牛煮込みのもつカレー … もつ焼「丸松(まるまつ)」(東中野)
野方「秋元屋」で、8年半の長きにわたり(しかもそのほとんどの期間を本店の店長として)修業を積んだ、松ちゃんこと、松浦辰也(まつうら・たつや)さんが満を持して独立し、さる平成29(2017)年3月24日に、JR中央線・東中野駅のすぐ近くに「もつ焼 丸松」を開店した。
店内はカウンター10席ほどと小さいが、「秋元屋」同様に、入口の外に4人掛け×2卓のテーブル席と、入ってすぐ左手の、ちょっとデッドスペース的になっているすき間にも、角をはさむ2人掛けのテーブル席を用意して、全体としては20人ぐらいが入れる空間を作り出した。
が、しかし!
多くのみなさんが予想されていたとおり、開店するやいなや満席状態が続く大人気店となり、20席ではまったく足りない感じになってきた。さすがですねえ。
今日は職場での飲み会を終えたあと、一人でふらりと立ち寄ってみた。
店に着いたのは午後9時。この時間なら大丈夫かと思いきや、やっぱり満席である。
ちょうど先客が帰るところだったようで、その席が片づけられるのを待って、ラッキーにも、入れ代わりで座ることができた。
さっそく「ホッピーセット白」(400円)をもらうと、1巡めのつまみは「秋元屋」と同じく、小さな紙に書いて渡す仕組み。
「れば」、「しろ」、「はらみ」(各120円)と、ホワイトボードに書き出されている「上みの」(220円)を、味付けは「おまかせ」と記入し、焼きものを待つ間用のつまみとして、「自家製ぬか漬」(300円)ももらうことにした。
ねらい通り、あっという間に出てきた「自家製ぬか漬」は、にんじん、きゅうり、だいこんの3種盛り。これが古漬けのちょっと手前で、ちょうどいい具合に酸味も出ていて、とてもいい。
「この漬物はうまいねえ」と感想を伝えると、
「今日は、うまくいったんですよ」
と謙遜気味に笑うのは、松ちゃんを手伝っているノリスくん。松ちゃんの同級生なんだそうな。店は松ちゃんとノリスくんの二人で切り盛りしている。
基本的には松ちゃんが焼き台およびその周辺を担当し、それ以外をノリスくんがやる。仕込みのときには、松ちゃんの奥さんも加わっているらしい。
そして出てきた焼きものは、なにしろ松ちゃんが焼いたんだから、間違いなくうまい。
なかでも特筆ものが上みの! みの特有の強烈な弾力感が抑えられていて、ふんわりと軟らかい。
ホワイトボードメニューなので、いつもはないかもしれないが、あれば必ず注文すべき逸品である。
ソト1・ナカ3の、3杯めとなる「ナカ」(270円)をもらって、追加注文したつまみは、「ちょっとカレー」(100円)だ。
松ちゃんの奥さんは、沼袋「たつや」の仕込みを7年ほど手伝っていたので、ここ「丸松」にも「もつカレー(パン付き)」(350円)がある。「ちょっとカレー」は、その少量版である。
ど~れどれ。
その「ちょっとカレー」の具のモツを一口いただいて驚いた。
「松ちゃん、このもつカレーって、牛シロを使ってるんだ?!」
「そうなんですよ。うちの奥さんのこだわりなんです。『やっぱり牛シロがうまい』って」
わあ。でも高いよねえ、牛シロ。大ふんぱつだ。
言ってみれば、「たつや」の「もつカレー」と、「鳥勝」の「煮込み(牛)」との融合体のようなものだ。すばらしい。
2時間近くの酒場浴。席料100円に、消費税(外税)が加わって、今宵のお勘定は2,180円でした。どうもごちそうさま。
次は絶対に普通サイズの「もつカレー(パン付き)」を食べなくっちゃ!
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