新作料理が次々に誕生 … バー「ロックフィッシュ(ROCK FISH)」(銀座)
「銀座じゃのめ」の前の道を、そのまま真っすぐコリドー街(山手線の新橋駅と有楽町駅の中間あたりのガード下)に向かって北上する(正確には北西に進む)と、コリドー街に突き当たった右手前角のビルの2階にあるのが「ロックフィッシュ(ROCK FISH)」だ。
「こんばんは。二人です」
と入った店内は、ぎっしりと満員状態。金曜日の夜9時だもんねえ。さもありなん。
こりゃさすがにダメか、と諦めかけているところへ、
「どうぞ」
とオーナーバーテンダーの間口さんが声をかけてくれる。
(なんと! まだ入れる余地があったか!)
と驚いていると、カウンターの後ろ側の壁にある、折り畳み式の小さなテーブルをセットしてくれた。なるほどなあ。補助イスならぬ、補助テーブルがあるわけですね。
さっそく角ハイボールを2杯もらうと、小鉢の落花生も持ってきてくれた。
「ロックフィッシュ」のカウンター上には、落花生や醤油せんべいなどが、ガラス瓶に入って置かれていて、自由に食べることができるのだ。
さっき壁から起こしたばかりのこの補助テーブルには、そういう品々は置かれていないので、小鉢に落花生を入れて持ってきてくれたんですね。ありがとうございます。
この席から見ると、メインカウンターで立ち飲んでいるみなさんの背中が、目の前にずらりと並んでいて、その先のカウンターの中に、間口さんたちの姿を見ることができる。なかなか見ることができない、おもしろい景色だよねえ。
とそのとき、間口さんがバックバーの中央部に張り出された、今日のおつまみを、指でちらりと示してくれた。おっ。これは自信作に違いない。
「それ! ひとつください」
すかさず注文したそのつまみは「あぶらみそカナッペ」。
ポテトサラダに油味噌を練り込んだものに、それをカナッペにするためのパンを何枚か添えて出してくれた。
油味噌は、細かく切った豚の脂身と味噌とを炒めて、砂糖や酒(泡盛)などで調味して作ったもの。沖縄ではアンダンスー(アンダが油、ミスーが味噌だって!)と呼ばれる常備菜だ。(Wikipediaより)
これをポテトサラダに練り込んで、カナッペとして食べようという間口さんの発想がすごいよね。
IBMが開発したシェフ・ワトソンという人工知能がある。
プロのシェフが作ったレシピの数々(1万点近く)と、その評価データを学習し、新たな料理(素材と調理法の組み合わせ)を提案するというものだ。
プロのシェフは、和食で育った人は和食で、フレンチの人はフレンチで、中華の人は中華でと、自分が育った食の世界の中から飛び出すことがむずかしいが、シェフ・ワトソンはそんな壁を軽々と乗り越えて、意外性のあるレシピを提案してくるんだそうな。
間口さんが作り上げる料理も、まさにそんな感じだ。
素材や個々の料理は、これまでにもあるようなものなんだけれど、その組み合わせ方が、まさに間口流。そしてそれがおもしろくて、美味しいんだなあ。
今もなお国内はもとより、世界のあちこちに出かけて行って、精力的に酒のつまみに関するディープ・ラーニングを続けてられている間口さん。今後もまだまだ、いろんな料理が生まれ出されるに違いない。ますます楽しみだ。
1杯めの角ハイボールを飲む干すころには、メインカウンターに空きができ、そちらに移動することができた。
しかしながら、補助カウンターのほうも、片づける間もなく次のお客さんが入ってきた。
メインカウンターで、ゆっくりと2杯めの角ハイボールをいただく。このウイスキーの濃さがいいんだなあ。
1時間ちょっとの酒場浴。今夜のお勘定は二人で4,920円(ひとり当たり2,460円)でした。どうもごちそうさま。
いやぁ、堪能、堪能。
「ROCK FISH」 / 補助テーブルでハイボール / メインカウンターで2杯め
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