3月末日をもって閉店 … 呑み処「細雪(ささめゆき)」(渋谷)
2年ぶりに「細雪」にやってきたら、火曜日の夜9時半にもかかわらず、店内は「超」が付くほどの満席状態。
入口すぐのテーブル席に相席させてもらって、私はホッピーセット(350円)を、同行者は燗酒(300円)をもらって乾杯し、つまみは自慢の刺身をおまかせで盛り合わせてもらう。
ホッピーセットには、自動的にコップ1杯(=180ml)分のナカ(焼酎、300円)が付いてくるので、合計は650円となる。しかし、この組み合わせで、ホッピーがソト1に対して、ナカが3~4杯分は楽しめるんだから、1杯あたりに換算すると160~220円ほど。実に安いのだ。
それにしても、なんでこんなにお客さんが多いんだろう?
不思議に思って、近くの常連さんらしき人たちに話を聞いてみると、なんと「細雪」は今月末で閉店するという。それを惜しんで、常連さんたちが連日やって来ているんだそうな。
今月末と言っても、今日が28日の火曜日。明日、水曜日は定休日なので、あとは30日(木)と31日(金)の2営業日しかないではないか!
改めてお話を伺ってみると、今までこの店はご夫婦で切り盛りさていると思っていたのだが、実は姉・弟。木場「河本」の真寿美さん(女将)と、あんちゃん(料理を担当する弟さん)と同じような関係だということがわかった。
お二人とも70歳を過ぎる年齢になったので、「そろそろゆっくりしようか」ということで、お店を閉めることにされたんだそうな。
『後継者がおらず、店主ご高齢のために、やむなく閉店』
野毛の「武蔵屋」や、杉田の「はまや食堂」、古いところでは鷺ノ宮の「鳥芳」、阿佐ヶ谷の「ホルモン」など、同じ理由での閉店は枚挙にいとまがない。
こうしてまた1軒、地域で愛された大衆酒場がなくなっていくことが、まことに残念なり。
今日、この店に来る前に、JRガード下の「さつまや」に向かったんだけど、こちらも閉店していた。こっちは山手線の耐震工事のための閉店とのこと。今から1年半ほど前、平成27(2015)年9月5日(土)をもって、昭和45(1970)年の開店以来、45年続いた店の歴史に終止符を打った。
さらに現在、渋谷駅周辺の再開発事業も行われているから、数年後にはこのあたりも大きく変わってしまうのかもなあ。
再開発されたところは、たしかに近代的で効率的な街にはなっているんだけれど、街ごとの個性はなくなっていくような気がしてならない。
そんなことを改めて思った夜になった。
1時間ちょっとの酒場浴。お勘定は二人で3,050円(ひとりあたり1,525円)。ごちそうさま。これまでありがとうございました。
・店情報 (前回(Muito Brasil)、前回(居酒屋礼賛))
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