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馬モツと牛フワ煮込み … 大衆酒場「カネス」(一之江)

煮込みと焼酎ハイボール


 東京23区の端っこあたりに、なぜかいい飲み屋街がそろっている。

 北の赤羽、西の西荻窪、南の蒲田に、東は大きく葛飾区一帯。

 そして今日やってきたのは、南東側の端っこ、江戸川区一之江の大衆酒場「カネス」である。

 酒場関係の図書には、必ずといっていいぐらい登場するので、以前から気にはなっていたんだけど、いかんせん、都内西部のわが家からは遠い。なかなか来ることができずにいたのだ。

 3階建てのビルの1階にある店舗は横に広く、表側の全面に6枚の引き戸が並んでいる。

 左側3枚の引き戸の前には、黒字に白で「大衆酒場」と書かれたのれんが、右側3枚の前には赤字に白で「中華そば」と書かれたのれんがかかっている。

 そして、向かって右手には赤ちょうちん。にこみ、中華そばと書かれている。

 店名は「カネス」というそうなんだが、のれんにも、赤ちょうちんにも「カネス」の文字はなく、その代わりに『曲尺かねじゃく』と呼ばれる『┓』の中に『ス』と書かれた記号が描かれている。これで「カネス」と読ませるんですね。

 店内は左手に20人ほど座れるコの字カウンターがあり、右手にはテーブル席が2卓で、10人ほどはかけられそう。

 なぜアバウトな人数になっているかというと、カウンターもテーブルも、椅子がすべて木製の長椅子(ベンチシート)なので、ゆるやかに2~3人、ギュッと詰めれば3~4人が座れそう。その詰め具合によって、座れる定員が変動するのである。

 そんなカウンター席の一角に腰をおろし、さっそく注文を取りに来てくれた女将さんに、下町の定番「焼酎ハイボール」(350円)と、この店の名物らしい「煮こみ」(400円)を注文する。

 すぐに出される焼酎ハイボールは氷なしで、レモンスライスが一切れ。ほんのりと甘いのは、焼酎ハイボール用の液体調味料をちょっと足してるから。

 多くの店では、『元祖の素』とも呼ばれる「天羽てんばの梅」という市販品が使われているが、ここは生のレモンや砂糖で作った自家製のハイボールの素を使っているそうだ。

 カウンターの中の大鍋から、小鉢についで出してくれる煮込みは、馬モツと牛フワのみのシンプルなもの。千葉産の2種類の味噌で味付けをしている。

 ここ「カネス」の創業は昭和7(1932)年。創業当時は駄菓子屋だった。戦時中(≒昭和10~20年の間のどこか)で酒の量り売りもする飲食店になった。もう一つの名物、中華そば(ラーメン)は昭和29(1954)年から出し始めたそうだ。

 焼酎ハイボールをおかわりしつつ、料理も「柳川」(600円)を追加注文する。

 ひとり用の小鍋で出される柳川。600円というこの値段は、この店の料理の最高額だ。

 丸のどじょうの鮮度が良くて、中骨もいい感じだ。

 3杯めの飲みものとして、トマトジュース割り(350円)を選ぶ。

 焼酎を100%トマト果汁で割ったこのトマトジュース割りは、お酒(焼酎)とつまみ(トマト)を兼ね備えたすぐれものなのだ。

 1時間半ほどの酒場浴。今宵のお勘定は2,050円だった。どうもごちそうさま。

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店内のメニュー / ひとり鍋で出される柳川 / 骨までおいしいどじょう

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トマトジュース割り / テーブル席と長椅子 / 店を出るとすっかり夜に

店情報

《平成28(2016)年7月23日(土)の記録》

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