トリハイから角ハイへ … パブ「ブリック(BRICK)」(中野)
もっと足しげく通いたいのに、なかなか来れていない店の1軒がここだ。
中野駅近辺にはそんな店が多い。「北国」「石松」「パニパニ」「路傍」「おかやん」「やきや」「第二力酒蔵」などがそうだ。
土曜日の夜とあって、「ブリック」の店内もお客さんが多いが、カウンターの一番奥のほうに空席があって、そこに座らせてもらった。
「いらっしゃいませ。お久しぶりです」
真っ白いバーコートを着た、店のおにいさんにそう声をかけられる。
「本当に、すっかりごぶさたしていて申しわけありません。トリハイ(200円)と野菜スティック(400円)をお願いします」
このこところ、年に1回ぐらいずつしか来ることができていないのに、今でもなお顔を覚えてくれているのがうれしいことだよなあ。
トリハイ、つまりトリスハイボールはこの店の名物。
1964年(昭和39年)、当店はオリンピックの年にオープンしました。
日本のウイスキー文化の一時代を築いたトリス。
40年を経た今、改めて飲んでみませんか?
トリハイの他、ストレート、オンザロックなど、お客様のお好みでお試しください。
メニューには、そう書かれている。
そのトリハイと一緒に出されたお通しはポテトサラダ(400円)。お通しは何種類か用意されていて、お客が注文した料理とかぶらないものを出してくれるのだ。
それにしても、トリハイ1杯が200円というのは爆発的に安い。
もともとトリスバーとして出発した「ブリック」だけど、その看板メニューであるトリハイは、高度成長期に姿を消した。
呑兵衛サラリーマンたちの飲み物が、トリスからレッドへ、ホワイトへ、角へ、オールドへと、徐々にレベルアップしたのがその原因だった。
そのトリハイが再び登場したのは昭和60(1985)年のこと。
東京下町発祥のチューハイ(焼酎ハイボール)が大手チェーン居酒屋のメニューに取り入れられて、ちまたにはチューハイブームが起きた。そのチューハイに負けじと、トリハイが復活したのである。
だから値段も、チューハイに負けない、安い設定になっているのである。
今どきは、チューハイだって200円で飲める店は少ない。価格的には完全に逆転して、トリハイのほうが安くなっちゃってるかもね。
2杯めに角ハイボールをお願いすると、これもなんと250円。トリハイも安いが、角ハイも安いなあ。びっくりだ。
か~るく1時間弱の酒場浴。お勘定は1,300円なり。どうもごちそうさま。
「ブリック」 / トリハイとお通しのポテトサラダ / 野菜スティック
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