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2016年9月

3種のオールドパース … バー「アンカー(BAR ANCHOR)」(呉)

オールドパース


「今月の『今月のウイスキー』は3種類あるんですよ」

 そう言いながら、オーナーバーテンダーの森貞さんがカウンター上に並べてくれたのは、スコッチウイスキー「オールドパース(OLD PERTH)」3本だ。

 銘柄はすべて同じで、すべてがブレンデッドモルトなんだけど、2本めのもの(白地に黒文字のラベル)にはピーティ(Peaty)、3本め(赤地に金文字のラベル)にはシェリー樽(Shelly Cask)と書かれている。

 1本め(ベージュ地の赤文字のラベル)が一般的なブレンデッドモルトなのに対して、2本めのピーティは、アイラモルトのようなピート(泥炭)の香りが高いブレンドになっていて、3本めのシェリー樽は、シェリー樽で熟成させたモルトウイスキーだけをブレンドしているそうだ。

 この店では、毎月、『今月のウイスキー』と決めたウイスキーを、1杯500円で提供してくれていて、ウイスキーの勉強になることこの上ないのだ。

 今夜は1本めの、標準的な「オールドパース」をいただいた。

 実はこの「オールドパース」は本日の2杯め。

 1杯めには、これまたいつものごとく、季節のフルーツカクテルをいただいた。

 今日のフルーツは、黒ブドウの一種、ピオーネ(Pione)。

 このピオーネ果汁をウォッカと一緒にシェイクして出してくれた。

 毎回、季節のフルーツカクテルと今月のウイスキーをいただかないと、この店に来たような気がしないんだなあ。

 その季節ならではの果物の風味に舌鼓を打ち、そして今まで知らなかったウイスキーのことを勉強する。これが大きな楽しみなのだ。

 1時間ほど楽しんで、今日のお勘定はお通し(500円)も含めて2,100円でした。どうもごちそうさま。

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「BAR ANCHOR」 / ピオーネのカクテル / 3種のオールドパース

店情報前回

《平成28(2016)年9月8日(木)の記録》

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はじめてのひとり石鍋 … 焼肉・なべ「ほらふき」(呉)

石鍋と焼酎水割り


「こんばんは。ひとりです」

 と入った「ほらふき」の店内は、左手小上がりの座卓は満席になるほどのグループ客がいるものの、右手にあるテーブル席2卓は空いている。

「あらぁ、いらっしゃいませ。そちらにどうぞ」

 と空いているテーブル席を指し示してくれる女将の薫さん。

「石鍋を用意しますか?」と聞いてくれる。

「ええ、そうしてください。あと生ビールをお願いします」

 合わせて生ビール(中ジョッキ550円)も注文した。

 店名を冠した「ほらふき鍋」(1人前1,900円)は、女将さんのお母さん(初代女将)が考案したオリジナル料理。

 もともとは家庭料理として、家族だけで食べていた料理なのだが、30年ほど前にこの店を開いたときに、「ほらふき鍋」として店でも出すようになった。

 鍋の底にごく少量の鶏ガラスープを入れ、ホルモン(牛腸)、ハチノス(牛胃)、天ぷら(平天)、うどん、白菜、玉ねぎ、ねぎ、えのき、もやしを盛り込んでいく。

 ド~ンと盛られた具材は、鍋の上に20センチほどの山になるボリューム。

 その上に、ニンニクや唐辛子のほか、12種類以上もの野菜や果物などを混ぜ合わせた、自家製の味噌タレをかけて火にかける。

 グツグツと煮え始めると野菜からどんどん水分が出てきて、最終的にはちょうど鍋の深さと同じくらいの水分量になるのだ。

 この看板メニューの「ほらふき鍋」は、1人前で大人3人が満腹になるぐらいの量があるので、ひとりだと、とても食べ切れない。

 そこで考案されたのが、今回注文した石鍋(1人前800円)なのである。

 こちらは平たい石鍋に、ネギ、玉ねぎ、もやし、ホルモン(牛腸)が、こんもりと盛られ、スープが張られている。これをグツグツと煮て仕上げるのだ。

 これならひとりでも大丈夫。最後までおいしくいただくことができる。

 生ビールのあと、「芋」「麦」が選べる焼酎水割り(350円)を、「麦」で注文すると、生ビールと同じ中ジョッキにたっぷりの焼酎水割りを出してくれた。

 小上がりのグループ客も帰り、私も閉店時刻の午後10時に席を立った。

 今夜のお勘定は1,800円。どうもごちそうさま。

 この店にひとりで来たのは初めてだったけど、改めて考えてみれば250~550円ぐらいの一品料理も数多い。元々、ひとりでも十分に楽しめる店だったんですね。

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「ほらふき」 / 生ビール / 付き出し

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石鍋(1人前) / 料理メニュー / グツグツ沸いて、できあがり

店情報前回

《平成28(2016)年9月8日(木)の記録》

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タコツボでタコおでん … 「升本(ますもと)」(虎ノ門)

ジャンボたこおでん


 虎ノ門「升本」の創業当時からの名物だというタコおでん。

 店のメニューには「名物たこおでん」(650円)と「ジャンボたこおでん」(1,600円)の2つが並んでいる。

「タコおでんのジャンボのほうは、普通の何人前ぐらいなんですか?」

「3人前なので、3人様にはちょうどいいですよ」

 と店のおねえさん。さっそく「ジャンボたこおでん」を注文した。

 今日は虎ノ門方面での仕事のあと、同じ職場から行っていたメンバー3人で、ここ虎ノ門「升本」にやってきたのだった。

 店に着いたのは午後5時半ぐらいだったが、すでに1階はほぼ満席模様。我われ3人は2階のテーブル席へと通された。

 ちなみに店は3階まであり、1階は6人卓×5+8人卓×4の62席、2階は4人卓×3+6人卓×5+8人卓×8+10人卓×1の116席、3回は座敷70席。すべてを合わせると248席という大箱店だ。

 その大箱が、毎日毎日、満席になるというんだからすごいよね。虎ノ門を代表する人気大衆酒場なのだ。

 生ビール中ジョッキ(550円)で乾杯し、つまみには青魚刺身三点盛り(850円)や水茄子の浅漬け(400円)などをもらいつつ、「ジャンボたこおでん」へと進んだのであった。

「お待たせしましたぁ~」

 と出てきた「ジャンボたこおでん」は、ちょっと大きめのタコツボで登場だ。

 その中には、たっぷり目のおでんの汁と一緒に、タコの足がくるりん、くるりん。

『壺の中にはタコが入ってますよぉ~っ』

 ということを誇示するように、タコの足の1本が、くるんと壺の外側に引っかけられている。

 そのタコの足は、ひと口大よりは大きく、だいたい3口で食べられるぐらいの大きさに切り分けてくれていて、それを添えられた竹串で取り皿に分け、練りガラシをちょいとつけていただく。

 いやあ、薄味なのがいいですねえ。

 生ビールのあとはホッピー(セット500円、ナカ280円)に切り替える。

 他にもあれこれいただきながら2時間ほどの滞在。今日のお勘定は3人で9千円(ひとり当たり3千円)ほどだった。どうもごちそうさま。

 やっぱりいいね! 名物・タコおでん!

店情報前回

《平成28(2016)年9月14日(水)の記録》

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創業20年になりました … 「海軍さんの麦酒舘(かいぐんさんのびーるかん)」(呉)

海軍さんの麦酒


 午後6時にホテルのロビーに集合し、みんなで懇親会へと向かったのは、呉海員会館(ビューポートくれ)の1階にある「海軍さんの麦酒舘」である。

 ここは店内90席、川岸のテラス席108席の合計198席と席数が多いので、大勢で集まる宴会やパーティーなどにもよく使われているんだそうな。

 今日も店内は、我われのグループだけで貸し切りである。

 「海軍さんの麦酒舘」は、呉ビール株式会社の直営レストランとして、平成8(1996)年5月28日にオープン。今年で創業20年となった。

 呉ビール(株)は、ドイツ産の麦芽・ホップ・酵母を原料に、呉の名水「灰ヶ峰はいがみねの湧き水」を使って、呉の地ビール「海軍さんの麦酒ビール」を造っている会社。

 その直営店なので、この店でもピルスナー、バイツェン、アルト、ケルシュ、ハーフ&ハーフ(ピルスナー×アルト)、ゴールドハーフ&ハーフ(ケルシュ×アルト)、さらには季節限定ビールなど、常時6種類以上の「海軍さんの麦酒」を楽しむことができる。

 いずれもLサイズ(500ml)が750円、Mサイズ(300ml)なら500円という均一価格。

 この店のことを、このブログにご紹介するのは初めてだけど、呉に単身赴任しているころ(2010~12年)には、この店にもよくやって来た。

 でも、ひとりで来るということはなくて、ここに来るときはいつも8人以上ぐらいのグループだった。

 たいていはバーベキュー2時間食べ放題・飲み放題(現在の価格は男性3,900円、女性3,500円)のコースを選んで、飲むは食うはの大騒ぎだったなあ。

 今日も今日とて、貸し切りの大懇親会でのコース料理&2時間飲み放題(4,800円コース)。

・前菜(枝豆・大根のビール漬・海産珍味)
・じゃこと豆腐のヘルシーサラダ
・お刺身盛合せ
・呉のガンス天とじゃこ天の盛合せ
・たこの唐揚げ
・元祖海軍さんの肉じゃが
・豚ロースの冷しゃぶ
・音戸のじゃこ飯
・巴屋のアイスもなか

 といった料理が、順番にというよりも、ドカーンとほぼ一気にやって来た。(デザートの「巴屋のアイスもなか」は、ちゃんと最後に出されました。)

