呉の夜は屋台で締める … 「富士さん(ふじさん)」(呉)など
まずは『とり屋』で飲み食いして、『スタンド』でおねえさんと話をしたり歌ったりした後、最後は『屋台』のラーメンで締めくくるというのが、呉の呑兵衛たち定番のハシゴ酒コースだ。
『とり屋』というのは、焼き鳥と活魚が二枚看板の居酒屋のこと。「鳥好」「鳥八」「三とり」などなど、「鳥」または「とり」の字が付いている店が多いことから、総称して『とり屋』と呼ばれるようになった。
『スタンド』は、世間一般的に言うスナックのことである。どうしてそう呼ぶようになったのかは定かではないが、呉や広島では、「スタンド○○」という名前を付けているスナックが多いのだ。
「呉市スタンドバー組合」もあるぐらい、『スタンド』は正式な名称なのである。
金曜日の今日も、1軒めは『とり屋』からスタートした。
店の名前は「かしま支店」。「鳥」という字も、「とり」という字も付いてないけれど、この店も『とり屋』の1軒なのでした。
呉の『とり屋』を経営しているのは、呉市内の鹿島出身の人が多い。ここ「かしま支店」は、その鹿島の地名を冠してるのだ。
集まったのは、その昔、同じ独身寮で過ごしていた社員や寮長さんなど7人。なにかの機会があるたびに集まってるんだけど、集まるたびに、すぐに気持ちが若かりし頃にジャンプするのがいいよね!
去年の10月、ブラジルから一時帰国したときも、ここで飲んだので、ほぼ1年ぶりだ。
ゆっくりと3時間ほど楽しんで、「かしま支店」のお勘定は7人で37,630円(ひとり当たり5,400円弱)でした。
2軒めは、標準的なハシゴ酒コースでは『スタンド』に行くところであるが、明日の朝早くから予定が入っている人も多かったので、ひとまずここで解散。
8月から呉勤務となっているT實さんと二人で、このところT實さんが行きつけにしているという、店舗の「富士さん」へと向かう。
あえて《店舗の》と書いたのには、わけがある。
「富士さん」は屋台からスタートしたお店。屋台の「富士さん」のほうは創業者の息子さん(弟)が継ぎ、創業者の娘さん(姉)が、新たに店舗の「お食事処 富士さん」を興したのだ。
だから、お食事処「富士さん」と屋台「富士さん」とは、文字どおりの姉妹店(姉弟店?!)なのである。
T實さんとはブラジルでも一緒に過ごし、ブラジルから戻ってきてからも本社で一緒に働いてきた。8月の人事異動で、T實さんのご自宅のある呉に戻ったのだった。
1時間半ほど、つもる話に花を咲かせて、お勘定はふたりで2千円ほど。店舗になっても「富士さん」は安いのだ。
T實さんが帰路につき、最後は一人で蔵本通り沿いに並ぶ屋台へと向かう。
ここでは今は10軒ほどの屋台が営業している。
昭和62(1987)年、蔵本通りの整備に併せて、それまで呉の飲み屋街のアチコチで営業していた屋台を1ケ所に集め、ここに屋台通りができたのだ。
私自身、いちばん行きつけにしていた屋台は「一二三」だったのだが、残念ながら今は休業中。
「八起」に行こうか、屋台の「富士さん」に行こうかとちょっと迷って、弟さんの「富士さん」にした。
ちなみに「八起」のほうも、お兄さんがやっている店舗の「八起」もある。さらには弟さんも屋台の「だるま」をやっているのだ。
さて「富士さん」。
いきなり〆の中華そばに行くことはせずに、まずは「しそ焼酎 鍛高譚」(400円)を水割りでもらい、つまみにはおでんの「牛すじ」(120円)と「餅きんちゃく」(120円)を取ってもらう。
おでんのネタが書き出されたホワイトボードに、大好物の「鶏もつ」の字が見えないので、「鶏もつ、やめたの?」と聞いてみると、「いや、今日は仕入れがなかっただけです。いつもはあるんです」とのこと。良かった良かった。
最後は中華そばを小盛り(450円)でもらって〆とする。
呉の屋台には、小盛りがあるのがうれしいところ。スープも具材も1人前で、麺だけ半分にしてくれるのだ。
小盛りでも、普通盛りと同じ値段の店が多いんだけれど、ここ「富士さん」は、普通の中華そばが550円で、大盛りが100円増し、小盛りが100円引きになるのがいい。
1時間弱、楽しんで、お勘定は1,090円なり。どうもごちそうさま。
「かしま支店」刺身盛り合せ(左) / 刺身盛り合せ(右) / 焼鳥盛り合せ
お食事処「富士さん」 / 生ハムサラダ / タコとキュウリの酢の物
屋台「富士さん」 / 牛すじ、餅きんちゃく / 中華そば(小盛)
・「かしま支店」の店情報(前回) / お食事処「富士さん」の店情報(前回) / 屋台「富士さん」の店情報(前回)
(屋台「富士さん」の次回) 25.04.19 森田食堂からの呉屋台 … 屋台「一二三(いちにっさん)」(呉)他
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