カツオ生を塩タタキで … ろばた焼「仙樹(せんじゅ)」(高知)
高知に来たらカツオは食べて帰らないとねえ。
この店の「カツオ生」(1人前5切れで1,400円)は、刺身、タタキ、塩タタキという3つの食べ方が選べる。
昔からよく知られる一般的なタタキは、表面を炙って厚めに引いたカツオに、ニンニクスライス、玉ネギ、ミョウガ、大葉などの薬味をたっぷりとのせて、ポン酢醤油をかけ、手でパタパタと叩いてなじませてからいただくもの。
手で叩くからタタキと言われてるんだって。
このポン酢醤油の代わりに
この店では、カツオの身と具材とは別々になるように盛りつけられている。
カツオの身をひと切れ、取り皿にとって、その表面にワサビを塗る。そこにニンニクスライスと刻みネギをのせ、添えられた粗塩を振りかけていただく。
これがこの店の塩タタキの食べ方だ。
ガツンとくるニンニクの味わいが決め手なんだね。
でも1,400円で5切れとは! 高知のカツオは高いなあ。
今日は、松山駅の「かけはし」で、「じゃこてんうどん」(500円)を食べてから高知に向かおうと思ってたんだけど、店頭のメニューで「日替りランチ(豚のしょうが焼き丼ミニ、かけうどん付き)」(500円)を見て、そちらにすることに決定。
すっかり満腹になってから、高知行きの高速バスに乗り込んだ。
『松山から高知に行く高速道路なんてあったっけ?』
子供のころのイメージのままだと、松山から高知に行くには、国道33号線にそって南下し、四国山地を超えて、吉田類さんの生まれ故郷である仁淀町などを通過して高知に出るというコースしか思い浮かばない。
ところが松山自動車道(高速道路)に入ったバスは、グイグイと東に向かい始めた。
このままだと高松に行っちゃうんじゃないかと思い始めたころに、やっと南下して四国山地超えが始まった。
こんなところに高速道路(高知自動車道)があったんですねえ。初めて知った。
松山駅前を出発して3時間弱。高知駅前に到着した。
ホテルにチェックインして、ひと休みしたあと、東京から直接やって来たK村さんと一緒に、ろばた焼「仙樹」にやって来たのでした。
店内にはカウンターもテーブル席もあるんだけれど、二人でやって来た我われはカウンター席に通された。
まずは「生ビール(中)」(550円)をもらって乾杯すると、お通しはひとりに1個ずつの殻付き生ガキだ。これはいいねえ。
この店は炉端焼きと郷土料理を中心とした居酒屋。
カウンター上には、焼きものの素材や、郷土料理の大皿などがずらりと並んでいる。
ちょうど我われの目の前が、魚の干物置き場だったので、まずはそこに並んでいる干物から、「はだかちゃん」(3匹400円)、「めひかり」(4匹600円)を炙ってもらう。
「はだかちゃん」というのは、ハダカイワシのこと。「やけど(火傷)」と呼ばれることもあるそうだ。
飲みものを「土佐鶴」の燗酒を大徳利(600円)でもらって、つまみには冒頭でご紹介した「カツオ塩タタキ」(1,400円)と「のれそれ」(800円)を注文した。
「のれそれ」はアナゴの稚魚。小鉢にちょろっと盛られてこの値段だ。高級魚になっちゃったねえ。
それにしても、さっきの「はだかちゃん」といい、この「のれそれ」といい、知らない人には何だかわからない品物が多い。
他には「どろめ」(イワシの稚魚)、「流れ子」(トコブシ)、「グレ」(メジナ)、「おじさん」、「チャンバラ」(マガキガイ)などもそうだ。(ちなみに店のメニューには、カッコ内の説明書きはない。)
燗酒をおかわりしながら、大皿の「イタドリ」(500円)や「
「にろぎ」はなぜかメニューには載っていない。
カウンター上の干物のとなりに、トマトがどっさりと盛られているんだけど、その形が1個1個、とっても
「これはどうやって食べるんですか?」
とカウンターの中のおにいさんに聞いてみると、
「そのまま食べてもらってもいいですよ」
という返事だったので、「じゃ、二つもらいますね」と声をかけて、美味しそうなのを選んで、豪快まるかじりである。
二人で燗酒(大)を4本あけてから、店名が冠された「仙樹おにぎり」(2個350円)を1個ずつシェアして〆とした。
3時間弱楽しんで、今夜のお勘定は二人で9,100円(ひとり当たり4,550円)でした。どうもごちそうさま。
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