 飲み放題の間に、全種類の地ビールを飲むことができたのが良かったな。

 今夜は、広島カープが25年ぶりに優勝するかどうかという、特別な日。

 マジック2の広島が中日に勝ち、マジック対象の巨人が阪神に負ければ、広島の優勝が決まる。

 我われは、ここ「海軍さんの麦酒舘」で飲んでたけれど、多くの広島県人は、自宅もしくは同好の士が集まる酒場で、テレビにかじりついてたんだろうなあ。

 結果は、広島は中日に勝ったものの、巨人も阪神に勝ったので、広島のマジックがひとつ減って、マジック1になっただけでした。

 広島のみなさんの大きなため息が聞こえてきたような気がした夜でした。

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「海軍さんの麦酒舘」 / コース料理の数々 / 巴屋のアイスもなか

店情報

《平成28(2016)年9月8日(木)の記録》

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店情報: 「海軍さんの麦酒舘(かいぐんさんのびーるかん)」(呉)

    海軍さんの麦酒舘
  • 店名: 海軍さんの麦酒舘
  • 電話: 0823-26-9191(予約可)(FAX: 0823-26-9091)
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通1-1-2 ビューポートくれ1F
  • 営業: 17:00-23:00(22:00LO)(土日祝は11:30開店、日祝は21:00閉店(20:30LO))、無休
  • 場所: JR呉駅の改札(1ヶ所のみ)を出て、正面の階段を下り、右へ。喫茶「レスト」や「森田食堂」の前を、道なりに直進する。川(堺川)を渡った先、右手。駅から徒歩約5分。
  • メモ: 平成8(1996)年5月28日に呉ビール株式会社の直営レストランとして開店。季節限定ビールを合わせて常時6種類の地ビールが飲める。店内90席、川岸のテラス席108席の合計198席。大小宴会、貸切パーティも可。メニューも掲載された公式サイトあり。(2016年9月調べ)

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呉の夜はまずここから … ビヤハウス「オオムラ亜(おおむら・あ)」(呉)

オオムラ亜


 呉での仕事を終えて、今夜の宿にチェックインしたのは午後5時20分ごろ。

 6時にはロビーに集合して、みんなで懇親会に行くことになっている。

 よしっ。40分あれば大丈夫。その間に「オオムラ亜」に行こう!

 部屋に荷物だけ置いたら、すぐにホテルを出て、急ぎ足で「オオムラ亜」へ。

 いつものように「お帰りぃ~っ」と迎えてくれる店主・亜矢あやさんに、「これから飲み会なんで、今日は1杯だけね」と生ビール(500円)をもらう。

 この店の歴史は古い。

 その根源は、明治時代末期に、呉れんが通りで繁盛したビヤホール「日英館」にあるそうだ。

 大正10(1921)年に、その「日英館」が閉店し、何店かに分割されたときに開店したのが「オオムラ」だったのだ。

 残念ながら、呉の街は戦災で全面が焼け野原になってしまったが、「オオムラ」は戦後いち早く復活。それがそのまま、現在の「オオムラ亜」に続いている。

 この店ならではの氷冷式の生ビールサーバーから、スイングコック(横に回すタイプの注ぎ口)で注がれる生ビールは、クリーミーな泡が多くて、刺激が少ない、実に飲みやすい生ビールになる。

 生ビールの温度が約8℃と、冷え過ぎていないことも「飲みやすさ」に貢献している。

 まさにこの店のキャッチフレーズのとおり、「グッと1杯、思わず2杯!」となるのである。

 でも今日は1杯だけ。

 500円を払って、「ごちそうさん」と席を立つ。

「行ってらっしゃ~いっ!」

 亜矢さんや、カウンターのお客さんたちに見送られながら、店をあとにしたのだった。

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「オオムラ亜」 / 生ビール / ビヤホール「日英館」(月刊「くれえばん」9月号より)

店情報前回

《平成28(2016)年9月8日(木)の記録》

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中華そば+小イワシ煮 … 「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)

名物・中華そば+小イワシ煮付け


 久しぶりの呉である。

 朝早く新幹線で東京駅を出発すると、呉には昼ごろに到着する。

 そして呉での昼食は、大正13年創業の老舗大衆食堂、「森田食堂」だ。

 「森田食堂」の営業時間は、朝8時から夜9時まで。中休みなく、いつでも食事ができるし、ビールや酒も置いているので、いつでも飲める!

 おかずは皿に盛られて、冷蔵陳列棚に並んでいるものを、自分で選んで取ってくる。

 それぞれ一皿が150円から、刺身などの高いもので500円ぐらいまで。200~300円ぐらいの料理が多い。

 温めたほうがいい料理の場合は、店を切り盛りする女性陣が、電子レンジで温め直してくれる。

 この店の名物のひとつが、イリコ出汁のスープで出される湯豆腐(300円)だ。

 この湯豆腐をつつきながら飲む燗酒が、すばらしくうまい。

 でも今日は、この後、午後から仕事なので、残念ながら飲むことはできない。

 そこで選んだのが、もう一つの名物・中華そば(400円)である。

 これもまたイリコ出汁をベースとした、旨みのある、黄金色こがねいろに透きとおったスープで作られる。

 さらに冷蔵陳列棚から、小イワシの煮付け(300円)も取ってくる。

 イリコも小イワシも同じ魚。標準名で言うとカタクチイワシだ。

 塩ゆでして乾燥させるとイリコになり、そのまま刺身で食べたり、煮付けにしたりするときは小イワシと呼ばれる。

 実はこのカタクチイワシ、広島県の魚類の中で最多の漁獲量(全漁獲量の約70%)を誇る、県民自慢の、生活に欠かせない魚なのだ。

 そのイリコをたっぷりと使った中華そばのツユに、さらに小イワシの煮付けで、カタクチイワシ・オン・カタクチイワシ。これはうまいよねえ!

 中華そばの汁まですっかり飲み干して、昼食を終えた。

 お勘定は700円。どうもごちそうさまでした。

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森田食堂 / 店頭のメニュー / 店内の様子

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《平成28(2016)年9月8日(木)の記録》

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深酒ができない日曜日 … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

ハラミ&カシラ


 今日は小西康隆さんの新著「日本の街角酒場で呑み語らう」の出版記念パーティーがあったり、吉田類さんの「吉田類と仲間達vol.9」が開かれたりと、飲む気満々の1日だったのだが……。

 明日の仕事の関係で、今日はどうしても深酒はできないことになってしまった。

 ちょっとだけ顔を出して、すぐに「じゃ!」と帰って来れれば問題ないんだけど、大勢の飲み仲間たちが集まっていることを考えると、そういうわけにもいかんよなあ……。

 でも、なんにも飲まないのも悔しいので、近くの「秋元屋」に出かけることにした。

 日曜4時の「秋元屋」というと、いつもは小西さんやその呑み仲間のみなさんが集合して飲んでいる。

 今日はその小西さんの出版記念パーティーだから、「秋元屋」がガランとしてしまって困ってるんじゃないかなあ。

 そんなことを思いながら「秋元屋」に到着してみると、そんな心配はまったく不要だった。

 今日も「秋元屋」は大にぎわいである。

 しかも、小西さんご本人こそいないものの、荒木マタエモンさんたち、呑み仲間のみなさんたちはずらりと集結してるし!

 みなさん、出版記念パーティーへの出席を終えてから、野方へと流れてこられたとのこと。「今日は朝からずっと飲んでるよ」なんて方までいる!

 私もカウンター席の一角に腰をおろし、ホッピー(400円)をもらって、まずひと口。

 開店直後とあって、焼き台はものすごく渋滞しているようなので、まずは焼かないつまみからもらいましょう。

「ガツ酢(250円)と、なんこつスライス(250円)をお願いします」

 予想どおり、焼かないでいいつまみは、すぐに出てきた。

 この2品で、ナカ(270円)をおかわりし、2回めのナカをもらったところで、レバ(120円)とシロ(120円)を1本ずつ、それぞれ味噌焼きでもらう。

 この時点で5時をまわり、焼き台の上も、開店直後に比べると余裕ができてきたのだ。

 最初にレバが焼きあがり、焼き台の松ちゃん(店長)から、「ハイッ、レバです」と手渡される。

 熱々のレバを、熱々のうちに食べ終えるころに、「シロです」とシロも焼きあがってきた。その差、わずか2~3分。なんとも絶妙なタイミングだなあ。

 冷めても美味しいのが味噌焼きの売りなんだけど、それでもやっぱり熱いものは熱いうちに食べたほうがうまいのだ。

 ソト1・ナカ3でホッピーを飲み終えて、続いては豆乳割り(400円)をもらう。

 これはもう、つまみ兼用の飲みもの。

 前回も今回も、たまたまとなりの席に座り合わせたご常連の「ひざげり」さんと、門前仲町あたりの酒場話で盛り上がる。

 最後にカシラ(120円)とハラミ(120円)を1本ずつ、塩焼きでもらって〆とした。

 気がつけば2時間半もの長っちり。お勘定は2,420円なり。どうもごちそうさんでした!

