっかい大根がデーンと2個に、イカゲソも2切れほど添えらえて170円なんだからすごいよね。

 そんなボリュームなので、このイカ大根だけで、最初のホッピー+ナカ(焼酎おかわり、160円)ひとつ、都合2杯分のホッピーを飲みきることができた。

 ここのホッピーは氷入りで出されるので、ナカを2回もらうと、ソト(瓶入りのホッピー)がちょうどなくなる。つまりソト1・ナカ3という飲みかたが標準的なのだ。

 私も2回めのナカをもらって、つまみにはイカ軟骨焼き(170円)とお漬物(170円)を追加。

 イカ軟骨焼きは、イカの足と頭の間にある、小さな胴の部分を串に刺してタレ焼きにしたもの。プリッとした弾力感がすばらしい。

 お漬物は、夏場にはキュウリも入っていたりするが、今の季節は白菜中心で、千切りにしたニンジンなどがチラホラと混ざっている。

 徳島のご出身という常連さんとの話も弾んで、ふと気がつくと1時間40分も立ち飲んでしまった。

 お勘定は1,150円。今夜も大満足の「やきや」でした。どうもごちそうさま!

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ホッピー / いか軟骨焼 / 漬物

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《平成27(2015)年12月3日(木)の記録》

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人気の一品、トリハイ … パブ「ブリック(BRICK)」(中野)

トリハイ


 中野駅北口から徒歩2分ほどのところにあるサントリーパブ「ブリック」。

 創業は東京オリンピックの年、昭和39(1964)年だ。

 その創業当時からの人気の飲みものが、トリスのハイボール、略して『トリハイ』である。

 そしてトリハイは、今でもこの店の看板メニューだ。

 しかしながら、トリハイは、順風満帆にエースの座を守り続けていたわけではない。

 高度成長期に、サラリーマンたちの飲み物はトリスからレッドへ、ホワイトへ、角へ、オールドへと、徐々にレベルアップした。

 そのあおりを食った形で、トリハイは一時期、メニューからも消えていたんだそうな。

 そのトリハイが再び日の目をみたのは昭和60(1985)年のこと。

 東京下町発祥のチューハイ(焼酎ハイボール)が大手チェーン居酒屋のメニューに取り入れられて、ちまたにチューハイブームが起きたときだった。

 そのチューハイに負けじと、トリハイが復活したのである。

 そういう戦略商品だから、トリハイは今でも1杯210円と安い。

 懐(ふところ)を気にせず、グイグイと飲むことができるのだ。

 野菜スティック(400円)と、お通しのマカロニサラダで、トリハイを2杯いただいて、今夜のお勘定は1,210円。どうもごちそうさま。

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「ブリック」 / お通しのマカロニサラダ / 野菜スティック

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《平成27(2015)年12月2日(水)の記録》

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殻付きのおでんの玉子 … 酒房「北国(きたぐに)」(中野)

「北国」のおでん


 冬場に「北国」に来ると、絶対にはずせないのが、おでんの玉子。

 もちろん他のネタもおいしいのだが、玉子がとにかく特徴的なのである。

 殻付きのままのゆで卵を、おでん鍋の縁(ふち)にコツンとぶつけて、殻にヒビを入れてから鍋に投入し、そのままクツクツと煮込む。

 それをそのまま出してくれるので、殻をむいていただくのだ。

 玉子が割れたり、煮崩れたりしないのがいいよね。

 お通しのふろふき大根から始まって、玉子と厚揚げ、昆布のおでんをつまみに、八戸の地酒「八鶴はちつる」を燗づけ燗酒を2本。

 1時間ちょっと楽しんで、お勘定は1,600円。どうもごちそうさま。

 女将さん(85歳)や常連さんたちもお元気そうで、良かった良かった。

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酒房「北国」 / ふろふき大根(お通し) / 「八鶴」の燗酒

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《平成27(2015)年12月2日(水)の記録》

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10周年、おめでとう! … 小料理「燗酒屋(かんざけや)」(阿佐ヶ谷)

燗酒屋


 「燗酒屋」の創業は、平成17(2005)年12月17日(土)。今がちょうど10周年である。


 10年間、変わることなく、和服に割烹着姿の女将おかみが、ひとりで切り盛りしている。


 酒もさかなもおいしくて、値段も高くないことから、創業直後からいつも満席状態が続く人気店となり、一人で行っても入れないことが多かった。


 ダメ元で店内をのぞいてみると、今日は数席が空いていて、久しぶりに入ることができた。


 しかし、私のあとにやってきたカップルは、「空いているお席は予約が入っているんです。ごめんなさい」と断られていたので、私が座れたのは、まさにかろうじて空いていた1席だったようだ。


 店名にもなっている燗酒を「白鷹はくたか」で注文すると、「用意していたお通しがなくなりましたので、こちらで」と出してくれたのは「大根の皮のきんぴら」(品書き上の値段は380円)。


 絶妙な温度で出される「白鷹」の燗酒もすばらしいのだが、大根の皮が驚くほどうまいねえ!


