熱々ガンスで夏にごり … 立ち呑み「脱藩酒亭(だっぱんしゅてい)」(新橋)
揚げたて熱々の「生がんす」(450円)である。
「がんす」というのは、広島県で生産されている魚肉練り製品のひとつ。
「かまぼこ」の原料と同じような魚のすり身に、刻んだ玉ネギなどの野菜や、一味唐辛子などを混ぜて、円形や長方形に平たく成型し、パン粉を付けて揚げたもの。
パッと見には、平天のカツのような感じなんだけど、玉ネギや唐辛子が入っているので、口に入れると、ピリッと辛みを感じたり、ふんわりと玉ネギの甘みを感じたりする。
一般的には、揚げた状態で商品として売られているんだけど、「生がんす」は揚げる前の状態で(たいていは冷凍食品として)販売しているもの。
ここ「脱藩酒亭」では、注文を受けてからその「生がんす」を揚げて、食べやすく切り分け、さらに野菜サラダやマヨネーズをトッピングして出してくれるのだ。
っくぅ~っ。うまいでがんす。
広島弁(昔の言葉?)の「がんす」は、「~です」「~でございます」という意味合いで使われる。
つまり「うまいでがんす」は、「おいしいです」という意味だ。
この「がんす」が、そのまま練り物の「がんす」の名前の由来でもあるのだ。
今夜はこの「生がんす」に、この季節限定の「千福」の濁り酒、「夏にごり」(1合500円)を合わせた。
「脱藩酒亭」は、酒王「千福」で知られる呉市の三宅酒造が、2011年1月に新橋に開店した立ち飲み店。正式には「廣島呉藩 立ち呑み 脱藩酒亭 新橋浪人店」という長い名称だ。
ついこのあいだ開店したような気がするのに、もう5年半か。早いなあ。
そういう経緯の店だからか、広島出身のお客さんが多く、店内には広島弁が飛び交っている。
でも、ひとりで店を切り盛りしている店長・芳賀徳之信さんは会津の出身だ。呉の「千福」で働いていて、この店を任された。
だから、広島出身者じゃなくてもウェルカムなのである。
立ち飲み屋だけど、お勘定は最後のまとめて店長に支払うタイプ。
今夜のお勘定は二人で2,050円(ひとり当たり1,025円)だった。
どうもごちそうさま。
「脱藩酒亭」 / 店頭のおすすめメニュー / お通し(ひとり300円)と飲みもの
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