倉嶋編集長と球磨焼酎 … 「南酒店(みなみさけてん)」(熊本)
出張で熊本にやってきた。
「古典酒場」編集長の倉嶋紀和子さんが、熊本で取材中だったので、連絡してみると、ラッキーにもたまたまその日が、取材がお休みの日。
せっかくのお休みの日なのに、ご無理をお願いしてご一緒させていただいた。
倉嶋さんは、8月14日から9月の頭まで、熊本に滞在されて取材を進めている。
今年の4月に発生した熊本地震で被害を受けた熊本の日本酒蔵、酒場、酒屋を取材し、今年11月に、「古典酒場」特別編集本「熊本 酒援酒場」を出版されるご予定なのだ。
3週間の短期決戦。大忙しの状況である。
私自身はというと、3年ほど前までは熊本にはほとんどご縁がなくて、熊本の酒場にも来たことがなかった。
2013年に、熊本にも事業所がある会社と経営統合したのをきっかけに、熊本にもときどき来ることができるようになったのでした。
それでもなお、熊本市内で飲むのは今回が初めて。
お店の選択は、熊本出身の倉嶋さんにおまかせである。
しかしここで、われとわが身を振り返ってみると、私自身は松山出身ながら、松山には高校を卒業するまでしかいなかったので、松山の酒場のことはほとんど知らない。
12年ぐらい前から、やっと「露口」や「赤丹本店」に通い始めた程度である。
倉嶋さんとて、それは同じこと。
熊本には高校を卒業するまでしかいらっしゃらなくて、それ以降は東京暮らしである。
でもその心配は杞憂にすぎなかった。
「熊本の酒場にはそれほど精通していなんです」とご謙遜されつつも、さすがは古典酒場編集長。「行ってみたい酒場があるので」と、ビシッと予約まで入れてくださっていた。
さらに「予約の酒場に行く前にちょっと1軒」と連れて行ってくれたのが、熊本の飲み屋街、
店内は基本的に立ち飲みのようだが、イスも数脚おかれていて、空いている時間には、ゆっくりと座って飲むこともできる。
今はまだ先客がひとりしかいないので、我われもイス席に座り、まずは瓶ビール(キリン一番搾り)を1本もらって乾杯する。
「支払いは、その場払い(キャッシュ・オン・デリバリー)ですか?」
店を切り盛りするおねえさんにそう確認すると、
「基本的にはそうですが、後払いでもかまいませんよ」とのこと。
「じゃ、キャッシュ・オンにしましょう。まずは1枚ずつですかね」
と千円札を1枚ずつ、合わせて2千円をカウンターの上に置くと、
「そんなの飲むご予定なんですか!?」と驚かれた。
店内には特にメニューも見当たらず、ずらりと焼酎の一升瓶が並んでいるだけだけれど、きっと安いんだろうな。
そこへ、ひとり、またひとりと、いかにも常連さんらしき男性客が入ってきて、立ったり座ったりしながら飲み始めた。
熊本の呑兵衛たちは、いきなり球磨焼酎(米焼酎)なんかを飲み始めるんじゃないかと思っていたら、みなさん、冷蔵庫から缶チューハイを取り出して飲み始めた(笑)
1本のビールを2人で飲み干した我われも、いよいよ焼酎へ突入だ。
「『大石』(球磨焼酎)を、えぇ~と、水割りでください」
2軒めを考慮して、軽めの水割りから入ろうとする倉嶋さん。
「そりゃあ、いかん。球磨焼酎はロックで飲むか、水は入れたとしても、ちょっと垂らすぐらいじゃなきゃ」
それまで、我われ2人のことなんか、まるで目もくれていなかった常連さんたちから、いきなりそんなアドバイスが飛んできた。みんな聞いてないようで聞いてるなあ。球磨焼酎には厳しいのだ。
「そぎゃんですか。じゃ、ロックでお願いします(笑)」と倉嶋さん。
「それじゃ私も、『川辺』(球磨焼酎)をロックでお願いします」
こうなるとロックでいくしかないね。
このロックが、大きな
純米焼酎「川辺」はすっきりとした飲み口。それに対して倉嶋さんが注文した「大石」のほうは、濃厚でまろやかな味わい。
「黒い湯呑に注いだからよくわからないですが、『大石』のほうは、熟成されてやや褐色がかった色合いなんですよ」
店のおねえさんが、そう説明してくれる。
倉嶋さんがつまみにベビー・チーズをもらっていたので、私も同じベビー・チーズの「ゆず胡椒」味のものをもらった。
小さなチーズをつまみに、たっぷりの球磨焼酎を飲み干して、40分ほどの角打ちタイム。
キャッシュ・オン・デリバリーでの総支払額は、二人で1,450円(ひとり当たり725円)でした。どうもごちそうさま。
店を出て、トコトコと予約の店に向かっていたら、交差点の角で、さっきまで一緒に立ち飲んでいたおじさんがパウンドケーキを売っていた! なるほど、おじさんはパウンドケーキ屋さんだったんですね。
棚にはずらりと熊本県産酒 / まずはビールで乾杯 / ベビー・チーズ
球磨焼酎「大石」 / 球磨焼酎「川辺」 / さっきまで一緒に飲んでたシェフ
・店情報
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