放課後の部活のような … やきとん「すっぴん酒場」(野方)
このところ、少なくとも週に1回は「すっぴん酒場」にやってきている。
……なんてことを自慢げに書いたら、毎日のようにやってくる常連さんたちに大笑いされそうだ。
この店の常連さんたちは、本当に毎日のようにやってくる。
いつ来ても、何曜日に来ても、必ず同じ面々がそろっているんだから、すごいよね。
毎日でも立ち寄れる行きつけの大衆酒場は、「放課後の部活」のようなもんだろうと私は思っている。
学年が違ったり、同学年でもクラスが違ったりする仲間たちが、放課後になると集まってきて、帰宅までの少しの時間、共通の趣味に没頭する。
この時間を過ごさないと、1日が終わった感じがしない。完全にルーチン化してしまうのである。
私のように、週に1回ぐらいしか通わなくても、そこそこルーチン化してくる。
たとえば注文のパターンがある程度、決まってくる。
「ホッピー(黒のみ、450円)と、レバ、チレ、シロ(各100円)をお願いします」
私の場合は、ほぼこれだ。
「バーレー、レーチー、ローシー、ってたのまなきゃ(笑)」
すかさず、常連のS藤さんからのツッコミが入る。
そのS藤さんは、黒ホッピーをソト1・ナカ3で飲み終えて、4杯めとなる酎ハイ(400円)を注文したところだ。この酎ハイも、このあと2杯ぐらいナカをもらって、全体では6杯ぐらい飲んで帰るのが、S藤さんの日常なのだ。
「横田ね!」
奥の常連さんから注文が飛ぶ。
「じゃ、私も横田。あとナカ(2杯め、250円)もお願いします」
と便乗注文する。『横田』というのは、「じゃがー」(たぶん200円)というメニュー名の、ジャガイモの串焼きのこと。女子プロレスラーの『ジャガー横田』から、常連さんたちが『横田』と呼ぶようになったもののようだ。
表面にこんがりと焦げ目がついて、なかが熱々でホクホクなのが人気なのだ。
常連さんたちが、「表面に辛子をぬって食べるとおいしいよ」と教えてくれた。
さらにナカ(3杯め)をもらって、ハツ、ガツ、ツクネ、コブクロ(各100円)を追加注文したものの、残念ながらコブクロは売り切れ。かわりにカシラ(100円)を焼いてもらう。
このあたりで、毎日やってくる4人の常連さんたちが、「ごちそうさま。お先にぃ~っ」と言いながら連れ立って店を出ていく。
ママさんによると、ここでひとしきり飲んでから、4人で一緒に二次会に行くのが、このところの流れになっているんだそうな。
なるほどなあ。「放課後の部活」をこよなく愛するベテラン同好者たちが、「さらにディープな部活」へと出かけていくわけですね。
私も4杯めとなるナカをもらって、ハラミナンコツ(100円)と、本日2本めとなるシロ(100円)で締めくくる。
たっぷりと2時間半の立ち飲み酒場浴。今夜の総支払額は2,400円でした。どうもごちそうさま。
電車の中で立つのは10分ほどでもしんどいけれど、立ち飲みだと2時間でも3時間でも大丈夫なんだなあ。「立ってる」ということすら、すっかり忘れてしまってる感じ。これは気持ちだけの問題なんだろうか……。
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