 今日はこれで終了。ハシゴ酒をしないかわりに、野方の飲み屋街をくるりと一巡してから帰路についた。

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ホッピー / ガツ酢 / なんこつスライス

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れば味噌 / しろ味噌 / 豆乳割り

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やきとん「秋元屋」 / 手打そば「おおひら」 / やきとん「すっぴん酒場」

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うなぎの「上州屋」 / やきとん「ヨシミ商店」 / 九州料理「野方ガレージ」

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酒場「はとまめ」 / やきとん「第三秋元屋」 / やきとり「きさぶろう」

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手打そば「藤二郎」 / 寿司食堂「魚銀」 / 大衆餃子酒場「ダンダダン酒場」

店情報前回

《平成28(2016)年9月4日(日)の記録》

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廣島呉藩・新橋浪人店 … 立ち呑み「脱藩酒亭(だっぱんしゅてい)」(新橋)

「千福」純米酒


 「銀座じゃのめ」から、新橋の「脱藩酒亭」へというのは、私の定番のハシゴコース。

 人数が少なければ、途中で銀座「ロックフィッシュ」にも立ち寄りたいところなんだけど、飲んだあとの4~5人だと、ちょっとむずかしい。

 「ロックフィッシュ」の入口には『呑んでいる方はムズカシイです。すみません』と書かれた張り紙もあって、基本的に酔っ払いはお断りなのです。

 途中、ひとり帰られて、残る4人で「脱藩酒亭」へ。

 「脱藩酒亭」に行くルートはいろいろとあるのですが、もっとも簡単なのはニュー新橋ビルの裏手にある、「カラオケの鉄人 SL広場前店」の横の路地を入り、1ブロック先右手の烏森神社参道へ。烏森神社へと上る階段の左側にある細い路地を進み、突き当りを道なりに左へ。50mほど先の左手が「脱藩酒亭」だ。

 正式名称は「廣島呉藩 立ち呑み 脱藩酒亭 新橋浪人店」という。

 呉の清酒「千福」を造っている三宅本店の直営店として平成23(2011)年に開店した。今年で創業5年である。

『志を持ち国から出てきた 志士の集まる場所 夢を語り! 夢を追う!』

 店の公式サイトにはそう書かれています。

『店名は“脱藩”ですが、故郷を捨てて出てきたというわけではなく、地元を愛するからこそあえてそこのものをもって出てきたという意味です』とのこと。

 今日やって来たメンバーは、それぞれ(出張程度の期間の人もいるものの)呉でも働いたことがある。

 でも、この店のことは知らなかったそうなので、ご紹介を兼ねてやって来た次第。

 それぞれの好みで「夏にごり」(500円)や「純米酒」(500円)をもらう。銘柄はもちろんすべて「千福」だ。

 お通し(各300円)として、エリンギのマリネと、ヒジキの煮物を2人前ずつ出してくれた。

 お通しは何品か用意されているようで、複数人で来ると、取り分けて食べられるように、違うものを出してくれるのだ。

 つまみには、生ガンス(450円)や、小イワシの天ぷら(500円)、カキの塩辛(500円)、スモークオイスター(500円)といった、呉らしいものもそろっているのだが、今日はもう満腹。お通しだけで失礼した。

 1時間ほど立ち飲んで、お勘定は4人で3,200円(ひとり当たり800円)だった。どうもごちそうさま。

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「脱藩酒亭」 / 夏にごり、お通し4人分 / 今日の黒板メニュー

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《平成28(2016)年9月2日(金)の記録》

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懐かしい仲間が集合だ … 「銀座じゃのめ」(銀座)

「銀座じゃのめ」にて


「久しぶりにみんなで集まって飲もうよ。お店選びはよろしくね」

 場所は、みんなが集まりやすい銀座あたりがいいらしい。

 銀座で我われサラリーマンが気楽に行ける店となると、「銀座じゃのめ」だな。

 さっそくキティちゃん(「銀座じゃのめ」スタッフ、冒頭の写真に写っている女性)に連絡して席の予約をお願いした。

 「銀座じゃのめ」には、2時間飲み放題付きで、人気の舟盛りや煮込み料理、名物・マグロねぎま鍋など6品が出されるコース料理(ひとり4,800円、税込)もあるんだけれど、今回は5人分の席と、最初に出してもらう舟盛り大(1,980円、これ以下すべて税別表記)だけにしておいた。

 そして当日。懐かしい仕事仲間たち5人が集まってまずはエビス生ビール(580円)で乾杯だ。

 みんな、近くの職場で同じような仕事をしていたんだけれど、その後の人事異動や定年退職などのときを経て、今はそれぞれ別の職場、別の会社にいる。

 我われが入社した1980年代は、職場にPC(パーソナルコンピュータ)がどんどん進出してきて、それまで大型コンピュータ(ホストコンピュータ)でやっていた仕事が、どんどんPC化、EWS(エンジニアリング・ワークステーション)化をしていったような時代だった。

 そんなころに、PC、EWSなどのことが好きで、よく集まっていたのが、今日のメンバーなのだった。

 PC化、EWS化を進めていく端から、PCやEWSの性能がどんどん高くなっていって、記憶容量もどんどん増えてきて、なんだかおもしろい時代だったよねえ。

 そんな思い出話に花が咲く。

 飲みものを燗酒(「岩手鶴(あさ開)」1合380円)に切り替えて、モツ煮込み(180円)ももらい、マグロねぎま鍋(2人前1,360円)も注文する。

 このねぎま鍋、生(刺身)でも食べられるマグロが使われているので、マグロはいつでも食べることができる。

 シャブシャブ状態のレアに近いもの、しっかりと中までよく火が通ったもの、それぞれに異なる味わいが楽しめて、それもまたおもしろいのだ。

 最後は雑炊セット(1人前480円)×2人前と、おしんこ盛り合わせ(580円)をもらって、これらもつまみに飲み続ける。

 たっぷりと3時間近く楽しませてもらって、今宵のお勘定は5人で21,103円(ひとり当たり4,200円ほど)なり。今回もどうもごちそうさま。

 ぜひまた集まりましょうね!>ご参加いただいたみなさん

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エビス生ビール / 刺身舟盛り(大) / お通し(三つ葉おひたし、鯨竜田揚げ)

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名物・マグロねぎま鍋 / おしんこ盛り合わせ / ねぎま鍋は雑炊にする

店情報前回

《平成28(2016)年9月2日(金)の記録》

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元祖ガールズ大衆酒場 … 「高砂家(たかさごや)」(京成高砂)

「高砂家」


 先日、小倉の酒場「大太鼓」について、『高砂家のボーイズ版?!』というブログ記事を書いた。

 今日の3軒めは、その元祖ガールズ大衆酒場、「高砂家」である。

 ガールズバーという言葉はよく聞く。

 カウンター席に客が座り、カウンターの向こうにいる女性店員さんが接客してくれる。キャバクラとは違い、女性店員さんが隣について接客してくれるわけではない。

 ウィキペディアによれば、ガールズバーは平成18(2006)年半ば頃に京都で発祥したらしい。

 時期を同じくして、ガールズ居酒屋という、ホール担当者すべてが(若い)女性店員という居酒屋も現れた。露出度の高い衣装を着たり、女性店員によるライブやダンスなどが行われる店もあって、料金は通常の居酒屋よりも高いことがほとんど。

 が、しかし!

 ここ「高砂家」の『ガールズ大衆酒場』は、それらの流れとはちょっと違う。

 あくまでも大衆酒場なのである。(料金は、本格的に安い大衆酒場と比べると少しだけ高めか?!)

 店の造りも、店内の様子も、出されるつまみも、本格的な大衆酒場のそれなのだ。

 ところが、カウンターの中に居並ぶ女性陣だけが、通常の大衆酒場とはちょっと違う。

 若くて、それもかなり若くて、美形の女子たちばかりなのだ。

 そしてその彼女たちが、小倉「大太鼓」の体育会系男子たちに負けないぐらい、キビキビと小気味よく働く。

 こりゃもう、おじさんたちはメロメロだ。

 毎晩のように通い詰める常連さんが多いというのも納得できる。

 しかも、大衆酒場に造詣が深い宇ち中さんショテマエさんまでもが常連さんだというんだから、大衆酒場としてのレベルの高さもうかがえるというもんだ。

 自宅が遠い私は、午後10時過ぎにはお先に失礼したが、支払いは足りたかなあ?>宇ち中さん

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「高砂家」 / ホッピーと生ビール / 今日の品書き

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あじなめろう / 海苔で巻いていただく / なすもみ

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《平成28(2016)年8月31日(水)の記録》

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必ず大根とコンニャク … 「串揚げ100円ショップ」(京成立石)

串揚げ100円ショップ


 立石での2軒めは、立ち飲みの「串揚げ100円ショップ」だ。

 前から思ってたんだけど、店名の中に「100円」という値段を入れてしまうと、串揚げの値段を上げることができないよねえ。

 値段を上げたときには店名も変えないといけないもんね。「串揚げ120円ショップ」とか、「串揚げ150円ショップ」みたいな感じで…。

 店名を変えないで、物価変動に対応しようとすると、1串の量を増減させるしかないんだろうなあ。

 今宵は酎ハイ(300円)をもらって乾杯し、串揚げ(すべて1本100円)は大根、コンニャク、そしてアスパラベーコンを注文した。

 単品で注文する場合は、各種2本からの注文となるので、2人以上でくるとちょうといい。

 ひとりの場合は、1本ずつ6種類を店のおまかせで出してくれる「おまかせセット」(600円)がいいかもね。

 グループでやって来て、この「おまかせセット」を注文する場合は、人数分の「おまかせセット」を注文しなければならない、というルールがある。

 まず出てきたのは大根。これは大根自体に味が付いているので、そのままいただく。

 コンニャクもそう。「どうやってこんなに上手にコンニャクに味を含めるんだろうなあ」といつも思う。それくらいしっかりと味が付いているのだ。

 この2品は、この店に来たら外せないね。

 本当は紅生姜ロールも外せないんだけど、今日は残念ながらもう売り切れていた。

 アスパラベーコンは、カウンター上に置かれたウスターソースをつけていただく。2度づけ禁止である。

 このウスターソースの横のバットには、ぶつ切りのキャベツが入っていて、自由に食べることができる。串揚げの合いの手にピッタリだね。

 酎ハイをおかわりし、もちチーズとウズラ玉子をもらう。

 串揚げを出してくれるときに「これはそのまま食べてください」とか、「これは塩で」、「これはソースで」とおすすめの食べ方を教えてくれるので、それに従っていると間違いない。

