呉の夜を締め括るのは … 屋台「一二三(いちにっさん)」(呉)
呉の夜を締め括るのは、やっぱり屋台。
なかでも呉に単身赴任しているときに通いつめたのがここ。昭和51(1976)年創業の「一二三」である。
創業当時、近くに「ひふみ」という屋台があったため、ここ「一二三」は、「いちにっさん」と読ませるようにしたそうだ。
でも、今はその「ひふみ」はなくなったので、この屋台のことを「一二三(ひふみ)」と呼んでる人も多い。
「よう来たのぉ。元気なんか?」
まるで昨日もやって来ていたかのように、ごく自然に笑顔で迎え入れてくれるのは、女将の山口槇子さん(72歳)。
呉の沖合にある島(
そこでは、男女の言葉の差があまりなかったんだそうで、文字で書くと男性の言葉のような感じになるのである。
「焼酎のロックと、おでんはスジと厚揚げをください」
「よっしゃ。おいさん、焼酎のロックじゃ。おでんはスジと厚揚げじゃの」
注文を受けると「よっしゃ」と応えるのが女将の口ぐせ。
「おいさん」と呼び掛けているのは、ご主人の俊樹さん(77歳)のこと。女将を手伝って、飲みものやラーメンを作ってくれるのだ。
元会社員だったご主人は、開業当初は客商売は苦手で、お客さんが来るとスゥ~ッと陰に隠れたりしていたそうだ。
創業から40年を過ぎた今では、お二人の役割分担も板についている。
焼酎(400円)は麦焼酎「いいちこ」。飲みものは他に、ビール(キリンラガー中瓶、550円)と酒一級(白牡丹、400円)がある。
おでんは、きんちゃく(150円)以外は、すべて100円だ。
店主ご夫妻がご高齢になってからは、毎週、金曜日と土曜日の2夜だけの営業になっていたが、少し前に、麺を茹でる大鍋が倒れて女将が火傷をしたりしたこともあって、しばらく休業していた。
このまま閉店しちゃったらどうしようと心配したものだが、無事に再開となった。今回、もっとも来たかった酒場なのだ。お二人ともお元気そうで、本当に安心した。
店内には若いお客さんも多くて、今も相変わらずの大人気店のようだ。
おでん以外の料理は、ホルモン(750円)、豚足(600円)、豚耳(600円)、メザシ(450円)、ナスビ(350円)、中華そば(ラーメン、500円)の5品。
なかでも名物なのは、豚足と中華そばの2品。
しかしながら、足1本分の豚足は、ちょっとボリュームが多過ぎるので、今日は豚耳を注文して、焼酎ロックもおかわりした。
豚耳は、ゆで冷ました豚の耳を、細くスライスして、塩コショーで味つけしながら、鉄板で炒めたもの。最後に刻みネギも混ぜ込んで仕上げてくれる。焼酎が進む一品だ。
本当は最後にラーメンで〆たかったんだけど、もうお腹いっぱい。次回のお楽しみに取っておくことにした。
今夜のお勘定は1,600円。屋台を出たら、もう午前2時でした。
どうもごちそうさま。お休みなさい。
豚足の下ごしらえをする女将 / 鉄板上の豚足 / まだまだにぎわう午前2時
| 固定リンク
コメント