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タラ豆腐の小鍋で燗酒 … 魚専門「みはる食堂」(野方)

タラと豆腐の小鍋


 冬の日本で楽しみなのが、小鍋をつつきながら、ちびりちびりと飲む燗酒。

 江戸時代後期に、座敷料理として流行した「小鍋立てこなべだて」は、小さな鍋で、2~3種類ぐらいの少ない具材を、目の前で煮ながら食べる料理のこと。

日替りメニュー 今日の「みはる食堂」の日替りメニューには、「本日の寄せ鍋」(950円)、「カキとタラバガニの鍋」(1,500円)、「真ダラと豆腐の小鍋」(650円)という3種類の鍋ものが書き出されている。

 その中から、もっともシンプルな真ダラと豆腐の小鍋を選び、鍋ができるのを待つ間に「本日の刺身盛り合わせ」(950円)をいたたくことにする。

「刺身の盛り合わせは、小さいサイズのものもできます」

 注文を取りに来てくれた店のおにいさんが、そう教えてくれたので、刺身盛り合わせは「小」(価格未調査)にしてもらって、飲みものはサッポロラガー中瓶(500円)をもらう。

 すぐに出された刺身盛り合わせ(小)は、タイ、マグロ、タコ、エビ、サバ、マグロの漬け、サバの炙りがそれぞれ2切れずつと、正月らしく紅白のカマボコ。これは豪勢だ。しかもひとりだと、この量がちょうどいい。

 特筆ものなのがエビの頭!

 見の部分を刺身にしたあとの、エビの頭を添えてくれる店は多いが、ここのはそのエビの頭が、カリッと揚げられている。これは芳ばしくてうまいなあ。

 卓上コンロが出され、タラと豆腐の小鍋が置かれた。

 ビールに続いて、銘柄指定なしで燗酒を注文すると、店主が選んでくれたのは愛媛の「石鎚いしづち」だ。

 そうこうしているうちに鍋が沸いてきた。

 小鉢のポン酢醤油に、紅葉おろしと刻みネギを入れて、まずは豆腐からいただく。

 食べ始めてからも、コンロの火は、とろ火でずっとつけっぱなしにして、鍋の温度が下がらないようにする。

 長時間煮ると、豆腐に「す」が入ったりするのだが、ここの豆腐はそうならない。タラも煮くずれず、しっかりとした身の形を保っているのは、タラが新鮮だからなんだろうなあ。

 燗酒をおかわりすると、今度は石川の「宗玄そうげん」を出してくれた。

 店主の料理もすばらしいが、店を手伝っているおにいさんの気配り、目配りがすばらしい。カウンターの中で、壁のほうに向かって皿を洗ったりしながらも、背後の客席の様子をいつも気にしている。

 だから、ちょっと手をあげて合図を送ると、すぐに追加注文を取りに来てくれる。「すみませぇ~んっ!」なんて大きな声を出す必要はまったくないのだ。

 料理もおいしいし、居心地もいいので、なにかもう1品と思って選んだのが「ベーコンチーズエッグポテサラ」(300円)。呑兵衛好みする文字列の集合体に、思わず引かれた。濃厚なコクがいいねえ!

 ゆっくりと2時間ほどの酒場浴。今夜のお勘定は3,990円だった。どうもごちそうさま。

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みはる食堂 / まずはビール / 本日の刺身盛り合わせ(小)

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タラと豆腐の小鍋 / 「石鎚」燗酒 / ベーコンチーズエッグポテサラと「宗玄」燗酒

店情報前回

《平成28(2016)年1月3日(日)の記録》

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 午後6時の開店時刻ちょうどに、本日第一号の客として店内へと入り、カウンターの一番奥にある、やや鋭角にせばまった部分に身体を落ち着ける。  ここは場所としては狭いし、店内ではおそらく唯一、テレビが見えない(画面の真横にある)席なんだけれど、魚の本や、酒場の本がたくさんストックされていて、気になったときに、すぐに調べることができるのだ。  まずは赤星と黒ラベルが選べる瓶ビール(中瓶500円、以下すべ... [続きを読む]

受信: 2016.05.23 22:04

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