 というか、この食べ方はかなり強制的なので、それと違う食べ方をすることはかなりむずかしい(笑)。

 ここは大将をはじめ、お店のおにいさんたちが、とてもフレンドリーにお客たちに接してくれるので、一見さんでもきっと楽しく過ごせると思う。

 そのかわり、「空いたジョッキや皿等は、会計のときまで上段のカウンターに置かない」といったような、この店独自のルールもある(店内にそれらのルールを書いた張り紙がある)ので、それは守らないといけない。

 さっくりと1時間ほど立ち飲んで、お勘定は二人で2,100円(ひとり1,050円)なり。どうもごちそうさま。

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「串揚げ100円ショップ」 / 酎ハイ / もちチーズ、ウズラ玉子

店情報前回

《平成28(2016)年8月31日(水)の記録》

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レバにも生姜のっけて … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(京成立石)

レバにも生姜のっけて


「お新香の紅ショウガを、もつ焼きや煮込みにのせて一緒に食べるのも美味しいんですよ」

 そう教えてくれる宇ち中さん

 どれどれ。さっそくレバタレに紅ショウガをひと切れのせて食べてみると、なるほどこれは新しい味わいだ。

 紅ショウガの酸っぱさが、もつ焼きの濃厚なコクを緩和してくれるんですね。

 常連さんたちは、いろんな食べ方を工夫するんだなあ。

 水曜日の今日は、宇ち中さんと示し合わせて、定時後すぐに会社を出発。午後6時半に京成立石駅の改札口に集合した。

 店裏手の行列に並ぶこと10分ほど。6時40分には店内に入ることができ、まずは大瓶ビール(キリンラガー、600円)をもらって乾杯だ。

 おかずは「もつ煮込み」(200円)と、お新香のきゅうりはすでに無くなっていたので「大根」(200円)を「ショウガをのっけて(=紅ショウガ多め)」オプションでもらう。

 ひとりで来ると、煮込み+お新香ぐらいで、もう満腹になってしまうところだが、二人で分け合って食べれば、まだまだ大丈夫。

 大瓶ビールもおかわりして、「あぶらタレ」(2本200円)や「ればタレ」(2本200円)を追加注文する。

 本当は「ればボイル」が食べたかったんだけど、入店してちょっとしたところで売り切れてしまった。また次回の宿題だね。

 大瓶2本のあとは焼酎の梅割り(200円)に切り替えて、ひとり2杯ずつ。

 お店が閉店する7時50分まで、1時間10分ほど楽しんで、二人で5皿+4杯+大瓶2本で3,000円(ひとり当たり1,500円)でした。どうもごちそうさま。

 ちょっと間があくと、来たくてたまらなくなる店の筆頭です。

 常連さんのおひとりが、「(ほぼ毎日)宇ち多゛日記」というブログを書かれていることも発覚。たんたんと綴られている日々の「宇ち多゛」の記録がすばらしい!

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「宇ち多゛」 / まずは大瓶ビールで乾杯 / もつ煮込み

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大根ショウガのっけて / しろナマ(=ボイル)など / あぶらタレ

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焼酎梅割り / ればタレ / 食べ終えたお皿や瓶でお勘定

店情報前回

《平成28(2016)年8月31日(水)の記録》

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〔コラム〕すばらしき呑兵衛シティ・小倉

資さんうどん

 目覚まし時計もかけず、自然に目覚めた小倉の朝は、ちょっとだけ雨模様。

 鍛冶町のホテルをあとに、雨を避けるために、アーケードのある魚町銀天街うおまちぎんてんがいを通って小倉駅に向かうことにする。

 鍛冶町から魚町側に入ってすぐのところあるのが、24時間営業のうどん屋「すけさんうどん」(食べログ)だ。

 うどん屋だけど、おでんもあるし、もちろんビール、日本酒、焼酎なども置いている。

 つまり24時間、いつでも飲めるってことだ。

 昨日もお客が多かったが、今日も朝から大勢のお客さんが入っている。

一平 本店

 アーケード商店街を進み、昨日入った昭和28(1953)年創業の老舗酒場「「武蔵」の横を通り過ぎ、さらに進むと、プ~ンと豚骨ラーメンのいい匂いが漂ってくる。

 昭和32(1957)年創業のラーメン屋、「一平 本店」(食べログ、10:00-23:30)である。

 飲みものは瓶ビール(550円)しかないものの、ギョウザ(10個、300円)やヤキブタ(900円)、野菜イタメ(肉玉子入り、600円)といったつまみもそろっている。

ふじしま

 そのちょうど向かい側にある天ぷら定食の「ふじしま」(食べログ、10:00-19:00、木休)も、なにやら良さげだ。

 「天ぷら定食」(天ぷら5品、ご飯、みそ汁)が580円。海老天が付いた「海老天付天ぷら定食」(天ぷら9品、ご飯、みそ汁)なら830円。「海老天だけ天ぷら定食」(海老天5本、ご飯、みそ汁)は730円。それぞれご飯の大盛りは50円増しである。

 ここも飲みものはビール(1杯350円)しかないものの、くじら天(200円)を始めとする天ぷら各種や、冷奴(120円)、漬物(120円)などのつまみもある。

立ち飲み おとめ

 アーケードを抜けて、さらに北(小倉駅の方向)へと進むと、先ほどの「一平 本店」の系列店なのか、「ニュー一平」(" target="_blank">食べログ、11:00-22:00、火休)があり、そのとなりが立ち飲み「おとめ」(食べログ)。すでに営業中で、お客さんも入っている様子。

居酒屋「わが家」

 さらに進んで小倉駅のガード下に突き当たると、左手角が居酒屋「わが家」。目の前を歩いていたおとうさんが、スゥ~ッと吸い込まれるように店内に入っていった。

 小倉の呑兵衛たちにとって、休日の午前中から飲むのは当たり前なのかもなあ。

白頭山

 その突き当りを右へと折れて、小倉駅南口へと向かうと、すぐに右手にあるのが居酒屋の「白頭山」(食べログ)。こちらも24時間営業である。

 セルフで注ぐ、1杯100円のビール(発泡酒)が人気なんだって。すごいねえ!

駅前飲み屋街の一角

 駅に向かいながら、飲み屋街を振り返ると、ストリップ劇場や、その下の立ち飲み屋街が見通せる。

 何も考えずに、ただただ雨を避けるためにアーケード街を駅に向かって進んでくるだけで、こんな酒場たちに出会えるんだから、すばらしき呑兵衛シティである。

立ち食いうどん店

 小倉駅の改札を入り、まず向かったのは在来線7・8番線ホームにある立ち食いうどんの店食べログ)である。

 ここの売りは小倉名物・かしわうどん。

 かつお昆布をベースに鶏もも肉でダシをとった甘めのツユ。

 そこに細かく刻んだ鶏肉(=かしわ肉)を甘辛く炊き上げた自慢の『かしわ』が入る。

 これが基本の「かしわうどん」(370円)となり、これプラス、追加のトッピングで値段が決まる。

月見うどん

 私は生卵を入れた「月見うどん」(440円)を、ネギ多めで作ってもらった。

 コシのない、ほとんど噛まなくてもいいうどんに、甘めのツユ。これぞ九州北部のうどんである。うまいよなあ。

小倉駅新幹線ホーム

 そして新幹線ホームへ。小倉駅はやわらかく弧を描く造りになっているので、新幹線が入ってくる様子がよく見える。

 熊本~小倉と、実に楽しい週末を過ごさせていただいた。

 いつもは東京にいるはずの倉嶋紀和子編集長、料理研究家の伊野由有子さんのお二人が、たまたま生まれ故郷に帰省されていたということはまさに僥倖。本当にありがとうございました。

冷したぬきそば

 新幹線の中で爆睡しながら東京に到着し、新宿駅の「箱根そば本陣」(食べログ)で「冷したぬきそば」(500円)を食べて〆!

《平成28(2016)年8月28日(日)の記録》

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伊野さん行きつけの店 … ワインバー「プルミエ(Premier)」(小倉)

ワインバー「プルミエ」


 なにしろ飲み始めるのが早かったので、4軒めの酒場を出ても、まだ8時半だ。

「もう1軒行きましょう!」

 と伊野さんが案内してくれたのは、鍛冶町かじまちにある伊野さん行きつけのワインバー「プルミエ」だ。

 ここ鍛冶町は、スナックなどが入った雑居ビルも多くて、福岡の中洲などと同じく、『夜の街』といった雰囲気が濃厚だ。

 小倉駅の南口を出ると、右手前方に広がるのが魚町の商店街で、そのさらに奥に旦過市場たんがいちばがある。

 そして、モノレールを挟んで左手前方に広がるのが鍛冶町の飲み屋街だ。

 1軒めの「「赤壁酒店」、2軒めの「武蔵」、4軒めのカクテル「しろ」は、右手の魚町商店街~旦過市場の中にあり、3軒めの「大太鼓」や、ここ「プルミエ」が左手の鍛冶町の中にある。

 けっこう広いエリアに、数多くの酒場がある街といった印象。

 小倉の呑兵衛は、いつどの時間帯でも、飲むのには困らないだろうなあ。

 さて「プルミエ」。その本当の店名は「Bar du Vin Premier(バール・デュ・ヴァン・プルミエ)」という。

 英語風にすると「ワインバー・プレミア」といったところだろうか。

 「プルミエ」というのは、英語の「1st (First)」のことなんだそうで、店の看板にもその「1st」をフランス語にした「1er」というデザイン文字が書かれている。

