千福樽酒はこの店だけ … 樽酒「路傍(ろぼう)」(中野)
「千福」の樽酒(たぶん800円)を普通に飲むことができるのは、ここ「路傍」だけ。
「千福」の生まれ故郷、呉にだって、「千福」の樽酒が飲める店はない。
以前からなんとなくそんな感じはしていたのだが、先日、「千福」の営業の方が、ここ「路傍」にやって来られて、「樽酒をお出しているのは、この店だけです」という話をされたそうだ。
これにより、『「千福」の樽酒は「路傍」でしか飲めない』ということが確定的になった。
呉の水は、軟水でミネラル分が少なく、「赤道を越えても腐らない」ことから、その昔、海軍用水として軍艦にも積まれていたんだそうな。
「千福」の醸造にも、それと同様にミネラル分が少ない灰ヶ峰の伏流水が使われている。
もともと日本酒を醸造するには、ミネラル分が多い水のほうが向いていて、灘(兵庫県)や伏見(京都府)などの、硬度が高い水がとれるところがいいとされていた。
明治時代に広島で「軟水醸造法」が開発されたことにより、軟水しか出ないところでも、日本酒が造れるようになった。
そうしてできた軟水の日本酒は、スゥ~ッと飲み口が軽くて、危ないほど飲みやすい。樽酒であればなおのことだ。
お通しとして、さっとゆでてくれたキヌサヤやオクラがうまいなあ。樽酒によく合う。
「路傍」の創業は昭和36(1961)年。今年で創業55年となる老舗である。
グイグイと再開発が進む中野駅周辺エリアの中にあって、駅北口に広がる中野5丁目の酒場街も客層が変わりつつあるようだ。このところの酒場ブームの影響もあってか、若者や女性が増えているように思う。
でも、つい先ほどまでいた「石松」や、ここ「路傍」の客層は、良くも悪くも変わっていない。
スコンと『昭和のエアポケット』にはまったような安心感というか、居心地の良さを感じるんだなあ。
さらにもう1杯、樽酒をもらって1時間半ほどの酒場浴。今夜のお勘定は1,900円だった。どうもごちそうさま。
「千福」樽酒 / お通しのゆで野菜など / お通しの明太大根
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