一人でハーフ&ハーフ … 「ホッピー仙人(ほっぴいせんにん)」(日ノ出町)
「栄屋酒場」をあとに、今夜も大にぎわいの「第一亭」や、のれん下のくもりガラス越しに満席の様子が見て取れるおでんの「あさひや」にも心引かれながら、「ホッピー仙人」へと向かう。
「ホッピー仙人」がある
その昔、野毛本通りには露店や屋台がずらりと並んでいた。
昭和39(1964)年の東京オリンピック開催に伴って、野毛の街並みをきれいにしようということになり、それらの露店や屋台を収納するために建てられたのが、この都橋商店街なんだそうな。
都橋商店街の中は、まるでアパートのような区分けになっていて、1階が101号から131号までの31区画。2階も201号から231号までの31区画。合計62区画の商店街だ。
私が野毛に通いはじめた平成12(2000)年ごろは1階が商店、2階が酒場といった感じだったが、今は1階も2階も、そのほとんどが飲食店になっている。
自分が行ったことがあるお店で言うと、1階の111号が立ち飲み「○豊(まるとよ)」、117号が地ビールの「ヌビチノ(El Nubichinom)」。2階の208号がバー「野毛ハイボール」、214号が、いま向かいつつある「ホッピー仙人」、224号がスナックのような中華のような「華(はな)」である。
最近では、ブラジル料理屋があったり、若者や女性にも人気のおしゃれな店もできてきたりと、古い商店街は意外と新陳代謝が激しいのである。
「こんばんわぁ~」
と入った「ホッピー仙人」の店内は、ちょうど先客が出たところらしくて、珍しくカウンター角のところが3席ほど空いていて、立ち飲み客もいない状態。空いている1席に座らせてもらう。
「ホッピー仙人」はカウンター8席だけの店ながら、立ち飲み客も店に入れてくれる(店外での立ち飲みは禁止!)ので、座っている客の後ろに立ち飲み客が立ち、さらに混んでくると、常連さんがカウンターの中に入って立ち飲みするという状態になって、なんと最大25人ほど入るのである。それはもう床が抜けるかと思うぐらいなのだ。
「今日はサーバーの白・黒、瓶の白・黒、ぜんぶあります」
「仙人」こと、店主の熊切憲司(くまきり・けんじ)さんから、そう声がかかる。
「久しぶりなので、基本の瓶白(びんしろ)をお願いします」
サーバー白・黒、瓶白・黒、どれを選んでも1杯500円。
サーバーのホッピーは、金属製の樽に入れられたホッピーを、生ビール用のサーバーで注いでくれるもの。
瓶のホッピーも、樽のホッピーも中身は同じものなんだけど、飲み口は樽ホッピーのほうが軽くて、飲みやすく感じる。泡が美しいのもサーバーのホッピーならではだ。
ここ都橋商店街に「ホッピー仙人」が登場したのは平成13(2001)年9月15日(土祝)のこと。つい先日のような気がするのに、今年でもう創業15年だ!
仙人がいま61歳だから、開店したときは46歳だったのか。よく思い立ったし、よく思い切ったよなあ。
今じゃ、野毛を代表する大人気店だ。
2杯めには、サーバーのハーフ&ハーフ(白と黒の半々、500円)をもらう。
瓶ホッピーの場合は、二人で来て、白と黒を注文して分け合わない限りハーフ&ハーフはできないが、サーバーの場合は一人でもハーフ&ハーフが注文できるのもいいところ。
そのハーフ&ハーフを飲み終えるころには、カウンターの後ろにも、カウンターの人数(8人)と同じぐらいの立ち飲み客がいる状態になった。
1時間半ほどの仙人浴。今夜のお勘定は1,000円でした。ごちそうさま!
「ホッピー仙人」 / サーバーのハーフ&ハーフ / 「堀越さん」はホッピー+青リンゴ
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