 知らない人は、このデザイン文字だけの看板を見ても、絶対に「プルミエ」とは読めないだろうなあ。

 店は平成12(2000)年の創業。

 店内はカウンター8席に、テーブル席が3卓12席の、合計20席。

 我われはカウンター席の奥のほうに座り、まずはシャンパンをもらって乾杯だ。

 この店にはグラスで楽しむためのワインやシャンパンが、毎日10種類ほど用意されているので、ひとりでやってきても気軽にいろんな銘柄を楽しむことができるんだそうだ。

 伊野さんもよくいらっしゃるそうだし、我われのあとに入ってきたお客さんも、女性のひとり客だった。

 ワインのことがあまりわからなくても、ソムリエでもある店主が、自分の好みに合ったワインや、そのワインを美味しくいただくための料理を紹介してくれる。

 伊野さんご自身もソムリエなので、ぜいたく極まりないワインの楽しみ方である。

 ハムの盛り合わせやエスカルゴなどをいただきながら、2時間ほどの滞在。

 今宵のお勘定は二人で14,000円。どうもごちそうさま。

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グラスワインがいろいろ / ハム盛り合わせ / エスカルゴ

店情報

《平成28(2016)年8月27日(土)の記録》

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店情報: ワインバー「プルミエ(Premier)」(小倉)

    ワインバー「プルミエ」
  • 店名: Bar du Vin Premier (バール・デュ・ヴァン・プルミエ)
  • 電話: 093-513-7307
  • 住所: 802-0004 福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1-7-15 日本ビル1F
  • 営業: 18:00-02:00(祝は -24:00)、日休(祝は不定休)
  • 場所: JR「小倉」駅から徒歩10分、モノレール「平和通」から徒歩5分。
  • メモ: 平成12(2000)年創業。カウンター8席+テーブル3卓12席の合計20席。クレジットカード利用可。メニュー等も掲載された公式サイトあり。毎日10種類のワイン・シャンパンがグラスで楽しめる。好みに合ったワインや、それに合う料理をソムリエが紹介してくれる。(2016年8月調べ)

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濃厚フルーツカクテル … カクテル「しろ」(小倉)

濃厚フルーツカクテル


 小倉での4軒めは、伊野さんお気に入りのママの店。カクテル「しろ」である。

 店があるのは旦過市場たんがいちばのすぐ近く。新旦過飲食街の中にある。

 1軒めが旦過市場内の「赤壁酒店」だったから、2軒め、3軒めと回って、また旦過市場に戻ってきたってことですね。

 ビルの1階にあるカクテル「しろ」の入口のまわりは、たくさんの鉢植え植物に囲まれている。

 扉を開けて、店内に入るとさらにビックリ!

 それほど広くない店内には花と果物があふれんばかりに置かれている。

 「いらっしゃいませ」と迎えてくれるのは、今年77歳という女将さん。

 この方が、伊野さんお気に入りのママである。

 昭和33(1958)年の創業以来、ご夫婦で切り盛りされてきたのだが、一昨年、ご主人が亡くなり、それ以来、おひとりで切り盛りされているそうだ。

 季節ごとのフレッシュフルーツカクテルが、この店の自慢の一品。

 女将さんが、シェイカーをカシャカシャと振って作ってくれる。

 このカクテル、お酒(ウォッカやジンなど)がけっこう入っているのに、どろりと粘度を感じるほど、フルーツが濃厚なので、まるでアルコールを感じない。

 これは危ないなあ。知らぬ間に酔ってしまうタイプの飲みものだ。

 つまみには、チョコレートやゼリーなどをちょっとずつ出してくれる。

 2杯めはトマトのカクテルだ。これもまた濃厚じゃのぉ!

「これもどうぞ」

 と出してくれたのは、自家製のお漬物。これもいいねえ。

 1時間半ほど楽しんで、お勘定は二人で4,000円(ひとり当たり2,000円)。

 フレッシュフルーツを使うカクテルバーとしては激安だ! 小倉、ますますおそるべし!

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新旦過飲食街 / 植物に覆われた「しろ」 / 店内はますます植物だらけだ!

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シェイカーを振る女将さん / チョコレート / ゼリー

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トマトのカクテル / 自家製お新香 / ナスの塩もみ

店情報

《平成28(2016)年8月27日(土)の記録》

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店情報: カクテル「しろ」(小倉)

    カクテル「しろ」
  • 店名: カクテルバー しろ
  • 電話: 093-521-9750
  • 住所: 802-0006 福岡県北九州市小倉北区魚町4-2-3
  • 営業: 18:30-23:30、日祝休
  • 場所: 北九州モノレール・旦過(たんが)駅から徒歩2分(140m)ほど。
  • メモ: 昭和33(1958)年創業のカクテルバー。季節のフルーツカクテルが人気。ずっとご夫妻でやってきたが、平成26(2014)年2月15日にマスターが逝去。以来、女将さんが一人で切り盛りされている。(2016年8月調べ)

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高砂家のボーイズ版?! … 酒蔵「大太鼓(おおだいこ)」(小倉)

酒蔵「大太鼓」


「ここはねえ。アルバイトの男の子たちがいいんですよ(笑)」

 と妙な方向から、この店を推薦してくれる伊野さん。

 でもねえ。この店で呑むほどに、その伊野さんの見解が正しいことに気がついた。

 この店で働いている男子たちは、みんなこの近くの大学の体育会系の男子で、先輩から後輩へと代々受け継がれているんだそうな。

 だから体脂肪もほどんとなく、シュンとさわやか!

 しかもキビキビと動きが俊敏で、お客さんに声をかけられたときの「ハイッ!」という返事も実に気持ちがいい。

 まさにこの酒場は『アルバイトの男の子たちがいい』のである。

 なにしろイケメンがそろっているもんだから、ビジュアル的にも居心地がいいね。

 言ってみれば、『ガールズ大衆酒場』という呼び声が高い「高砂家」(葛飾区)のボーイズ版ってところか。

 小倉での3軒めとしてやってきたのは、北九州モノレール・平和通駅のすぐ近くにある酒蔵「大太鼓」だ。(JR小倉駅からも徒歩10分ほど)

 今年で創業48年と言うから、昭和48(1968)年の創業だろうか。

 店内はカウンター席のみ34席。看板メニューの『おでん』は、年中食べることができる。

 その客層は老若男女幅広く、呑兵衛もいれば、ごはんをもらって食事を楽しんでいる人たちもいて、店の楽しみ方もまた幅が広いようだ。

 まずは地元・福岡県の地酒「磯の澤」を冷酒(300ml瓶、700円)をもらって乾杯し、つまみは「ごまさば」(480円)と、伊野さんおすすめの「玉ねぎスライス」(330円)、そして「漬物盛り合わせ」(480円)をもらう。

 玉ねぎスライスは、スライスした玉ねぎの上に、ちりめん、かつお節、刻みネギをのせて、さらにそのてっぺんに卵黄をトッピング。見た目もいいではありませんか。これをグリグリとかき混ぜていただきます。

 さあ、そしておでんだ。豚バラと春菊を取ってもらう。

 福岡の焼き鳥屋で、一番人気の焼きものが豚バラなんだけど、おでんにも豚バラがあるんだね!

 飲みものは麦焼酎「二階堂」(380円)のロックへと進む。

 おでんのほうは、「すじ」(=牛スジ)と、これまた伊野さんおすすめの「チーズきんちゃく」だ。

 見た目は「もちきんちゃく」と同じなんだけど、外の皮をプツンと破ると、中にはトロリとしたチーズがたっぷり! これもいいねえ。さすが伊野さんだ。

 それにしても、この店のメニューには料金が明記されているのに、なぜかおでんだけは値段がない。

 でもまあ、それほど高くはないということは、この客層の広さからもわかるね。

 1時間半ほどの酒場浴。お勘定は二人で4,380円(ひとり当たり2,190円)でした。

 どうもごちそうさま!

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酒蔵「大太鼓」 / 福岡の酒「磯の澤」 / ごまさば

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玉ねぎスライス / グリグリとかき混ぜて / 漬物盛り合わ

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豚バラ、春菊 / 麦焼酎「二階堂」ロック / すじ、チーズきんちゃく

店情報

《平成28(2016)年8月27日(土)の記録》

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店情報: 酒蔵「大太鼓(おおだいこ)」(小倉)

    酒蔵「大太鼓」
  • 店名: 酒蔵 大太鼓
  • 電話: 093-551-3805(予約不可)
  • 住所: 802-0004 福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1-3-21
  • 営業: 17:00-02:00、日祝休
  • 場所: JR小倉駅南口を出て、北九州モノレールの下の大通り(通りの左側)を、モノレールに沿って進む。1駅先のモノレール・平和通駅の真下、左手の1階にローソンが入ったビルのすぐ手前を左に折れ、1ブロック進んだ左前方の角。駅から徒歩10分ほど。
  • メモ: 昭和48(1968)年創業。店内はカウンター席のみ34席。
    〔お食事〕《おでん》大根、春菊、しいたけ、里いも、生ゆば、たこ、竹の子、じゃがいも、えのき、ロールキャベツ、厚揚げ、玉子、すじ、豚バラ、こんにゃく、糸こんにゃく、丸天、ごぼう天、もちきんちゃく、チーズきんちゃく、ねぎ、ちくわ、合鴨つくね、すまき、昆布、はんぺん、ウィンナ。
    《一品》ごまさば480、塩さば480、漬物盛り合わせ480、さばのぬか炊き480、明太子440、さよりの一夜干440、とろろ380、山いもスライス330、ポテトサラダ330、くらげ酢330、とり皮酢330、にらとじ330、納豆330、玉ねぎスライス330、トマトスライス330、めざし280、わかめ酢280、ピーマン炒め280、梅干280、らっきょ280、大根おろし220、冷奴220。
    《ごはん》おにぎり(ミックス)480・(明太子)380・(かつお・梅)330、お茶漬け(ごまさば)750・(明太子)550・(梅)450・(のり)380、ごはん180、味噌汁180。
    〔お飲みもの〕《ビール》生ビール「琥珀エビス」(中)680、生ビール「サッポロ黒ラベル」(中)540・(小)380、大瓶ビール(サッポロラガー)680、中瓶ビール(サッポロ・キリン・アサヒ)540、ノンアルコールビール(サッポロプレミアムアルコールフリー)470。
    《スパークリングワイン》樽詰スパークリングワイン(ポールスター)500。
    《焼酎(1杯)》〈芋〉白波(鹿児島)380、黒霧島(宮崎)380、桜島(鹿児島)440、喜六(宮崎)440、亀仙人(鹿児島)440、でかんしょ(鹿児島)440、富乃宝山(鹿児島)550、姶良(鹿児島)550、川越(宮崎)550、魔王(鹿児島)750。〈麦〉二階堂(大分)380、和ら麦(福岡)440、中々(宮崎)440、神の河(鹿児島)490。〈米〉白岳(熊本)380、川辺(熊本)440、舞水(福岡)440。
    《日本酒(1杯)》磯の澤(福岡)ひや380・燗380・冷酒700。 《地酒(1杯)》久保田 千寿(新潟)670、八海山(新潟)670、出羽桜(山形)670、原田(山口)670、長陽福娘(山口)670、寒北斗(福岡)670、久保田 万寿(新潟)1,620。
    《チューハイ》巨峰430、レモン430、430、ライム430、梅430、カルピス430、グレープフルーツ430。
    《梅酒》ロック430、ソーダ430。《ウイスキー・ブランデー》ロック540。《ハイボール》デュワーズハイボール540。
    《ソフトドリンク》ウーロン茶220、コーラ220、オレンジジュース220、カルピス220。(2016年8月調べ)

