都区部の端に名酒場街 … やきとり「戎(えびす)」(西荻窪)
4月から同じ職場になった、青梅在住のMさん。大衆酒場に興味があるということなので、今日は一緒に西荻窪駅に降りたった。
Mさんも中央線を使っての通勤をしているのだが、西荻窪で降りたのは今日が初めてなんだそうな。
「西荻窪駅は、駅のすぐ南側一帯に、どーんと大衆酒場街が広がってるんですよ」
と紹介しながら南口を出ると、右に向かってまっすぐ伸びる通りの両側に、ずらりと「やきとり戎」の各店舗が並んでいる。西荻のランドマーク的な大衆酒場である。
この路地を見るだけで、もうMさんは、「こんな昭和な風景が、なんだか当たり前な感じで残ってるんですねえ。しかもこんな駅のすぐ近くに!」と大感激してくれた。
東京都区部(東京23区)の端々に名酒場街あり。北の赤羽、東の小岩、南が蒲田で、西の砦こそがここ、西荻窪なのだ。
ここからさらに一駅、西へと進むと、そこはもう吉祥寺(武蔵野市)。都区部を抜けて、多摩地域に突入するのである。
せっかく西荻窪駅で降りた機会なので、路地の中のほうも少し散策して、ずらりと並ぶ大衆酒場群をMさんにざっとご紹介してから、再び「やきとり戎」に戻ってきた。
店頭のところで、店のおにいさんに「ふたりです」と声をかけると、「えぇ~と」と店内を確認してくれて、
「いま空いてるのはカウンター席か、表のテーブルになりますが、どちらがよろしいでしょうか?」という声が返ってきた。
Mさんが「ぜひ外で飲んでみたい」ということで、店のすぐ外の二人用のテーブルに座らせてもらい、サッポロラガー(大びんビール、530円)をもらって乾杯である。
つまみには、「煮込豆腐」(250円)を2つと、名物「イワシコロッケ」(490円)、日替りメニューからは「鯛かぶと煮」(350円)をもらった。
予想どおり、すぐに出てきた「煮込豆腐」は、「もつ煮込み」+「同じ鍋で煮込んだ豆腐」である。もつ煮込みの煮汁がよく染みた豆腐がいい。
そして「鯛かぶと煮」。これが350円というのは、呉(広島県)の酒場なみの安さだ。東京でこの値段で食べられるのは、鯛かぶと煮ファンにとってはうれしい限りである。
これらのつまみを食べ終わるころに、「イワシコロッケ」もできあがってきた。
「イワシコロッケ」は、マイワシを開いて中骨をとり、中にコロッケの具を詰め込んでから、衣をつけて揚げたもの。これにタルタルソースをかけて出してくれる。
パッと見た目には、丸々と太ったマイワシを、そのままの姿で揚げたようにも見える。
「これがイワシコロッケですか!? イワシのすり身をお混ぜ込んだコロッケぐらいに思ってました。これはおもしろいですねえ」
とMさんも大喜びだ。
「イワシコロッケ」はボリュームがあり過ぎて、ひとりでは食べきれない。なのでメニューには、「イワシコロッケ・ハーフサイズ」(300円)というのも並んでいて、一人で来たときはこれをいただいていた。
フルサイズの「イワシコロッケ」をいただくのは久しぶりである。
ビールのあと、Mさんは「酎ハイ」(360円)に、私は「緑茶ハイ」(390円)に切り替えた。
となりのテーブルのお客さんが「トリスメガハイボール」(490円)を注文すると、片手では持ち上げにくそうなほどの巨大なジョッキが出てきたのには驚いた。でも残念なことに、この店にはホッピーは置いてないんだな。
いろんなつまみが揃っている「やきとり戎」ながら、元祖のつまみは、店名にもなっている『やきとり』である。
メニューにも、鶏肉や鶏もつ、豚もつなどを始めとする様々な種類の『やきとり』が並んでいて、その多く(標準的な品もの)は1本95円。
今日は「れば」(95円)、「はらみねぎま」(160円)、「とりつくね」(210円)を注文し、さらに串揚げメニューから「うずら玉子」(120円)をもらった。
1時間半ほど楽しんで、今日のお勘定は二人で3,205円(ひとり当たり1,603円)なり。どうもごちそうさま。
Mさんにも満足していただけたようで、本当に良かった。
緑茶ハイ&酎ハイ / うずら玉子の串揚げ / れば、とりつくね、はらみねぎま
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