 自慢の料理は、毎日、店内の黒板に手書きされる。今宵の品書きは次のとおり。


『活〆・平鱸ひらすずきの薄造り(江戸前)980、生馬刺(福島・会津)980、極上・〆鯖しめさば(神奈川・松輪)800、活〆・たこブツ刺(神奈川・佐島)780、まぐろと長芋の小鉢550、極上・明太子おろし480、大根の皮のきんぴら380、鶏手羽のやわらか煮450、じゃこと豆腐のサラダ500、自家製・ぬか漬460、ヤリイカと秋野菜の天ぷら880、生桜海老のかき揚750、ぎんなんの素揚550、鶏の竜田揚680、豚ときのこの玉子とじ750、アサリの酒蒸し680、かぶ油揚あぶらあげの炊合せ750、牡蠣かきの味噌小鍋880、黒ムツの煮付900、銀ダラの西京焼880、牡蠣かきの磯串焼880、納豆巾着きんちゃく焼550』


 目移りすることこの上なしのラインナップだ。


 この黒板メニューに加えて、飲みもののメニューと、張り紙メニューとして『おむすび270、へぎそば680、季節野菜の味噌汁270』という食事メニューが出されている。


 そしてもう1枚、「とりあえず」と注記された張り紙メニューが『前菜三点盛480』だ。


 なるほど、これはいい。


 その前菜三点盛(480円)を注文すると、鶏手羽煮、マグロ刺、冷やっこの三点盛りが出された。


 2本めの燗酒として、島根・出雲の「天穏てんおん 特別純米 かおる」をもらう。


 1時間半ほど楽しんで、今日のお勘定は2,180円だった。ごちそうさま!


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燗酒 / 大根の皮のきんぴら / 前菜三点盛


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《平成27(2015)年12月2日(水)の記録》

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ブラジルから帰国して … 焼鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

刺身盛合せ


 ブラジル北東部の街・レシフェへの単身赴任を終えて、今朝、日本に帰ってきた。

 昨年(2014年)7月に単身赴任して以来、あっという間の1年5ヶ月だった。

 持ち帰ったスーツケース2個分の荷物をざっと片付けて、ひと息ついたらもう午後4時。

 行きますよねえ。午後4時開店の「川名」に向けて出発だ。

 カウンター席の一角に腰を下ろすと、すぐに出されるお通しのミカン。

 ここのお通しは、いつも果物なのだ。

「果物は、この店でしか食べたことがない、なんて常連さんも多いからねえ。なるべく食べてもらおうと思って、お出ししてるんですよ」

 店主・川名茂(かわな・しげる)さんが、以前、そんな話を聞かせてくれた。

 飲み物は生グレープフルーツサワー(411円)をもらい、つまみには刺身盛合せ(519円)を注文する。

 前までは刺身はそれぞれ単品しかなかったのに、刺身盛合せというメニューも増えたんだな。値段はどちらも同じなので、刺身盛合せのお得感が強い。

 その刺身盛合せはマグロ、サーモン、スズキ、イカ、ゲソ、甘エビ、そして刺身じゃないけど玉子焼きの、合わせて7点盛り。これは豪勢だ。

 サービスで出してくれた湯豆腐(本当は238円)は、いわゆるスープ豆腐。白湯(ぱいたん)スープで煮た豆腐だ。これはうまいぞ!

 さらには、常連さんサービスの果物の盛り合せだ。ブラジルにいた1年5ヶ月の間、「常連さん」と呼べるほど通うことができなかったのに申しわけないなあ。

 生グレープフルーツサワー(411円)をおかわりして、今度は鳥中おち串(130円)、鳥軟骨つくね串(173円)を、それぞれ1本ずつタレで、そしてシシャモ焼き(3尾195円)を焼いてもらう。

 あぁ~っ。日本に帰ってきた気がするなあ。

 ブラジルの料理やお酒もおいしいし、ブラジルの酒場の雰囲気もいいんだけれど、やはり日本の酒場には、日本の酒場にしかない良さがたくさんある。

 これから改めて、そんなところを見つめ直していきたい。

 ゆっくりと2時間ちょっとの酒場浴(さかばよく)。今日のお勘定は2,358円だった。どうもごちそうさま!

 なお「川名」は、12月7日(月)~17日(木)までの11日間、『ウインターバケーション』の連続休暇。次の営業は12月18日(金)からなのでご注意を。

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生グレープフルーツサワー / 湯豆腐 / 果物の盛合せ

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生グレープフルーツサワー2杯め / 鳥中おち串、鳥軟骨つくね串 / ししゃも焼き

店情報前回

《平成27(2015)年12月2日(水)の記録》

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