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西の武蔵は大にぎわい … 酒房「武蔵(むさし)」(小倉)

とりかわ酢


 開店時刻の午後4時半を過ぎること、ほんの5分。

 店に入ると、厨房を取り囲むカウンター席はすでに満席模様で、ちらりほらりと空席がある程度。

 この店の人気もすごいけど、小倉の呑兵衛のみなさんの出足もいいですねえ!

 我われ2人も、カウンター席の奥のほうに並んで空いていた席に入れてもらった。

 小倉での2軒めは、魚町銀天街の中にある老舗大衆酒場「武蔵」だ。

 その創業は昭和28(1953)年と言うから、今年で創業63年。

 そして、今日ご一緒していただいているのは、うちの近所にお住いの料理研究家・伊野由有子(いの・ゆうこ)さんである。

 伊野さんは北九州のご出身。ちょうど帰省されていたのでした。

 昨夜の倉嶋紀和子(くらしま・きわこ)編集長といい、伊野さんといい、ふだんは都内でご一緒させていただいている方々が、たまたま同じタイミングで帰省されていたということは、なんたる僥倖ぎょうこう

 伊野さんとは、4時半に「武蔵」の前で待ち合わせ。

 5分ほど前に店に着くと、伊野さんはすでにいらっしゃっていた。

 店の前には特に行列ができているわけでもない。

「4時半にならないと開かないみたいなので、ちょっと近くを見て歩きましょう」

 ということで、まずはすぐ近くにある鳥町食道街とりまちしょくどうがいに向かった。

『昭和20年代、戦後すぐから小倉の台所として食を支えてきた』

 「戦後、食べもののない時代に日本で初めて焼きうどんを考案した」という「だるま堂」も、鳥町食道街の中にある。

 午後2時半ごろに小倉に着いたときも、開いてる酒場の多さに驚いたものだが、4時半になると、さらに開いてる酒場が多い! しかもどの店のにぎわっている。小倉、おそるべし!

 そんなわけで、再び「武蔵」の前に戻ってきたのは、開店時刻5分後の、4時35分。

 このたったの5分で、冒頭でご紹介したとおり、店内1階のカウンター席はほぼ埋まってしまったのでした。

「ここの生ビールは、ジョッキ1杯が、なんと300円なんですよ!」(価格はすべて税別表記です。)

 なんですって?! そりゃ1杯めは、ぜひその生ビールで乾杯といきましょう。

 その生ビールを飲みながら、つまみのメニューを選ぶ。

 ずらりと50品ほどの料理が並ぶなか、もっとも高いのが「刺身盛合せ」と「馬刺(ルイベ)」の1,000円。あとはすべて千円未満で、200~400円の料理が圧倒的に多い。

「小倉の名物は、『じんだ煮』という、魚のぬか炊きなんですけど、これはどの店でも食べられるので、ここは他のものにしましょう」

 という伊野さんのおすすめにしたがって、選んだ料理は「とりかわ酢」(300円)と、「たこの天ぷら」(350円)の2品。

 タコ天は、瀬戸内あたりしか食べないのかと思っていたのに、北九州にもあるんですね。

 しかも、衣が薄めのこのタコ天が、とてもいい!

 「鶏皮の酢のもの」もまた、福岡県あたりの定番のつまみ。

 九州に来たら必ず食べたいつまみのひとつです。

 これにはやっぱり焼酎ですね。

 芋焼酎「黒霧島」(400円)を湯割りで注文すると、大きめの徳利で出してくれた。

 となりに座るおじさんは、ほぼ毎日のように通っているという常連さん。そんなお客さんが多いんだそうだ。

 この値段で飲み食いできたら、そうだろうなあ。

 しかもカウンター内の女性従業員のみなさんの対応もとても良くて、居心地がいい。

 こんな店が近くにあったら、絶対に通うよねえ。

 野毛の「武蔵屋」は、残念ながら昨年7月末に閉店したが、こちら西の「武蔵」は大にぎわいだ。

 十条「斎藤酒場」、赤羽「まるます家」、北千住「大はし」、南千住「丸千葉」、蒲田「鳥万本店」、名古屋「大甚本店」、京都「スタンド」、福山「自由軒」、広島「源蔵本店」などと並び立つ、日本を代表する典型的な老舗大衆酒場の1軒と言えるだろう。

 1時間近く楽しんで、お勘定は二人で1,780円(1,650円+消費税、ひとり当たり890円)だった。どうもごちそうさま!

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酒房「武蔵」 / 生ビール / 壁の短冊メニュー

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壁のメニュー(続き) / 卓上の飲みものメニュー / 卓上の食べものメニュー

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たこの天ぷら / 芋焼酎「黒霧島」湯割り / ごちそうさまでした

店情報

《平成28(2016)年8月27日(土)の記録》

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店情報: 酒房「武蔵(むさし)」(小倉)

    武蔵
  • 店名: 酒房 武蔵
  • 電話: 093-531-0634
  • 住所: 802-0006 福岡県北九州市小倉北区魚町1-2-20
  • 営業: 16:30-21:45LO、日祝休
  • 場所: JR小倉駅南口を出て、北九州モノレールの下の大通り(通りの右側)を、モノレールに沿って進む。2ブロックほど先、右手の三菱東京UFJ銀行の先を右折し、さらに2ブロック進んだ、右前方の角。駅から徒歩5分ほど。
  • メモ: 昭和28(1953)年創業。公式サイトあり。
    【御品書(税別表記)】
    〔おすすめ〕うなぎ蒲焼(季節)600、きびなご刺(季節)500、おばいけ(さらし鯨)500、馬刺し熊本名産1000、はもの湯引き(梅・味噌)(季節)500、鰹のたたき(季節)600、あらかぶの煮付・唐揚800、鰯のじんだ煮(小倉名物)400、串カツ250、豚の角煮400、牛タン塩焼400
    〔焼物・刺身〕ししゃも250、椎茸塩焼350、ナンコツ塩焼300、砂ずりバター炒め350、げその塩焼400、うなぎ蒲焼(季節)600、あゆの塩焼(季節)500、ぶり塩焼・てり焼500、〆さば400、いか刺800、たこ刺(地蛸)800、ぶり刺800、まこ300、お刺身盛合せ1,000、馬刺熊本名産1,000、ふぐ刺(冬季)1,900
    〔煮物〕あら炊き400、肉じゃが400、あらかぶの煮付800
    〔串焼〕かしわ100、豚バラ100、とり皮(タレ)100、チーズベーコン100、合鴨つくね串2本300
    〔お酒〕越乃寒梅(新潟)500、富乃宝山(鹿児島)600、大吟醸・大阪屋長兵衛(灘)500、純米吟醸・九州菊(福岡)450、本醸造・辛丹波(灘)400、純米酒・山田錦(灘)400、月桂冠・一代・千福300、生ビール(スーパードライ)300、ビール中瓶350、ウヰスキー水割り400、ハイボール400、冷酒大関(300ml)650、冷酒桜弥山(300ml)800、焼酎(麦・そば・芋・米)350、酎ハイ(レモン・ライム)350、黒霧島(宮崎)400
    〔鍋物・揚物〕湯どうふ(冬季)400、寄せ鍋(季節)600、ふぐちり(冬季)800、松茸の土瓶蒸し(秋季)800、ポテトフライ男爵250、かぼちゃコロッケ200、串カツ250、たこの天ぷら(地蛸)350、揚げたこ焼300、若鶏の唐揚350、揚げだし豆腐400、手羽先の唐揚400、かきフライ(冬季)500、げその唐揚350、めばるの唐揚800
    〔一品〕とり皮酢300、御漬物200、トマト250、もずく沖縄産250、もろきゅう(阿波麦味噌)250、このしろ250、くらげ250、ちりめん250、辛子明太子(名産)300、うにくらげ350、冷奴300、いかの酢みそ300、山芋300、納豆(厳選水戸丸大豆)300、たこの酢みそ(地蛸)400、たこ酢(地蛸)400、たこのわさび漬300、いいだこ400、辛口ウィンナー400、いかのうに和え壱岐産600、大根サラダ350、ポテトサラダ(自家製)300、お茶漬(のり・梅)200・(明太・蛸わさび・野沢菜)350。(2016年8月調べ)

