ふわふわのお好み焼き … 鉄板焼き「しん」(中井)
『新宿区中井の街で数々の伝説を作りつつも、2012年の秋に惜しまれつつ閉店した「お好み焼き 丸助」
その丸助で長年修行を重ねた店長・しんが、中井の街に新たなお店をオープンします。
ご注文いただいてから20分、じっくり焼き上げる関西風のお好み焼きは絶品。
その他、店長が腕によりをかけたお料理、おつまみを用意して、皆様のお越しをお待ちしています。
女性の方でも、お一人様でも、お気軽に立ち寄り楽しい時間を過ごせるお店にしたいと思っています。』
お店の公式サイトに書かれている、店主・添田真(そえだ・しん)さんの文章である。
そしてその店は、昨年(2015年)1月にオープンした。真さんの店だから「鉄板焼き しん」。わかりやすいネーミングだ。
〆でもらったお好み焼きの「豚玉」(850円)は、お皿に取り分けようとするとプルルンとふるえるほど、ふわふわ。
山芋の量が多い生地を、じっくりと20分ほど時間をかけて仕上げるから、この軟らかさになるんだそうだ。
しかも焼き始めたら、放置時間が長い。
「大丈夫かな? 焦げないのかな?」
とこっちが心配になるほど、じっとそのまま鉄板の上に置いておいて、おもむろに1度だけひっくり返す。するとこれが、いい焼き色になっているんだ!
この鉄板、厚さが18ミリあるというから、船を造るのに使う鉄板と同じぐらいだ。この厚みが、ムラのない焼きあがりを生むんだって。
今日は料理研究家の伊野由有子(いの・ゆうこ)さんのご紹介で、伊野さんと一緒にこの店にやって来た。
伊野さんご自身も、つい先日、お友だちからのご紹介でこの店のことを知ったそうなのだが、そのときは他の店で飲食したあとの二次会で来店。満腹のためお好み焼きまで行きつかず、残念な思いをされたそうなのだ。
今日はそのリベンジで、1軒めとしてやって来て、しかも最後は絶対にお好み焼きで締めようという計画なのだった。
午後6時の開店と同時に入店したのは、浴衣姿も麗しい母娘ふたり連れと、我われの合計4人。
コの字カウンターのみの店内の定員は8人なので、開店と同時にその半分が埋まったということだ。
エビス樽生ビール(550円)をもらって乾杯すると、まっ先にお通しの玉子豆腐が出された。今日も暑い1日なので、ビールと玉子豆腐の冷たさが心地よい。
つまみには、牛スジ煮込みのハーフサイズ(380円)とゲソバター(650円)を注文する。ゲソはモンゴウイカの太い足だ。
飲みものを、伊野さんは白、私は黒のホッピー(セットで480円)に切り替えて、焼野菜の盛合わせハーフ(650円)と梅水晶(380円)も追加注文する。
焼野菜の盛合わせは、本来はレンコン、長芋、アスパラの3種盛りだが、今日はレンコンの代わりにナスを焼いてくれた。
さっきのゲソもそうだったんだけど、焼き野菜も、鉄板の上で焼きながら、コテでスパッと切り分けてくれる。そのスパッとの切れ具合が、まるで包丁のように鋭いのだ。
「ものすごい切れ味ですねえ!」
驚いて店主にそう声をかけると、
「実はコテの先を、包丁を研ぐのと同じように研いでるんですよ」
とのこと。なるほどなあ。だからこんなに切れるんだ。
そしていよいよ満を持してお好み焼きの「豚玉」(850円)を注文。
なにしろ焼くのに20分はかかるから、早めに注文しておかないといけない。
このお好み焼きが、本体はふわふわトロトロに仕上がるのだが、表面には豚肉ものってカリッと仕上がっているので、本来であればとっても切り分けにくい一品なのだ。
これを切るのに、先ほどの鋭い切れのコテが必要なのである。
伊野さんも私も、ホッピーをソト1・ナカ3でいただいて、2時間ほどの滞在。今日のお勘定は二人で5,929円(ひとり当たり2,965円)でした。どうもごちそうさま。
それにしても中井。「錦山(きんざん)」、「くりから」をはじめ、いい酒場がそろってるなあ。
牛スジ煮込み(ハーフ) / ホッピー(セット) / ゲソバター
焼野菜の盛合わせ(ハーフ) / 梅水晶 / お好み焼(豚玉)
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