定食の副菜で飲める店 … 居食屋「声聞(せいもん)」(今治)
今治への出張で、やって来たのは、居食屋「声聞」。
ここは、うちの今治支部の方にご紹介いただいた酒場で、今回が2度めの訪問だ。
同行のKさんは芋焼酎(白波、400円)を湯割りで、私は生ビール(中ジョッキ、500円)をいただいて乾杯すると、すぐにお通し(サービス?)の「サヨリぬた」が出される。
おつまみとして、私はホワイトボードに手書きされている「日替おすすめメニュー」の中から、「イギス豆腐」(500円)を注文した。
イギス豆腐というのは、今治市を中心とした瀬戸内海地方に伝わる郷土料理。
イギスは、浅い海の岩などに生える海藻(かいそう)のこと。これを生大豆粉と一緒にだし汁で煮溶かして、寒天のように冷やして固めた料理がイギス豆腐なのだ。
この店のイギス豆腐には、てっぺんにゴマも付いている。
ここから20キロほどのところにある、うちの故郷(いなか)でも、イギス豆腐はよく食べられていた。子供のころから慣れ親しんだ、懐かしい味なのである。
Kさんは、「せんざんぎ(鳥唐揚げ)」(600円)と、なんと「野菜いため定食」(800円)を注文した。
この店のメニューには、焼き鳥や一品料理などのつまみ物の他に、9種類ほどの定食(800~1,200円)や、うどん、丼物なども並んでいて、食事だけのお客さんもいる。
だから、店の肩書も、居酒屋じゃなくて、居食屋としてるんだろうな。
そして出てきた「野菜いため定食」を見て驚いた。
野菜炒め、ごはん、みそ汁、漬物の他に、なんと副菜が4品も付いていて、しかもそれぞれボリュームが多い。
これら副菜4品のセットを、それぞれ単品で注文したら、軽く800円を超えてしまうんじゃないかなぁ。
これはいい。私も定食にしよう!
9種類の定食の中には、「焼とり定食」(850円)、「とんかつ定食」(850円)などのように、主菜の内容がすぐにわかるものもあるが、「焼魚定食」(1,000円)、「刺身定食」(1,200円)などのように、その内容が日によって変わるものもある。
そんな中に「おまかせ定食」(1,000円)というのもある。
これはなんだろう?
さっそく女将さんに尋ねてみると、「さぁ、なんでしょうねえ(笑)」という返事。
なるほどこれは面白い。さっそくその「おまかせ定食」を注文した。
待つことしばし。出てきた「おまかせ定食」の主菜は「豚の生姜焼き」だった。
副菜はやっぱりKさんのと同じく4種類。「おから」、「ひじき」、「小松菜とお揚げの煮びたし」、「サワラの南蛮漬け」だ。
合わせるお酒として、麦焼酎(二階堂、400円)のロックをもらう。
副菜の多い定食と言えば、今はなき「はまや食堂」の「特別定食」(980円)を思い出す。
この「特別定食」は、おかずは日替り。主菜1品に副菜2品。その他に食後にフルーツが出される。
酒類とともに「特別定食」を注文し、「ごはんとみそ汁は後で」とお願いしておくと、料理を1品、また1品と、順に出してくれるので、私はこれを『大衆食堂のフルコース』と呼んで、毎晩のように出かけたものだった。
そんなことを思い出しながら、麦焼酎のロックをもう1杯。
最後は、「ごはん」、「みそ汁」、「漬物(春キャベツ)」で締めくくって、今宵のお勘定は二人で5,000円(ひとり2,500円)でした。
どうもごちそうさま。
せんざんぎ(鳥唐揚げ) / 二階堂ロック / 主菜:豚しょうが焼き
・店情報
(次回)20.03.28 呑んべえ向けの夜定食 … 居食屋「声聞(せいもん)」(今治)
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