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訃報・河本眞寿美さん … 「河本(かわもと)」(木場)

黒ホッピー


 木場「河本」の二代目店主・眞寿美さんが2018年1月24日(水)に亡くなられた。82歳だった。

 あんちゃん(眞寿美さんの弟)が様子を見に行って、いつものように寝てると思ったら、すでに亡くなられていたそうだ。

 眞寿美さんが熱中症になったのをきっかけに、「河本」は2015年7月から休業状態になった。

 熱中症はすぐに治ったのだが、その間に、あんちゃんの目の調子が悪くなって料理を作るのがむずかしくなり、休業は長引くことになった。

 休業から1年3ヶ月。2016年9月末に、「河本」の仮営業が始まった。

 火・木・土の、週に3日だけの営業。

 お店を切り盛りするのは、あんちゃんの奥さんである政子さん。つまり眞寿美さんの義理の妹さんだ。

 眞寿美さんも、調子がいいときには奥から顔を出し、厨房の近くに置かれた専用のイスに座って、お客さんたちと談笑されていた。

 私自身、このところしばらく行くことができていなかったので、「そろそろ行かなきゃな」と思っていたところだった。

 後悔先に立たずとは、まったくこのことだ。

 ホッピー(400円)をもらって、店内のお客さんたちと献杯する。

 眞寿美さん、あんちゃんがお元気だったころのメニューは、名物の「にこみ」(400円)を中心に、「やっこさん」(大200円、小100円)や「かけじょうゆ」(400円)、「しおから」(200円)などが並んでいた。

 仮営業後は、「にこみ」や「かけじょうゆ」はなくなり、今は「とり手羽元と大根煮」(200円)、「とうふ(=やっこさん小)」(100円)、「さつまあげ」(100円)、「ちくわ」(100円)、「ソーセージ」(100円)、「かわきもの」(100円)などの品ぞろえとなっている。

 「とり手羽元と大根煮」を注文したところ、すでに売り切れ。代わりに数種類が選べる「さつまあげ」の中から、「野菜さつま」をいただいた。

 こうして飲んでると、今にも眞寿美さんがひょっこりと顔を出してくれそうな気がしてならない。

 眞寿美さんとこの店の空間、そしてホッピーと煮込みは、すべてが一連のセットとして、私の頭に刷り込まれてしまっているのだ。

「少しですけど、これをどうぞ」

 鍋の底に残っていた、少量の「とり手羽元と大根煮」を政子さんが出してくれた。

 それに合わせて、黒ホッピー(400円)をもらって〆とした。

 お勘定をお願いすると、「とり手羽はサービスなので900円です」と政子さん。それではあまりに悪いので、ちょうど1,000円とさせていただいた。

 どうもごちそうさま。また来ますね。>眞寿美さん

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ホッピー(2016年に撮影) / さつまあげ / 少量の手羽元煮

店情報前回

《平成30(2018)年2月1日(木)の記録》

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コメント

私も最近行けてなかったので残念です。歴史ある大衆酒場も、これから後継がいなかったり、代替わりなどで雰囲気や客層が変わっていってしまう店が多くなってしまうのだろうなぁ。雰囲気や客層が変わればそれは同じ店ではないのだけれど。

投稿: かぶき | 2018.02.06 09:55

ご冥福をお祈りいたします。
あの照れて笑うお茶目な眞寿美さんの姿が、まぶたに浮かんできます。どうぞ安らかに、また時に毒を吐きながら、天国にも幸せを振りまいてほしいと思います。
またあの空気を味わいに、木場まで足を伸ばします。

投稿: 祝 | 2018.02.06 19:17

コメントありがとうございます。>かぶきさん、祝さん

「河本」の奥の間には、眞寿美さんのお仏壇があって、お線香をあげることができます。

投稿: 浜田信郎 | 2018.02.07 08:00

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 江東区への出張の帰りにやって来たのは木場の「河本」だ。  亡くなった女将の眞寿美さんに代わり、現在は義妹の政子さんがお一人で切り盛りしている。  料理を担当されていたあんちゃん(眞寿美さんの弟さん)の目の調子は、相変わらず良くなくて、今夜も奥の厨房の上がり框(かまち)のところに座っているだけだった。でも、そこにあんちゃんがいると思うと、安心だね。  そんなわけで、メニューもとってもシンプルになっ... [続きを読む]

受信: 2018.11.29 14:01

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