おからで櫻正宗の燗酒 … スタンディングルーム「鈴傳(すずでん)」(四ツ谷)
4月から職場が四ツ谷界隈になったので、通勤経路もこれまでの西武新宿線+JR山手線から、JR中央線1本に変更した。
四ツ谷といえば、まずパッと思い浮かぶ酒場が、スタンディングルーム「鈴傳」だ。
その母体となっている地酒専門店「鈴傳」の創業は江戸時代後期。ペリーがやってくる3年前の嘉永3(1850)年のこと。今年で創業167年という老舗である。
そんな老舗酒店の一角で立ち飲みができるようになったのは昭和24(1949)年のこと。だから立ち飲みの歴史だって68年という老舗である。戦後間もないその当時は、大蔵省や東京陸運局などが四ツ谷にあって、ちょっとお酒を飲むことができる場がにぎわっていたんだそうな。
私自身はというと、ずいぶんごぶさたしてしまっていて、実に5年ぶりの「鈴傳」である。
火曜日、午後6時の店内は、予想どおり混みあっていて、ほぼ満席の状態である。
ただし今は、スタンディングルーム側だけではなくて、店内(酒屋さんの側)でも立ち飲みができるようになっているらしく、数人で来たグループは、立ち飲みカウンターの一番手前側のお酒の注文をする場所で人数を聞かれ、そちらに案内されている。
そのお酒を注文する場所のすぐ奥側に、ちょうどひとり分の空間があったので、私はそこに陣取って、「手取川」(450円)と「刺身」(430円)を注文した。
料金は品物と引き換え払い(キャッシュ・オン・デリバリー)である。
カウンターの目の前にあるケースの中には、マグロ、〆サバ、タコという3種類の刺身が並んでいるが、単品では出していなくて、この3種が盛り合わされて430円となる。ひとりで食べるのに、ちょうどいい量だ。
つまみは他にも煮物やら、揚げ物やら、お新香やらが10種類ほど並んでいて、それぞれ380~430円という価格帯。というか、注文カウンターのすぐ横で聞いていると、380円か430円のいずれかの価格のようだった。
そんなつまみの中に、「おから」(380円)があるのを発見。
さっそくその「おから」をもらって、お酒は「櫻正宗(純米・山田錦)」(600円)にお燗をつけてもらうことにする。
「おから」をつまみに、「櫻正宗」の燗酒。気分はすっかり、今はなき野毛の「武蔵屋」である。
酒屋さん側で飲んでるお客さんも、スタンディングルーム側に空きができると、順次、こちら側に案内されてきている。酒屋さんの側は、満員時の緊急避難場所的な使われ方をしてるんだろうな。
この記事を書くのにあたって、改めて公式サイトを確認してみたところ、なんと今は予約もできるようだ。
1時間ほどの酒場浴。本日の支払総額は1,860円なり。どうもごちそうさま。
「鈴傳」 / 刺身と「手取川」 / マグロ、タコ、〆サバの3点盛り
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