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閉店間際のまったり感 … 「大甚本店(だいじんほんてん)」(名古屋・伏見)

「賀茂鶴」樽酒(燗)


 ここ「大甚本店」に来たのは今日で5回め。

 いつも帰りの新幹線の時間を気にしながら、バタバタと飲んでバタバタと帰る。

 一度ゆっくりと飲みたいものだと思っていたので、今日は近くのホテルを予約して「大甚本店」にやってきた。

 店に着いたのは午後7時前。金曜日だから席が空いてるかどうかが心配だ。

 予想どおり店内は大にぎわい。

 入口のすぐ近くにいる大将に、「ひとりですが入れますか」と確認すると、店内をサッと見わたした大将が、「ここにひとり入れてあげてください」と、1階まん中あたりのテーブルにいるお客さんたちに言ってくれて、そこに相席させてもらうことができた。

 すぐに飲み物の注文を取りに来てくれたおねえさんに、大瓶ビール(610円)を、サッポロでお願いする。

 そのビールをグイッと1杯飲んでから、料理を取りに行く。

 ここは店の中央部につまみ置き場があって、その上の皿に盛られた料理がずらりと並んでいる。その中から、自分の好きな料理を取っていく仕組みだ。

 並んでいる料理は、250円、290円、350円、450円、470円という5つの価格に分けられている。もっとも多いのは250円のものだ。

 刺身や焼き魚、煮魚など、注文を受けてから作ってくれるものは、もうちょっと高いようだ。冬場には一人用の鍋ものもある。

「さば酢(350円)はないですか?」と聞いてみると、

「今日は売り切れました」と店のおねえさん。

 代わりに「鯛のあら煮」(たぶん550円)と「かしわうま煮」(250円)を取って席に戻った。

 人気大衆酒場らしく、客層は老若男女幅広いのだが、私が座ったテーブルは、たまたま年配のお客さんが多い。

 私のような出張族も混ざってはいるが、圧倒的に多いのは地元のお客さんのようだ。

「いつも大徳利(720円)を2本と、つまみ(250円が多い)を2品。これでだいたい2千円なんだ」

 といった趣旨のことを、本当はもうちょっと名古屋らしい言葉で話してくれたのは、私と同年代のサラリーマン。平均して週に2~3回、多いときは5回ぐらい、この店に飲みに来るそうだ。

 大徳利2本で4合だから、それが毎日のように続くと、けっこうな量になるよね。

 大瓶ビールを飲み終えたところで、「賀茂鶴」樽酒の大徳利(720円)を冷や(常温)でもらう。

 右どなりに座っているのは年配のご夫婦だ。ふたりで差しつ差されつしながら燗酒を飲み、メバルの煮付けをつついている。

「私はねえ、19歳で働き始めて、最初に連れてこられたのが、この店だったんですよ。それ以来、もう50年になるなあ」とご主人。

 そんな思い出の酒場が、今もなお行きつけの酒場。奥様とも一緒に楽しく飲めるんだからいいよねえ。老舗大衆酒場ならではだ。

 8時半を回ると、料理もほとんどなくなって、お客も徐々に減り始めた。

 「賀茂鶴」樽酒の大徳利を、今度は燗でもらって、つまみは最後に残っていた2品のうち、オクラのおひたし(250円)を取ってきた。

 お客が減るにつれて、だんだんと片付けも始まり、店の中にまったりとした空気が流れ始めた。

 どんなに大忙しの酒場でも、閉店が近くなると、こうやってゆっくりとくつろいだ雰囲気になる。私はこの空気感が大好きなんだ。これを味わうために、わざわざホテルをとったようなものだもんなあ。

 残っている客が、あと5人にぐらいになったところで、私も席を立った。

 午後9時20分ごろまで、2時間半近く楽しんで、今夜のお勘定は3,100円なり。

 どうもごちそうさま。本当にゆっくりと過ごさせていただきました。

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大瓶ビールとつまみ2品 / 鯛あら煮 / かしわうま煮

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賀茂鶴の大徳利を冷やで / オクラおしたし / 閉店間際の「大甚本店」

店情報前回

《平成28(2016)年9月16日(金)の記録》

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受信: 2018.06.17 11:17

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