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北九州の台所で角打ち … 「赤壁酒店(あかかべさけてん)」(小倉)

ちくわ&ビール


 「角打ちかくうち」というのは「酒屋の店頭で酒を飲むこと」。

 もともとは酒屋で売っている酒や、袋菓子や缶詰などのつまみを購入し、それをその店の一角で飲ませてもらうことから始まったようだ。

 自宅に持ち帰るのももどかしく、すぐその場で飲んだんだろうな。

 今だと会社の帰りに、すぐ近くのコンビニで酒とつまみを購入し、表に置かれたテーブルで飲んでる人も多いんだけれど、昔は酒は酒屋でしか売ってなかった。

 だから、すぐにでもお酒が飲みたい人たちのために、「角打ち」のような飲み方ができるようになったに違いない。

 なにしろ基本的には酒屋さん(商店)だから、朝から、昼から開いている。つまり、朝でも、昼でも飲めるってことだ。

 今日やって来たのは、「北九州の台所」と呼ばれている旦過市場たんがいちば(小倉)の中にある「赤壁酒店」である。

 店内に設置されている立ち飲みカウンターの一角に陣取り、「瓶ビールをお願いします」と注文すると、「瓶ビールは、後ろの冷蔵庫から、お好きなものをお取りください」とのこと。

 ふり返ると、業務用のでっかい冷蔵庫に各種銘柄の瓶ビール、缶ビール、缶チューハイなどがずらりと並んでいる。なにしろ酒屋さんだからな。お酒はそれこそ、売るほどあるのである。

 サッポロラガー中瓶を手に取ってカウンターに戻ると、店のおにいさんがポンッと栓を抜いてくれ、コップを出してくれた。

 品物と引き換え払い(キャッシュ・オン・デリバリー)での支払いは320円。この安さが角打ちだね。

 つまみに、カウンター上のガラスケースの中に並んでいる「ちくわ」(150円)をもらうと、「ちくわ」をお皿にのせて、醤油と一緒に出してくれた。

 醤油なしでも十分に美味しい「ちくわ」なんだけれど、せっかくなのでチョロリと醤油をたらして食べることにした。

 店内には、いろいろと張り紙があって、それぞれに「持ち込み飲食禁止」、「飲食は30分以内でお願い致します」、「店内の無断での撮影行為はお控えください」などと書かれている。

 逆に言えば、そういう張り紙を出しておかないといけないようなこと、つまりは「持ち込み飲食をする人がいたり」、「だらだらと長っちりの人がいたり」、「黙って店のあちこちを撮りまくったり」する人がいたってことなんだろうな。

 そんなことをしたら、どこの酒場だってダメだよね。

 熊本をあとにして、小倉に到着したのは午後2時半。

 驚くべきことに、この時間から何軒もの酒場が開店しているし、しかもどの店もにぎわっている。

 さすがは北九州を代表する酒場街だなあ。

 感心しながら街を見て歩き、ホテルに荷物を預けてから、旦過市場の「赤壁酒店」にやって来たのだった。

 「ちくわ」も食べ終え、そろそろ待ち合わせの時間がやって来たんだけれど、ビールがもうちょっと残ってる。

 う~む。なにか「ちょっとしたつまみ」はないかなあ。

 今まで、焼き鳥(各種1本100円)やラッキョ、梅干などが並んでるカウンター上のネタケースばかり見てたが、ふとその上に目をやると、駄菓子屋によくあるような透明なプラスチックケースが置いてあり、小さな袋の豆菓子が並んでいる。

 バタピー、柿の種、イカリ豆などの種類があって1袋30円。これにしよう。

 バタピーをもらった。キャッシュ・オン・デリバリーでの支払いは、この30円でちょうど500円だ。

 本格的に飲み始める前の暖機運転にぴったりの酒場だね。

 カウンターの上段に、ビール瓶やコップ、お皿を置いて、「ごちそうさん」とカウンターを離れると、店のおにいさんが「またどうぞ」と見送ってくれた。

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「一膳めしや」 / 一銭洋食「和羅部」 / 立ち呑み「ももたろう」

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屋台居酒屋「大阪満マル」 / たこ焼き「まなべ」(左側) / 焼うどん「だるま堂」

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大衆酒場「ホームラン食堂」 / おでん「お多幸」 / にぎわう旦過市場

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「赤壁酒店」に到着! / サッポロラガービール中瓶 / バタピーは30円

店情報

《平成28(2016)年8月27日(土)の記録》

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店情報: 「赤壁酒店(あかかべさけてん)」(小倉)

    赤壁酒店
  • 店名: 赤壁酒店
  • 電話: 093-521-3646
  • 住所: 802-0006 福岡県北九州市小倉北区魚町4-5-4
  • 営業: 09:15-19:00、日休
  • 場所: 都市モノレール・旦過駅から徒歩5分。旦過市場内
  • メモ: 酒屋の角打ち。店内には「持ち込み飲食禁止」「飲食は30分以内でお願い致します」「店内の無断での撮影行為はお控えください」などの張り紙がある。サッポロラガービール中瓶320、ちくわ150、皮串100、豚バラ串100、肝串100、バタピー30。
    〔飲みもの(1合/半合)〕1級290/160、25度260/140、20度240/130、そば380/200、燗酒1合300。
    酔鯨(純米吟醸)600/310、男山620/330、八海山630/340、吉乃川400/210、越乃寒梅640/340、五橋(純米酒)620/330、瑞鷹(純米酒)400/210、西の関(純米酒)400/210、天狗舞(純米酒)630/340、幻(大吟醸)650/340、手取川(吟醸酒)600/310、天心630/340、魯山人(特別純米原酒)600/310、稲田重造(純米大吟醸)620/330、久保田・千寿650/330、寒山水(純米大吟醸)750/380、出羽桜(吟醸酒)600/310、羅生門(純米吟醸)630/340。
    かんづめ250、豆菓子(小袋)30、ポテトサラダ、冷トマト、ところ天、冷やっこ、玉子焼、お付けもの、魚ぬか炊き、からあげ。(2016年8月調べ)

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〔コラム〕「R25」全国レトロ飲み屋街5(補足)

 リクルートホールディングスMedia Shakersが、30歳前後のビジネスマン向けに、「人生の不思議がハラオチする」をテーマに、コンテンツを制作し、運営を行う情報提供サイト「R25(アールニジュウゴ)」に、『人気サイト「居酒屋礼賛」選!全国レトロ飲み屋街5』(2016.09.01公開)というインタビュー記事が掲載されました。

『思い出横丁、ハモニカ横丁、ゴールデン街など、東京には様々な「レトロ飲み屋街」があり、雑誌やメディアでもたびたび取り上げられている。地方に目を向ければ、さらに素晴らしいレトロ飲み屋街があるはずだ。』

 ということで、東京以外の「全国レトロ飲み屋街のマイベスト5」をあげさせていただいたものです。

 詳しくは記事本文をご覧いただくとして、ここではその記事を補足するものとして、それぞれの酒場街でのおすすめ酒場をご紹介したいと思います。


(1)野毛(神奈川)

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 昨年、野毛の誇る日本の名老舗酒場「武蔵屋」が閉店してしまったのが残念ですが、野毛スピリットは、続々と開店する若いお店にも受け継がれています。

 狭い意味で「野毛」という場合は、「横浜市中区野毛町」という町域のことを指しますが、呑兵衛たちが「野毛」という場合は、もっと広く「JR桜木町から京急日ノ出町にかけてのエリア全般」を指すことが多い。ここであげるお店の、そのエリアのものです。

 古くから知られる名店は、記事本文にもある「末広」「若竹」という2軒の焼き鳥屋のほか、おでんの「あさひや」「お田幸」、焼肉「大衆」、魚料理なら「栄屋酒場」、中華の「第一亭」「萬里」。「トモ」や「福田フライ」、「三陽」などもユニークです。

 都橋みやこばし商店街にも、続々と若い名店ができているらしいのですが、残念ながら私はまだ行くことができてません。

 そしてバー。これも同じ都橋商店街2階の「ホッピー仙人」や「野毛ハイボール」、1階にある生ビール専門店「ヌビチノ」。野毛小路内の老舗「パパジョン」もいいですね。


(2)横須賀(神奈川)

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 横須賀で酒場が集中しているのは、京急本線の汐入しおいり駅の近くか、横須賀中央駅の近く。記事本文では、横須賀中央駅近くの「若松町」を取り上げています。

 どっちかというと汐入のほうがクセが強い酒場が多いかな。横須賀中央側のほうが万人向けのような気がします。

 そんな横須賀中央を代表する酒場が「中央酒場」。地元住民からも「チューサカ」と呼ばれて愛されています。朝の10時から飲めるのもいいですね。

 横須賀っ子のソウルフード、1本70円のやきとりを提供する「相模屋」。こちらも午後1時開店、年中無休と、開いてる時間が長い!

 さらにその近くの「天国(てんくに)」は12時開店、酒のデパート「ヒトモト」も朝10時15分開店と、横須賀の呑兵衛は、朝からいつでも飲めるのでした。


(3)呉中通り(広島)

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 横須賀同様。海軍さんの街には、昔からいい酒場が多いのです。

 っつうことは、きっと舞鶴や佐世保にもいい酒場が多いはず。今後の課題だな。

 呉ではまず、午後3時開店の老舗ビヤハウス「オオムラ亜」で生ビールを飲むところからスタートしたい。

 そして、おでんの「魚菜や(ぎょさいや)」「迷亭(めいてい)」、あるいは焼き鳥・活魚の「本家鳥好」「鳥八茶屋」。呉ならではの「ほらふき」「關白」「いせ屋」などにも行きたいなあ。

 ある程度お腹が満ちたところでバーがいい。「BAR ANCHOR(アンカー)」「岩崎」「amass(アマス)」など、ビシッとオーセンティックなバーが多いのです。

 最後はやっぱり屋台である。大好きな「一二三」は今は休店中らしいけれど、「富士さん」「八起」「かさ」などは変わらず営業中。

 呉で朝から飲みたい場合には、「森田食堂」「くわだ食堂」「寿(ことぶき)食堂」がおすすめ。「くわだ食堂」なんて、朝6時開店ですからねえ!


