昼めしがわりの関東煮 … 大衆食堂「稲田屋(いなだや)」(福山)
今治での仕事が午前中に終わり、昼食も取らずに12時10分発の高速乗合バス「しまなみライナー」で福山へと向かう。
バスは予定の時刻よりちょっと遅れたものの、午後2時前には福山駅前に到着した。
よしっ。ねらいどおりだ。
この時間であれば、まだ「稲田屋」が開いている。
福山と言えば、呑兵衛の間では「自由軒」と「稲田屋」が両巨頭なんだけど、「自由軒」が11:00から22:00までの通し営業なのに対して、「稲田屋」は昼の部が11:00から14:50、夜の部が16:00から19:40と、1時間ちょっとの中休みがあるのだ。
『なんだ。ほんの1時間ほどじゃないか』
と思われる方も多いでしょうが、福山そのものが目的地である場合はいざ知らず、福山を経由して今治方面に向かったり、その帰りに福山から東京方面に向かったりする場合には、その乗り換えの時間帯と、「稲田屋」の中休みの時間帯とが、なぜか一致してしまい、なかなか行くことができないのだ。
そもそも夜の営業時間が午後7時40分までと早いから、福山そのものが目的地の場合でも、なかなか営業時間内に到着することはむずかしいのである。
東京からダイレクトに福山に行ったり・帰ったりする「のぞみ」は1時間に1本しかなくて、「しまなみライナー」も基本的に1時間に1本しかない。このことも、なかなか営業時間内に来れない原因のひとつなんだろうなぁ。
そんなわけで福山駅から早足で歩いて、「稲田屋」に到着したのは午後2時過ぎ。
平日ということもあってか、店内には先客はいない。こんな「稲田屋」、初めて見た!
入口から見て左手奥の、厨房も見える席に座り、まずはビール大ビン(650円)を注文すると、「大ビンはアサヒとキリンがありますけど……」とおねえさん。
今日はアサヒをいただいた。小ビン(450円)はアサヒしかないそうだ。
つまみには名物の「関東煮」(1本160円)を白2本、黒2本で。合わせて「ねぎ(きざみ)」(100円)ももらう。
「関東煮」というのは、この店独自の『甘みがとても強い牛もつ串煮込み』のこと。白はシロ(腸)、黒はフワ(肺)なんだけど、黒のほうは1本の串にフワ、シロ、フワ、シロ、フワと順番に刺さっているので、黒をもらうと両方を味わうことができる。
だからこの店にやってくる福山っ子たちは、白や黒を指定することはほとんどなくて、「肉うどんと3本ね」といった感じで、『主食+関東煮を数本』というたのみ方をする。「3本」と指定する人が多いようだ。
出てきた「関東煮」は串から外して、別に注文した刻みネギと七味唐辛子をたっぷりとかけていただく。これがうまいっ。
最初は強烈な甘さに驚くが、この甘さが逆にクセになってしまうのだ。
久しぶりなので、ゆっくりといただこうと思うんだけど、ついつい箸が伸びてしまい、あっという間に完食。
「肉皿」(650円)を追加注文すると、「関東煮」同様、これもあっという間に出てきた。この料理の出の速さも、「稲田屋」の大きな特長ですね。
その「肉皿」をつまみながら、壁のメニューを再確認していると、そこに見慣れぬ「限定ハンバーグランチ」(850円)という短冊がかかっている。
「あれっ? こんなのありましたっけ?」
と聞いてみると、これは12月に入ってから試行中の新メニューとのこと。
試作したハンバーグを常連さんに食べてもらってみたところ、評判がよかったので出してみているそうだ。
うまくいけば続けるし、あまり出なけりゃやめるとのこと。「稲田屋」の新メニューを食べてみたい方は、ぜひ今のうちにお試しください。
中休みの前まで、さっくりと45分ほど楽しんで、今日のお勘定は2,040円でした。どうもごちそうさま。
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