チェーン居酒屋の原型 … 炭火串焼「テング酒場」(麹町)
金曜日の仕事を終えて、同じ職場のAさんとやってきたのは、職場のすぐ近くにあるチェーン居酒屋、「テング酒場」だ。
まずはサッポロラガービール大瓶(499円、以下すべて価格は税別表記)をもらって乾杯し、最初のつまみとして「自家製もつ煮豆腐」(320円)と「クリームチーズの味噌漬け」(290円)、そして「ポテトと野菜の大盛りサラダ」(390円)を注文した。
居酒屋考現学でも知られる早稲田大学・橋本健二教授の『[居酒屋の戦後史]チェーン居酒屋の先駆者「天狗」』(2014年3月9日)という記事によると、居酒屋チェーンをビジネスモデルとして確立した立役者としては、「ニユートーキヨー」創業者の森新太郎(1937年創業)、「養老乃瀧」創業者の木下藤吉郎(本名・矢満田富勝、1956年に1号店)、そして「天狗」創業者の飯田保(1969年創業、77年にテンアライドに社名変更)の3人なんだそうな。
なかでも、いまあるチェーン居酒屋の原型を確立したのが「天狗」で、全面的なセントラルキッチンの採用や、幅広い酒ぞろえ、和洋中のさまざまな料理の提供なども、「天狗」から始まったのである。
ここ「テング酒場」は、『居酒屋の原点回帰』を目指して、2007年に始まった居酒屋事業の小型店新業態。小型店といっても、ここ麹町店でも82席あるし、すぐ近くの四谷店も86席と、個人店と比べるとやっぱり大きい。
でもここには、今やチェーン居酒屋では当たり前の、注文するためのプッシュボタンはない。フロア内を4人ぐらいの店員さんが行き来してるので、ちょっと手をあげるか、近くの店員さんに、それほど大きくない声で「すみません」と声をかけると、すぐに来てくれる。昔ながらの居酒屋スタイルだ。
最初に注文した料理を食べ終えたので、白ホッピー(セットで390円)をもらうとともに、看板メニューの『炭火串焼』を注文する。
数ある炭火串焼の中でも、「やきとり」(鶏レバー、ねぎま、砂肝、ぼんじり、かわ)と「やきとん」(たん、はつ、豚レバー、かしら、はらみ、しろ)の合わせて11種類は1本なんと80円。それ以外にも牛串、魚串、野菜串など、全部で26種類もの『炭火串焼』が選べる。
そんな中から、砂肝、はらみ、たんの3種類を、それぞれ2本ずつ、塩で注文すると、
「いま焼き台が混みあってまして、ちょっとお時間をいただきますがよろしいでしょうか?」
と確認が入った。値段は安いものの、ここの炭火串焼は、店舗でカットした肉を串打ちしたものを、注文を受けてから炭火の焼き台で焼き上げて出してくれるのだ。
「やきとり」や「やきとん」の専門店であれば、ごく当たり前のこのやり方も、チェーン居酒屋では珍しいんじゃないかなぁ。
串ものを炭火で焼くには、ある程度の技能が必要。誰でもがチャチャっと焼けるわけではないもんねぇ。
ホッピーのナカ(おかわり焼酎60ml、210円)のおかわりを繰り返しながら、つまみには「カシューナッツ」(290円)と「出し巻き玉子」(290円)を追加注文。カシューナッツを炒(い)りたて熱々で出してくれるのがいいね!
ここのナカは、毎回、新しいジョッキに氷入りで出してくれる。焼酎の量が60mlと少ないので、ホッピー(ソト)の量も少なめにして、アルコール分の濃さがちょうどよくなるように飲み進めると、ソト1・ナカ4の分量で、ちょうどソトがなくなった。
まだちょっと飲み足りないので、もう1回、ホッピーセットをもらって、ソトは二人で分けることにした。
そしてつまみは、「さばの一夜干し串」(1本240円)を2本と、「甘海老の唐揚げ」(290円)を追加する。
最後にAさんは「きなこバニラアイス」(240円)で、私はつまみも兼ねた「鶏スープ」(50円)で〆て、たっぷりと3時間ちょっとの滞在。
お勘定は二人で7,400円(ひとり3,700円)でした。
それにしてもホッピー! 焼酎の量が60mlと少ないので、クイクイと飲んでるうちに、終わってみれば二人でソト3・ナカ12。ひとり当たり、ソト1.5にナカ6だ。
いくら少ないといっても、6杯飲めば360ml(2合分)。これだけ飲むと酔うよねえ。反省、反省。
「テング酒場」 / サッポロラガービール大瓶で乾杯 / クリームチーズの味噌漬け
自家製もつ煮豆腐 / ポテトと野菜の大盛りサラダ / ホッピーセット(白)
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