(4)松山二番町(愛媛)

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 松山には大街道おおかいどうというアーケード商店街があって、その大街道を魚の中骨のようにして、その両側に碁盤目のように飲み屋街が広がっている。その飲み屋街に、松山城から近い順に一番町、二番町、三番町と名前が付いているのです。

 なかでも酒場密度が高いのが二番町。

 松山を代表する老舗バー「露口」も二番町にあります。

 閉店してしまいましたが、おでんの「いこい」や、どぜう汁の「由利(ゆり)」(←三番町)といった風情のある老舗酒場も良かったなあ。

 今は「鯛や」(「露口」のすぐ近く)や、地魚の「はしまや」などが地元で人気。「炭心(すみしん)」の焼き鳥もいいですねえ。

 帰省するとよく行っている、おでんの「赤丹本店」は、大街道、二番町からは離れているけれど、歩いて15分程度。「赤丹本店」(午後3時開店)経由で、夜の二番町にやって来るのもいいかもね。


(5)小倉・魚町銀天街(福岡)

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 こちらはつい最近行ってきたばかり。これから本ブログで順次ご紹介していく予定です。

 他にも、全国各地にレトロ酒場街はたくさんあるんでしょうが、酒場街としてご紹介できるほど、たくさんの酒場を知らないのが残念でならない。

 「東京自由人日記」の小西康隆さんが出版された、「日本の街角酒場で呑み語らう」(東邦出版、2016年8月22日、1,728円)を読んで勉強しなきゃね。

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〔コラム〕熊本県のご当地グルメ「太平燕(タイピーエン)」

太平燕


 熊本での、昼食も兼ねた遅めの朝食は、熊本駅新幹線口「まるうまうどん」の太平燕(タイピーエン、680円)である。

 ざっくりと言うと、長崎名物「ちゃんぽん」の麺が春雨になったような料理だ。

 熊本県のご当地グルメで、「熊本県民のソウルフード」とも言われている料理なんだって!

 この太平燕、もともとは中国福建省福州の郷土料理で、アヒルの卵(ゆで卵)が入ったスープワンタンのようなものなんだそうな。

 明治時代に日本に伝来し、入手しづらいアヒルの卵が鶏の卵に代わり、ワンタンが春雨に代わって、熊本県中部に定着したようだ。

 テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」でも、2013年8月の放送で、「熊本県民の熱愛グルメ」として紹介されている。

 熊本では太平燕が学校給食にも採用されているんだそうな!

 私自身、もともと「ちゃんぽん」が大好きなので、この太平燕も、美味しくいただきました(^^)v

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JR熊本駅 / 「まるうまうどん」 / 麺が春雨!

《店情報》
店名: まるうまうどん 新幹線熊本店
電話: 096-355-3554
住所: 熊本市西区春日3-15-40 JR熊本駅構内
営業: 07:00-20:00、無休
場所: JR熊本駅・新幹線改札横(改札の中からも外からも入れる)
品書: Img_4804lt Img_4805rt

《平成28(2016)年8月27日(土)の記録》

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無濾過生原酒専門バー … 「醸音(かもね)」(熊本)

醸音オイスター


 倉嶋編集長が予約してくださっていた酒場は「Sake Kaiseki 醸音 -kamone-」。

 瑞鷹酒造の取材をしたときに、常務・吉村謙太郎さんに教えていただいた、「無濾過むろか生原酒専門日本酒バー」なんだそうな。

 無濾過生原酒とは、どんな日本酒なのか。

 それを知るには、無濾過生原酒という6文字熟語を、「無濾過」「生」「原酒」という三つの部分に分けてみるとわかりやすい。

 発酵が終わった『もろみ』から、雑味やにごりを取るための「濾過をせず」(=「無濾過」)に搾り、雑菌の繁殖を防止するための「火入れもせず」(=「生」)、アルコール度数を調整するための「加水もしない」(=「原酒」)で瓶詰めする。

 この三拍子がそろった日本酒が無濾過生原酒なのである。

 だから、味が濃く、香りが強く、ガツンと効く。

 『焼酎に近いぐらいのアルコール度数があるのに、日本酒の旨みや香りも、これまた強烈に持ち合わせている』という、実に呑兵衛好みのするお酒ができあがるのだ。

 この店では、その無濾過生原酒を、コースで出される料理のように順番に提供してくれる。まるで会席料理の料理のようであることから、“Sake Kaiseki”(酒会席)と称しているんだって。

 店内はカウンター7席、テーブル1卓4席の合計11席。

 その小さな空間を、店主・池田朋弘さんがひとりで切り盛りされている。

 まず最初に注がれたのは、熊本は瑞鷹酒造の「崇薫すうくん」。

 追いかけるようにお通しの三点盛りと、「和らぎ水」(日本酒を飲みながら飲む水)を出してくれる。

 さっきも書いたとおり、原酒はアルコール度数が高い(18度ぐらいある)ので、ちびりちびりと、途中でほぼ同量以上の「和らぎ水」もいただきながら飲み進める。

 2杯めとして出してくれたのは、京都・白杉酒造の「白木久しらきく」。

 熊本生まれの店主は、高校を卒業してすぐに関西に出て、主として京都で修業。そのときに無濾過生原酒と出会ったそうだ。

 壁には「本日の予約メニュー」と書かれた紙が張り出されている。店内にあるメニューはこれだけだ。

 その内容は、さわら西京焼き、ぶた角煮(丼あり)、茶わん蒸し、醸音オイスター、だし巻き玉子、トマトスライス、スナップえんどう、ゆきやぎそうめん、にしんそば、バニラアイス(日本酒シロップがけ)の10品。値段は書かれていない。

 この「本日の予約メニュー」の中から、茶わん蒸し、醸音オイスター、だし巻き玉子の3品を注文した。

 なにしろ店主ひとりで切り盛りしているから、料理は店主の手があいたときに作ってくれる。だからあえて「本日の『予約』メニュー」と、『予約』という言葉を入れてるのかもね。

 『予約しとけば、そのうち出てくる』みたいな感覚なのかもしれない。(←店主に確認してみたわけではありません。)

 料理は、まずできたて熱々の「だし巻き玉子」が出てきて、すぐに「醸音オイスター」も出される。

 京都で修業されただけあって、料理は比較的薄味で、濃厚な無濾過生原酒によく合う。

 そして醸音オイスターが実にすばらしい。

 これは広島産の大粒のカキを、熊本産の赤酒などを使って1時間以上も煮込み、冷ましたもの。もともとは大きかったカキが、ギュッと小さく凝縮されて、その分、旨みもギュッと凝縮されて詰まっている。

 その味わい(旨み)の濃厚さといったら!

 とろりと軟らかくなるまで煮込まれたカキの身を、ほんの豆粒ほど口に含むだけで、口の中いっぱいに旨みが広がって、お酒がグイグイと進む。

 続く日本酒は「大治郎」(滋賀・畑酒造)に「神開しんかい」(滋賀・藤本酒造)。

 そして出てきた「茶わん蒸し」には、イクラがトッピングされていて、これまた味わいが絶妙。しかも熱々とろりと軟らかいのがいいね。強い日本酒にぴったりとよく合う味つけだ。

 さらに「越前岬」(福井・田辺酒造)、「遊穂ゆうほ」(石川・御祖酒造)と続いたあと、熊本の地酒に戻って「亀萬かめまん」(熊本・亀萬酒造)で〆る。

 最後の食事ものとして、熊本産の極細手延べそうめん「ゆきやぎ」をいただいた。このそうめん、日本一細いらしくて、なんとたったの18秒でゆであがる。麺が細いので、ツユもよくからむのである。

 たっぷりと3時間以上楽しんで、今宵のお勘定は二人で17,900円(ひとり当たり8,950円)。

 我われ二人は、最初から「この1軒」と腰を据えて思いっきり飲んだので、ちょっと高めのお勘定になりましたが、「食べログ」などでは、予算5~6千円ぐらいと紹介されています。ご参考までに。

 やぁ、よく飲んだ、よく食べた。これ以上はもう飲めない、食べられない。

 無濾過生原酒ばかりをこんなに飲んだのは、今夜が初めてでした。

 お忙しい取材の合間に、こんなすばらしい酒場をご紹介いただき、本当にありがとうございました。>倉嶋編集長

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「崇薫」 / お通しと和らぎ水 / 「白木久」

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だし巻き玉子 / 「大治郎」「神開」 / 茶わん蒸し

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「越前岬」「遊穂」 / 「亀萬」 / ゆきやぎそうめん

店情報

《平成28(2016)年8月26日(金)の記録》

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店情報: 「醸音(かもね)」(熊本)

    醸音
  • 店名: Sake Kaiseki 醸音 -kamone-
  • 電話: 096-355-4455(予約可)
  • 住所: 860-0806 熊本県熊本市中央区花畑町12-5 アメージング8ビル地下
  • 営業: 18:00-01:00LO、日祝休
  • 場所: 熊本市電・花畑町から60mほど。銀座通り銀杏通り角の牛丼「吉野家」の地下。
  • メモ: 2009年5月11日創業の無濾過生原酒専門日本酒バー。店内は禁煙で、カウンター7席、テーブル4席の計11席。予約可。公式サイトあり。(2016年8月調べ)

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